登録販売者の働き方
2021-11-26
登録販売者のぶっちゃけトーク!現役登販座談会
・Before
・After
日々、医薬品と向き合い、お客さまと向き合い、多くのやりがいを感じられる登録販売者。その仕事について、ほかの登録販売者が何を考え、どのように業務にあたっているのか気になったことはありませんか? 今回は、3名の現役登録販売者に集まっていただき、仕事にまつわる話を様々なテーマでお聞きしました。タイトル通り、普段聞けないようなエピソードをぶっちゃけてくれています!
■中村さん(仮名/50代)
ドラッグストア勤務。店長歴13年のベテラン。
■伊藤さん(仮名/20代)
転職を機にドラッグストアの準社員から正社員へキャリアアップ。
■高橋さん(仮名/20代)
約2年間の留学から帰国後、留学前に勤務していたドラッグストアへ就職。
登録販売者は、仕事に関する情報をWebとSNSで集めている!
ー皆さんは、仕事で疑問や悩みが出てきたとき、どのような方法で情報収集をされていますか?
[中村さん]
Web検索はよく利用します。
最近は、話題の「アセトアミノフェン」についてほかの成分とどう違うのかを調べました。
薬や制度などの知識は同僚に聞くことも多いですね。
調剤薬局併設のドラッグストアに勤務することが多かったので、薬剤師さんに直接質問する機会もよくありました。
店舗運営や人間関係に関することは、本を読んだりYouTubeで動画を観たりしています。
[伊藤さん]
私もYouTubeをよく利用しますが、特定のチャンネルを観るというよりは、検索したキーワードで出てきた動画を気になるものから観ています。
たとえば「登販」や周りに相談しづらい「人間関係」というキーワードで調べますね。
それから資格取得前は登録販売者試験の勉強に関するチャンネルも観ていました。
ほかにはTwitterで検索もします。
Webよりもリアルタイムな情報が投稿されるので、生の声というか、お客さまに近い層の感情や感想が見られるのがいいですね。
Instagramも使っていて、薬の成分やその効果を説明している薬剤師や登録販売者の方のアカウントを見ています。
[高橋さん]
私もInstagramはよく見ます。
ドラッグストアの情報発信をしているアカウントや薬学生の動画投稿で役に立つ豆知識が紹介されているんです。
特定のアカウントやハッシュタグを見るわけではなく、「発見タブ」に出てきた投稿やハッシュタグを追って見ることが多いですね。
最近はPOPを作ろうと思っていたので、POPを描いている人の投稿を探して見ています。
ー情報収集はどのようなタイミングで行いますか?
[伊藤さん]
プライベートの時間で情報収集することはあまりないですね。
SNSで仕事に関することを調べているうちに、趣味などに関する別の投稿に興味が移ってしまうのもあり…。
[高橋さん]
私は美容関連の商品について、趣味も含めてプライベートの時間で検索します。
美容系の新商品を使ってみた方の投稿を見て、店舗にテスターが入って来たら自分でも試していますね。
[中村さん]
同じくプライベートで情報収集はしないですね。店舗を一歩出た瞬間から仕事のことは考えないです(笑)。
勤務時間でいうと、前職では毎月、化粧品と医薬品の会議があったので、そこで商品情報を学ぶようにしていました。
化粧品はスタッフに使ってもらって感想を聞くこともありましたね。
ただ、成分の説明はあったものの接客でお客さまへどう説明すれば良いかの説明はなかったので、会社から与えられる情報だけでは十分ではないと思っていました。
それで、個人的に登録販売者向けのウェビナーに参加しました。
皮膚薬など様々な医薬品の話を聞くことができ、同業の方々との情報共有や交流もできました。
社外の声や事例を聞く機会はあまりないので良い経験になりましたね。
[伊藤さん]
前職では商品の勉強会が月に1回ありました。
ただ参加は社員だけだったので、社員が持ち帰った勉強会の冊子を借りて見ていましたね。
社員以外のスタッフに情報を共有するための仕組みはなかったです。
[高橋さん]
仕事中の情報収集だと、お客さまとレジでお話しする機会の多いパートさんに化粧品関連の商品を使ってみてもらって、感想を聞くことはありますね。
会社から共有される、皮膚薬や胃腸薬などの商品、成分に関する動画を観ることもあります。
それから店舗ごとに新商品や売り場づくりについてまとめられた冊子があるので端から端まで読みました。
それを参考に「こういう風に売り場を作ろう」「今月はこの商品の売り上げが伸びているから早めに出しておこう」といったことを考えていますね。



やっぱり接客が好き。登録販売者のやりがいは?
ー登録販売者資格を取ったきっかけを教えてください。
[中村さん]
登録販売者制度ができたときに勤めていたドラッグストアの方針で、資格を取らなければいけなかったからです(笑)。
なにかきっかけがあるというよりは流れで、登録販売者資格が立ち上がった年の試験で合格しました。
[伊藤さん]
私はもともと接客が好きだったので、接客ができて資格を生かせる仕事を探していて。
そのときに登録販売者を知ったのがきっかけです。
医薬品の知識は仕事以外でも役に立ちますし、一生使える資格なので取得を目指しました。
[高橋さん]
高校生のときから化粧品や医薬品、健康に関することに興味があったのと、接客がしたかったので、将来的にはドラッグストアで働きたいと思っていました。
ドラッグストアを調べるうちに、登録販売者の資格を取ったほうが良いとわかり、その勉強ができる専門学校に行ったのがきっかけです。
ー実際に登録販売者として働かれて、どのようなときにやりがいを感じますか?
[中村さん]
やはりお客様に喜んでいただけたときですね。
たとえば「教えてもらった頭痛薬が効いたよ」のようにお声がけいただけると、とても嬉しいです。
それから従業員と協力して売上をあげたときも達成感があります。
マネジメントを行う立場として、スタッフが成長しているのを見ると嬉しくなりますね。
[伊藤さん]
私は店舗のご近所に住む常連さんと関わることが多いのですが、私に会いに来てくれたり、「薬はあなたから買います」と言ってくれたりする方がいてすごく励みになります。
なかには、私がすすめた薬が効いたとわざわざ来店してくださる方もいました。
そういう声を直接聞けるのは、登録販売者として働く魅力の一つかなと思います。
[高橋さん]
そうですね。やっぱりお客様の相談に応えて、感謝の言葉をもらえると嬉しいですよね。
本部に意見が伝わらないことも…。ここがつらいよ登録販売者
―反対に、登録販売者のここがつらいと感じる部分はありますか?
[中村さん]
登録販売者の勤務時間は、早番や遅番、通しなど様々なので、毎日決まった時間に働く仕事と比較すると最初は大変かもしれないですね。
私自身、休みの日に疲れて動けないこともありました。
ただ慣れもありますし、自分のやりたい仕事ができて、休みもしっかりもらえていれば大きな問題ではないと思います。
企業によって様々な働き方がありますが、トータルでみるとこれまで業界や仕事に不満を感じることはありませんでした。
[伊藤さん]
前職では正社員でなかったので、本来は店舗固定で遅番のみだったのですが、会社全体が常に資格者不足の状況だったので、私が別店舗の応援や早番、通しに対応しないといけない時期があり大変でしたね。
それから、お客さまとのやり取りがやりがいになる一方、要望に応えられないときもありました。
私の勉強不足ですが、わからなかった成分のことを帰宅後に調べたりするので、ときには仕事の持ち帰りもありましたね。
でも基本的に休みは十分に取れていたので、辛いと感じたことはありません。
[高橋さん]
私も休みはそれなりに取れていますね。
仕事が終われば定時に帰れるし、すごく安定して働けています。
[中村さん]
働き方以外の部分では、マネジメントをしていると上司や本部へのストレスを感じる場面はありますね。
たとえば店舗の人員が足りず本部に相談しても、なかなかこちらの思いをくみ取ってもらえなかったりして、既存スタッフの負担を減らせないときはつらいです。
スタッフがモチベーションを上げて働ける環境を整えたいと思いつつも、本部からNGが出ると自分ではどうしようもないのでジレンマを感じますね。
[伊藤さん]
中村さんのようなスタッフのことを考えてくれる店長、うらやましいです。
スタッフも店長次第で働くモチベーションが変わるので。
前職で、指示はするものの店長自身が手を動かすことはなく、店舗ルールも独自のものを強制されたことがあって…そのときはモチベーションが下がりましたね。
それから店舗の問題を店長に伝えても、その上のマネージャーが本部に伝えてくれないこともありました。
「店舗でなんとかしてください」と言われてモヤモヤした経験があります。
[中村さん]
店舗の雰囲気は店長によって変わりますよね。
ただ「変わっていい部分」と「変わってはいけない部分」はあると思います。
店長が変わってもスタッフの働きやすさは変わらないよう、最低限のルールは全店統一しないといけないんです。
そこから先の従業員のまとめ方や店舗の運営方法で店長の力が試されていくと思いますね。
[高橋さん]
私はあまり仕事で悩んだことはないですね。
お客さんから嫌なことを言われても「そういう人だから仕方ない」と考えるようにしています。
私には私の考えがありますし、店長には店長の考えがあるので、深く踏み込まないようにしていますね。
登録販売者の転職事情は?
ー転職を考えたきっかけは何だったのでしょうか?
[高橋さん]
私はもともとドラッグストアで働いていましたが、2年間の留学とワーキングホリデーに行くために離職しました。
帰国後ほかの仕事も考えたのですが、登録販売者の資格と実務経験を生かせるし、やっぱり化粧品が好きなのでドラッグストアで働きたいと思って就職活動を始めました。
結果的に留学前に勤めていた企業に入り、現在は食品を担当しています。
自分を含めスタッフが食べたい商品や売れ筋商品を見ながら売り場を作ることも多いです。
スタッフの裁量権も大きく、自由に売り場を任せてくれる店長には感謝しています。
[伊藤さん]
私は、前職で正社員へのキャリアアップがなかなか叶わなかったことがきっかけです。
4年半くらい準社員として働いていて、上司にもキャリアアップについて相談していたのですがなかなか話が進まず…。
準社員と比べてどんどん時給が上がっていくパートさんを見て、このままここで正社員になるのを待つより、ほかの企業で目指してみようと思いました。
[中村さん]
私は家族での引っ越しがきっかけですね。
九州に住んでいたのですが娘が関西の大学を受験することになり、息子も関西に住んでいたので、じゃあ家族みんなで引っ越そうという話になって。
ちょうど会社の将来性に不安を感じていたこともあり、転職を決意しました。
前職には6年半ほど勤めましたが、当時から店舗数が全く増えていなくて…。
店舗の運営方針も長年変わらず、数字を見せながら「やり方を変えたら売上が伸びますよ」と提案してもなかなか聞き入れてもらえない状態でした。
このような状況もあり、関西への引っ越しは良いタイミングだったと思っています。
ー転職活動のなかで、チアジョブ登販をご利用いただいたきっかけを教えてください。
[伊藤さん]
転職を考えていたときに、Twitterでチアジョブ登販の存在を知りました。
登録まで至ったのは、Webサイト全体の雰囲気が良かったのと色々な情報を発信していて信頼できそうだなと思ったからです。
それから担当エージェントの方がすごく良い人で、色々な悩みを聞いてくれたのも決め手でした。
別のエージェントにも登録していましたが、雰囲気が少しかたかったのとサポート体制に不満があり、最終的にチアジョブ登販だけを利用しましたね。
[高橋さん]
私は最初に「登販 転職」で検索して、出てきた企業数社に登録しました。
そのなかでチアジョブ登販から一番に連絡が来て、親身になって話を聞いてくれたのと第一印象が良かったのでそのままサポートをお願いした流れです。
[中村さん]
私も高橋さんと同じく検索してチアジョブ登販を見つけました。
最初は2社くらいに登録して、返信や求人紹介の対応が早かったチアジョブ登販でスムーズに選考が進んで。
もう1社から電話が来る前に転職先が決まっていましたね。

登録販売者が目指すキャリアは?好きな現場に残るか、現場を離れ昇進するかの葛藤も
ー今後はどのようなキャリアを歩んでいきたいですか?
[中村さん]
私は店舗や現場が好きで、部下や後輩の教育にも力を入れたいので、できれば長く現場にかかわることができる立場にいたいですね。
ただ長期的な目線でいうと、SVやエリアマネージャーなどへの昇進も目標ではあるので、現場で業務にあたることと昇進して現場を離れることとで迷っています。
[伊藤さん]
店長になって店舗をまとめられるようになりたいと思っています。
そのためには販売やマネジメントの知識も必要なので、現店舗の店長から少しずつ学んでいきたいです。
それから、登録販売者資格を取りたいスタッフのサポートも行いたいと思っています。
日常の業務と並行して資格の勉強を進めるのはとても大変です。
また、資格を取るための勉強と働きはじめてから業務で必要な知識を得る方法は違うので、その部分を詳しく教えられるような教育者になりたいですね。
[高橋さん]
私も店長になることが目標です。
今は接客スキル向上のため、接客の上手な化粧品担当者の近くで働いて学ばせてもらっています。
また今後は医薬品と並行して化粧品も学びつつ、店舗全体の商品知識も身につけたいです。
商品のことを知らないとお客様にうまく説明できないので、1回1回パソコンで検索しなくてもいいように自分自身の情報量を増やしたいと思っています。
まとめ
情報収集や自己研鑽の手段、やりがい、悩み、転職事情など、登録販売者のリアルをじっくり聞くことができました。
3名ともこれまでの経歴や立場は違えど、接客が好きで、お客さまの役に立ちたいという思いは同じようです。
また、やりがいだけでなく悩みの部分も多くの共通点があることがわかりました。
登録販売者の仕事は楽しくやりがいのあることばかりではありません。
時には理不尽な経験をしたり、職場の人間関係や本部とのやり取りに悩んだりすることもあるでしょう。
でも、その悩みは、あなただけでなく周りの登録販売者も抱えているかもしれません。
3名のお話が、登録販売者としての働き方を見つめなおすきっかけとなった方もいるのではないでしょうか。
ぜひ長期的なキャリアについてじっくりと考え、今後もさらなるスキルアップを目指してください。

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