業界情報
2020-03-16
登録販売者になるには?必要な資格や試験について
・Before
・After
登録販売者になるためには、各都道府県が実施する試験に合格しなければなりません。 ここでは、登録販売者試験の実施時期や複数回受験の可否、合格後に必要な「販売従事登録」について解説します。さらに、受験資格、試験項目とその内容、難易度、登録販売者という職業にどのような人が向いているのか、などについてまとめました。 「登録販売者になりたい」「登録販売者に興味がある」という方は、ぜひ参考になさってください。
登録販売者になるには
登録販売者になるためには、まず登録販売者試験に合格しなければなりません。登録販売者試験は例年8~12月にかけて実施されますが、都道府県によって実施日が異なります。試験日が異なる場合には重複して受験できますので、1年のうちに何度も試験を受けられます。
ただ、近接エリア(北海道東北地方の1道6県、九州地方8県など)は同一日程で試験が行われることが多いため、複数回受験する場合は、宿泊費や交通費などの負担がおおきくなります。また、試験の申し込みは試験実施日の2~3ヶ月程前、合格発表は10月以降なので、合格発表を待って他都道府県の試験に申し込むことはできません。
登録販売者試験に合格すると、合格通知書が届きます。しかし、登録販売者として働くためには「販売従事登録」をする必要があります。販売従事登録申請に必要なものは下記のとおりです。
- 販売従事登録申請書
- 登録販売者の合格通知書
- 戸籍謄本、戸籍抄本または戸籍記載事項証明書
- 医師による診断書
- 使用関係を示す書類
- 登録手数料
販売従事登録は、登録販売者の資格を取得し、勤務地が決まってから行う手続きで、申請先は受験地ではなく勤務先のある都道府県です。提出方法は都道府県により異なりますが、郵送か直接持参のどちらかです。登録申請後、「販売従事登録証」が発行されますが、交付には数日から2週間ほどかかります。



登録販売者の資格・試験
次は、登録販売者の受験資格や試験の内容、難易度などについて解説します。
登録販売者試験の受験資格および試験科目
登録販売者試験を受験する際に年齢・学歴などの制限はなく、医薬品販売の実務経験も不要です。
試験問題は都道府県によって異なりますが、難易度に差が生じないように厚生労働省のガイドラインに沿って作成されます。試験項目は5項目で全120問、試験時間は240分間、回答はマークシートによる択一方式です。
試験項目 | 出題内容 | 問題数 | 試験時間 |
---|---|---|---|
薬事に関する法規と制度 | ・医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律の目的 ・医薬品の分類や取り扱いについて ・医薬品の販売業の許可 ・医薬品販売に関する法令遵守 | 20問 | 40分 |
医薬品に共通する特性と基本的な知識 | ・医薬品概論 ・医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因 ・適切な医薬品選択と受診勧奨 ・薬害の歴史 | 20問 | 40分 |
人体の働きと医薬品 | ・人体の構造と働き ・薬が働くしくみ ・症状からみた主な副作用 | 20問 | 40分 |
主な医薬品とその作用 | ・各器官に作用する薬 ・滋養強壮保険薬 ・漢方処方製剤や生薬製剤 ・公衆衛生用薬 ・一般用検査薬について | 40問 | 80分 |
医薬品の適正使用・安全対策 | ・医薬品の適正使用情報 ・医薬品の安全対策 ・医薬品の副作用等による健康被害の救済 ・一般用医薬品に関する安全対策 ・医薬品の適正使用のための啓発活動 | 20問 | 40分 |
合計 | - | 120問 | 240分 |
登録販売者の資格取得難易度
登録販売者試験の合格基準は「総出題数に対する正答率が70%以上であること」かつ「試験項目ごとの正答率が35%以上(都道府県によっては40%以上)であること」です。
受験者は毎年増えています。合格者数に制限はないので、基準の点数を取れば誰でも資格を取ることができます。
合格率は自治体により幅がありますが、平均合格率は毎年40%を超えています。登録販売者と同じく受験資格に制限がない行政書士の合格率が6~10%程度、宅地建物取引主任者の合格率が15~18%程度であることを考えると、合格率の高い試験といえるでしょう。
以上のように、受験資格に制限がなく誰でも受験できること、合格基準を満たせば合格できること、合格率が高めであることなどから、登録販売者は取得しやすい資格だといえます。

登録販売者に向いている人・適性のある人ってどんな人?
登録販売者は一般用医薬品を販売するための資格ですが、お客様に医薬品の使用方法に関する正しい情報を提供し、健康被害を防ぐ職業でもあります。そこで、登録販売者に向いている人・適性のある人についてまとめました。
医薬品や健康に興味がある人
登録販売者は、お客様から医薬品や健康に関する相談だけでなく、日常生活における悩みなど、様々な相談を受ける場面があります。販売する医薬品はもちろんのこと、日常生活における食事・運動、健康食品や介護など幅広い分野に興味を持ち、必要な情報を自分から集められる人に向いている職業です。
人と話すこと、接することが好きな人
医薬品を適切に提供するためには、話を聞くだけではなく、問題となっている症状やお客様のライフスタイル、アレルギー歴や併用薬の有無、どのような医薬品を求めているのか、などを、自然な会話の中でさり気なく引き出すスキルが重要です。そのため、日頃から話すことが好きで接客に対してストレスを感じにくい人、コミュニケーションスキルが高い人が、登録販売者に向いているでしょう。
積極的で行動的な人
医薬品の情報は日々新しくなっています。お客様に正しい情報を提供するためには積極的な情報収集が不可欠です。資格に甘えることなく、日々自己研鑽に励む人、勉強会やセミナーに参加して製薬会社からの新薬情報もチェックできる人、忙しくても仕事に対するモチベーションを維持し続けられる人は、登録販売者の適性があるといえるでしょう。
まとめ
登録販売者試験は毎年各都道府県で実施され、受験地を上手に選べば1年に複数回受験できます。試験項目は、医薬品に関する事項のほか、薬事に関する法規・人体に関する内容など様々です。しかし、学歴や年齢の制限がないため誰でも受験することができますし、他の資格試験に比べて合格率も高い傾向にあります。医薬品や健康に興味のある方や接客が好きな方にはおすすめの資格なので、興味のある方は受験を検討してみましょう。

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