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2025-02-21
コデイン(咳止め薬)の副作用や依存性は?ドラッグストアでの販売時の注意点をわかりやすく解説
・Before
・After
コデインは咳止め薬として広く使われていますが、その副作用や依存性には注意が必要です。本記事では、登録販売者が知っておくべきコデインの基本情報や、販売時の注意点について解説します。安全な使用のために、しっかりと理解しておきましょう。

コデインとは?
コデインとは、主に咳を鎮めるために用いられる医薬品成分です。
この成分は、延髄にある中枢神経に作用することで、咳を鎮める効果が期待できます。
また、痛みを鎮めたり下痢症状を和らげたりするなど、幅広い目的で使用されているのが特徴です。
コデインを含む咳止め薬は、痰が絡まない乾いた軽い咳に対して、とくに効果的とされています。
ただし、使用する際は副作用や依存性に留意し、適切な使用を心がけましょう。
【コデインに期待できる主な効果】
- 鎮咳、鎮静
- 鎮痛
- 激しい下痢症状の改善 など
一般用医薬品では咳止め薬に使われることが多い
コデインは、医療機関から処方される医薬品のほか、ドラッグストアなどで購入できる一般用医薬品の咳止め薬にも使用されています。
具体的には、コデインリン酸塩水和物やジヒドロコデインリン酸塩といった名称で記載されている製品が多いです。
登録販売者の方は、実際にパッケージを見て確認してみましょう。
【一般用医薬品におけるコデインの成分名】
- コデインリン酸塩水和物
- ジヒドロコデインリン酸塩
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<登録販売者向け>咳止め薬を探して来店されたお客さまへの対応【薬剤師に学ぶ医薬品知識】

コデインの副作用・注意すべき依存性
一般的な副作用 | 重篤な副作用 |
---|---|
・眠気 ・めまい ・便秘 など | ・アナフィラキシーショック ・呼吸困難 など |
コデインを含む咳止め薬などの使用によって、眠気やめまい、便秘といった副作用が出る可能性があります。
これらの副作用は一般的には軽度ですが、症状が長引く場合には使用の中止を促し、医療機関での受診を勧めることが重要です。
重篤な副作用としては、アナフィラキシーショックや呼吸困難といった急性症状があげられます。
さらに、コデインは依存性や錯乱、せん妄を引き起こすおそれもあるため注意が必要です。
万が一、異常を感じたお客さまがいた場合は、すぐに使用をやめて医療機関を受診するよう指導しましょう。
コデインが持つ依存性のリスク
- 倦怠感
- 虚脱感
- 多幸感
コデインはモルヒネと同じ基本構造を持つため、「麻薬性鎮咳成分」とも呼ばれています。
厚生労働省が定める「濫用等のおそれのある医薬品」に指定されており、長期間の使用や大量摂取は薬物依存のリスクを伴うため注意が必要です。
依存症になると、倦怠感や虚脱感、多幸感などの症状が現れることがあります。
登録販売者として、コデインの依存性のリスクを十分に理解し、お客さまに適切な情報を提供することを心がけましょう。
参考:厚生労働省「濫用等のおそれのある医薬品について」
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「濫用等のおそれのある医薬品」の適正販売のため、登録販売者にできることは?接客のポイントを解説
コデインを含む咳止め薬を販売するときの注意点【登録販売者向け】
コデインを含む咳止め薬を販売する際は、押さえておくべき注意点があります。
登録販売者として、正しい知識を身に付け、適切なアドバイスを心がけましょう。
コデインの禁忌・使用に注意が必要な人を理解する
禁忌 | 使用に注意が必要な人 |
---|---|
・12歳未満の小児 | ・妊娠中や授乳中の方 ・過去にコデインに対するアレルギー反応を示した方 ・ほかの中枢神経抑制剤を服用している方 |
コデインを含む咳止め薬などの一般用医薬品は、12歳未満の小児には使用が禁忌とされています。
また、胎児への移行や母乳を通じた成分の移行が確認されており、乳児等の重篤な副作用を避けるため、妊娠中や授乳中の方は使用を控えるべきです。
そのほか、過去にコデインに対するアレルギー反応を示した方や、ほかの中枢神経抑制剤との併用を考える場合は、相互作用により症状が悪化する可能性があるため注意しましょう。
お客さまの咳の症状や健康状態を詳しくヒアリングする
コデインを含む咳止め薬は、コンコンという軽めの乾いた咳に対してとくに向いています。
咳止め薬をお求めのお客さまには、どんな症状で悩んでいるのか、どのくらいの期間その症状が続いているのか、ほかに気になる点はないかなど、詳しくヒアリングすることが重要です。
丁寧なヒアリングを通じて、適切な薬の選定が可能になり、より効果的な提案につながります。
【お客さまへのお声がけの例】
- どのような症状でお悩みですか?
- 症状はいつ頃から続いていますか?
- ほかに気になる点や、ご不安な点はありませんか?
お客さまの健康状態に応じて受診推奨も視野に入れる
お客さまの咳の症状や健康状態によっては、一般用医薬品での対応が難しいケースもあります。
とくに、咳が長引いている場合や重篤な症状がみられる際には、自己判断での使用を避け、必要に応じて医療機関の受診を推奨しましょう。
お客さまの状態をしっかりと把握し、適切なアドバイスを行うことが大切です。
コデインを含む咳止め薬をおすすめするタイミングは?
- 痰が絡んでいない乾いた軽い咳がみられるとき
- ほかの薬では症状が緩和されなかったとき
- 効き目が強い咳止め薬をお求めのとき
コデインを含む咳止め薬は、痰が絡んでいない乾いた軽い咳がみられるときなどにおすすめです。
また、咳が続いていてほかの薬では緩和されない場合などに効果を発揮します。
ただし、使用する際には適切な用量と期間を守ることが肝心です。
さらに、お客さまの全体的な症状や健康状態を考慮し、必要に応じて医療機関の受診を促しましょう。
「コデインを含まない」咳止め薬をおすすめするタイミングは?
- 小さなお子さまや妊娠・授乳中の方
- 運転や機械操作を行う方
- コデインによるアレルギー歴がある方
- ほかの薬を服用している方
一方で「コデインを含まない咳止め薬」は、小さなお子さまや妊娠・授乳中の方におすすめです。
このような方には、コデインの副作用リスクを避けるために、非コデイン系の薬を選びましょう。
また、運転や機械操作を行う必要がある方にも、眠気を誘発しにくい非コデイン系の薬が推奨されます。
加えて、アレルギー歴がある方やほかの薬を服用している方にも、安全に使用できる選択肢として非コデイン系の咳止め薬が適しているでしょう。
お客さまのライフスタイルや健康状態を考慮し、適切なアドバイスを行うことが大切です。
コデインの使用は慎重に見極めて、お客さまに合わせたアドバイスをしましょう
コデインを含む咳止め薬は、とくに乾いた軽い咳に効果的ですが、副作用や依存性のリスクがあるため、慎重な使用が求められます。
小さなお子さまや妊娠・授乳中の方には、非コデイン系の安全な選択肢をおすすめしましょう。
また、お客さまの健康状態や症状に応じた適切なアドバイスを行い、必要に応じて受診を促すことも登録販売者の重要な役割です。
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【執筆者】
チアジョブ登販編集部
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