登録販売者の働き方
2020-12-02
登録販売者の仕事はレジばかりって本当?自分の働きたい職場を考える
・Before
・After
「お客さまへ正しく安全に医薬品を販売する」と高い志をもってドラッグストアやスーパーなどに就職しても、実際に行っているのはレジ業務ばかり……という登録販売者は少なくありません。医薬品販売に関わる仕事において、レジ業務は外せない仕事の一つとはいえ、登録販売者の資格を生かせていないと不安を覚える方もいるでしょう。 今回は、レジ打ちを辛いと感じる理由に加え、レジ打ちが登録販売者にとって重要な業務であることを明らかにしていきます。さらに、レジ業務が少ない職場や必要としない職場についても解説していきます。
レジ打ちが辛い理由とは
ドラッグストアで働くうえで欠かせない業務の一つであるレジ打ち。いざ店頭に立ってみると想像以上にレジ打ちをする時間が長く、辛いと感じてしまう方も多いでしょう。まずはなぜそのように思うのか理由を整理していきます。
専門知識が生かされていない
登録販売者は、医薬品に関する専門知識をもっています。しかしレジ打ちの時間が長いと、登録販売者として「専門性を生かした仕事ができている」と感じにくく、仕事のモチベーション低下にもつながりやすくなります。
とくにお客さまの来店が多い店舗では、レジに入る機会も増えるためその傾向が強くなるでしょう。
簡単そうに見えて責任重大
レジ打ちは、一見すると商品のバーコードを読み取り、お金のやりとりを行うだけの単純作業だと感じるかもしれません。
しかし、金銭のやりとりが発生する以上、その責任は重大です。お客さまへお渡しするおつりの金額は正しいか、売り上げとレジ内の金額は一致しているかなど、確認すべき点は多岐にわたります。
お客さまの来店が多い店舗では、休む暇がないほどレジ業務が続くことも少なくありません。ミスが発生しやすい状況で常に緊張感を途切れさせられない点に、ストレスやプレッシャーを感じることもあるでしょう。
クレーム対応の機会が増える
レジ業務は、お客さまと一対一で関わるため、クレームをレジ担当者にいう方も少なくありません。また、レジは店舗の入り口に設置されている場合も多いため、お客さまにお声がけいただく機会も必然的に増えるもの。「レジは店の顔」ともいわれます。
クレーム対応だけでなく、商品の場所を聞かれるなど受付のような役割も担う必要があるため、辛い、大変だと感じる場面も多くなるかもしれません。
このようにレジ業務は多忙で責任重大なことに加え、登録販売者資格を生かせていないと感じる場面もあり、やりがいを得られないことも。とくに登録販売者としてお客さまとしっかり話したい、向き合いたいと考えている方は、レジ業務を辛く感じてしまう場合もあるかもしれません。
レジはお客さまと1対1でお話しできる貴重な場所
レジは商品を購入してもらうだけの場所ではありません。普段は医薬品を選んでいるお客さまに対して、登録販売者から積極的に話しかける機会は少ないですが、レジはお客さまと必ず一対一になります。
お客さまへの医薬品の説明や、飲み合わせなどの最終確認ができる場でもあるのです。また、お客さまにとっても、医薬品について質問や相談をしたいものの、スタッフを見つけられない場合やスタッフがほかのお客さまとお話ししていたなどの場合、レジが良い窓口となります。
なかには医薬品や健康の相談は、薬剤師や登録販売者にしたいと考えているお客さまもいます。登録販売者がレジにいることで、お客さまも安心して医薬品を購入できるのです。
忙しく責任の大きいレジ業務ですが、ただ流れ作業のようにおこなうだけでは辛い、大変という気持ちはなかなか消えません。レジに入るからには医薬品を販売する責任感をもち、お客さまとコミュニケーションをはかるようにしましょう。
登録販売者にとってレジは、お客さまのヘルスケアについてカウンセリングできる重要な場だといえます。
【レジ打ちが少ない】理想の職場を見つけるポイント
レジ打ちが重要な業務の一つであることは間違いありませんが、大型店や来店数の多い店舗に勤務していると、必然的にレジ打ち作業へ追われることも。
しっかりお客さまと向き合いたいと思っても、レジ待ちの行列ができていて、思うようにコミュニケーションをはかれないこともあるでしょう。お客さまの役に立ちたいという気持ちが強い登録販売者ほど、そのような場面に嫌気がさすかもしれません。
そこで、比較的レジ打ちが少なく、お客さまとじっくり話しやすい職場のポイントを紹介します。
医薬品担当者が少ない職場を選ぶ
スーパーやホームセンターなど、医薬品を専門に扱う職場でない場合、薬剤師や登録販売者などの医薬品担当者が比較的少ない状況にあります。そのような職場では必然的に自分が医薬品や健康の相談を請け負うことになるため、お客さまとじっくり向き合える機会が増えます。
一方で、医薬品について説明できる人が自分以外にいないことがデメリットにつながることも。医薬品の相談を受けたいお客さまが同時に複数来店されるような混雑した場合は、とたんに慌ただしくなったり、休憩時間に呼び戻されたりすることもあるでしょう。
じっくりとお客さまと向き合う接客を重視する職場を選ぶ
■漢方薬局
漢方薬局など扱う商品が限られている職場では、お客さまは基本的に医薬品を求めて来店されるのが特徴です。そのため医薬品以外を求めて来店されるお客さまも多いドラッグストアと客層は大きく異なります。
店が混雑することも多くはないため、一人ひとりの体調や生活習慣などをじっくり聞いたうえで、最適な漢方を選択することも可能でしょう。また、お客さまと親密になりやすいため、お客さまから症状が良くなってきたなどの経過を報告してもらうこともあり、登録販売者としてのやりがいも感じやすいでしょう。
一方で、お客さまとじっくりお話しする機会が増えるぶん、より知識の深さや幅が必要になります。勉強不足ではお客さまの相談に乗ることができず、不安を与えてしまう場合も。資格を生かせる職場を選ぶには、知識を確実なものにする必要があります。
■調剤事務
基本的に登録販売者は患者さまの受付対応やレセプト作成を行います。処方箋の説明は薬剤師が行う場合が多いですが、一般用医薬品の取り扱いがある調剤薬局では、登録販売者が医薬品の説明を請け負う場合も多くあります。
一方で、処方箋のみ取り扱う調剤薬局では、せっかく入社してもお客さまとお話しする機会を得られないこともあるため、事前に確認しておきましょう。
【レジ打ちがない】登録販売者が活躍できる職場は?
レジ業務が発生せず、お客さまとじっくり対話できる職場をご紹介します。
介護施設・訪問介護
介護利用者や家族に向けて、使用する医薬品の説明や飲み合わせのアドバイスなどを行います。一過性の関係でなく、症状の経過を追っていくため、大きなやりがいを感じられることでしょう。
製薬会社の営業
MR(医薬情報担当者)として病院へ訪問し、医師や薬剤師などの医療従事者に自社で取り扱う医薬品の情報提供を行う仕事です。
取り扱う医薬品はほとんどが医療用医薬品であり、対面する相手も医療従事者ですが、「顧客に医薬品を説明する」点ではドラッグストアなどで働く場合と共通する部分も多くあります。
ビジネススキルなど一から覚えることもありますが、登録販売者はそもそも医薬品の知識があるため、即戦力として重宝されやすいでしょう。
テレフォンオペレーター
医薬品の通信販売を行う企業では、テレフォンオペレーターを採用している場合も多くあります。お客さまに対して医薬品の説明を行うことに集中できるため、登録販売者や薬剤師資格を大きく役立てることができるでしょう。
お客さまの不安を取り除くことができれば感謝につながる場合も多く、やりがいも感じられます。
登録販売者資格を理想の職場でしっかりと生かそう
レジ業務は一見すると単純作業にも感じられますが、金銭のやりとりが発生するぶん、責任も大きく、お客さま対応やクレーム対応に追われることもしばしば。
登録販売者資格を生かした働き方ができないと思い、辛く感じることもあるでしょう。しかしレジ打ちは、お客さまが購入する医薬品の飲み合わせなどを確認できる最後の場だったり、お客さまにとっても気軽に質問や相談しやすい場だったりと、とても重要な業務です。
とはいえ、登録販売者としてお客さまに寄り添った働き方に集中したいと考えている方も見受けられます。
そのような方は、医薬品担当者が少ない職場や漢方薬局などの選択肢も考えてみるとよいでしょう。理想の職場へ転職したいと考えたら、ぜひ登録販売者専門の転職コンサルタントに相談してください。
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