登録販売者の働き方
2020-04-21
登録販売者の働き方(職場・雇用形態・仕事内容)とは
・Before
・After
登録販売者の職場として、多くの人がまず思い浮かべるのがドラッグストアでしょう。しかし、登録販売者の活躍の場はドラッグストアなどの小売店だけではありません。また、雇用形態の選択肢も広いため、ライフスタイルに応じた柔軟な働き方ができるのも特徴です。 ここでは、登録販売者の職場や仕事内容の他、雇用形態ごとのメリット・デメリット、そして登録販売者資格を取得することで得られるメリットなどを解説します。
※2020年4月3日に公開した記事ですが、2020年4月1日の省令を受けて追記、その他の部分も修正して2020年4月21日に再度公開しました。
登録販売者はどんな職場でどんな仕事があるのか
登録販売者の仕事内容は基本的に一般用医薬品の販売がメインですが、知識や経験を活かしてさまざまな職場で活躍することができます。
ドラッグストア
登録販売者の就職先としてもっともメジャーなのは、やはりドラッグストアです。
ドラッグストアでは、一般用医薬品の販売やお客様からの相談対応の他に、その他の従業員と同じように商品の品出しや陳列・在庫管理・発注、レジ打ちなどの業務も担当します。
コンビニエンスストア
市場ニーズの高まりを受け、大手コンビニエンスストアチェーンでは一部の店舗で一般用医薬品の販売を始めています。
コンビニエンスストアに就職した場合、ドラッグストア同様レジ打ちや商品陳列、在庫管理や発注の他、店舗内清掃などコンビニエンスストア店員としての業務も並行してこなします。
調剤薬局
調剤薬局に就職した場合、処方せん受付やレセプト(診察報酬明細書)入力*などの窓口業務の他、薬剤師の調剤補助を任されることがあります。
また、最近は調剤専門店でも一般用医薬品を販売していることが多いため、薬剤師が調剤や投薬で忙しい場合には、登録販売者が一般用医薬品の販売を担当する、というケースもあります。
*レセプト入力:処方せんに記載されている診療情報などをコンピューターに入力して、保険組合や患者さんなどに対して金額を請求するためのデータを作成する作業。
スーパーマーケット、ホームセンター、ディスカウントストア、家電量販店など
スーパーマーケットやホームセンター、ディスカウントストア、家電量販店などでは、一般用医薬品の販売コーナーを設ける店舗が増えつつあります。店舗によっては、登録販売者を一般用医薬品販売コーナーの専任担当として採用し、その他の売場での業務がほとんど必要ない場合もあります。
飲料や日用品の品出しが少ないため、重いものを持つ機会は他の職場に比べて少ないでしょう。腰やひざなどへの負担を軽減することができます。
製薬会社の営業
エステサロンでは、医薬品や健康に関する相談の他、体質改善や様々な悩みに関するアドバイザーとしての役割が求められます。また、医薬品の販売責任者としての役割を期待されることもあります。
エステサロンは、営業時間や休業日が他業種とズレていることがあるので、応募の際に注意しましょう。
配置薬業者の営業職
専門知識を活かし、製薬会社の営業として働く人もいます。業務内容は、新商品の案内や自社製品の売り込みなどがメインです。
ドラッグストアなどで登録販売者として働く際に、製薬企業から商品に関する営業を受ける機会が多いことから、ドラッグストアから転職する人も少なくありません。
独立開業
登録販売者としてのキャリアを積み、店舗管理者要件を満たせば、一般用医薬品を販売するドラッグストアやコンビニエンスストアなどの店舗開業や独立を目指すことも可能です。独立・開業時には、医薬品に関する専門知識だけでなく、店舗管理者としてのマネジメント経験も活かすことができます。



登録販売者の主な雇用形態(パート・アルバイト・正社員・派遣)とそれぞれのメリット・注意点
登録販売者は、さまざまな雇用形態で働くことが可能です。そこで次は、各雇用形態のメリットや注意点について解説します。
正社員
全国に店舗展開している企業では、正社員に引っ越しをともなう異動を命じることがあります。転勤を望まない場合は、エリア限定社員を採用している企業を就職先として選びましょう。
給与は、店長クラスで400万~500万円程度、エリアマネージャーで500万円~とされますが、役職のない普通の正社員では300万円台の給与水準ということが多いようです。
【メリット】
正社員であれば、雇用保険や厚生年金へ加入することができます。また、研修などでスキルアップを図ることも可能です。重要な機能を果たす管理職などの役職へのキャリアアップも可能です。
そして正社員の場合は、安定雇用(解雇されにくい)というメリットや、賞与やボーナスといった給与面でのメリットもあるので、腰を据えて頑張りたい方にはおすすめの雇用形態です。
【注意点】
社員として店舗の売り上げ改善や、お客様対応には責任感を持って取り組む必要があります。販売促進の企画を立てたりイベントを開催したりと、自主的な取り組みが求められるため、仕事で責任を持ちたくない人には向いていません。
パート、アルバイト
パートやアルバイトは、介護や育児などで勤務時間や勤務できる曜日・日数などに制限がある方におすすめの働き方です。
【メリット】
登録販売者の資格に対して資格手当を支給する企業は、非常に多いです。勤務時間が限られているからこそ、時給など待遇面で優遇されるのは大きなメリットといえます。
さらに店舗管理者要件を満たす場合、手当が上乗せされることも勤務場所によってはあります。
また、パート・アルバイトであっても、登録販売者の求人数は常に一定数出ています。そのため、希望に沿う働き方をみつけやすい、という特徴もあります。
【注意点】
1人で医薬品を販売することができる登録販売者になるには、直近5年以内に、実務・業務経験を2年以上かつ累計1920時間以上積まなければなりません。しかし、パートやアルバイトとして働く場合、毎月32時間以下の勤務だと5年間の累計時間数が1920時間以下になってしまいます。管理者要件を満たせないため、一人で医薬品販売を行えません。せっかく登録販売者として働いていても管理者要件の基準にとどかないということにならないよう、シフト調整に気を付けましょう。
研修期間が終わったら何ができるようになる?
研修中の登録販売者は、24ヶ月以上の経験を積んだ他の登録販売者や薬剤師の管理・指導のもとでなければ第2類・第3類医薬品販売をすることができません。しかし、研修期間が終了すれば「研修中」という肩書が外れ、一人で売場に立つことができます。
派遣社員・紹介予定派遣
短期間だけ働きたい・留学などの予定があるといった場合に便利なのが、期間限定で派遣社員として働く方法です。また、「なれない職場でいきなり正社員として働くのは不安だ」という方もいらっしゃるかと思います。そのような場合には、最長6ヶ月の派遣期間が終わった後、派遣先企業と話し合い、お互い合意をして社員になれる紹介予定派遣という働き方もおすすめです。
【メリット】
派遣社員は期間を限定して働くことができるので、家族の都合で転居の多い人でも働きやすく、生活に合わせた働き方をすることができます。また、勤務状況によっては、社会保険の加入や有給休暇の取得など、正社員と同等の待遇が受けられることもあります。
紹介予定派遣の場合、直接雇用される前に職場の雰囲気や業務内容を知ることができるので、ミスマッチを防ぐことができます。
【注意点】
派遣社員・紹介予定派遣とも有期雇用であるため、契約更新されないことがあります。登録販売者の場合、キャリアの中断が長いと管理者要件を満たさなくなるおそれがあるので、特に注意が必要です。

登録販売者資格を取得するメリット。どのような未来が描けるか
ではここからは、登録販売者の就職先と各雇用形態の特徴を踏まえ、登録販売者資格を取得するメリットを検討していきます。
全国どこでも働くことができる
登録販売者の主な就職先であるドラッグストアやコンビニエンスストアなどの小売業は、全国どこにでもあります。そのため、転居をしても店舗管理者要件を満たしている登録販売者であれば特に、比較的簡単に就職先をみつけることができます。
ライフスタイルに応じて柔軟に働き方を変えられる
現行法において、登録販売者の資格には有効期限が設けられておらず、更新の必要もありません。そのため、結婚や子育て、介護などで離職しても、ライフスタイルに応じていつでも復職することができます。雇用形態もさまざまなので、ライフワークバランスが取りやすいのも特徴です。
ただし、ブランクが長いと店舗管理者要件を満たした登録販売者として働くことができなくなってしまいます。キャリアを継続するため、休職期間は3年未満に抑えるのが理想です。
自分や家族、大切な人の健康維持にも役立てられる
登録販売者としての知識は、自分や家族など大切な人の健康にも役立てることができます。特に子育てや介護の場面では、自店で扱う商品など医薬品に関する知識を活かせる場面が多いでしょう。
まとめ
登録販売者の活躍の場は、一般用医薬品の販売にとどまりません。知識や経験を活かせば、さまざまなキャリアの可能性が開けています。また、雇用形態も多様であるため、ライフステージに応じたストレスの少ない働き方を選ぶこともできます。
そして、登録販売者の知識や経験は、仕事だけではなくプライベートにも活用することができます。さまざまなキャリア形成ができる登録販売者は、今後もあらゆる場面で必要とされる人材といえるでしょう。

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