業界情報
2021-11-29
【2021年8月1日まで】経過措置の延長終了!これからどうなる?働き方の変化を解説≪登録販売者≫
・Before
・After
2020年3月に登録販売者の経過措置の延長が発表されましたが、延長の期限は2021年(令和3年)8月1日まで。経過措置の延長終了に伴い何が変わるのか、本記事で詳しく解説していきます。また、経過措置が対象だった方を対象に、今後の働き方についても触れていますのでぜひ参考にしてみてください。
公開日:2021年6月25日
更新日:2021年11月29日
登録販売者の経過措置とは?
経過措置にかかわる登録販売者資格の法改正
登録販売者試験が実施されるようになった2008年から2014年にかけて、受験資格として「高卒以上の学歴」や「実務経験」が必要と定められていました。
さらに、試験合格後は実務経験にブランク期間が何年あったとしても、管理者要件を満たす登録販売者として認められてました。
しかし2015年に法改正があり、2015年以降の登録販売者試験では受験資格が撤廃されました。受験資格であった「学歴」や「実務経験」は必要なくなり、誰でも受験できるように変わったのです。
また、この法改正では受験資格の撤廃だけではなく店舗管理者・管理者要件を満たすために必要な実務経験の数え方についても変更がありました。
法改正後は「直近5年以内に2年以上の実務経験があり、且つ1,920時間以上勤務していること」が管理者要件を満たす上で必須となり、管理者要件を満たさない場合には店舗管理者になれないと決定したのです。
なお、管理者要件の条件に関する詳しい内容は後述します。
▼参考
店舗管理者等の要件および業務(実務)従事の証明について(函館市ホームページ)
経過措置とその延長
前述の通り、2015年の法改正に伴って管理者要件を満たすための実務経験の数え方が変わりました。
これに伴い、2014年以前の登録販売者試験の合格者については『経過措置』が適用されることになったのです。
経過措置の内容として、2014年以前の登録販売者試験の合格者を対象に、2020年3月末までは実務経験の年数に関わらず法改正前と同様に店舗管理者として就業できるとするものの、2020年4月1日以降は法改正後の基準「直近5年以内に2年以上(且つ累計1,920時間以上)の実務経験」がなければ管理者要件を満たさず、店舗管理者として就業できなくなるというものでした。
ただし、この経過措置について厚生労働省ではパブリックコメント(※)の結果を踏まえ、経過措置の期限が延長された上で法令案が公布されました。
最終的に、経過措置が適用される期日が「2020年3月末」から「2021年8月1日」に延長されたのです。
※国の行政機関が法令や症例などを定める前にその案を公表し、国民に広く意見を募る制度のこと。国民の権利利益の保護に役立てることを目的としている。
延長終了後に変わること
2021年(令和3年)8月1日に経過措置が終了しました。
これまでは登録販売者試験の受験年度が“2014年以前”か“2015年以後”かによって「管理者要件を満たすための実務経験の数え方」が異なっていましたが、2021年8月1日以降は受験年度を問わず法改正後の数え方に統一されています。
つまり、すべての登録販売者が同一の条件(※)にて管理者要件を満たすかどうかが判断されます。
なお、2021年8月にはまた新たに管理者要件に関する法改正がなされ、管理者要件を満たすための条件が追加されました。
実務経験の数え方、管理者要件については以下の記事で詳しく解説しています。
▼参考記事
【2021年8月改正】登録販売者の店舗管理者要件が緩和!経過措置の終了についても解説
2021年8月の経過措置の延長終了に伴い、影響を受ける可能性があるのは2014年以前の登録販売者試験に合格された方です。
次からは、この方を対象として実務経験の取り扱いについて詳しく触れていきます。
2014年以前に登録販売者資格を取り、就業していなかった方
【2021年8月1日まで】
過去の実務経験の年数に関わらず、登録販売者の「管理者要件」を満たし、「店舗管理者」資格があるものとみなされます。
【2021年8月1日以後】
過去に実務・業務経験がない場合は、研修中の登録販売者として扱われます。
管理者要件を満たすまで、2年(1,920時間)以上の実務経験を積む必要があります。
2014年以前に登録販売者資格を取り就業したが、ブランクや離職期間がある方
【2021年8月1日まで】
過去の実務経験の年数に関わらず、登録販売者の「管理者要件」を満たし、「店舗管理者」資格があるものとみなされます。
【2021年8月1日以後】
2021年8月の改正により、以下の①または②の条件をすべて満たせば、店舗管理者として就業することができます。
①以下2点をすべて満たすこと
・店舗管理者または区域管理者としての業務の経験があること
・2009年6月1日以降に、通算して2年(1920時間)以上の実務・業務経験があること
②以下2点をすべて満たすこと【※改正に伴う経過措置として当分の間適用】
・2009年6月1日以降に、通算して5年(4800時間)以上の実務・業務経験があること
・省令に規定する研修と同等以上の研修を通算して5年以上受講していること
上述の①または②を満たさない場合には、「研修中」の登録販売者として就業することになります。
直近5年以内の経験は継続して実務経験としてカウント対象になりますが、5年以上前の経験はカウントできないため注意が必要です。
資格手当の金額が変わる?
登録販売者として就業する際、「登録販売者資格手当」が支給されることがあります。
中には「管理者要件を満たす場合」と「研修中」とで支給額に差がある企業もあるようです。
これまで経過措置の延長によって実務経験が2年未満であるにも関わらず「管理者要件を満たす登録販売者」と見做されていた場合、2021年8月1日以降に「研修中」となってしまうことで支給額が変更になる可能性もあります。
気になる方は所属する会社の人事担当者や上司に確認してみましょう。

復職・転職する場合の対応
2021年8月1日以降、管理者要件を満たさない場合には「研修中」の登録販売者として採用面接を受けることになります。
ドラッグストア各社をはじめ、多くの企業では即戦力となる「管理者要件を満たす方」を積極的に募集している傾向にあります。管理者要件を満たさない方はまず経験を積むことを重視しましょう。
ただし、経過措置の対象だった方やブランクがある方、マネジメント経験などがある方については経歴が考慮され、管理者要件を満たさない場合でも歓迎している企業もあります。求人の応募条件を確認してみましょう。
なお、実務経験を積みたいけれど受け入れ先が見つからない、という方もいるかもしれません。
正社員ではなく契約社員で募集していたり、店舗の人員に空きが出た場合に店舗ごとに未経験OKのパートを募集していたりすることもあります。
ご自身の希望や状況と照らし合わせ、働き方を考えてみるのも一つの手かもしれません。



まとめ
この記事では、経過措置の延長終了について解説してきました。
転職などを考えている方は、実務経験の年数や過去のご経歴によってアピールできる場合もあるかもしれません。
ご自身の経歴や実績、アピールポイントをまとめて選考に臨むようにしましょう。
なお、ご転職に関してなにかお困りの際は転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。
チアジョブ登販では、登録販売者の転職に特化したコンサルタントが丁寧にサポートします。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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