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2021-03-26

【薬剤師監修】抗ヒスタミン薬とは?種類や特徴、副作用など徹底解説

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【薬剤師監修】抗ヒスタミン薬とは?種類や特徴、副作用など徹底解説

抗ヒスタミン薬は、花粉症や風邪の症状があるときに使われる成分です。とくに花粉症の季節になると、抗ヒスタミン薬の活躍の場は大きく増えます。抗ヒスタミン薬はつらい症状を抑えられる便利な薬ではありますが、服用に注意が必要な方がいることを忘れてはいけません。 ここでは抗ヒスタミン薬の種類や特徴、副作用や使用上の注意などを詳しく解説します。知識を深めて、お客さまへ適切な対応ができるようにしましょう。

目次

  1. 抗ヒスタミン成分とは?期待できる効果について
  2. 抗ヒスタミン成分の種類と一般医薬品によく使われる成分
  3. 主な副作用
  4. 使用するうえで注意が必要なケース
  5. <対応例>花粉症で来店されたお客さまの対応
  6. 抗ヒスタミン薬の知識をつけ、適切な提案を

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抗ヒスタミン成分とは?期待できる効果について

抗ヒスタミン成分とは?期待できる効果について

抗ヒスタミン成分は、神経伝達物質の1つであるヒスタミンのはたらきを抑える働きがあります。

花粉症の薬や風邪薬、咳止め、酔い止めなどさまざまな製品に配合されており、登録販売者が触れる機会も多いでしょう。

ヒスタミンは、肥満細胞や好塩基球などの細胞によって産生され蓄えられていますが、花粉や菌、ウイルスなどの刺激を受けることで体内に分泌されてしまいます。

ヒスタミンはアレルギー反応や炎症を起こすはたらきがあるため、分泌が促進されることで花粉症や風邪でよく見られるような鼻水やくしゃみなどの症状を引き起こすのです。

 

どのような症状に効果が期待できるのか

抗ヒスタミン薬を服用すると、ヒスタミンの分泌によって引き起こされる次のような症状を抑えられます。

・鼻水
・鼻づまり
・くしゃみ
・涙目
・目のかゆみ
・蕁麻疹

 

 

抗ヒスタミン成分の種類と一般医薬品によく使われる成分

抗ヒスタミン薬は、大きく第1世代と第2世代のものとにわけられます

市販薬に配合されている代表的な成分は、それぞれ以下のとおりです。

第1世代の抗ヒスタミン薬

・クレマスチンフマル酸塩
・クロルフェニラミンマレイン酸塩
・ジフェンヒドラミン

 

第2世代の抗ヒスタミン薬

・ケトチフェンフマル酸塩
・フェキソフェナジン塩酸塩
・エピナスチン塩酸塩
・セチリジン塩酸塩
・ロラタジン
・アゼラスチン塩酸塩

 

比較的古くからある抗ヒスタミン薬が第1世代、新しいものが第2世代です。

第1世代の抗ヒスタミン薬は第2世代のものと比べると抗ヒスタミン作用が強いため症状を抑える効果も高いのですが、抗コリン作用も強く出てしまうため眠気や便秘、口渇などの副作用が起こりやすくなっています。

一方で第2世代の抗ヒスタミン薬は、抗コリン作用が抑えられているため第1世代のものと比べると眠気や便秘などの副作用が出づらく、使いやすいことが特徴です。

ただし症状を抑える効果は第1世代と比べると弱い傾向にあります。

 

 

主な副作用

主な副作用

抗ヒスタミン薬は市販でも広く扱われている成分ではありますが、誰にでも使える成分というわけではありません

人によっては抗ヒスタミン薬の服用が禁忌となる場合もあるため、副作用や使用上の注意はしっかりと把握しておきましょう

抗ヒスタミン薬で見られる主な副作用は、次のとおりです。

・眠気
・口渇
・便秘
・めまい

 

そのほかに、頭痛や倦怠感、消化不良なども副作用として知られていますが、よくみられやすいのは上記の副作用でしょう。

とくに眠気や口渇、便秘はあらわれやすい副作用です

 

 

使用するうえで注意が必要なケース

使用するうえで注意が必要なケース

抗ヒスタミン薬を販売するときは、次に挙げるものに該当しないか確認することが大切です。

確認せずに販売してしまうと、時としてお客さまに大きな負担をかけてしまう可能性があります。

 

■妊婦や授乳婦

妊娠中は母体が服用した薬の成分が胎盤を通して胎児に到達し、胎児の発育に影響を与えてしまう可能性があります。

授乳中も母乳を介して赤ちゃんに薬の成分が到達する可能性があるため、妊婦や授乳婦へ販売するときは、より一層の注意が必要です。

妊娠中に服用しても胎児の先天異常に影響がないと言われている成分には、クロルフェニラミンマレイン酸やジフェンヒドラミン塩酸塩、フェキソフェナジン塩酸塩などが知られています。

授乳中であればジフェンヒドラミン塩酸塩やフェキソフェナジン塩酸塩、ロラタジンなどが代表的な選択肢です。

ただし臨床上は使用が問題ないとされている成分でも、市販薬の添付文書上では服用を避けるよう指示が書かれている場合もあります

販売する際はパッケージの記載をしっかり確認したうえで、かかりつけ医の指示を仰ぐように伝えましょう。

 

▼参考記事
【薬剤師監修】登録販売者が妊婦・授乳婦に医薬品販売する際の注意点やポイントとは?

 

 

■日常的に乗り物や機械を運転操作する方

抗ヒスタミン薬は副作用で眠気が出やすいため、服用中は事故を避けるために乗り物や機械の操作は避けるようにと添付文書に書かれているものが多くあります。

とくに第1世代の抗ヒスタミン薬は眠気が起こりやすいため注意が必要です。

乗り物や機械の操作をする方に販売する際は、フェキソフェナジン塩酸塩やロラタジンなどのよう眠気が出にくいものを勧めましょう

フェキソフェナジン塩酸塩とロラタジンは添付文書上で乗り物や機械の操作が禁じられていません。

 

■排尿困難や緑内障の症状がある方

抗ヒスタミン薬のなかには、抗コリン作用が強いため排尿困難や緑内障の方には販売できないものもあります

排尿困難になりやすい前立腺肥大症の原因は加齢によるものが多いため、高齢の男性に抗ヒスタミン薬を販売する際は治療中の疾患がないか確認しましょう。

また、緑内障のお客さまが抗コリン作用の強い抗ヒスタミン薬を服用すると、眼圧が上昇して症状が悪化する可能性があるため、こちらも注意が必要です。

フェキソフェナジン塩酸塩やロラタジン、エピナスチン塩酸塩などは抗コリン作用が少ないため、排尿困難や緑内障がある方にも販売できます。

一方でクロルフェニラミンマレイン酸やジフェンヒドラミン塩酸塩は抗コリン作用が強いためこれらの症状がある方には禁忌です。

ただし緑内障のお客さまでも、開放隅角緑内障の方であれば抗ヒスタミン薬を服用しても問題ないとされています。

抗ヒスタミン薬が禁忌とされているのは緑内障のうち狭隅角緑内障の方です

しかし、緑内障のお客さま本人もどちらの緑内障か把握されていないケースが多いため、販売は控えるのがベターでしょう。

 
 
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<対応例>花粉症で来店されたお客さまの対応

<対応例>花粉症で来店されたお客さまの対応

◆人物データ

・50代男性 トラック運送業
・症状 :くしゃみ、鼻水

お客さま:
すみません、花粉症の薬をください。

登録販売者:
花粉症の薬ですね。いつも使っている商品は何かありますか?

お客さま:
いや、いつもは病院で貰っているんだけど、行くヒマがなくて。できるだけよく効くものがいいな。

登録販売者:
よく効くのだとクロルフェニラミンマレイン酸やジフェンヒドラミン塩酸塩が入っているものがありますよ。でも眠気が出やすいけど大丈夫ですか?あと前立腺の病気や緑内障の方は使えない薬ですが、治療中のものはありませんか?

お客さま:
眠気が出るのは困るな~、仕事でトラックを運転するもので。治療中の病気はないから、そこは大丈夫ですよ。

登録販売者:
それでしたら、効果は少しマイルドになりますが、フェキソフェナジン塩酸塩でしたら眠くなりにくいので使いやすいですよ。

お客さま:
じゃあ、それでお願いします。

登録販売者:
もしフェキソフェナジン塩酸塩を飲んでも症状が気になるようでしたら、点鼻薬を併用すると楽になることがあるのでまた相談してくださいね。

 

接客のポイント

花粉症の薬がほしいと来られた男性は「よく効く薬」を求めていました

候補になるのは、第1世代の抗ヒスタミン薬であるクロルフェニラミンマレイン酸やジフェンヒドラミン塩酸塩などです。しかし第1世代の薬は、抗コリン作用による副作用が出やすい特徴があります

そのため第1世代の抗ヒスタミン薬を販売する際は、眠気が出やすいことを説明しました。また排尿困難や緑内障の方は服用できない薬であるため、こちらも念のため確認しています。

とくに今回のお客さまは50代男性のため、排尿困難がある可能性は十分に考えられるでしょう

結果として排尿困難や緑内障はありませんでしたが、トラックを運転する職業のため眠気が出やすい薬は避けなければいけません。フェキソフェナジン塩酸塩は眠気が出にくく使い勝手がよいので、今回はこちらを勧めています。

ただしフェキソフェナジン塩酸塩は第1世代の抗ヒスタミン薬と比べると効果は弱めです。そのため、「よく効く薬」を求めていたお客さまには効果が不十分である可能性も考えられます。

花粉症は飲み薬と点鼻薬を併用することで症状が楽になることも多いため、「眠くなるのは困るけどしっかり症状を抑えたい」という方には点鼻薬もあわせて紹介すると親切です。

 

 

抗ヒスタミン薬の知識をつけ、適切な提案を

抗ヒスタミン薬は、さまざまな市販薬に含まれている成分です

季節を問わず触れることが多いものですが、とくに花粉症の時期は販売する機会が増えます。

抗ヒスタミン薬は世代によって効果の強さや副作用の出やすさが異なるため、お客さまの要望に合わせた適切な提案が重要です。

症状を抑える効果が強いものがよければ第1世代、眠気が出にくいものがよければ第2世代のものを選ぶことが基本となります。

ただし排尿困難や緑内障の方には抗コリン作用の強い第1世代の抗ヒスタミン薬は適していません。

うっかり販売してしまわないよう、ヒアリングをしっかりと行いましょう

 

【執筆者プロフィール】

執筆者

執筆者:木村妃香里

薬学部を卒業後、都内の大手ドラッグストアで4年間勤務。毎日2,000人近くが来局する店舗でOTC販売を経験。現在は薬の正しい使い方や選び方を広めるために、執筆業をメインに活動。

 

 

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