登録販売者の働き方
2023-03-24
登録販売者がキャリアアップする方法-役に立つコツや資格も徹底解説 !
・Before
・After
登録販売者の中には、「もっと収入を上げたい」「接客スキルを磨きたい」などキャリアアップを目指す方も多いでしょう。確実にキャリアアップを叶えるためには、身につけるべきスキルや知識があります。登録販売者としてキャリアアップする具体的な方法や一般的なキャリアパス、役立つ資格などをご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
登録販売者がキャリアアップする利点
・仕事の対応範囲や貢献できる範囲が広がる
登録販売者がキャリアアップをすると、「登録販売者手当」がつき、年間10万円程度の年収アップを目指せます。
店長やそれ以上のポジションになると、役職手当もつくように。
このような手当を受けるには、登録販売者の管理者要件を満たさなければなりません。
一定の実務経験が必要なため、キャリアアップを図りたい新人登録販売者はまずここを目指すとよいでしょう。
また、キャリアアップをして店舗管理者や店長など上位の役職に就くことで、店舗の管理や運営も任されるようになります。
自分が携われる仕事の範囲が広がるため、店舗や会社への貢献度が高まり、モチベーションアップにもつながるでしょう。
登録販売者のキャリアパスについて
業界大手企業の一般的なキャリアパス |
---|
店舗スタッフ |
副店長(店長代理) |
店長 |
SV・エリアマネージャー |
本社スタッフ (バイヤー・人事・教育・経理などの間接部門等) |
登録販売者のキャリアパスは、一般的に上記のような流れで進みます。
最初は店舗スタッフとしての勤務からスタート。
一定以上の実務経験を積んで、研修中の身から店舗管理者要件を満たす登録販売者になることを目指します。
登録販売者としての経験年数や、推奨品販売ノルマを設けている企業であればその販売実績など、さまざまな要素を踏まえて評価を受けると、副店長・店長の候補に選出。
試験や面接等の条件をクリアすれば、これらの役職へキャリアアップできます。
一般的に、登録販売者が本社スタッフになる前には、SVやエリアマネージャーなどを経験することが多いです。
そのため、バイヤーや人事、マネジメントといった役職には、SVやエリアマネージャーなどを経て本社所属となってから就けるケースが多く見られます。
登録販売者のキャリアパス上の役職と仕事内容
登録販売者はキャリアアップする過程で、店舗スタッフや店長、エリアマネージャーなどさまざまな役職を経験します。
各役職の主な仕事や特徴を見ていきましょう。
店舗スタッフ
店舗スタッフの基本的な仕事は、店舗での接客業務です。
医薬品や健康についてお客さまからの相談対応を行います。
そのほか、陳列棚のレイアウト調整やレジ業務、品出し、雑務なども重要な仕事です。
店舗スタッフとして経験を積んでいくと、新人スタッフの教育に携わることも。
経験とともに少しずつ仕事の幅が広がっていくと言えるでしょう。
副店長・店長
副店長や店長の役職に就いた登録販売者は、基本的な接客業務に加えて店舗全体の管理を担当するようになります。
代表的な仕事は、シフト作成や商品・売上の管理などです。
店舗によっては、副店長や店長にアルバイトやパート採用の裁量権を与えられている場合もあるため、採用関連の業務にも携わります。
繫忙期・閑散期にあわせて適切な人員配置をするスタッフのマネジメント業務も、副店長や店長の役割です。
エリアマネージャー
エリアマネージャーは、自身が勤める店舗だけでなく、担当エリアにある全店舗の管理を担当します。
店舗巡回や店長同士で共有を行い、毎月の売上目標や日々の進捗状況などを確認。
担当エリアを統括する役職として、各店長の意見も考慮しつつ、的確に指示を出してマネジメントを行います。
広い視野を持つことや、各店長の意見を受けとめ、まとめながら目標を立てるといった高度なマネジメント能力が求められるでしょう。
バイヤー
バイヤー職の主な仕事は商品の仕入れです。
需要の高い商品は地域や店舗ごとに違うため、その地域の特性やトレンドを意識しながら商品を確保する必要があります。
また、バイヤーにとってお客さまである仕入れ先の各メーカーと、信頼関係を構築することも欠かせません。
視野の広さや情報収集スキル、コミュニケーション能力などが求められます。
本社職
本社勤務となった場合、その企業の事業規模や内容によって担当する仕事はさまざまです。
例として、次のような職種があげられます。
店舗運営:エリアマネージャーの上層に位置し、店舗運営をより広範囲でサポートする
管理:新規出店にかかる企画業務など
人事:新卒、中途採用等における人材獲得や育成
開発担当であれば新しいアイデアを積極的に生み出す能力、人事担当であれば優秀な人材を見極める能力など、職種によって求められるスキルも異なります。
登録販売者がキャリアアップする方法
登録販売者がキャリアアップするための方法は、主に3つあります。
ご自身が目指すキャリアに応じて、キャリアアップ方法を考えてみましょう。
ナショナル職につく
ナショナル職とは、全エリアに対応可能な立場にある職種をさします。
ナショナル職は全国へ転勤可能なため、働くエリアが限定されるエリア職と比べるとキャリアアップしやすい立場です。
さらに、ナショナル職の方がエリア職よりも年収が高いこともメリットのひとつです。
正式な名称は企業ごとに異なり、「全国社員」といった呼び方をされる場合もあります。
管理者要件を満たす
管理者要件を満たすことで、研修中の立場から1人前の登録販売者になり「店舗管理者」として働けるようになります。
店舗管理者とは、薬剤師や登録販売者など店舗で働く従業員の監督や、医薬品等商品の管理を行う役職です。
管理者の指導のもとでなくてもOTC医薬品を販売できたり、店舗の運営に関連する業務に携われたり、業務の幅が広がります。
また、管理者要件を満たすと「登録販売者手当」がつくようになります。
キャリアアップに加え、年間10万円ほどの収入アップにもつながるでしょう。
昇格基準を満たす
登録販売者がキャリアアップするには、昇格基準を満たすことも欠かせません。
昇格基準は企業により異なります。
一般的には、店舗の売上実績や販売ノルマの達成、年齢などを考慮して候補者に選出。
面接と筆記試験を受けて合格すると昇格できるという流れが多いとされています。
登録販売者がキャリアアップしやすくなるコツ
登録販売者としてキャリアアップを叶えるためには、現在よりも知識やスキルを磨くことが大切です。
具体的に何をどのように高めるとよいか、キャリアアップを図るコツを解説します。
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マネジメント能力を身につける
☑ 店舗の売上向上や目標を成し遂げるために実行すべき行動を見極められるか
登録販売者から店長やエリアマネージャーになると、接客以外に店舗やエリアの従業員を管理する業務が増えます。
状況を見極めて従業員へ的確な指示を出す必要があるため、マネジメント能力を身につけることが重要です。
また本社職になると、企業の経営理念を理解し、会社として目標を成し遂げるために必要な要素や行動を見極める能力も求められます。
マネジメント能力を養い成果が認められることで、希望の役職に就くなどのキャリアアップが図れるでしょう。
商品に関する知識を深める
☑ 定期的に情報収集を行い、新商品などの最新情報について知識を有しているか
商品や使われている成分への知識を深め、お客さまに質問されたときにパッと回答できるようにしましょう。
登録販売者試験では薬の成分について学習しますが、ただ成分を覚えるのではなく、商品に入っている状態の成分を正しく把握していることが重要です。
深めた知識を実際の業務に活かせれば、自信を持って接客できるようになります。
店舗の売り上げアップに貢献できれば、自身のキャリアアップにもつながるでしょう。
また、一般用医薬品は次々に新商品が販売されるため、どの商品にどのような成分が入っているか、定期的に見直して覚え直す必要があります。
店舗で販売されている商品はすべて把握しておきましょう。
店頭で商品を見て覚えることも重要です。
わからないことはメモして、商品の知識を深めましょう。
接客スキルを高める
☑ 話に応じて距離感や接し方に変化をつけられるか
☑ 専門用語はなるべく避け、わかりやすい言葉で話せるか
接客スキルを磨くには、お客さまの話をよく聞いてニーズを汲み取ったり、誰にでもわかりやすい表現で話したりすることが大事です。
接客スキルを高められないと、習得した医薬品の成分や商品に関する知識を活かせず、キャリアアップの足かせになってしまいます。
まずは自分の周りで接客がうまい登録販売者を見つけて参考にし、お客さまに満足してもらえる接客方法を考えてみるとよいでしょう。
真似できるところは積極的に取り入れ、徐々に自分流にアレンジしてみるのがおすすめです。
他店に行って学ぶと、新しい発見や接客のヒントがあるかもしれません。
売り場づくりを工夫する
☑ 目を引くPOPを作成する
☑ 季節ごとの需要に沿った商品を並べる
商品が魅力的に見えるPOPを作ったり、お客さまのニーズに合わせてレイアウトを変えたりすることで、よりよい売り場づくりができるでしょう。
店内の品出しや商品陳列、POP作りといった売り場づくりも、登録販売者の仕事のひとつです。
魅力的な売り場は商品購入のきっかけになり、お客さまとコミュニケーションを円滑に進める際にも役立ちます。
自店舗の売り上げが高いコーナーや、多店舗のセンスのよいレイアウトなどから学んで実践してみましょう。
資格を取得する
商品や健康、接客、売り場づくりなどさまざまな資格から興味のあるものを学び、医薬品以外の知識を深めてみるのもよいでしょう。
登録販売者として店頭に立つと、一般用医薬品だけでなく化粧品についての質問をされる機会も多いはず。
登録販売者は第2類・第3類の市販医薬品に関しては学んでいますが、すべての商品のスペシャリストではないため、担当分野以外の知識は少ないかもしれません。
しかし、お客さまからすれば、スタッフの勉強不足と思われることもあります。
できるかぎりお客さまの要望に応えられるように、医薬品以外の商品や接客などの勉強をして知識を深めることが重要です。
プラスアルファで得た知識が、自身のキャリアアップにもつながります。
自社商品に対する知識を深める
自社商品への知識を深め、魅力を存分に伝えられるようなトークを考えて、登録販売者として自信を持ってお客さまに販売できるよう努めましょう。
企業によっては、自社のオリジナル商品を展開している場合があります。
自社商品はナショナルブランドの商品と比べて低価格で仕入れられ、高い利益率を出せることが特徴です。
自社商品を積極的に販売することで店舗の利益が上がり、結果として自身のキャリアアップにもつながります。

登録販売者のキャリアアップに役立つ資格
スキルアップに励んで登録販売者としての能力向上を目指すことが、周囲からの評価、キャリアアップへとつながっていきます。
商品や売り場づくり、マネジメントなどさまざまな資格があるので、ご自身の興味のあるものを選んでみてください。
商品に関する知識の資格
薬膳やコスメなど商品に関する知識を深めると、登録販売者の接客対応に役立ちます。
学べる分野はさまざまなので、気になるものをチェックしてみてください。
【漢方】薬膳コーディネーター
心身の不調を食べ物の力を使って養生する、という「中医学」の考え方を学べる薬膳コーディネーター。
難しい生薬は使わず、身近にある食べ物の組み合わせで心身の不調を改善する方法やレシピを習得できます。
登録販売者として、お客さまに薬膳のアドバイスもできるようになるでしょう。
・受験方法:在宅受験
・費用:44,000円
※2023年2月時点の情報
【健康食品など】薬機法管理者
薬機法管理者とは、主に健康食品や化粧品、医療・美容機器などの基本をマスターした専門家です。
薬機法の正しい知識を得ることは、店頭での接客業務はもちろん、ポップやチラシ作成、部下への指導の際にも役立ちます。
資格の証明を持っていれば、お客さまや取引先からの信頼度も高まるでしょう。
・受験方法:修了試験に合格後、在宅受験
・費用:講座・資格試験セット89,800円
※2023年2月時点の情報
【化粧品】コスメ薬機法管理者
コスメ薬機法管理者は、化粧品や薬用化粧品の基本を習得できる資格です。
化粧品に関する正しい知識・おすすめ方法を学ぶことで、接客時に的確なアドバイスができるようになります。
自社製品の開発など、本社職のキャリアアップにもつながる資格です。
・受験方法:修了試験に合格後、在宅受験
・費用:講座・資格試験セット50,000円
※2023年2月時点の情報
【化粧品】日本化粧品検定
日本化粧品検定は、化粧品に特化した文部科学省後援の検定試験です。
3級~1級の難易度にわかれており、3級は公式サイトから無料で受験できます。
化粧品や美容について幅広く専門知識を学べるため、化粧品販売に携わる登録販売者が取得することで即戦力になれるでしょう。
・受験方法:年2回 各都道府県にて会場試験
・費用:受験料 1級13,200円(税込) 2級6,600円(税込)
※2023年2月時点の情報
【化粧品】化粧品成分検定
化粧品成分検定は、化粧品に記載されている成分名やその特徴を読み解く検定です。
日本化粧品検定と同じく3級~1級まであり、2級では化粧品成分の基礎、1級では化粧品成分の応用編を学びます。
各商品に含まれる成分を理解することで、お客さまに正しい情報を伝えられるようになるため、登録販売者の接客業務に活かせるでしょう。
・受験方法:年2回(6月・12月) 会場試験
・費用:受験料 1級11,000円(税込) 2級6,600円(税込)
※2023年2月時点の情報
健康に関する知識の資格
登録販売者にとって、健康に関する知識はなくてはならないものです。
登録販売者の業務に活かせる資格・検定をご紹介します。
日本健康マスター検定
日本健康マスター検定は、健康に関する幅広い知識や最新情報、実践的な健康法を学び、健康リテラシーの向上を目指す検定です。
健康や医療分野の専門家が監修しています。
登録販売者として医薬品を販売する際に、お客さまの健康相談にも活かせるでしょう。
・受験方法:各都道府県にて会場試験
・費用:受験料 健康マスター6,600円(税込) 健康マスター・エキスパート9,900円(税込)
※2023年2月時点の情報
生活習慣予防プランナー
生活習慣病を予防する健康のクオリティ向上について、運動と食事の両面からアドバイスできるようになる生活習慣予防プランナー。
登録販売者が携わる接客業務では、健康や生活習慣病についてお客さまから相談・質問をされる機会も多いでしょう。
生活習慣病の専門知識を身につけることで、一層頼りにされる存在を目指せます。
・受験方法:在宅受験
・費用:受講料16,500円(税込)
※2023年2月時点の情報
美容薬学検定
美容に関する専門知識を薬学レベルまで学べる検定です。
最近では、男女問わず美容に対する意識が高まってきているため、多くの人に関心が高い検定といえます。
美容関連の知識を深めることは、店頭での接客や本社での商品開発など、登録販売者のキャリアで大いに役立つでしょう。
・受験方法:在宅受験・団体受験(任意の会場)
・費用:在宅受験6,700円(税込) ・団体受験4,800円(税込)
※2023年2月時点の情報
接客に関する資格
接客は、登録販売者にとっての基本業務です。
接客の基本やマナーを改めて身につけることで、より質の高いお客さま対応ができるようになります。
サービス接遇検定
サービス接遇検定は、接客業務における心構えや立ち居振る舞いなど、サービス業の専門家としての知識を基礎から学べる検定です。
相手を不快にさせず、満足感を提供するためのノウハウを得られます。
・受験方法:全国の希望地にて会場試験
・費用:受験料1級7,800円 2級5,200円 3級3,800円 (各税込・他にも級や同時受験の有無により費用は異なる)
※2023年2月時点の情報(2023年度より上記価格へ改定)
売り場づくりに関する資格
売り場づくりに活かせるような資格を学ぶことで、お客さまの購買意欲をそそるようなレイアウトや商品陳列ができるようになります。
POP広告クリエイター
POP広告クリエイターの試験では、POP広告の幅広い作成能力を審査します。
小売業やサービス業に従事する人や、業界の向上・発展に寄与したものです。
魅力的なPOPを作成することで、販売促進や接客の際のコミュニケーションツールに役立てられるでしょう。
・受験方法:全国主要都市にて会場試験
・費用:受験料 5,500円(個人申込の場合、別途郵送切手代168円が必要)
※2023年2月時点の情報
店舗運営(マネジメント)に関する資格
登録販売者が店長やさらに上の役職へキャリアアップを図る場合、マネジメント能力は必要不可欠です。
マネジメント能力の向上に活かせる資格をご紹介します。
販売士
販売士は、マーケティングの基礎や商品の仕入れ・物流など小売業全般の専門知識を学ぶ資格です。
3級から1級まで難易度がわかれており、1級ではマネジメントに関わる高度な知識を習得できます。
登録販売者として、活躍の場が広げられるでしょう。
・受験方法:ネット受験
・費用:受験料 1級 7,850円 2級 5,770円 3級 4,200円
※2023年2月時点の情報
登録販売者としてスキルや知識を高めてキャリアアップを叶えよう
登録販売者がキャリアアップすると、収入アップや仕事の幅が広がるなど多くの利点があります。
着実にキャリアアップするためには、登録販売者のキャリアパスをよく理解して、必要なスキルや知識を身につけることが大切です。
関連資格の取得も目指すと、よりマルチに活躍できる登録販売者になれるでしょう。
ご紹介したコツや役立つ資格を参考に、ご自身が目指すキャリアアップを叶えてください。
「チアジョブ登販」では、全国の登録販売者求人を豊富に取りそろえています。
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登録販売者としてキャリアアップを目指したい方は、ぜひ転職相談へお申し込みください。

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