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2022-07-28

【ドラッグストアの売り場作り】販売ノルマを達成させる陳列テクニック

メディカルリソース

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【ドラッグストアの売り場作り】販売ノルマを達成させる陳列テクニック

近年、多くのドラッグストアでは、医薬品だけでなく日用品や食品などの多彩な品揃えによって集客力を高めています。こうした店舗運営で登録販売者が売上を伸ばすために行う重要な施策としてあげられるのは、商品の「陳列」でしょう。今回の記事では、ドラッグストアにおける陳列の目的や重要性と、販売ノルマ達成のための具体的なテクニックを紹介します。

目次

  1. ドラッグストアにおける陳列の目的とは
  2. 陳列場所に関する基礎知識
  3. お客さまが手に取りやすくなる陳列テクニック
  4. お客さまの感情に訴求する陳列テクニック
  5. 季節や天気に合わせた陳列もポイントに
  6. ドラッグストア業界のトレンドもうまく取り入れて

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ドラッグストアにおける陳列の目的とは

ドラッグストアにおける陳列の目的とは

陳列の目的は、お客さまの立ち寄り率、視認率、買上げ率※を上げて売上を伸ばすことです。

※立ち寄り率…商品陳列棚の前に立ち止まる割合(この商品は何だろう)
※視認率…個々の商品を認識してもらえる割合(こういう商品なんだね)
※買上げ率…商品を購入してもらえる割合(この商品を買おう)

ただ商品をきれいに並べるだけではなく、欲しいものがすぐに見つかる売り場を作る工夫が必要になります。

立ち寄り率、視認率、買上げ率を上げて売上を伸ばすためには、お客さまの視点で考えましょう

お客さまが何を求めていて、売り場で何をどう感じているかを理解していないと、魅力ある売り場は作れません。

そのうえで、「いつ」「どの場所で」「どのようなお客さまに」「何の商品を」「どの訴求ポイントで」「どのように陳列するか」を明確にすることが大切です。

 

 

陳列場所に関する基礎知識

陳列場所に関する基礎知識

まずは、ドラッグストアにおける商品の陳列場所について理解しましょう。

お客さまの視線の動きを意識し、「横展開する場合」と「縦展開する場合」に分けて考えます。

 

横展開の考え方

まず、店内にはお客さまの視線が集まりやすい場所があります。

この場所は、「お客さまが引き寄せられる」という意味で「マグネット(磁石)売り場」と呼ばれています。

次で、店舗にある5つのマグネット売り場について見ていきましょう。

 

1)店頭(店の入り口付近)

店頭は、店舗の前を通るお客さまが最初に見る場所なので、インパクトのある商品展開をしましょう。

たとえば、お買い得商品や季節商品などを置くことでお客さまの関心を引けるでしょう

 

2)通路突き当り

通常、人は前を向いて歩くので、一番よく目に入るのは「通路正面の突き当り」です。

そのため、売れ筋商品や売り筋商品※を通路の突き当りに置いて、お客さまの印象に残る工夫をします。

※売り筋商品:売りたい商品、販売強化商品(推奨品)

2)通路突き当り

▲画像提供:株式会社髙橋店舗経営コンサルティング

 

3)ゴンドラ什器のエンド(端の棚)

ゴンドラ什器のエンドも視線が集まりやすくなっています。

売り筋商品や季節商品など、週ごとに商品を変えて置くと良いでしょう

 

4)平台・ワゴン

店舗の主要動線に置かれる平台・ワゴンも、壁面やゴンドラ什器と続かず独立しているので、お客さまの視線が集中しやすい場所と言えます。

お買い得商品や話題の商品などを置くと効果的です

 

5)レジ周辺

買い物の終盤でレジに並んでいるときは、レジ周辺の商品棚に視線が集まります。

小さくて低価格な商品を置き、ついで買いを提案します

 

5)レジ周辺

▲画像提供:株式会社髙橋店舗経営コンサルティング

 

縦展開の考え方

壁面やゴンドラ什器の縦の陳列面にも、お客さまの視線が集まりやすい場所があります

縦の陳列面は、床からの高さに合わせて下記のように呼ばれるので確認しておきましょう。

  • 見せ場…180㎝より高いエリア
  • 買い場…60~180㎝のエリア
  • ストック場…60㎝より低いエリア

見せ場は、棚の商品カテゴリやテーマを訴求する場所です。

通常、カテゴリ表記のボード(POP)やイメージ写真などを置きます。

買い場は、お客さまの手が無理なく届く棚で、お客さまの視線が集まりやすいエリアです。

ストック場は、お客さまがかがんだり、座ったりしないと商品を見られない場所です。

商品の陳列場所としてはあまり適していないため、通常は商品をストックする場所として使います。

ゴンドラ什器などのように商品を置く必要がある場合は、比較的低価格なものを置いてください。

高価格商品は、棚の上部に置く方が訴求力が高まるのであわせて覚えておくと良いでしょう。

縦展開の考え方

▲画像提供:株式会社髙橋店舗経営コンサルティング

 

買い場のなかでも、80~135㎝のエリアをゴールデンゾーンと呼びます。

最もお客さまの視線がいきやすく、商品を手に取ってもらいやすい位置だとされています。

こちらでは、売れ筋商品や売り筋商品、新商品などを置いて購入点数をアップする戦略が効果的です。

 

縦展開の考え方

▲画像提供:株式会社髙橋店舗経営コンサルティング

 

 

お客さまが手に取りやすくなる陳列テクニック

お客さまが手に取りやすくなる陳列テクニック

陳列方法によって、売れ方は大きく異なります。次では、お客さまが購入しやすいと感じる陳列テクニックをご紹介します。

これらをマスターして、売上アップを目指しましょう。

 

1.前出し

商品は、基本的に棚の手前から売れていきます。

売れるものほど、棚の奥まったところに商品が並んで見えにくくなりがちです。

それに気づいたら、「前出し(商品を手前に出す)」を行いましょう

1.前出し

▲画像提供:株式会社髙橋店舗経営コンサルティング

 

2.売れ筋商品・売り筋商品のフェイシング

フェイシングとは、「どの場所に」「商品陳列の最前面(フェイス)をどのくらい(何列)設けるか」を決めることです

たとえば、ほかの商品より目立たせたい売れ筋商品・売り筋商品のフェイシングであれば、ほかの商品が2列の場合、ゴールデンゾーンで3~4列とすることで、お客さまの目に留まりやすくできるでしょう。

2.売れ筋商品・売り筋商品のフェイシング

▲画像提供:株式会社髙橋店舗経営コンサルティング

 

3.ダブル出し

売れ筋商品や売り筋商品を、商品カテゴリの棚に加えて、ゴンドラ什器のエンドや平台・ワゴン、レジ周辺など、複数の場所に出すことをダブル出しと言います。

お客さまに店内の複数個所で同じ商品を見ていただき、売上アップにつなげる効果が期待できます。

3.ダブル出し

▲画像提供:株式会社髙橋店舗経営コンサルティング

 

4.底上げ

陳列では、専用のカゴやボックスを使うことも多いと思います。

しかしカゴやボックスを使うと、人気の商品から順に在庫が減り、最終的に底の方にしか商品がない状態になることはよくあるでしょう。

補充できる在庫そのものが少なくなった場合、緩衝材や新聞紙などで底上げをしてその上に商品を陳列します

商品ができる限り豊富にあるように見せることも、売上アップにつながります

4.底上げ

▲画像提供:株式会社髙橋店舗経営コンサルティング

 

5.視線の動きを利用

人の視線はZのように動くと言われています。

そのため、売りたい商品を売れ筋商品の右側に置くと高い確率でお客さまの目に触れるので、手に取ってもらう機会を増やせます。

5.視線の動きを利用

 

6.1カテゴリは90㎝幅に陳列

棚の前に立ったとき、人が一度に見渡せる棚の幅は約90㎝だと言われています。

したがって、各商品カテゴリは90㎝幅のなかで完結するように陳列すると良いでしょう。

それ以上の陳列幅が必要なときは、カテゴリを2つに分けて、90㎝棚×2で展開します。

6.1カテゴリは90㎝幅に陳列

▲画像提供:株式会社髙橋店舗経営コンサルティング

 

7.ピークとなる曜日と時間に合わせて新商品展開、商品補充・前出しをする

原則として、売れるタイミングには商品を豊富に展開しましょう

1週間でいうと、ピークとなる曜日の前日には売れ筋商品や新商品を揃えて店頭展開をします。

1日のなかでいうと、ピークの時間帯が来る前に商品の補充や前出しを行って売上アップを狙うのがおすすめです。

 

8.アイランド陳列で店の奥へ誘導

アイランド陳列(島陳列)とは、お客さまを店の奥に誘導する陳列方法です。

具体的には、主要動線上に平台やワゴンをいくつか設置し、お買い得商品や話題の商品などを大量に陳列します

これにより、お客さまの滞留時間が延びるので、購入点数アップが期待できるわけです。

8.アイランド陳列で店の奥へ誘導

▲画像提供:株式会社髙橋店舗経営コンサルティング

 

 

お客さまの感情に訴求する陳列テクニック

お客さまの感情に訴求する陳列テクニック

お客さまの感情に訴求し、購入を促す3つの陳列テクニックを紹介します。

とくに前述のマグネット売り場やゴールデンゾーンで使うと効果的なので、うまく組み合わせて活用しましょう。

 

1.ボリューム陳列

同じ商品を大量に陳列するテクニックです。

お客さまの目に留まりやすくするのと同時に、ワクワク感を演出できます

1.ボリューム陳列

▲画像提供:株式会社髙橋店舗経営コンサルティング

 

2.段差陳列

陳列用の補助什器を使い、陳列に段差をつける手法です。

陳列に奥行きと高さをもたせて商品の種類の多さを訴求し、さらに楽しい雰囲気を演出してくれます

2.段差陳列

▲画像提供:株式会社髙橋店舗経営コンサルティング

 

3.三角構成陳列

商品やPOPなどを正面から見たときに三角形になるようにレイアウトするテクニックです。

三角形の頂点は真ん中である必要はなく、左右にズレても問題ありません。

全体のまとまりの良さと安定感を演出することで、お客さまの関心を集める効果が期待できます

3.三角構成陳列

▲画像提供:株式会社髙橋店舗経営コンサルティング

 

 

季節や天気に合わせた陳列もポイントに

季節や天気に合わせた陳列もポイントに

季節や天候に合わせて、陳列を臨機応変に変えることも大事になります

たとえば、以下のようなニーズが考えられます。

春…新生活準備
夏…雨・湿気/乾燥対策、防虫対策、紫外線対策
秋…行楽時の必需品
冬…寒暖対策、年末年始の準備

その時々で必要な商品を集めて、店頭をはじめ、ゴンドラ什器のエンド、平台・ワゴンなどをうまく使い、コーナー展開をするのがおすすめです。

 

 

ドラッグストア業界のトレンドもうまく取り入れて

ドラッグストア業界や登録販売者を取り巻く環境は、現在、急速に変化しています。

政府がセルフメディケーションを推進するなどOTC医薬品への注目が高まっていることに加えて、ドラッグストア各社が生活用品の販売に力を入れている状況などが背景にあり、ドラッグストアに対するお客さまのニーズが多様化しているためです。

登録販売者としてもお客さまの視点を忘れずに、お客さまのお悩みや不便に感じていることなどを常に考える姿勢が大事です

お客さまの声を聴きつつ、業界の動向に日頃から敏感になっておくと良いでしょう。

また、陳列に関してすぐにできる情報収集の方法は、競合店舗などを見に行くことです。

自店と異なる陳列方法を知ることは、改良点のヒントにもなります。

 

【執筆者プロフィール】

執筆者:髙橋 靖信(たかはし・やすのぶ)さん

髙橋 靖信さん

株式会社髙橋店舗経営コンサルティング 代表取締役
店舗経営 幹部育成コンサルタント/店舗体幹®トレーナー

大学卒業後、東急百貨店を経てタワーレコード、ディズニーストアなどの店舗運営に従事し、責任者として実績を残す。2017年に株式会社髙橋店舗経営コンサルティングを設立し、小売業/飲食業/サービス業における店舗ビジネスのサポートを開始。

店舗経営の幹部育成と現場のレベルアップを目指し、毎月40~50名の幹部・店舗責任者と店舗経営の改善に取り組む。「1.店舗運営」「2.人材育成」「3.ブランディング」の3つの領域で、各社の企業文化に合わせた課題解決を心がけ、結果につなげている。

【現場のお役立ち情報はコチラ】
『店舗経営者のための幹部育成コラム集』

 

 

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