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2023-07-07

<登録販売者向け>水虫の治療薬を探して来店されたお客様への対応【薬剤師に学ぶ医薬品知識】

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<登録販売者向け>水虫の治療薬を探して来店されたお客様への対応【薬剤師に学ぶ医薬品知識】

水虫はとくに梅雨から夏場にかけて多いお悩みのひとつであり、「病院にかからずに自分で治したい」というニーズが高いことも特徴です。水虫の薬には多くの種類があり、症状に応じた提案ができるかどうかが登録販売者の腕の見せどころ。 さらに、判断を誤れば症状を悪化させてしまう可能性もあるため、十分に周辺知識を身につけておくことが大切です。 この記事では、水虫の症状と種類の見分け方や隠れたリスク、また実際に店頭にお客さまが来店されたモデルケースとともに、対応方法をご紹介します。店頭で接客する機会も多いお悩みですので、ぜひこの記事を読んでスキルアップしましょう。

目次

  1. 水虫は「白癬菌」が原因の感染症
  2. 水虫の症状とは?水虫の種類の見分け方と原因
  3. 登録販売者が確認すべきこと
  4. <対応例>水虫の症状で来店されたお客さまの対応
  5. 水虫の治療薬を販売する際の注意点
  6. お客さまにセルフケアの重要性を伝えよう

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水虫は「白癬菌」が原因の感染症

水虫は白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が足の皮膚に付着することで起きる感染症です

白癬菌は皮膚のケラチンという成分を栄養素として成長し、温かく湿気の多い場所を好む傾向があります。そして、白癬菌は足裏以外にも、爪や頭皮などに感染することも……。

近年では、通気性の悪い靴やブーツの着用で1年中ずっと水虫に悩まされる方も少なくありません。よくある身近な症状のひとつですが、水虫とは一体どんな病気なのか、次の章で解説します。

 

主な感染源は?

感染源は、感染した人と同じバスマットやスリッパなどを共有したりすることで起きます。とくに公衆浴場、スポーツジム、プール、家庭内での感染リスクが高いのが特徴です。

ただし、白癬菌が足についたからといって、すぐに感染が成立するわけではありません。その日のうちに清潔に洗い流して乾燥させておけば、感染することはほぼないと言っていいでしょう。高温多湿で不衛生な状態が続くことで、感染の確率は高まります。

 

男性だけでなく女性や子どもも感染する

水虫というと、男性特有の病気と思われがち。しかし、女性や子どもも条件さえ整えば感染するので注意が必要です。

とくにブーツやストッキングの着用時間が長いと感染しやすくなるため、女性にも多い病気です。また、高齢者は感染しやすい傾向があります。

 

 

水虫の症状とは?水虫の種類の見分け方と原因

水虫の症状とは?水虫の種類の見分け方と原因

水虫の症状には趾間(しかん)型、小水疱(しょうすいほう)型、角質増殖型の3つのタイプがあり、皮が剥けたり、ジュクジュクするタイプや、ひび割れ、角質が溜まったように見える場合など症状は多岐にわたります

また、「水虫=かゆい」と思われがちですが、実はかゆみを伴う水虫は10%程度。ここでは、水虫の種類の見分け方と原因についてご紹介します。

店頭で診断することはできませんが、薬を選ぶ際の指標として参考にしてください

 

趾間(しかん)型

足の指の間の皮膚が白くふやけて、赤くジュクジュクになって皮が剥ける症状がみられます。最も多い水虫のタイプ。

4番目の趾間、薬指と小指の間から症状が始まることが多いのでチェックポイントとなります。

■原因
足の指の間の湿気、不衛生な環境が原因のことが多いタイプです。周囲に感染している人がいる可能性が高く、スリッパやバスマットの共有が原因の可能性があります

進行すると皮が剥けて、ふやけた部分に新しい水疱が生じて慢性化することもあります。

 

小水疱型

足の裏や土踏まず周辺、足のふちに小さい水ぶくれが複数できることが多いタイプです。

水ぶくれが破れると皮が剥けることもあり、ポツポツとした水疱ができて、痒みが強くなりやすいことが特徴です。

■原因
初夏~梅雨時に悪化したり、発症することが多く、秋以降は改善するパターンが多い傾向があります。

かゆみが強いと掻いてしまい、湿疹の合併や細菌感染してしまうこともあるので注意が必要です。

 

角質増殖型(角化型)

足底全体に起こり、足の裏が硬く厚くなるため単なる角質の肥厚と間違えやすいタイプです。

時にひび割れを伴うこともあり、かゆみは少ないことが特徴です。主にかかとを中心とした足裏に見られます。

■原因
加齢による免疫力の低下が関係していることが多いタイプです。夏場よりも空気が乾燥する冬の方が、皮膚がひび割れる症状が強くなりやすい傾向があります。

薬が浸透しづらいため治療が困難となりやすいので、時間をかけて治療することが大切です。

 

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登録販売者が確認すべきこと

水虫は「病院に行かずに治したい」と思う方が多く、店頭で接客する機会の多い病気のひとつです

そのため、多くの製薬会社から水虫薬が販売され、成分や剤型も多種多様に揃っています。登録販売者が店頭で対応する場合には、次のことを確認しましょう。

 

①水虫にかかるのが初めてかどうか

これまで水虫にかかったことがあるかどうかをチェックしましょう。自己判断で水虫だと思っているだけで、水虫以外の病気という可能性も……。

むやみに使用して悪化させることがないよう、「周囲に水虫の患者がいたか」「水虫にかかる心当たりがあるか」などをヒアリングするとよいでしょう。

 

②すでにお薬を使ったことがあるか

「薬をすでに使ったことがあるけど治らない」「病院の薬を使っているけど治らない」という方もいます。

薬を使っても治らない場合は、成分や剤型を変えるだけでよいのか、受診勧奨すべきか慎重な判断が必要です

 

③水虫薬でかぶれた経験がないかを確認する

実は、水虫薬が原因でかぶれてしまう人は少なくありません。とくに患部がジュクジュクしていたり、皮膚が切れているような場所に薬をつけた場合はかぶれに注意が必要です。

以前使った水虫薬でかぶれた経験がないか、そしてその製品名についても確認をするのがよいでしょう。

 

④水虫の症状から剤型を考える

水虫の治療薬の製品を見比べてみると、「軟膏タイプ」「液体タイプ」「クリームタイプ」「スプレータイプ」など様々な剤型があります。それぞれ水虫の症状別で使い分けるとよいでしょう

たとえば、カサカサした水虫は成分の浸透がよい「液体タイプ」「スプレータイプ」、ジュクジュクした水虫には患部を保護する「軟膏タイプ」「パウダータイプ」、ポツポツした水虫には広範囲に塗りやすい「クリーム」タイプがおすすめです。

逆に、切り傷があったり、皮膚がめくれて赤くなっている場合などには、水性の液体やスプレータイプを使うと滲みる可能性があるので注意しましょう。軟膏タイプ、クリームタイプは比較的どんな種類でも使いやすい剤型です。

 

 

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<対応例>水虫の症状で来店されたお客さまの対応

<対応例>水虫の症状で来店されたお客さまの対応

では、実際に店頭にお客さまが来られた状況を想定して、会話形式のやり取りを見ていきましょう。

 

◆人物データ
・30代男性
・症状:かかと水虫(角質増殖型)


お客さま:すみません。最近かかとがガサガサしていて、角質が厚くなる水虫にかかってしまったみたいなんです。

登録販売者:それはお辛いですね。角質増殖型の水虫はガサガサかかとや、ひび割れが特徴ですが、前にもかかったことがありますか

お客さま:いえ。はじめてですが、同居をしている父が同じ症状なので……。父からうつったのだと思います。

登録販売者:とくに痒みや傷口はないでしょうか

お客さま:はい、ありません。

登録販売者:それでしたら、浸透性がよくサラッとしているクリームがよさそうですね。角質が増えるタイプの水虫は、角質の奥までお薬が浸透しづらいので、角質を柔らかくする作用がある尿素配合のタイプがおすすめですよ

お客さま:では、それをいただけますか?

登録販売者:ありがとうございます。

こちらには、水虫菌の細胞膜を破壊して菌を殺すタイプの成分と、尿素、炎症止めなどが入っています。1日1回で効果が持続しますので、入浴後によく水分をタオルで拭き取り、まだ皮膚が柔らかいうちに使用してください。

また、サッと塗るのではなく、塗り込むようにするのがポイントです。厚くなっている部分だけでなく、側面も含めて広めに塗った方が効果的ですよ。

それから角質増殖型は治りにくいので、辛抱強く使っていただくことが大切です。症状がよくなったように見えても、1ヵ月程度は使ってください。ただし、1ヵ月程度使っても改善が見られなければ皮膚科の受診をおすすめします

お客さま:そうなんですね。ありがとうございます。やっぱり夏場はサンダルの方がいいのでしょうか?通勤には難しいのですが……。

登録販売者:そうですね。水虫は湿気と高温を好みますので、なるべく通気性のよい靴を選ぶようにするといいですね。職場についたらサンダルに変えてみてはいかがでしょうか?あとは、靴下をこまめに交換するのも有効です。

お客さま:なるほど。気をつけてみます!

登録販売者:また何かございましたら、いつでもご相談ください。

 

接客のポイント

今回のお客さまは、比較的年齢が若いため過去に水虫にかかったことがない可能性がありました。そのため、家族が水虫に感染されていることを確認し、初発でも水虫の可能性が高いと判断

同時に痒みが強くないことも角質増殖型の水虫の特徴と一致しています。剤型を選ぶポイントは、「角質が厚くなっていること」「傷口がないこと」です。角質が厚いので単にクリームや液体を塗り込むだけでは、十分な効果が期待できません。

そのため、角質を柔らかくする作用がある尿素を配合しているタイプのクリーム剤を選択しました。

また、水虫の薬は塗り方の指導が効果を大きく左右します。タイミングとしては皮膚が柔らかくなっている入浴後の1日1回塗布がよいでしょう。さらに、症状が出ていないように見えても白癬菌がいる可能性があるため、広範囲に丁寧に塗り込むように指導しました。

最後に、水虫は再発する可能性が高い病気です。症状の悪化、再発を防ぐための生活習慣のポイントもお伝えするようにしましょう

なお、水虫の患者さまは「水虫=恥ずかしい病気」と思っていることも多く、とくに女性や若い男性などは会話する際の声の大きさや周囲への気配りも必要です。

プライバシーに配慮して、お客さまが安心して相談できる雰囲気をつくるよう心がけましょう

 

 

水虫の治療薬を販売する際の注意点

水虫の治療薬を販売する際の注意点

水虫はよくある病気だからと、軽く見られてしまいがち……。しかし、水虫は治療に時間がかかることが多く、再発も繰り返しやすい病気なので決して軽視してはいけません。ここでは、水虫の治療薬を販売するときの注意点を解説します。

 

①本当に水虫なのかどうかを慎重に判別する

水虫と似た病気と間違えてお薬を販売してしまうと、その病気を見過ごして悪化させてしまう可能性があります。とくに強い痒みを訴える場合は、水虫以外の可能性も。

また、夏に悪化するといった季節変動がない場合も、水虫でない可能性が疑われます。水虫かどうか判断に迷う場合には、皮膚鏡検を受けられる皮膚科の受診を促すことが大切です

 

②根気よく治療を続けるよう促す

水虫の治療は最低でも2週間程度かかり、見た目にはきれいに治っていても、白癬菌が残っていることがあります。自己判断で早めに切り上げてしまって再発するケースが非常に多いため、最低でも1ヶ月は薬を塗り続けてもらうよう指導することが大切です

また、厄介なことに家族に感染者がいると、治っても再感染する可能性があります。バスタオルやバスマット、スリッパの共用を避けるなどして家族みんなで協力し、水虫の感染対策を行うように指導しましょう

 

③基礎疾患や併用薬を確認

水虫は免疫力の低下が関係していることも多くあります。とくに糖尿病の患者さま、免疫抑制剤などで免疫力が低下している患者さまは、水虫に感染しやすいとされています。

水虫は基礎疾患が関わっていることもお客さまに説明し、難治性の場合には皮膚科に相談するよう促しましょう

 

④爪白癬を合併していないか

水虫の患者さまの中には、爪白癬(爪水虫)を合併しているケースも多くあります。爪白癬は市販薬では治療できず、原則として飲み薬での治療が必要です

爪の色が変わっている、異常に厚くなっているなどの異常があるならば、皮膚科を受診するように伝えましょう。

 

 

お客さまにセルフケアの重要性を伝えよう

水虫の根本的な治療のためには「お薬を毎日欠かさず使うこと」「お客さま自身によるセルフケア」に加えて、「再感染の防止対策や基礎疾患」にまで配慮する必要があります。

なかでもセルフケアをいかに徹底するかが、水虫薬の効き目を大きく左右します。水虫の特性をよく理解し、「患部を乾燥させる」「清潔を保つ」などの指導を丁寧に行うことも登録販売者の大きな役目。

また、お薬の塗り方についても「広範囲に塗る」「毎日続ける」などポイントを絞って伝えることが大切。梅雨から夏にかけて増える水虫の患者さまに、一歩踏み込んだアドバイスができるよう知識のアップデートを行っていきましょう

 

【執筆者プロフィール】

笹尾真波様 

氏名:笹尾真波

薬剤師兼フリーライター。大学院卒業後は、製薬会社、調剤薬局、ドラッグストア併設店舗などに勤務し、日本チェーンドラッグストア協会主催登録販売者継続研修の教材テキスト作成にも携わる。

現在はライターおよびアドバイザーとして、健康関連、美容医療、サプリメント、漢方、アロマなど、幅広く執筆活動、監修等を行っている。

 

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