登録販売者の働き方
2021-11-26
コールセンターで働く登録販売者の仕事って?メリット・デメリットも解説!
・Before
・After
登録販売者の需要が増えているコールセンター。ドラッグストアや量販店などの店舗販売業と比べて仕事内容や働き方にどのような違いがあるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。 今回は、コールセンターでの登録販売者の仕事内容や、働くメリット・デメリットについて解説します。あわせて、コールセンターでの仕事に必要なスキルも紹介していますのでぜひ参考にしてください。
公開日:2021年8月20日
更新日:2021年11月26日
コールセンターでの需要が増えている背景
登録販売者の需要は、ドラッグストアや医薬品を扱う家電量販店などが大部分を占めますが、昨今ではコールセンターでの需要が増えています。
その背景にあるのが、ネット通販業界の拡大です。
2014年の改正薬事法(現・薬機法)により、一般用医薬品もネット通販が可能になりました。
ネット通販においても店舗同様の相談応需体制を整える必要があるため、医薬品のスペシャリストである登録販売者が求められているのです。
このほか、メーカーが問い合わせの窓口として、専門家を配置するケースも増えています。
コールセンターで働く登録販売者の仕事内容は?
コールセンターで働く登録販売者の仕事は、主に一般消費者のお客さまからの受注や相談・問い合わせの対応です。
医薬品を購入するお客さまのなかには、すでにほかの薬や健康食品を使用しており飲み合わせが気になる方や、服用に際して疑問がある方もいるでしょう。
そのような医薬品に関する様々な質問に、専門知識を生かして答えるのが仕事です。
加えて、すでに自社製品を使用しているお客さまや、問い合わせのあったお客さまへのフォローコールといった発信業務を行う場合もあります。
登録販売者がコールセンターで働くメリット・デメリット
店舗販売とは仕事内容や環境が大きく異なるコールセンターで働くメリット・デメリットについて紹介します。
メリット
コールセンターは基本的にオフィスワークであるため、とくに働く環境において多くのメリットがあります。
■力仕事や立ち仕事がない
ドラッグストアで働く場合、勤務時間中はほとんど立ち仕事です。
さらに商品の品出し業務もあり、重いドリンクのケースを運ぶなどの力仕事にも対応します。
年齢を重ねるにつれ、働き続けることに体力面の不安を感じる方も多いでしょう。
コールセンターはオフィスワークのため、立ち仕事や力仕事はありません。
体力に自信のない方でも十分に働けます。そのため、採用にあたっても年齢の影響はあまりないようです。
■実務経験が少ない、ブランクがある場合でも働きやすい
店舗販売業のなかでもスーパーや家電量販店では、単独で医薬品の販売ができる、実務経験2年以上の管理者要件を満たした登録販売者の需要が大部分を占めます。
管理者要件を満たしていない場合には、薬剤師や管理者要件を満たした登録販売者を別におく必要があるため、どうしても採用優先度が下がるのが現状です。
一方、コールセンターでは資格のない方も多数在籍するため、登録販売者の資格をもっていること自体が有利に働く場合があります。
そのため実務経験が少ない方や、ブランクがある方も勤務しやすい状況と言えるでしょう。
■職場によっては土日祝休みとなる
コールセンターは、基本的にドラッグストアのような営業時間やシフト制ではありません。
ドラッグストアではまず難しいビジネスタイムの勤務で、土・日・祝日の休日を実現できる職場も数多く見つかります。
また、電話受付時間が決まっているため残業も発生しにくく、プライベートを大切にした働き方ができるでしょう。
■基本的に転勤がない
ドラッグストアでは職種によって転勤が発生しますが、コールセンターは基本的に転勤の可能性はありません。
家庭の事情などで転居が難しい方でも、安心して働き続けられます。また、働く環境が大きく変わることによるストレスも受けにくいでしょう。
デメリット
コールセンターでの仕事は環境面では恵まれていますが、登録販売者として働く場合にネックと感じることもあります。
コールセンターで働く場合のデメリットは次の2点です。
■営業が発生する場合もある
コールセンター業務では、前述のように受信だけでなく、購入者や見込み客に向けてフォローコールを行わなければならない場合もあります。
店舗での接客応対とは異なる難しさがあるため、営業が苦手な方は苦痛に感じてしまうかもしれません。
営業活動の有無が気になる場合には、業務範囲について事前に求人票の確認や転職コンサルタントへ相談しておくことをおすすめします。
■登録販売者としての実務経験が積めない場合もある
登録販売者の実務経験を積むには、薬剤師または管理者要件を満たした登録販売者の指導のもと、薬局または店舗販売業で販売業務への従事が必要です。
コールセンターでの勤務期間が実務経験としてカウントされるかどうかは、企業によって異なります。
現状は直近5年間に2年以上の実務経験が必要になる(※)ため、転職希望先が実務経験を積めるか事前に確認しておきましょう。
※管理者要件を満たすための条件はいくつかあります。実務経験の数え方、管理者要件については以下の記事で詳しく解説しています。
▼参考記事
【2021年8月改正】登録販売者の店舗管理者要件が緩和!経過措置の終了についても解説
コールセンターで働きたい!求められるスキルは?
コールセンターで求められるスキルは、店舗販売と共通する部分もあれば、コールセンターだからこそ必要になるスキルもあります。
コールセンターで働くときに身に付けておきたいスキルについて確認しておきましょう。
コミュニケーション能力
店舗販売でもコールセンターでもコミュニケーション能力は不可欠です。
お客さまとの会話から必要な情報を引き出したり、共感を示したりする必要があります。
コールセンターは、対面販売と異なり会話のみのコミュニケーションです。
お客さまの感情や様子をくみ取るための情報が限られているため、店舗販売よりも一層高いコミュニケーション能力が求められるでしょう。
医薬品(商品)知識
店舗販売同様、コールセンターでも医薬品について最新かつより多くの知識をもっておくことが求められます。
商品知識は研修などで学べる仕組みになっていますが、類似の商品や飲み合わせなどお客さまからのお問い合わせは多岐にわたるでしょう。
適切に対応できるよう、幅広い知識とわかりやすく説明できる能力が必要です。
事務処理能力
店頭での業務の場合、日々の業務は接客や売場管理が大部分を占めています。
コールセンターは、対応時にお客さまの情報や対応内容などを逐一PCに入力しなければなりません。
PCスキルや事務処理能力が求められる場面が必然的に多くなりますが、基本的な操作ができれば問題ない範囲なので、必要以上に苦手意識をもつことはありません。
文章を作成する能力も求められますが、多くは経験を重ねていくうちに身につけられるでしょう。
クレーム対応力や精神力
コールセンターでは、問い合わせや注文のほかにクレームの電話を受けることもあります。
お客さまの気分を損なわないように会話を進める技術や、冷静な対応、ストレス耐性などが求められます。
また、クレームが発生した要因を分析し、次の対応に生かしていく力も必要です。
コールセンターで登録販売者のスキルを活用しよう
今回は、登録販売者の需要が高まっているコールセンターの仕事について紹介しました。
コールセンターの仕事はデスクワークのため、体力面から店舗で働くことに不安がある方にもおすすめの職場です。
また、店舗のような不規則な勤務時間やシフトが負担になることもありません。ワークライフバランスの実現にも向いています。
ただし、コールセンターでは営業が必要な場合や、実務経験にカウントされない場合もあるため、仕事内容が自分に合ったものであるかを事前に確認しておきましょう。
医薬品のネット販売市場は拡大しており、登録販売者が活躍できる場は今後も増えていくでしょう。
店舗販売以外の働き方をお考えなら、ぜひコールセンターでの仕事を検討してみてはいかがでしょうか。
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