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2023-10-27
ドラッグストアのクレーム対応!よくある事例やポイントを解説
・Before
・After
人々の健康や日常生活を支えるドラッグストア。だからこそ発生するクレーム対応に頭を悩ませる方もいらっしゃるのではないでしょうか。本記事では、事例を紹介しながらクレーム対応のポイントや予防策を解説します。
ドラッグストアのクレームは多い?
ドラッグストアでのクレームは、少なくありません。
ドラッグストアでは医薬品に限らず、食料品や日用品、化粧品など、さまざまな商品を取り扱っています。
そのため、来店されるお客さまも老若男女問わず、目的もさまざま。
いろいろな意見やクレームが発生しやすく対応や予防策は容易ではないと言えるでしょう。
ドラッグストアのクレーム事例
ここではドラッグストアのクレーム事例を種類ごとに紹介していきます。
- 料金が高い
- 商品の在庫がない
- 薬が効かなかった
- 返品したい
- レジ処理にミスがある
料金が高い
「他の店では安かったのに、ここは高い」といったクレーム。
場合によっては、同じ商品でも他店舗と値段が異なることがあります。
お客さまからすれば、少しでも安く購入したいという思いがあるため、このようなクレームが生まれてしまう原因に。
しかし、商品の価格は店舗ごと、販売時期などによって異なることもある点を、しっかりと説明する必要があります。
商品の在庫がない
医薬品や日用品の在庫がなくなってしまった場合に、このようなご指摘を受ける場合があります。
日頃から在庫管理はしっかりと行なっていたとしても、特売などによって予想よりも多くの商品が売れてしまい、在庫がなくなってしまうことも。
思わぬ欠品が起きてしまうとお客さまからの信用喪失に繋がってしまうこともあるため、在庫数は余裕を持って管理するように心がけましょう。
薬が効かなかった
「購入した医薬品について思った効果が得られなかった」という相談を受ける場合があります。
医薬品の効果にはどうしても個人差があります。
相談されヒアリングをしたのちに適切な商品を選んだにも関わらず効果が得られなかった場合は、別の商品の提案や受診勧奨を行いましょう。
返品したい
お客さまの都合で、購入した商品を返品したいという要望を受ける場合があります。
商品の中には返品が不可なものも。
例えば、食品や開封済み・使用済みの商品は安全上の理由で返品を受け付けることができないため、迷った際は上司に確認するようにしましょう。
レジ処理にミスがある
会計時のレジ処理のミスによるクレームは接客業であれば生じてしまいやすいもの。
商品の打ち間違えやおつり、値引きのミス、その他ポイントカードの聞き忘れなど、さまざまなケースがあります。
レジ打ち業務は、お客さまと対面で接しお金をやりとりする重要な業務です。
一つひとつの行程を丁寧に確認しながら行い、ミスが起こらないようにすることが大前提。
また、お客さまに誤解を与えないように、しっかりと声に出して確認することも大切です。
ドラッグストアのクレーム対応とポイント
続いて、クレーム対応のポイントについて解説していきます。
コツを押さえて正しいクレーム対応をできるようになりましょう。
- 1. 部分的に謝罪する
- 2. お客さまの話を傾聴し、事実確認を行う
- 3. 対応を行う
- 4. 最後に謝罪とお礼を伝える
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1. 部分的に謝罪する
まずは、クレームの内容に関わらず、お客さまに不快な思いをさせてしまったことに対して謝罪しましょう。
ただ「申し訳ございません」という言葉を繰り返すよりも、相手に誠実な印象を与えられる可能性もあります。
また、事実確認ができていない場合は、全面的にこちらの非を認めるような言動は避けましょう。
さらにお客様が怒鳴ってくるなど高圧的な場合は、声の大きさやテンポを合わせつつも流されずに冷静に対応することがポイントです。
- <ポイント>
- クレームの内容とは別の内容でまず謝る
- 例:わざわざご足労いただいて、申し訳ございません。
- ご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございません。
2. お客さまの話を傾聴し、事実確認を行う
その後、お客さまのお話をしっかりと聞いて、事実確認を行いましょう。
お話を伺う際は、ご意見・ご要望に共感することが大切。
その上で、詳細に質問し、話の内容を要約します。
理不尽なクレームの場合、こちらも反論したくなってしまうかもしれません。
しかし、お客さまのお話を遮らず、しっかりと寄り添うことが重要です。
- <ポイント>
- お客さまの話を遮らない
- お客さまのご意見・ご要望に共感する
3. 対応を行う
事実確認が済んだら、必要な対応を行いましょう。
この際注意しなければならないのは、出来ることと出来ないことをはっきりと伝えることです。
お客さまの感情にしっかりと共感しつつ、論理的に対応します。
また、悪質なクレーマーの場合、理不尽な要求をしてくることがあります。
その際は、複数人で状況を確認したり、相手へ同意を取り録音したりするなど、後で必要があれば事実を使って対抗できるような形で対応することが大切です。
- <ポイント>
- 感情に配慮しつつ、論理的に対応する
- 迅速に対応する
- できないことははっきりと伝える
4. 最後に謝罪とお礼を伝える
全てのクレーム対応が一通り終わったら、最後に謝罪とお礼を伝えましょう。
解決するまでにさまざまなやりとりがあったとしても、最後に改めて誠意を持った謝罪を行うことで、お客さまに丁寧で誠実な印象を与えることができます。
また、クレーム対応をした従業員に対しても感謝を伝えるなど、精神的なフォローを行うことも大切です。
- <ポイント>
- 誠意をもってクレームをいただいたお客さまに対応する
- クレーム対応をした従業員へのフォローを欠かさずに行う
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ドラッグストアのクレーム(再発)予防策
- 想像力を働かせ店内や商品の不備をなくす
- 顧客対応についてマニュアルを作成し教育を行う
- チーム全体へ、クレーム内容の情報共有をする
ドラッグストアのクレーム(再発)予防をするためには、まず大前提として、クレームが発生しないような環境を作ることが大切です。
常に店内の在庫や売場を意識して、不備がないように注意しましょう。
その上で、クレームが発生した際にスムーズに対応できるよう、マニュアルを作成し、スタッフの教育を徹底することが重要。
事前に問題が起こりそうなポイントを洗い出す、発生したクレームから改善点を見つけ出すなどの作業を行います。
また、悪質なクレーマーがいる場合はその対応策や定義を決めておくこともポイントの一つ。
チーム全体で情報を共有し、クレーム予防・再発防止を目指しましょう。
この際、チーム全体として、クレームに対するネガティブな印象を抑える工夫も大切です。
クレームの対応にはマイナスなイメージを持ってしまいがちですが、クレームはチャンスと捉えることで自分自身の成長にも繋がります。

ドラッグストアのクレームに関するQ&A
ここでは、ドラッグストアのクレームに関する疑問をQ&A形式で解説していきます。
Q. そもそもクレームを入れるお客さまの心理とは?
- A.クレームに至るには、下記のような心情があるといえるでしょう。
- 自分の意見・要望を聞き、認めてほしい
- 対価に見合うサービスを提供してほしい
- お店や、他のお客さまのために改善してほしい
クレームを入れるお客さまには、さまざまなタイプがあります。
中にはただ自分の都合や怒りを発散したいという人もいますが、お店や他のお客さまのために改善を指摘したいというポジティブな心理を持っている人もいます。
クレームと聞くとネガティブな印象を感じてしまいますが、またお店を利用したいという愛情が根本にあることが多いと理解しましょう。
Q. クレーム対応で大切なことは何ですか?
お客さまのお話を遮ることなくしっかりと聞き、適切な対応をとりましょう。
ただ「申し訳ございません」という言葉を繰り返すのではなく、お客さまのお話に共感しつつ、誠意を持って謝罪することで、誠実な印象を与えることができます。
Q. クレーム対応でしてはいけないことは何ですか?
クレームを入れるお客さまの中には、感情的になり理不尽な要求をしてくる場合があります。
その際、こちらも感情的になり反論してしまうと、適切な対応をとることができません。
一旦落ち着いて冷静になり、毅然とした態度で対応するように心がけましょう。
Q. クレームの多い業界は?
どのような業界であってもクレームは発生しますが、中でも小売業界はクレームが多いと言えます。
理由は、業界の性質にあると言えるでしょう。
その性質の一つ目は、誰でも日常的に利用される形式のビジネスが多いということ。
また二つ目としては、お客様とコミュニケーションを取る場面が少ない傾向にあるため、信頼関係を築きにくいことがあげられます。
とくに、ドラッグストアは医薬品以外にもさまざまな商品を取り扱っているため、客層も多種多様であり、クレームが発生しやすいと言えるでしょう。
Q. クレームのメリットは何ですか?
一般的にクレームにはネガティブな印象がありますが、考え方によってはポジティブに捉えることもできます。
例えば、店舗の不備によるクレームが発生したおかげで改善点を見つけることができ、クレーム対応の経験を積んでいくことで自分自身のスキルアップに繋げていくこともできます。
クレーム対応はポジティブな気持ちで臨みましょう
ドラッグストアには、さまざまなお客さまがいらっしゃるため、クレームを受けることも少なくありません。
慣れないうちは適切な対応を行うことは難しいかもしれませんが、本記事を参考に、経験を積んでいくことで少しずつ慣れていきましょう。
クレーム対応を適切に行うことができると、自分自身のスキルアップにも繋がるため、なるべくポジティブなイメージを持って臨んでみてください。
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