転職の箸休め
2021-12-03
熱い想いの果てに
・Before
・After
大手ドラッグストア
正社員
面接では「ご自身の想い」をしっかり伝えることが大切です。 一方で、Nさんは余りにも熱い想いを伝えすぎてしまい…。
目次
私、気になります!
『熱い想いの果てに』
ドラッグストアでの店長として10年の経験があるNさん(41歳)。
ドラッグストアA社での面接において「店長として大切にされていることは何ですか?」と質問をされると、10分ほど、マネジメント理論を熱く語ったそうだ。
どれほど店長の業務が店舗全体への影響を及ぼすか、1人の店長によってその店舗は全てが変わるか…。
A社の人事からは、「すごく熱い方ですねえ。ただ、少し周りの社員と馴染むかが不安になりました」という言葉とともに、不採用のご案内を頂いてしまった。
面接では大体1分程度で回答をまとめてください、とお伝えしても、長々と話をしてしまうNさん。
緊急での面接A社で不採用の案内をいただいたあと、緊急だったが面接対策をもう一度行うことに。
志望動機や自己紹介はとても良いお話しができるのだが、店長業務についての質問が来ると、とたんに熱くなって話が長引いてしまう。
「Nさんの想いは伝わるのですが、これでは面接官が『周りとしっかりコミュニケーションが取れるのかな?』と不安になってしまいますよ」と伝えたところ、少し照れくさそうにNさんは語ってくれた。
「店長としての責任感という話になると我を忘れちゃうんですよ。実は私、高校卒業してからこの業界に入ったのですが、大学に行けなかったコンプレックスが強くてね。その当時、店長だった人が私に『働くって、楽しいぞ。人生日々勉強だ』と教えてくれて、私もそんな店長になりたいと感じたんです」
「なるほど、Nさんの人生にとって、とても大きな出会いだったのですね」
「それはもう。だからこそ、ついつい熱くなっちゃって、話が止まらなくなってしまうんですよねえ」
Nさんの想いはしっかりと私には伝わったが、面接では端的にまとめることが大事だとどれだけお話をしてもその点を手短に伝えるとができず、ドラッグストアB社、C社…と面接を受けても「想いは伝わるんですけどねえ…」「私たちが時計を見る仕草をしても、ずっと話続けておられ、少し周りを見る目が弱いかと思いました」と、同じ点で躓いてしまい、不採用が続いていた。
Nさんの想いを受け止め、かつNさんの「マネジメント経験」を最大限活かすことができ、Nさん自身がみんなの人生に影響をもたらせられるような職場はどこだろう…そう考えていたタイミングで、コンビニドラッグD社から求人を頂いた。
採用課の方にお話を詳細に聞いてみたところ、「うちは正社員だけでなく、パートやアルバイトの子もおり、外国の方もおります。そして、そもそも『登録販売者ってなに?』という方ばかりです。
そんな方たちに、『医薬品のイロハ』を教えて頂き、今後少しでも興味を持ってくれたり、働くことの楽しさを教えてくれたりするようなエリアマネージャーを求めているんです。
はじめは今までと異なる業種で躊躇していたNさんも、実際に会社説明を受け、具体的に面接で人事の方とお話をする機会もあり、「ぜひここで頑張りたい」と前向きに語ってくれるようになった
コンビニドラッグD社の採用課の方も、「店長への熱い想い、とても良いです!うちは小売業であるとともに、人生で初めて働くパート・アルバイトの子たちに『働くって楽しいな』と感じてもらえるような環境にしたいんです。ぜひNさんにご入社いただきたいです!」という流れになり、Nさんもこれをお受けして、良いご縁になった。
星の数ほどの会社があり、星の数ほど人もいる。
その中で、良いご縁になるというのは本当にすごいことであり、Nさんの熱い想いが一緒に働く方たちに伝われば良いな、と感じた出来事だった。
沈黙は金なり?

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