登録販売者・医療事務・調剤事務の求人・転職・募集【チアジョブ登販】

お問い合わせ平日9:30〜18:30

0120-73-1811

×

完全無料 転職サポート登録
閉じる ×

著名人コラム

2023-01-06

ドラッグストアで使える接客心理学!お客さまの信頼を得るコツは?<登録販売者向け>

メディカルリソース

・Before

・After

ドラッグストアで使える接客心理学!お客さまの信頼を得るコツは?<登録販売者向け>

登録販売者の皆さんのなかには、書籍などで「接客で使える心理学」などを学んだことがある方もいるのではないでしょうか。心理学を使った接客方法については、多くが「購買心理」や「消費者行動」という切り口から研究されてきています。しかし、こうした心理テクニックを用いると、「商品を売るため」の表面的な接客になりがちです。そこで今回は、登録販売者の視点から「信頼を得ること」を軸にした接客心理学について考えてみましょう。お客さまへの質問や対話のなかで何を考えてどのように行動すれば良いか、具体的な事例も交えつつ詳しく解説しています。ぜひ日々の接客の参考にしてみてください。【執筆者:日本ビジネス心理学会 副会長 /(有)認知科学研究所 所長 匠 英一さん】

目次

  1. 心理学はお客さまとの関係構築に役立つ
  2. まず知りたい「バンドワゴン効果」と「スノッブ効果」とは?
  3. 商品説明では「両面呈示」で良い点と悪い点を伝える
  4. 相談では相手の状況に沿った質問を
  5. お客さまへの「共感質問」で気持ちよく購入を促す
  6. 「買わせる」のではなく「信頼を得る」ための接客を

あなたの条件にぴったりの職場をお探しします

 

 

心理学はお客さまとの関係構築に役立つ

接客で大切なのはお客さまとの「信頼」ある関係性の構築です。

そのことを前提に、まずは心理学における「信頼」について考えてみましょう。

心理学者アドラーの提唱する心理学では、「信用」と「信頼」を区別しています。

「信用(confidence)」とは、誤解がないように相互の取り決めを条件として、相手を信じるものです

ビジネスでの契約などがこれにあたります。

「信頼(trust)」は、その人の人間性やこれまでの関係から相手を無条件に信じることです

お客さまとの信頼が築けていれば、最低限の説明でも、おすすめした商品を納得のうえでお客様に選んで購入いただけるケースもあるわけです。

そのため、心理学を一時的な売るためのテクニックとしてではなく、お客さまに信頼される関係性を目指すために役立てください。

 

 

まず知りたい「バンドワゴン効果」と「スノッブ効果」とは?

知っておきたい「バンドワゴン効果」と「スノッブ効果」とは?

有名な心理効果の一つに「バンドワゴン効果」と呼ばれるものがあります。

たとえばドラッグストアの店頭には、「売れ筋商品」や「よく売れてます」という文言のPOPなどが掲示されているでしょう。

これは「多くの人が買っている」という事実が安心感につながる「同調心理」を利用したものです

この心理を用いた方法は、低価格な日用品や雑貨の販売に有効です。

一方で、製品そのものの個性が求められたりこだわりが出やすかったりする高価格帯の美容商品などでは、こうしたPOPの掲示が逆効果になるケースもあります。

これは「スノッブ効果」と言われ、特別感や希少性を重要視する心理です

これらと同時に、「流行に後れたくない」といった心理も働きます。

「個性的でありたい」と「周りと同じでいたい」という矛盾した感情が同時に存在するわけです。

そのため、登録販売者は日常的に使う低価格商品とこだわりの出やすい高級商品とを区別して販売する意識をもっておくことが大切になります

 

 

20代、30代歓迎の求人特集

 

 

商品説明では「両面呈示」で良い点と悪い点を伝える

お客さまの信頼を得るには、心理学でいう「両面呈示」も重要です。

「両面呈示」とは、商品の良い面だけでなく、悪い面もお客さまにきちんと伝えることを意味します。

たとえばあなたは、商品の良いところだけをアピールする店員を信用できるでしょうか。

心理学には「両面呈示(二面呈示)」と「一面呈示」という言葉があり、「一面呈示」は商品の良い点だけを強調します。

お客さまが最初から特定の商品を買うために来店していれば、「一面呈示」でも「共感」と受け止められて購買行動につながるケースもあります

しかし、商品知識がすでにあって不安を感じているお客さまの場合には、その行動が不信感につながることも考えられます

購入後に悪い点を知ってしまうと、「買う前に(悪い面も)きちんと言ってくれれば良かったのに」という思いからクレームになる可能性もあるでしょう。

事前に「両面呈示」をしていれば、想定内の問題が起こっても大きな不満にはなりません。

こういったことの積み重ねが、長期的な「信頼」の構築になってくるわけです。

 

 

相談では相手の状況に沿った質問を

接客で失敗してしまう理由の一つに、「商品は説明すべきもの」という固定観念があります

こうした固定概念を捨てて客観的に捉える「認知的方略(cognitive strategy)」の見方が必要なのです

百貨店での覆面調査をしたときの例をご紹介しましょう。

化粧品カウンターで自分の悩みごとをビューティーアドバイザーに相談し、接客の良し悪しを見るというものです。

売上の低い店と高い店の「対話の仕方」を分析してみると、低い店ほど商品知識が十分でなく、お客さまに対して「知ったかぶりをしてしまう」傾向が見られました。

自分の未熟さを相手に悟られまいとして、見栄をはってしまうのです。

さらに、お客さまへの質問の仕方にも違いが見られました。

売上の低い店では「顔にシミがあることが悩み」だと伝えると、「シミならこちらの〇〇剤の入ったものが長持ちしてケアに最適です」といった商品の「説明」をされました。

一方の売上の高い店では、まず「それはどんなとき、どんな場所で気になりますか」と相手の気にしている状況を確認し、そのうえで解決できる商品を「提案」してくれたのです

この違いには、まず「相手の気持ちを知ろうとしているか」という点があります。

さらに、人の悩みはTPO(時間/場所/事柄)により変わるため、質問が必要という「認知的方略」の考え方により、お客さまの悩みに最もふさわしい商品の提案ができたのです。

 

 

残業ほぼなし求人特集

 

 

お客さまへの「共感質問」で気持ちよく購入を促す

では次に、「認知的方略」を用いた効果的な質問を見ていきましょう。

まず前提として、質問には相手を強制する力があります

その典型的なものが「Aか、それともBか?」という二者択一式の「限定質問」です。

このように聞かれると、お客さまはAとBのどちらかを選ぶしかないと考え、その他のCという選択肢に気づきにくくなります。

これは人の思考のクセによるもので、一般的な営業テクニックとしても使われるものです。

しかし、本当に必要なものを選択するための質問とは言えず、お客さまに信頼される接客としてはふさわしくありません

では、どんな質問をするのが良いのでしょうか。

それは、相手の気持ちを肯定する「共感質問」です。

たとえば、次のような例で考えてみましょう。

お客さまが特定の口紅を手に取って見ているとき、横から店員さんが「その商品のその色味は人気ですぐなくなるんですよね」と声を掛けます。

それに対し、お客さまは「そうなんですよね。この色はほかにはあまりないんです」と答えました。

ここでのポイントは、「その色がお好きですか」といった直接的な質問をしないことです。

質問をすると、お客さまはそれに応える「義務」を感じるためです。

この例では、店員の「良い色ですよね」という言葉のニュアンスが共感としてお客さまに伝わっています

さらに、「もう在庫が少ない」という情報が「スノッブ効果」を生み、購入を促す結果につながったと言えるでしょう。

 

 

「買わせる」のではなく「信頼を得る」ための接客を

接客のテクニックとして心理学を学ぶことは大事ですが、お客さまのためになる活用方法をするのが重要だと私は考えています。

登録販売者の皆さんが取り扱う商品には、医療や衛生の分野など慎重に扱うべきものも多くあるため、なおさらです。

お客さまを「説得」するのではなく、信頼を根拠に「納得」して気持ちよく購入してもらいましょう

今回の記事では、人の心の二面性を「バンドワゴン効果」と「スノッブ効果」の対比で説明しました。

そして、商品の良い面と悪い面を正直に伝える「両面呈示」、「認知的方略」による悩みを感じる状況を意識すること、相手の感情を肯定する「共感質問」の3つを、接客する際に理解しておくべきポイントとして紹介しました。

接客においては長期的な信頼が重要であり、それがあなた自身のブランドを高めていくことにつながるでしょう。

 

【執筆者プロフィール】

執筆者:匠英一(たくみ・えいいち)さん

日本ビジネス心理学会 副会長
(有)認知科学研究所 所長

1990年に東京大学大学院を経て、医学系の研究者らと(株)認知科学研究所を設立し、代表に就任。日本初の脳と心の総合科学「認知科学」を応用した顧客中心の経営(CRM)、マーケティングや人材開発でコンサル業に従事している。

また、初代事務局長を務めるCRM協議会ほか15件の業界団体を創設するなど、異業種の“越境”によるビジネスモデル創りに貢献。さらに公職としてはデジタルハリウッド大学教授、早稲田大学商学部客員研究員、医学系大学などで心理学の講座担当を歴任。現在は資格の「ビジネス心理検定」の普及と「学び&遊びを育てる会」の生涯学習の支援に力を入れている。

ほか「しぐさ分析」では、テレビ番組出演(ナカイの窓など)や国内最多の著作実績あり。著書には、『ど素人でもわかる心理学の本』(翔泳社)など50冊がある。

 

 

 

entry

 

転職サポートとは?

 

2023-01-06

登録販売者の求人・転職【チアジョブ登販】

著名人コラム

2022-09-30

高血圧の薬を飲んでいる方への市販薬のすすめ方がわかりません。<鈴木伸悟先生のお悩み相談室!第9回>

薬の成分や飲み合わせ、接客、同僚との人間関係など、たくさんの悩みや不安を抱えながらも、お客さまに最適な提案ができるよう奮闘する登録販売者。 そんな登録販売者のお悩みに、SNSや講演会、業界紙などを中心にOTC医薬品の情報発信を行う薬剤師の鈴木伸悟先生が答えます! 第9回は、高血圧の薬を服用されているお客さまへの対応についてです。日本高血圧学会の調査では、2014年の高血圧治療者数は2,400万人と判明。注意が必要なOTC医薬品もあわせて教えていただきました。

登録販売者の求人・転職【チアジョブ登販】

著名人コラム

2022-03-09

かぜ薬と胃腸薬など、市販薬の飲み合わせがよくわかりません。飲み合わせの注意点を教えてください。【鈴木伸悟先生のお悩み相談室!第1回】

薬の成分や飲み合わせ、接客、同僚との人間関係など、たくさんの悩みや不安を抱えながらも、お客さまに最適な提案ができるよう奮闘する登録販売者。 そんな登録販売者のお悩みに、SNSや講演会、業界紙などを中心にOTC医薬品の情報発信を行う薬剤師の鈴木伸悟先生が答えます! 第1回は、市販薬の飲み合わせに関する相談です。お客さまから質問を受けたとき、うまく答えられない登録販売者も多いのではないでしょうか。 鈴木先生に、代表的な飲み合わせについて具体例とともに解説していただきました。

登録販売者の求人・転職【チアジョブ登販】

著名人コラム

2022-11-25

緑内障の方でも使える市販の目薬の選び方を教えてください。【鈴木伸悟先生のお悩み相談室!第11回】

薬の成分や飲み合わせ、接客、同僚との人間関係など、たくさんの悩みや不安を抱えながらも、お客さまに最適な提案ができるよう奮闘する登録販売者。 そんな登録販売者のお悩みに、SNSや講演会、業界紙などを中心にOTC医薬品の情報発信を行う薬剤師の鈴木伸悟先生が答えます! 第11回となる今回は、日本人の中途失明の原因第1位と言われている緑内障の方への目薬のおすすめについてです。加えて、登録販売者が知っておくべき禁忌についてもお聞きしました。

登録販売者の求人・転職【チアジョブ登販】

著名人コラム

2022-12-23

糖尿病の方が飲める市販の解熱鎮痛薬はありますか。【鈴木伸悟先生のお悩み相談室!第12回】

薬の成分や飲み合わせ、接客、同僚との人間関係など、たくさんの悩みや不安を抱えながらも、お客さまに最適な提案ができるよう奮闘する登録販売者。 そんな登録販売者のお悩みに、SNSや講演会、業界紙などを中心にOTC医薬品の情報発信を行う薬剤師の鈴木伸悟先生が答えます! 第12回は、コロナ禍でニーズが高まっている解熱鎮痛薬についてです。とくに注意が必要な糖尿病の方への対応や販売時の注意点を教えていただきました。

登録販売者の求人・転職【チアジョブ登販】

著名人コラム

2024-01-12

ドラッグストアの「レジでの接客が上手い人」の特徴とは?【OTC薬剤師・鈴木伸悟先生に学ぶ!登録販売者向け接客マニュアル】

OTC医薬品販売に強い薬剤師・鈴木伸悟先生に接客のコツを教えていただく連載・第5弾です。今回のテーマは、ドラッグストアにおけるレジでの接客のポイント。ドラッグストアでの日常業務の中で、レジ対応に充てている時間が長いという登録販売者の方も多いのではないでしょうか。OTC医薬品販売の面から、レジでの接客が上手い人の特徴3つと気をつけたい点について鈴木先生に解説していただきました。「親身な対応」と「スピード・効率」の間でゆれる皆さんに、ぜひチェックしてほしい内容です。早速、見ていきましょう!

登録販売者のための役立つ情報がいっぱい!

最新のドラッグストア業界動向のポイント、転職成功のためのノウハウなど、登録販売者のキャリアに役立つ多様な情報をお届けしています。チアジョブ登販は求人のご紹介や転職サポートのほかにも、登録販売者の方に嬉しい最新情報も提供。毎月更新しているコンテンツも多数です。ぜひ定期的にチェックしてみてください!

友だち追加

市区町村を選ぶ※複数選択可能です。

エリアを選ぶ※複数選択可能です。

沿線を選ぶ※複数選択可能です。

駅を選ぶ※複数選択可能です。

業種を選ぶ※複数選択可能です。

雇用形態を選ぶ※複数選択可能です。