著名人コラム
2022-08-26
同じ店舗で働く薬剤師に薬の質問をしても十分に答えてもらえず、頼りになりません。どうすれば協力的に仕事に取り組んでもらえるでしょうか?【鈴木伸悟先生のお悩み相談室!第8回】
・Before
・After
薬の成分や飲み合わせ、接客、同僚との人間関係など、たくさんの悩みや不安を抱えながらも、お客さまに最適な提案ができるよう奮闘する登録販売者。 そんな登録販売者のお悩みに、SNSや講演会、業界紙などを中心にOTC医薬品の情報発信を行う薬剤師の鈴木伸悟先生が答えます! 第8回は、ドラッグストアにおける薬剤師との連携に関するお悩みへの回答です。登録販売者にとって薬剤師との連携は必須である一方、その関係性に悩む人も多いのではないでしょうか。薬剤師である鈴木先生の視点で、協力体制を構築するための取り組み内容を教えていただきました。
薬剤師が質問に十分に答えてくれなかった理由は「協力的でないから」「仕事ができないから」ではない可能性も?
「薬剤師が頼りにならない」というご相談があったことを、同じ薬剤師としては大変残念に思います。
ただ、調剤業務をメインとしている薬剤師の場合には、OTC医薬品の販売経験が少ないために、OTC医薬品の成分はわかっても商品知識が十分でなく、医薬品登録販売者からの質問に答えられないといった事情も考えられます。
その点、頻繁に売り場に出ている医薬品登録販売者から情報提供があると助かると感じる薬剤師もいると思います。
そのため、医薬品登録販売者のほうから「こんなOTC医薬品があるんですよ」と普段からコミュニケーションをとっていただくと良いと思います。
薬剤師である私自身も、新人の頃は医薬品登録販売者の方からOTC医薬品の商品知識や選び方を学ばせていただいていました。
熱心に学ぼうとする姿勢が大切
とくに「医療用医薬品とOTC医薬品の飲み合わせ」に関する相談などでは、薬剤師と医薬品登録販売者の連携が重要になると思います。
なかには、連携がうまくできずお客さまにご迷惑をかけてしまったり、今回のように薬剤師の伝え方に対して不満が出てくるケースもあるでしょう。
医薬品登録販売者の方々には、そこでめげず、目の前のお客さまのためにも、薬剤師の専門知識を引き出すつもりで積極的に質問をしてほしいと思います。
また、薬剤師からの回答内容が理解できなければ、そのときに「わからない」とハッキリ伝えることも大切です。
熱心に学ぼうとする姿勢を見せれば、薬剤師も協力的にサポートしてくれると思います。
登録販売者も対応可否が判断できるまでの知識習得を目指すべき
薬剤師に対して、必要以上に頼ることはありません。
医薬品登録販売者として身につけておくべき知識を参考書などで学び、自力で解決する能力を高めたり、自身で対応できる範囲を理解したりすることも重要です。
常に知識をアップデートしつつ、お客さまからはもちろん、薬剤師からも頼りにされるような医薬品登録販売者になりましょう。
そうすれば自ずとドラッグストアの店舗における人間関係も良くなるのではと思います。
【回答者プロフィール】
回答者:鈴木 伸悟(すずき・しんご)さん
有限会社ウインファーマ セルフメディケーション推進室室長。
薬剤師および登録販売者へ適切なOTC医薬品のすすめ方や売り場作りなどの教育に携わる。
SNSでは、大手ドラッグストアおよび調剤薬局での自身の勤務経験をもとにOTC医薬品の役立つ情報発信を行い、全国各地での講演会やコラムの連載など多方面に活躍している。
著書「薬局OTC販売マニュアル〜臨床知識から商品選びまで分かる〜 日経BP社」

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