著名人コラム
2024-01-12
ドラッグストアの「レジでの接客が上手い人」の特徴とは?【OTC薬剤師・鈴木伸悟先生に学ぶ!登録販売者向け接客マニュアル】
・Before
・After
OTC医薬品販売に強い薬剤師・鈴木伸悟先生に接客のコツを教えていただく連載・第5弾です。今回のテーマは、ドラッグストアにおけるレジでの接客のポイント。ドラッグストアでの日常業務の中で、レジ対応に充てている時間が長いという登録販売者の方も多いのではないでしょうか。OTC医薬品販売の面から、レジでの接客が上手い人の特徴3つと気をつけたい点について鈴木先生に解説していただきました。「親身な対応」と「スピード・効率」の間でゆれる皆さんに、ぜひチェックしてほしい内容です。早速、見ていきましょう!
特徴1:レジでの接客が上手い人は迅速な対応でお待たせしない
小売業におけるレジでの接客が上手い人の特徴として、丁寧かつ親切で礼儀正しいこと、商品の価格・数量・ポイントカードの扱いなどに注意を払って正確に処理できることは言うまでもないでしょう。
加えて、迅速な対応で、なるべくお客さまをお待たせしない努力も重要です。
近年では、「カスハラ※」という言葉があるように、さまざまなお客さまがいます。
※カスハラ…「カスタマーハラスメント」の略。お客さまが企業の販売員などに対して暴言や理不尽なクレームを浴びせるなどの行動のこと。
お客さまによっては、「レジが遅い」というだけでクレームになることもあり得るでしょう。
レジ対応中にこうしたカスハラを受けてストレスを感じても、感情をコントロールして冷静に対応することが大切です。
特徴2:視野が広く、レジ周辺の状況に合わせて行動できる
レジ対応の限られた時間のなかで、OTC医薬品に関する知識を活かしてお客さまに情報提供ができる医薬品登録販売者は優秀だと言えます。
レジ対応中は、目の前のお客さまだけでなく、次に並んでいる方々やその周辺にも注意を払い、次の3点を把握しましょう。
・お客さまがどのような商品を持って並んでいるか
・レジ付近で困っている人はいないか
並んでいるお客さまが持っている商品が「濫用等のおそれのある医薬品」であれば、医薬品登録販売者自身が対応する必要があります。
適切な情報提供を行いつつスムーズにレジを回すために、医薬品登録販売者は視野を広くもちましょう。
特徴3:自然な声かけでOTC医薬品が適切かをチェックできる
OTC医薬品を購入される際にお客さまから質問などがなかったとしても、レジで余裕があれば、医薬品登録販売者は次のような声かけをしてコミュニケーションをとってみると良いでしょう。
・(ご購入の薬は)いつもお使いのお薬ですか?
・飲み方はわかりますか?
そうすると、「実は相談したかったんですけど〜」とお客さまから打ち明けられることがあります。
以下の例のように、明らかに不適切なOTC医薬品が選択されている可能性を感じたときも、お客さまに一声かけましょう。
・タクシーの運転手の服装をした方が、「眠気の恐れがあり、運転が禁忌の商品」を選択してレジで購入しようとしている
⇒「このお薬は服用後運転ができない商品ですが、問題ないでしょうか?」と声をかける。
レジでは臨機応変な対応が重要に
OTC医薬品は、適切に商品を選ぶことが、治療効果の向上や副作用の回避といった理由から何より重要です。
お客さまをお待たせしないように華麗なレジ捌きをみせるのも大事ですが、必要時には接客にしっかりと時間をかけてOTC医薬品の適正販売に努めましょう。
専門家としての親身な対応は、お客さまからの信頼を得ることにもつながります。
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【執筆者プロフィール】
執筆者:鈴木 伸悟(すずき・しんご)さん
有限会社ウインファーマ セルフメディケーション推進室室長。
薬剤師および登録販売者へ適切なOTC医薬品のすすめ方や売り場作りなどの教育に携わる。
SNSでは、大手ドラッグストアおよび調剤薬局での自身の勤務経験をもとにOTC医薬品の役立つ情報発信を行い、全国各地での講演会やコラムの連載など多方面に活躍している。
著書「薬局OTC販売マニュアル〜臨床知識から商品選びまで分かる〜 日経BP社」

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