登録販売者の働き方
2020-04-21
登録販売者のスキルアップにはどんなキャリアが必要?
・Before
・After
一般用医薬品を販売する店舗では、店舗を管理する「店舗管理者」を配置することが義務として定められています。店舗管理者になるには、薬剤師か登録販売者の資格が必要です。さらに登録販売者は実務経験を積んで「店舗管理者要件」を満たす必要があります。 また、店舗管理者として店舗運営をする場合に備え、接客スキルや在庫管理業務などに関する知識を習得しておくことも重要です。今回は、登録販売者が店舗管理者としてキャリアアップする方法について解説します。
※2020年3月16日に公開した記事ですが、2020年4月1日の省令を受けて追記、その他の部分も修正して2020年4月21日に再度公開しました。
登録販売者は実務経験を積んではじめて一人前
2015年、登録販売者試験を受けるための条件が大幅に緩和され、受験時に学歴や実務経験を問われなくなりました。そのかわり、試験に合格しただけでは「研修中」の扱いになり、一人で売り場に立つことができません。試験の合格に加えて2年の実務経験を積むことで、店舗管理者要件を満たすと、一人で医薬品の販売をおこなえるようになります。
ここでは、登録販売者になるために必要な実務経験の内容と、実務経験年数の計算方法について解説します。
研修生として実務経験を積む
実務経験が24ヶ月に満たない場合には、「研修生」として働きます。薬剤師または登録販売者のもと、過去5年以内に2年以上かつ累計1920時間以上の実務・業務経験を2年以上積んではじめて、研修が外れた登録販売者になることができます。
実務経験を積む際の雇用形態は、正社員・パート・アルバイトのどれでも構いません。ただし、週末だけのアルバイトや時短勤務のパートなど、勤務時間が少ない場合には「累計で1920時間以上の実務・業務経験」という条件を満たすことが難しくなるので注意しましょう。
なお、研修期間中であっても、薬剤師または登録販売者の管理・指導のもとであれば、医薬品の販売に従事することができます。
実務経験年数の計算方法
実務経験は時間単位で計算することになっていて、累計で1920時間以上の勤務実績が必要です。2年の従事期間は連続している必要はありません。過去5年間に合計2年以上の実務経験があれば要件を満たすことになります。
過去5年間の実務経験の記録(実務証明書)については、実務経験を積んだ職場に申請すれば発行してもらうことができます。勤務中の職場はもちろんのこと、退職した職場であっても申請は可能です。



店舗管理者になりキャリアアップ!
次は、登録販売者のキャリアアップにもつながる「店舗管理者」について説明します。
店舗管理者の職務内容
店舗管理者は、その名のとおり店舗を管理する責任者のことです。主な職務内容は下記のとおりです。
- 勤務している薬剤師・登録販売者およびその他すべての従業員の監督
- 店舗の構造設備および医薬品などその他の物品管理、業務に必要とされるものに関する注意喚起
- 保健衛生上の支障が生じないよう、店舗販売業者に対して必要とされる意見を述べること
店舗管理者になるためには実務経験が必要
登録販売者が第一類医薬品を取り扱う店舗の店舗管理者になるためには、過去5年間に第一類医薬品を販売する店舗において、累計2880時間以上の経験を積む必要があります。ただし、第一類医薬品を販売している店舗には必ず薬剤師がいるので、登録販売者が店舗管理者になるケースはそれほど多くありません。
一方、第二類・第三類医薬品を取り扱う店舗の店舗管理者になるためには、過去5年間に合計2年以上かつ累計1990時間以上の実務経験が必要です。この場合、実務経験の期間に登録販売者であることは必須ではありません。
また、第二類・第三類医薬品を販売する店舗では、営業時間中に店舗管理者要件を満たす登録販売者か薬剤師を必ず一人以上配置する必要があります。そのため、店舗管理者要件を満たす登録販売者は、就職・転職でとても有利です。
また、店舗管理者になれば医薬品販売の責任者として重要な職務を任されることになります。実務経験の少ない登録販売者や一般の従業員の指導にもあたります。そのため、店舗管理者は非常にやりがいのある魅力的な仕事といえます。

お客様との接客スキルを習得
店舗管理者になるためには実務経験を積む必要がありますが、その期間に習得すべきなのは、医薬品販売に関する知識だけではありません。また、店舗管理者になると、迅速に効率よく業務全般をこなすことが求められます。ここでは、登録販売者が習得すべきスキルについて解説します。
レジ打ちや接客を通してコミュニケーションスキルをアップ
コミュニケーション力は、登録販売者にも必要なスキルです。座学で習得できるものではないので、お客様と積極的に関わり接客スキルを上げるようにしましょう。
例えば、レジ打ちは流れ作業になりがちですが、お客様と関わることのできる良い機会です。購入商品からニーズや生活背景も見えてくるので、いつもと様子が違って見えた場合には声をかけ、体調を気遣う配慮も大切になるでしょう。
また、研修生の間は一人で医薬品の販売をすることはできませんが、先輩の登録販売者がお客様に対してどのような説明をしているのか、お客様のニーズにどのように応えているか、といったことに興味を持つことも非常に大切です。
店舗管理にも役立つ品出しや在庫管理業務
店舗管理者を目指すなら、医薬品の販売や接客だけではなく、商品の品出しや在庫管理についてもしっかり学びましょう。
品出しは、商品の配置だけではなく、売れ筋商品や季節・イベントに応じた商品の流れを知ることができる業務です。発注業務を任されるようになれば、商品の動向を予測して在庫にも配慮しなければならないので、積極的に関わるようにしましょう。
また、在庫管理については、いかに欠品を避け適正量の商品を在庫するか、が課題です。医薬品の使用期限は比較的長いものが多いですが、食品は消費期限が短く、よりこまめな在庫管理が必要です。多店舗展開のドラッグストアなどの場合は、他の店舗の工夫なども勉強するようにしましょう。
まとめ
登録販売者は、実務経験を積めば店舗全体の運営を任される店舗管理者を目指せます。店舗管理者要件を満たすためには直近5年以内に2年以上かつ1920時間以上の実務経験が必要ですが、この期間に接客スキルやコミュニケーション力、在庫管理業務などに関するスキルを向上させておけば、店舗管理者になった際に業務をスムーズにこなせます。
研修生として経験を積んでいる間にスキルを高め、キャリアアップにつなげましょう。

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