登録販売者の働き方
2021-11-26
【登録販売者を辞めたい】もう無理だと思った時に考えるべき4つのこと
・Before
・After
資格試験に合格して登録販売者として働き始めたものの、職場環境や人間関係、仕事内容などの問題から登録販売者を辞めることを考える人もいるでしょう。何らかの問題を抱えていると仕事へのモチベーションが低下して、そう考えてしまうのも無理はありません。しかし、そのまま辞めてしまってよいのでしょうか。 今回は、登録販売者が仕事を辞めたいと思う理由や辞めた後に生じやすい不安について説明します。そのうえで、今後どのようなキャリアプランを立てたらよいかを考えていきましょう。
公開日:2021年1月22日
更新日:2021年11月26日
登録販売者を辞めたいと思う理由は?
まず、登録販売者がどのような原因で辞めたいと思うのか、主な悩みや不安・不満をまとめました。
今仕事が辛いと思っている方は、現状整理のためどの要素がもっとも辛く感じられるのかを振り返ってみましょう。
人間関係の悩み
登録販売者に限らず、どの職場でも離職の原因になりやすいのが人間関係です。
性格の合わない人がいて嫌な思いをしている、派閥があり巻き込まれて面倒といったことがあげられます。
とくに登録販売者が働く環境にはさまざまな年齢、性別、雇用形態の人がいるので、関係が複雑化しやすいでしょう。
正社員であれば異動で厄介を避けられる可能性がありますが、パート・アルバイトの場合にはずっと同じ店舗で勤務するため、離職を考える人も多いのです。
待遇や働き方への不満
雇用条件などの待遇がよくないことによる不満も。多くの店舗はシフト制のため、希望の時間で働けない場合もあります。
とくに薬剤師が在籍する店舗の場合、日勤は薬剤師、夜勤は登録販売者というケースも少なくありません。
また、医薬品は資格者が在籍していないと販売できないため、資格者が少ない店舗では、接客が長引き残業が発生してしまうこともあります。
給与面は資格手当がつくため一般従事者よりはよいものの、サービス残業を課される場合もあり、結果的に時給で見ると非常に低く、資格者として追う責任と給与が見合わないと感じる方もいるでしょう。
そのような環境ではワークライフバランスを保つのも難しく、辞めたくなってしまうかもしれません。
仕事内容への不満
登録販売者資格を取得したものの、職場によってはほとんど医薬品販売と関わる機会がないケースもあります。
医薬品以外の雑貨や食料品が主力のドラッグストアの場合、とくにその傾向が顕著です。
また、商品補充などの力仕事がメインとなってしまい、体力的な問題から辞めたいと考える方もいます。
将来のキャリアに対する不安
登録販売者の資格を取得したものの、昇給、昇進は正社員に限られていたり、正社員の場合でも店長以降のキャリアパスが見えづらかったりする場合もあります。
登録販売者としてキャリアアップしていくイメージができず、将来への不安から離職を考える方も少なくありません。
接客が辛い
登録販売者の仕事は、想像以上に接客スキルが必要になります。お客さまとの会話があまり得意でない方にとっては辛く感じるかもしれません。
また、ときには理不尽なクレーム応対をしなければならないこともあります。
先ごろは、新型コロナウイルス感染症予防のためドラッグストアに多くのお客さまが殺到し、対応に疲弊してしまった方も多いのではないでしょうか。
ノルマが辛い
ドラッグストア等では販売ノルマが課せられる場合があり、それがストレスの要因になることも。
相談に来られたお客さまには必ず推奨販売品を提案しなければならない、お客さまがお持ちになった商品を推奨販売品に切り替えなければならない、などの環境は少なからず負担がかかるでしょう。
また、ノルマの達成状況についてほかのスタッフと比較されたり、未達成で人事評価が落ちてしまったりすることも辞めたいと考えるきっかけになりえます。

登録販売者を辞めたいと思ったときに考えたい4つのこと
「辞めたい」という感情に任せて本当に離職した場合、その後にどのようなリスクやデメリットが生じるのでしょうか。
転職先や資格維持など、今後のために考えておきたい4つのポイントについて説明します。
①転職先はあるか
登録販売者に限らず、転職先が見つかるかどうかは誰もがもつ不安です。幸い登録販売者の資格所有者を対象とした求人は比較的多いので、同業種への転職について大きく不安に感じることはないでしょう。
ただし、同業態への転職では「辞めたい」と思った理由が新しい職場でも解消されない可能性も残ります。
その場合には、ドラッグストアから家電量販店やホームセンターなどへの転職など、異なる店舗特性の職場を選ぶのもひとつの方法です。
まったく異なる業態の転職は、未経験からのスタートとなってしまうので、ある程度の厳しさは覚悟しておかなければなりません。
そこでぜひ考えたいのが、医薬品販売以外で登録販売者の経験や知識を生かせる仕事です。
たとえば製薬会社や化粧品会社の営業職や、これらのインターネット通販のオペレーター、介護業界、美容業界などは、薬に関する基礎知識をもつつ登録販売者に一定の需要があります。
また、医薬部外品や化粧品を扱うメディア関連企業では薬機法に関する知識が求められます。
転職を成功させるには、今と同じ業界だけでなく、広く「必要とされる業界」を考えることがポイントです。
②資格失効の可能性はあるか
登録販売者の資格そのものは、辞めてしまっても有効です。しかし、単独で医薬品を販売するには過去5年以内に2年以上の実務経験(※)という管理者要件を満たさなければならなくなりました。
管理者要件がない場合には「研修中」の扱いとなってしまい、薬剤師や管理者要件を満たした登録販売者の指導のもとでしか販売に従事できません。
そのため、即戦力を求められる中途採用では「管理者要件を満たしていること」が応募条件となっている場合も多く見られます。
今の仕事を辞めても再び登録販売者として仕事を続ける意思があるのなら、ブランクをあけ過ぎないように注意しなければなりません。
※管理者要件を満たすための条件はいくつかあります。実務経験の数え方、管理者要件については以下の記事で詳しく解説しています。
▼参考記事
【2021年8月改正】登録販売者の店舗管理者要件が緩和!経過措置の終了についても解説
③給与は下がってしまうのか
登録販売者の仕事は、経験を重ねることによって身につく知識や接客技術が販売力につながります。
そのため直近の経験者が優遇される傾向があり、ブランク期間が長くなると給与は下がりやすいため注意が必要です。
とくに転職先でも医薬品の販売に携わりたい場合、管理者要件を満たしていない状態になってしまうと求人数が減るだけでなく、給与や待遇面でも妥協せざるを得ないでしょう。
④ブランクがあっても活躍できるのか
一般用医薬品業界は、新しい薬の認可が下りたり新商品が発売されたりと日々変化しています。そのため、ブランクがあると「知識面で苦労するのでは」と不安に思う方もいるでしょう。
登録販売者の仕事内容は業種が同じであれば大きな変化はないため、必要以上にブランクを怖れることはありません。
しかし、一旦実務を離れてしまうと、今まで培ってきた知識が薄れてしまう可能性も否定できません。
辞めた後も再び登録販売者として働きたい場合には、離れている間も学び続け、業界動向について情報収集を行っておく意志の強さが必要です。



辞めるのではなく、理想の職場を探す選択肢を
超高齢化社会を迎えた日本では、いかに健康で長生きできるかが重要視されるようになりました。それにともない、国をあげて「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てする」というセルフメディケーションが推進されています。
登録販売者はセルフメディケーションの一端を担う、社会的に重要な仕事です。生活者に身近な存在であるからこそできることはたくさんあり、地域の人々の健康維持に貢献できると言っても過言ではありません。
一般用医薬品の販売にはドラッグストアだけでなく、家電量販店やコンビニエンストアなど、異業種からの参入が続いており、登録販売者の需要はますます高まっています。
働く環境が要因で辞めたいと感じているなら、登録販売者自体を辞めてしまうのではなく、登録販売者として理想の働き方ができる転職先を探してみてはいかがでしょうか。
まずは現状を整理することが改善への第一歩
資格取得を目指していたときと取得後の働き方にギャップを感じてしまい、辞めたいと思うことは少なからずあるでしょう。
辞めたいと思ったときには、まず辞めたい原因を明確にし、その原因を解消するにはどうしたらよいかを考えていくことが現状改善への第一歩です。
場合によっては職場を変えれば解決してしまうこともありますし、医薬品販売以外で登録販売者の知識や経験を生かせる業界を選ぶという選択肢もあります。
ひとりで考えるのが難しい場合は、登録販売者専門の転職コンサルタントの活用もおすすめです。
登録販売者の需要は高まり続けています。せっかく資格を取得してここまで登録販売者として活躍してきたわけですから、その経験や知識を生かせる職場や働き方を目指しましょう。

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