著名人コラム
2024-02-09
ドラッグストアでの接客ロールプレイングのコツは?教育・指導のポイントを解説【OTC薬剤師・鈴木伸悟先生に学ぶ!登録販売者向け接客マニュアル】
・Before
・After
今回は、OTC医薬品販売に強い薬剤師・鈴木伸悟先生に接客のコツを聞く連載・第6弾!鈴木先生のこれまでの経験から、ドラッグストアでの教育・指導で意識するべきポイントをお聞きしました。鈴木先生が考える効果的なロールプレイングの進め方についても解説いただいています。OTC医薬品の販売時に役立つポイントを知って、明日からのスタッフ教育に取り入れてみてください。
接客スキルの向上にはロールプレイングが効果的
接客スキルを上げるためには、まず基本としてコミュニケーションスキルの向上(聴く能力、伝える能力、非言語コミュニケーションなど)が必要でしょう。
そのうえで、OTC医薬品の商品知識や臨床知識をしっかりと学び、それを実際のお客さまとのカウンセリングに応用できる力が重要です。
こうした接客スキルをアップするためには、ロールプレイングが効果的と考えます。
ロールプレイング(ロープレ)とは、お客さまと販売スタッフの役を決めて、実際に現場で起こり得るシチュエーションを想定した会話を行い、販売時に適切な質疑応答ができるように練習することを指します。
効果的な接客ロールプレイングとは?
OTC医薬品カウンセリングのロールプレイングをする場合は、まずは成分をベースに商品をいくつか選定すると良いでしょう。
皮膚のトラブルを想定したロールプレイングでは、ステロイド、ノンステロイド、抗生物質、抗生物質+ステロイド、保湿剤などの商品を揃えます。
実際にお客さまからあった相談や質問も複数用意し、以下の流れでスムーズな会話ができるようにロールプレイングを繰り返し行いましょう。
ロールプレイングでの理想的な会話の流れ | |
1 | お客さまから相談を受ける |
2 | お客さまへ的確な質問をする |
3 | 商品選択に関わる情報・希望、症状などを聞き出す |
4 | 症状にあった商品を提案する |
皮膚のトラブルの相談であれば、「化膿がありますか?」と質問し、化膿があるとわかれば抗生物質を配合した商品を提案にする、といった流れです。
ロールプレイング後は、指導者がフィードバックを行います。
その際、次のような内容を伝えると効果的です。
…より適切と言える商品の検討
・「こういう提案のパターンもあるよね」
…別パターンの提示
・「こう質問したらもっとよかったね」
…具体的な質問案の検討
・「これは禁忌だから選んではダメだったよね」
…必ず確認すべき事項の確認
ロールプレイングは店舗全体の接客スキル向上に役立つ
OTC医薬品にはさまざまな商品があり、効能効果も広い商品が多いため、「正解は一つ」といったシチュエーションは多くありません。
そのため、お客さまの症状や来店された背景からいくつかの候補を提示して、一緒に選んでいく姿勢が大切です。
今回紹介したようなロールプレイングを、新人だけでなく、ベテラン医薬品登録販売者とも連携して継続的に実施しましょう。
そうすることが、店舗全体の接客スキルの向上につながります。
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【執筆者プロフィール】
執筆者:鈴木 伸悟(すずき・しんご)さん
有限会社ウインファーマ セルフメディケーション推進室室長。
薬剤師および登録販売者へ適切なOTC医薬品のすすめ方や売り場作りなどの教育に携わる。
SNSでは、大手ドラッグストアおよび調剤薬局での自身の勤務経験をもとにOTC医薬品の役立つ情報発信を行い、全国各地での講演会やコラムの連載など多方面に活躍している。
著書「薬局OTC販売マニュアル〜臨床知識から商品選びまで分かる〜 日経BP社」
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