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2020-09-07
登録販売者必見!記憶に残る漢方・生薬の覚え方
・Before
・After
登録販売者試験の範囲でも覚えるのが難しい漢方・生薬。資格取得を目指している方はもちろんですが、すでに資格をもっている方にも必要な知識です。この記事では、漢方・生薬の重要性や記憶に残る覚え方、漢方の知識をどのように生かせるのかについて紹介していきます。
漢方・生薬の重要性
登録販売者の資格取得を目指していても、漢方・生薬は難しく覚えづらいため、捨てる選択をする方も多くいます。
しかし、ここ最近の傾向として、試験での漢方・生薬の設問数が増えてきているのです。
医薬品分野である第3章「主な医薬品とその作用」は配点も全体の1/3と非常に高いため、捨てるのはもったいないと言えるでしょう。加えて漢方や生薬の知識は、資格取得後、実際にドラッグストアや漢方薬局で働くうえでも必要です。
多くの登録販売者は漢方・生薬に苦手意識を持っています。ほかの登録販売者とも差をつけやすいので、おさえておきたい分野です。
【事例あり】記憶に残る漢方・生薬の覚え方
漢方・生薬の学習に多くの方が苦手意識をもっている原因は、難しい漢字が使われて覚えにくかったり、漢方の作用がピンとこなかったりするためです。
日本で使われている漢方は約150種類ですが、ドラッグストアで取り扱いがあるものはごく一部。登録販売者試験でよく出題される漢方・生薬も、取り扱いの多いものの中から出題されます。
ここでは漢方・生薬の効率的な覚え方を紹介するので、参考にしてみてください。
【これだけは覚えたい】頻出生薬
漢方は、お客さまの体質や体調、症状などに合わせて生薬を配合します。登録販売者試験では、とくに以下3つの生薬が含まれている漢方薬の問題が出題されることが多いため必修です。
・甘草(カンゾウ)
・麻黄(マオウ)
・大黄(ダイオウ)
これらは漢方薬の名前の一部になっていることも多い生薬です。3つの生薬の作用を覚えておけば、どんな症状に効くのかイメージできるので、数ある選択肢のなかから絞ることができます。
・甘草(カンゾウ)
風邪の諸症状を緩和します。また痛みをやわらげる働きがあるので、喉の痛みや咳、胃痛にも適しています。グリチルリチン酸と同じような作用があり、漢方の約7割近くに配合されています。
・麻黄(マオウ)
ぜんそくや気管支炎等の症状をやわらげます。加えて風邪の諸症状の緩和やむくみを予防する作用もあります。エフェドリンの原材料です。
・大黄(ダイオウ)
便秘や腹痛、利尿異常、黄疸などの緩和に用いられます。
名前と作用の語呂合わせで覚える
漢方の名前と作用を結びつけて、語呂合わせで覚える方法もおすすめです
語呂合わせを考えたり、なんとなく暗記したりするうちに定着することもよくあります。
<例>
「小柴胡湯」は、食欲不振や吐き気、胃痛の緩和に適しています。加えてインターフェロン製剤で治療を受けている方は、服薬前に相談が必要です。
「彩子(柴胡)はみぞおちがいんたーい※(痛い)ときに飲みましょう」と覚えてみてはいかがでしょうか。
※インターフェロン
名前の漢字から連想して覚える
漢方の名前から作用を連想して覚えるのも一つの手です。
漢方名によく使われる字の意味を覚えておくと、作用をイメージすることができます。いくつか例を紹介します。
<例>
「中」はお腹のことを表します。腹痛や胃痛に効果がある作用だと推測することができるでしょう。
<良く出題される漢方>
安中散:体力が中程度以下で、胃痛または腹痛があって、とくに胸やけや胃もたれ、食欲不振、吐き気、嘔吐などに作用する。神経性胃炎や慢性胃炎、胃腸虚弱に。
小建中湯:体力虚弱で、疲労しやすく腹痛があり、慢性胃炎や腹痛に作用する。小児の夜尿症や夜泣き等にも使われる。
<例>
「補」は気を補う、という意味で使われます。虚証の方(弱々しく体力がない方)に使う漢方なので、体力が中程度以下の方向けの漢方薬だということがわかります。
<良く出題される漢方>
補中益気湯:風邪の後など元気がなく胃腸の働きが落ちて食欲がない方に適している。食欲不振や疲労倦怠時に処方されることが多い。
十全大補湯:体力虚弱で、病後や術後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、寝汗、手足の冷え、貧血に。胃腸の弱い方には向かない。
また、生薬は動物が原材料になっているものも多く、その名前から作用を連想することもできます。
例えば「牛黄(ゴオウ)」は、牛の胆石が黄色いということが名前の由来です。「鹿茸(ロクジョウ)」は鹿の角が使われています。
動物性の生薬は、よく滋養強壮や精力剤に用いられる傾向にあります。 漢字からイメージして覚えることで、漢方・生薬の作用をイメージしたり推測したりできます。
過去問に絞って勉強する
登録販売者試験を受ける方であれば誰しもが苦労するカテゴリーの漢方・生薬。
前述した頻出生薬や漢方を覚えて一通り範囲を終えたら、過去問に絞って勉強していきましょう。
漢方・生薬は種類も多いため、全て覚えるのは非常に難しく時間も足りません。一方で試験に出題される漢方・生薬の問題は、前述した通り店頭でよく見かける漢方・生薬について多く出題されます。
過去問の重点的な勉強によって、登録販売者試験によく出てくる漢方・生薬の傾向と対策を練ることができるでしょう。
とはいえマイナーな漢方が試験に出る場合もありますが、ほかの受験生も間違えやすいため、あまり気にしすぎなくてもよいと言えます。それよりも点を取りやすい問題を取り逃さないように、過去問に出てくる頻出の漢方・生薬を確実に覚えるのが賢明です。
漢方の知識で活躍の場が広がる
漢方の知識があると、試験のときだけでなく登録販売者資格の取得後にも活躍の幅が広がります。たとえば漢方薬局で働けたり、漢方薬局を開業できたりと選択肢が増えるでしょう。
ほとんどの漢方薬は第二類・第三類医薬品なので、登録販売者であれば多くの種類を取り扱うことができます。漢方薬の服薬指導は高い専門性が必要とされることに加えて、お客さまの体質や体調も考慮しなくてはならないため難しい仕事といえるでしょう。
一方で一人ひとりのお客さまに親身になって対応できるほか、服薬の過程で感謝されることも多く、非常にやりがいも大きい仕事です。
漢方・生薬は、これから登録販売者の資格取得を目指す方はもちろん、資格取得者にとっても仕事のチャンスや可能性を広げる重要な知識と言えます。
漢方・生薬の知識を身につけて、可能性を広げよう
登録販売者試験のなかでも、漢方・生薬は覚えにくく難しいため、最初から範疇外にしてしまう方も多い分野です。
しかし近年の登録販売者試験では漢方・生薬の設問が増加傾向にあります。
苦手意識をもつ方も多い漢方・生薬の知識を身につけておけば人と差がつき、試験はもちろん、資格者として店頭に立つ時も役立つことでしょう。
覚え方として、まずは頻出の生薬を記憶し、語呂合わせや漢字から作用をイメージしていきましょう。漢方・生薬は、種類が多く覚えるのも大変ですが、過去問からの類似問題がよく出題されるので必ずおさえておきましょう。
漢方の知識があれば、ドラッグストアだけでなく漢方薬局で働くこともできるため、活躍の場が広がります。今後の可能性を広げる知識だと思って、一つひとつ確実に覚えていきましょう。
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