登録販売者の働き方
2024-03-22
【登録販売者の研修中】店舗管理者になるには?実務経験の積み方、スキルアップの方法を解説!
・Before
・After
医薬品販売経験のない方やブランクの長い方が、登録販売者として一人で医薬品を販売できるようになるためには管理者要件を満たす必要があり、就職・復職後に実務経験が必要です。しかし、就職先によってはキャリア形成がしにくく、場合によっては取得した資格を活かしきれないこともあります。 そこで今回は、新人登録販売者やブランクのある登録販売者が、キャリアを積むための職場選びについてまとめました。各職種の特徴だけではなく、研修中の登録販売者が店舗管理者としてキャリアアップする方法、さらにキャリア形成に重要なスキルアップについて解説します。
公開日:2020年7月20日
更新日:2024年03月22日
一人で医薬品を販売できる「店舗管理者」になるための条件
研修中と管理者要件を満たす人の違い
試験に合格しただけでは「研修中」の扱いになり、一人で売り場に立つことができません。
試験の合格に加えて既定の実務経験を積むことで、店舗管理者要件を満たし、一人で医薬品の販売をおこなえるようになります。
実務経験のない登録販売者が一人で医薬品を販売するためには、薬剤師あるいは管理者要件を満たした登録販売者の管理・指導の下、1年以上の実務経験を積まなければなりません。
管理者要件を満たすための基準、実務経験の数え方については以下の記事で詳しく解説しています。
▼参考記事
【2023年改正】登録販売者の管理者要件を解説!「実務経験1年以上」に緩和へ
店舗管理者になりキャリアアップ!
次は、登録販売者のキャリアアップにもつながる「店舗管理者」について説明します。
店舗管理者の職務内容
店舗管理者は、その名のとおり店舗を管理する責任者のことです。主な職務内容は下記のとおりです。
・勤務している薬剤師・登録販売者およびその他すべての従業員の監督
・店舗の構造設備および医薬品などその他の物品管理、業務に必要とされるものに関する注意喚起
・保健衛生上の支障が生じないよう、店舗販売業者に対して必要とされる意見を述べること
店舗管理者になるためには実務経験が必要
第二類・第三類医薬品を取り扱う店舗の店舗管理者になるためには、過去5年間に合計1年以上かつ累計1920時間 以上の実務経験が必要です。
店舗管理者となる場合には登録販売者資格が必須ですが、実務経験を積む期間については登録販売者資格の保有の有無は問われません。
なお、第二類・第三類医薬品を販売する店舗では、営業時間中に店舗管理者要件を満たす登録販売者か薬剤師を必ず一人以上配置する必要があります。
そのため、店舗管理者要件を満たす登録販売者は、即戦力となり得る人材として就職・転職でとても有利です。
また、店舗管理者になれば医薬品販売の責任者として店舗のマネジメント等、重要な職務を任されることになります。
実務経験の少ない登録販売者や一般の従業員の指導にもあたります。
そのため、店舗管理者は非常にやりがいのある魅力的な仕事といえます。
実務経験以外で必要なスキル
店舗管理者になるためには実務経験を積む必要がありますが、その期間に習得すべきなのは、医薬品販売に関する知識だけではありません。
また、店舗管理者になると、迅速に効率よく業務全般をこなすことが求められます。
ここでは、登録販売者が習得すべきスキルについて解説します。
①レジ打ちや接客を通してコミュニケーションスキルをアップ
コミュニケーション力は、登録販売者にも必要なスキルです。
座学で習得できるものではないので、お客様と積極的に関わり接客スキルを上げるようにしましょう。
例えば、レジ打ちは流れ作業になりがちですが、お客様と関わることのできる良い機会です。
購入商品からニーズや生活背景も見えてくるので、いつもと様子が違って見えた場合には声をかけ、体調を気遣う配慮も大切になるでしょう。
また、研修生の間は一人で医薬品の販売をすることはできませんが、先輩の登録販売者がお客様に対してどのような説明をしているのか、お客様のニーズにどのように応えているか、といったことに興味を持つことも非常に大切です。
②店舗管理にも役立つ品出しや在庫管理業務
店舗管理者を目指すなら、医薬品の販売や接客だけではなく、商品の品出しや在庫管理についてもしっかり学びましょう。
品出しは、商品の配置だけではなく、売れ筋商品や季節・イベントに応じた商品の流れを知ることができる業務です。
発注業務を任されるようになれば、商品の動向を予測して在庫にも配慮しなければならないので、積極的に関わるようにしましょう。
また、在庫管理については、いかに欠品を避け適正量の商品を在庫するか、が課題です。
医薬品の使用期限は比較的長いものが多いですが、食品は消費期限が短く、よりこまめな在庫管理が必要です。
近年では食料品を扱うドラッグストアも増えてきているため、重要なスキルの一つと言えるでしょう。
多店舗展開のドラッグストアなどの場合は、他の店舗の工夫なども勉強するようにしましょう。



登録販売者がキャリアアップを目指せる職場①【ドラッグストア】
登録販売者の主な就職先の一つである「ドラッグストア」は、比較的キャリアアップを目指しやすい職場です。
ドラッグストアの特徴
10年ほど前のドラッグストア業界は、残業代の未払いや連日長時間勤務が続くなど労働環境の悪さが取りざたされていました。
しかし、企業の合併や業務提携が相次ぎ、現在では大手企業の寡占率が高くなっているため、コンプライアンス意識の高い職場が多い傾向にあります。
また、福利厚生が手厚い大手チェーンストアも数多くあります。
登録販売者のドラッグストアでの仕事範囲
ドラッグストアでは、一般用医薬品の販売やお客様の相談対応の他、商品の品出し・陳列、在庫管理や発注、レジ打ちなどの仕事も担当することが多いです。
店舗によっては、飲料や洗剤などの重い商品を運搬する力仕事が求められることもあります
ドラッグストアで目指せるキャリアアップ
ドラッグストアでは、管理者要件を満たせば店舗管理者への道がひらけます。
また、店舗のマネジメントを担う店長やエリアマネージャー、さらにはバイヤーや店舗開発など、多方面にわたるキャリアアップを目指すことが可能です。
登録販売者がキャリアアップを目指せる職場②【ホームセンター、家電量販店】
ホームセンターや家電量販店は店舗の規模が大きいので、ドラッグストアとは異なるキャリア形成を考えなければなりません。
ホームセンターや家電量販店の特徴
ホームセンターや家電量販店は大規模店舗が多く、一つの店舗を支える従業員の人数がドラッグストアなどに比べて桁違いに多いことが特徴です。
店長になるためには、大きな店舗内の人員・業務・物品の管理などをすべて統括するスキルが求められるため、ドラッグストアほどスピード感のある昇級は難しいのが現実です。
また一般的に、店長になれる年齢はドラッグストアに比べて高いといわれています。
登録販売者のホームセンターや家電量販店での仕事範囲
医薬品販売コーナーでの医薬品販売や、お客様の相談対応のみを担当する店舗もありますが、商品の品出しやレジ打ちなどを任されることもあります。
また、家電量販店では、血圧計や加湿器など、健康維持のための電化製品も合わせて案内をおこなうことがあります。
ホームセンターや家電量販店で目指せるキャリアアップ
ホームセンターや家電量販店では、ドラッグストア以上に多彩な商品ラインナップの販売を経験できます。
また、ドラッグストアに比べて店舗の規模が大きいので、店長や責任者になると、より大規模でやりがいのあるマネジメント業務を担うことができるでしょう。

登録販売者がキャリアアップを目指せる職場③【スーパー、コンビニエンスストア】
スーパーマーケットやコンビニエンスストアもまた、登録販売者の就職先として伸びつつある職場です。
スーパーの特徴と登録販売者の仕事範囲
店内に医薬品コーナーを設けているスーパーマーケットは、安定した経営基盤を持つ大手企業であることが多いといわれています。
医薬品コーナーのみの仕事であれば、飲料や食品の品出しを任されることはほとんどないので、身体的な負担はそれほど大きくありません。
しかしスーパーマーケットの場合、医薬品販売以外の業務に異動を命じられる可能性があります。
そのため、「登録販売者の資格を活かせないから」との理由で、離職・転職する人もいます。
コンビニエンスストアの特徴と登録販売者の仕事範囲
コンビニエンスストアでは、医薬品だけではなく他の商品の扱いも任される場合がほとんどです。
多くの店舗が24時間営業なので、他の職種に比べて勤務時間の融通が利きやすいですが、深夜や早朝の勤務を求められる場合もあるでしょう。
なお、コンビニエンスストア業界は大手数社の寡占市場であるため、経営母体は安定しています。
その一方でフランチャイズ店も多いため、経営が悪化すると雇用自体が危うくなる可能性もあります。
スーパーやコンビニエンスストアで目指せるキャリアアップ
医薬品コーナーのあるスーパーマーケットでは、登録販売者がいないと医薬品を取り扱うことができないため、重宝されるでしょう。
キャリアを積み重ねれば、本社の医薬品事業部や、企画運営に関わる部署へのキャリアアップがかなうこともあります。
コンビニエンスストアであれば、業務のノウハウを蓄積して、フランチャイズ店舗の出店を目指すこともできます。
企業によってはフランチャイズ出店を厚くサポートしてくれる場合もあるので、自分の店舗を持ちたい人にはおすすめです。
登録販売者がキャリアアップを目指せる職場④【調剤薬局】
医薬品の知識がある登録販売者は、調剤薬局に就職することもあります。ただし、キャリア形成については少し注意が必要です。
調剤薬局の特徴と登録販売者の仕事範囲
調剤薬局は中小企業や個人経営による店舗が多く、職場環境は経営者次第といえます。
福利厚生や透明性の高い評価制度、整った社内環境などを求めるのならば、大手チェーンの調剤薬局に就職するのがおすすめです。
店舗によっては一般用医薬品を取り扱っていない場合があり、実務経験を積むことができない可能性があります。
登録販売者としてのキャリアを積みたい場合は注意してください。
調剤薬局では、処方せんの受付や処方内容の入力など、調剤薬局事務の仕事全般がメイン業務となります。
薬局内で販売されている第2類・第3類医薬品の販売や患者様への対応にもあたることがありますが、薬剤師の補助的な役割にとどまることも少なくありません。
調剤薬局で目指せるキャリアアップ
店舗で調剤事務の業務に精通するようになれば、周辺エリアの調剤事務責任者を目指すことができます。
また、本社で新人調剤事務の教育担当や、社内のレセプトコンピュータ改善業務に携わることもあります。
ただし、登録販売者としてのキャリアは積みにくくなるかもしれません。
まとめ
ホームセンターやスーパー、調剤薬局など、登録販売者の資格を活かせる職場は多数あります。
ただし、これから登録販売者としてキャリアアップしていきたいと考えている場合には、ドラッグストアへの就職がオススメです。
ドラッグストアは、登録販売者の資格を持つ人の割合が他の業種に比べて圧倒的に高く、登録販売者の研修が充実しているためです。
また、医薬品販売とまったく関係のない業務への異動が少ないこと、キャリアアップスピードが比較的速いという特徴もあります。
自分の希望に合わせて、就業先を選ぶときのヒントにしてみてください。

合わせて読まれている記事
登録販売者のための役立つ情報がいっぱい!
最新のドラッグストア業界動向のポイント、転職成功のためのノウハウなど、登録販売者のキャリアに役立つ多様な情報をお届けしています。チアジョブ登販は求人のご紹介や転職サポートのほかにも、登録販売者の方に嬉しい最新情報も提供。毎月更新しているコンテンツも多数です。ぜひ定期的にチェックしてみてください!