著名人コラム
2023-10-06
納得して購入してもらう、クロージング(成約)のコツとは?【OTC薬剤師・鈴木伸悟先生に学ぶ!登録販売者向け接客マニュアル】
・Before
・After
OTC医薬品販売に強みをもつ薬剤師・鈴木伸悟先生から接客のポイントを学ぶ連載、第4弾です!今回は、推奨品販売でも使える「お客さまへのクロージング(成約のための最終的な提案)のコツ」について、OTC医薬品の販売を例に解説していただきます。最後の一押しが苦手…という方は、ぜひ参考にしてください。
1.商品の価値を信じる
まずは自分が勧める商品に対して、価値を信じることが大切です。
OTC医薬品であれば、その商品を自身で使用してみるのも大事でしょう。
実際に使用してみて効果を実感できれば、接客時の説得力も増します。
2.商品のメリットを明確に伝える
お客さまに対して、商品のメリットを明確に伝えましょう。
その商品がお客さまの問題を解決し、利益をもたらす点を重点的に伝えると効果的です。
OTC医薬品であれば、「効能効果」がお客さまの悩みとなる症状と合致していることをアピールするのが重要でしょう。
お客さまのとくにつらい症状を確認し、「その症状であれば〇〇を改善してくれる成分が入ったこちらの商品がおすすめできます」という形で伝えます。
ただし「してはいけないこと」(禁忌)とされる、その医薬品を売ってはいけない人に販売しないことも、医薬品登録販売者の大きな役割です。
アレルギーや持病、運転の有無などを確認し、使用できない場合は「使えません」と伝えましょう。
販売せず、受診勧奨をするといった判断が、結果的に信頼につながります。
もちろん、OTC医薬品の押し売りは絶対に止めましょう。
3.複数の選択肢を提示する
商品は、一つの提案だけでなく、いくつかのオプションとあわせて提示することで、お客さまが最適な選択肢を選びやすくなります。
ただし、オプションが多すぎるとかえって選択が難しくなるので、適度に調整しましょう。
OTC医薬品で言えば、よほどその方にあった商品がこれしかないといった場合を除き、2〜3種類を提示して一緒に選ぶ姿勢が大事でしょう。
また価格もお客さまにとって商品を選ぶうえで重要であるため、薬の説明に合わせて価格の情報提供をしましょう。
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4.付加価値となるサービスを提供する
付加価値となるサービスは、お客さまの購入意欲を高めます。
OTC医薬品を販売する際には、養生法などを一緒にアドバイスしましょう。
たとえば、咳でお困りのお客さまには次のような対策をおすすめします。
- こまめにうがいする
- 居室を加湿して乾燥の刺激を避ける
- スプーン一杯のハチミツをなめる(ハチミツは「咳に効果がある」という報告がある)
こうした情報提供はお客さまにとって、付加価値になります。
この4つのコツを意識してお客さまへのクロージングを行うと良いでしょう。
商品購入だけでなく、お客さまの信頼獲得も期待できます。
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【執筆者プロフィール】
執筆者:鈴木 伸悟(すずき・しんご)さん
有限会社ウインファーマ セルフメディケーション推進室室長。
薬剤師および登録販売者へ適切なOTC医薬品のすすめ方や売り場作りなどの教育に携わる。
SNSでは、大手ドラッグストアおよび調剤薬局での自身の勤務経験をもとにOTC医薬品の役立つ情報発信を行い、全国各地での講演会やコラムの連載など多方面に活躍している。
著書「薬局OTC販売マニュアル〜臨床知識から商品選びまで分かる〜 日経BP社」
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