登録販売者試験
2021-06-29
登録販売者試験の難易度は都道府県ごとに違うの ?勉強方法についても解説
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登録販売者試験は、医療系資格試験の中では「受験しやすく、合格しやすい」とされる資格といわれていますが、実際のところはどうなのでしょうか。 今回は、登録販売者試験の難易度や合格率、合格基準などを解説するとともに、各試験項目の内容や点のとりやすさ、合格に向けた勉強方法を紹介します。勉強を始めるときに役立つ「優先的に勉強すべき試験項目」についても解説しているので、勉強の方向性について悩んでいる方は参考にしてみてください。
公開日:2020年6月29日
更新日:2021年6月29日
登録販売者試験は難しいのか
登録販売者試験は、合格率が50%以下であるため難しい試験と思われがちですが、合格基準点を満たせば何人でも合格できる試験です。だれでも必ず受かる試験とはいい難いですが、しっかり勉強すれば合格できる試験です。
登録販売者試験の合格率はどれくらいなのか
登録販売者の全国の合格率は、40%台で推移しています。2015年以降毎年少しずつ合格率が低下していますが、これは制度改正にともない実務経験のない受験生が増えていることも影響していると考えられます。
一方で、各都道府県の合格率は年度により大きく異なります。参考までに、2020年度(令和2年度)に合格率が一番高かった広島県と、一番低かった埼玉県の合格率を年度ごとに下表に示します。
全国平均 | 広島県 | 埼玉県 | |
---|---|---|---|
2020年度 | 42.55% | 58.1% | 30.1% |
2019年度 | 43.6% | 46.6% | 23.3% |
2018年度 | 41.3% | 34.4% | 32.4% |
2017年度 | 43.5% | 36.9% | 38.4% |
2016年度 | 43.7% | 38.3% | 31.5% |
2015年度 | 45.9% | 42.4% | 40.1% |
2014年度 | 43.5% | 42.7% | 29.1% |
2013年度 | 46.9% | 44.3% | 41.5% |
2012年度 | 43.7% | 37.4% | 28.8% |
2011年度 | 47.2% | 49.8% | 38.3% |
2010年度 | 47.3% | 58.1% | 40.9% |
2009年度 | 47.4% | 54.0% | 35.4% |
2008年度 | 64.5% | 80.7% | 77.9% |
登録販売者試験の試験項目の特徴
登録販売者試験の各試験項目について、問題内容や特徴、点のとりやすさや勉強方法などを解説します。
なお、実際の試験は120分×2部形式にておこなわれます。
1部(午前の部)が120分間で計60問、2部(午後の部)が120分間で計60問を解く構成となっており、各部が60問になるように次に紹介する5つのカテゴリが組み合わされます(都道府県にとって組合せ方は異なるため注意が必要です)。
医薬品に共通する特製と基本的な知識(20問)
「医薬品の効果や安全性に影響を与える要因に対する理解」「医薬品購入者に対し、医療機関の受診も含めた適切な助言を行うことができるか」「薬害の歴史に対する理解」などが問われます。
常識的な問題が多いので、得点を獲得しやすい項目です。できれば9割以上の正答率を目指しましょう。
人体の働きと医薬品(20問)
「人体の構造と働き」「薬が働くしくみ」「副作用の症状」に関する知識が問われます。
出題範囲が広範囲にわたり暗記すべき内容も多いですが、人体の構造などについてはイラストを活用すると理解しやすくなります。
主な医薬品とその作用(40問)
一般用医薬品に含まれる主な成分に関する知識だけでなく、年齢や基礎疾患に応じた対応、安全性や効果に影響を与える要因や副作用に関する理解が問われます。駆虫薬や検査薬、漢方に関する知識も必要です。
こちらの試験項目は、問題数も試験時間も、他の試験項目の2倍です。また、必要とされる知識量がかなり多いので、後回しにすると試験までに勉強が追いつかない可能性があります。登録販売者試験の要ともいえる試験項目なので、計画的にコツコツ勉強しましょう。
薬事関連法規・制度(20問)
「薬事法や医薬品販売に関する法令」「医薬品の分類や取扱い」等に関する知識が問われます。法令は数年に一度は改定されるので、過去問だけで対応するのは困難です。最新の情報を入手して勉強するようにしましょう。
医薬品の適正使用・安全対策(20問)
「医薬品の添付文書等の情報を適切に把握し情報提供に役立てることができるか」「副作用被害救済制度等に関する知識を持っているか」といったことに関する知識が問われます。得点を獲得しやすい項目なので、確実に正解するようにしましょう。
登録販売者試験に合格するための勉強方法
登録販売者試験に合格するために、効率よく勉強を進める方法をいくつか紹介します。
優先順位をつけて勉強する
覚えるべきことが多く、知識がなければ解くことができない試験項目の勉強を後回しにすると、十分な対策を講じることができません。試験直前に慌てることがないように、優先順位をつけて勉強するようにしましょう。
おすすめは、「主な医薬品とその作用」→「人体の働きと医薬品」→「薬事関連法規・制度」の順です。特に「主な医薬品とその作用」の内容は一度にまとめて勉強できる量ではないので、毎日少しずつ勉強するようにしましょう。なお、残りの2項目は覚える内容が比較的少なく、常識的に考えれば解ける問題も多いので、休日などに一気に勉強すれば大丈夫です。
過去問を解く
テキストで知識をインプットすることも大切ですが、問題を解くことによるアウトプットがなければ知識が定着しません。勉強がある程度進んだら、必ず時間を計って問題を解く練習をしましょう。
登録販売者試験は、都道府県ごとに問題が異なります。出題傾向も若干違うので、希望する受験地の過去問を何度も解くようにしましょう。多くの受験生は、試験直前3ヶ月前からひたすら過去問を解くことを繰り返しているようです。
勉強する環境を整え、効率よく勉強する
時間を上手に使って、毎日勉強する習慣をつけましょう。たとえば、起床時や就寝前の30分間を勉強に充てる、通勤・通学時の時間を勉強に利用する等、日常生活の一部に組み入れてしまうと、無理なく継続することができます。
身近なものや印象に残りやすいものを利用して学習する
ドラッグストアなどに勤務している人は、休憩時間などを利用して店舗のおすすめ医薬品の成分などを調べてみましょう。また、自宅にある医薬品の添付文書などをチェックするのもおすすめです。
テキストは、わかりやすい図表を取り入れているものや、カラー印刷のものを使うと印象に残りやすいです。
ただし、テキストを何冊も買いそろえるのはやめましょう。どのテキストも厚生労働省の「試験問題作成に関する手引き」をもとに作成されているため内容に大きな差はないと思われます。自分に合うテキストを選ぶのが良いでしょう。
まとめ
登録販売者試験の合格率は例年40%台ですが、合格基準を満たせば何人でも合格できる試験です。試験項目は5つありますが、得点しやすい項目を確実に正解すれば合格しやすいです。一方で、医薬品や人体の構造等に関する項目は覚えるべきことが多く大変なので、なるべく優先的に勉強するようにしましょう。
隙間時間などをうまく利用して勉強すれば、一発合格も不可能ではありません。将来のキャリアアップ・スキルアップを狙う方は、登録販売者試験の合格を目指しましょう。
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