登録販売者の働き方
2021-06-30
ドラッグストアがきつい。辞めたい。よくある退職理由と対策方法は?
・Before
・After
どんな職場でも、仕事を辞めたくなる瞬間はあります。不満を解決する方法がわからない場合や将来の見通しが立たない場合はなおさらです。今回は登録販売者に多い悩みと解決方法をまとめました。下の目次からご自身の悩みにあわせてチェックしてみるのもオススメです。
公開日:2020年8月10日
更新日:2021年6月30日
今回は、ドラッグストア勤務の登録販売者の悩みを中心に、その解決方法を紹介します。
また、悩みの原因を明確にするために、職場環境や福利厚生など問題を分類し、具体的な不満点はどこにあるのかを判別できるチェックリストをご用意しました。
退職を検討している方は、本文を読む前にチェックし、自身の不満点を明らかにしてみてください。
休みにくい職場環境
人手の足りない職場や、他の人に自分の業務を任せられないような職場では、休みたくても休めないことが多くあります。
また、子育て世代の多い職場では、普段は人手が足りていても、学校のイベントが重なった際に人手が足りなくなり、思い通りにスケジュールが組めないこともあるでしょう。
さらに、休みを取る場合には他店へヘルプ要請をしなければならなかったり、ほかの従業員が代わりに出勤しなければならなかったり、他店へヘルプ要請をしなければならなかったりと、 人によっては休みを取るハードルが高いと感じるケースもあります。
このような状況が生じるのは、現場のことを経営陣が理解していないことが原因かもしれません。その場合は労務担当者に相談し、現場の状況を理解してもらうよう働きかけてみるのも一つの手です。
また、休みの取りやすさは、ドラッグストアの店舗によって大きく異なることもあります。可能であれば他店舗の状況をリサーチし、人事に異動を願い出てみるのもよいでしょう。
なお、自分自身の体調不良や病気治療などのために休む回数が増える場合は、事前に会社に事情を伝えておきましょう。
会社側もあらかじめ休むことがわかっていれば、人員の補充や応援などを検討してくれることがあります。
残業やサービス残業が多い
ドラッグストアなどでは、管理者要件を満たす登録販売者か薬剤師がいなければ、一般用医薬品を販売できません。
そのため、薬剤師や登録販売者の人数が少ない店舗では、資格のある人が長時間勤務になる傾向があります。
医薬品を購入するお客様への対応が長引くことで、他の業務が滞り残業が発生することもあります。
もし現場に有資格者が明らかに少ないと感じた場合は、人事担当部署に有資格者の増員を求める手段もあります。
有資格者の間でシフトの不平等がある場合には、その旨もあわせて現状を伝え、改善してもらえるように働きかけてみましょう。
また、最近は少なくなりましたが、残業をしても残業代を十分に払わない企業などもまだあるようです。
そのような場合、労働基準監督署へ残業代未払いの申告をする手もあります。会社や周囲との関係性を考え匿名での申告もできますが、気軽にできる方法ではありません。
特に大手企業をはじめ、近年ではこうした旧時代的な環境を問題視し、残業削減、時間外手当の支給のために制度を整えたりと、大幅な就業環境の改善に努めているところも増えてきています。
どうしても給与に不満がある場合は、転職も視野に入れて検討してみてもよいでしょう。
職場の人間関係
職場の人間関係は、どのような業界・職種でも退職理由の一つとして挙げられます。店舗勤務の場合、異動の多い正社員より勤続年数の長いパート従業員のほうが、職場での立場が上という場合も少なくありません。この逆転現象によって不満が溜まるケースもあるようです。
人間関係の問題は非常にデリケートな問題です。現場での解決が難しい場合は、無理をせずに店舗を変えてもらうことも検討してみましょう。
なお、人間関係が良好ではない店舗は、意外と人事でも把握していることがありますので、スムーズに店舗を移ることができるかもしれません。
ノルマがきつい
ドラッグストアでは、店舗ごとに売上ノルマを設けていたり、「コンテスト」と称して他店舗と売上を競わせたりすることもあります。
もっとも、最近は業界全体でコンプライアンス意識が非常に高まっているので、表立ってノルマを課すことは少なくなってきています。
しかし、無言の圧力でノルマが課せられている場合もまだまだあります。
このような場合は、企業体制自体に問題があると言わざるを得ません。厳しいノルマから逃れるためには、転職も選択肢の一つとして考えたほうがよいかもしれません。
なお、企業によってノルマや数字目標の取り扱いは大きく異なります。
個人ノルマはなく店舗全員で売上目標の達成を目指す方針だったり、また推奨品販売の目標のみ設定していたり、またノルマ等の数字目標はなく店舗の売場づくりで売上アップを目指ていたりと企業ごとに様々です。
自分にあった職場を探している場合には、こうした内情に詳しい転職エージェントに相談してみるのもオススメです。
給料が上がらない
給料が上がらない場合、まず人事評価制度などを自身がきちんと把握できているか確認してみるとよいでしょう。
自分では頑張っていると思っていても、評価制度に沿った成果をあげていなければ、給料が上がらなくても文句はいえません。
また、個人目標を達成するだけではなく、店舗全体での目標に対し貢献できることを考えて行動することも有効です。
その際は、定期的に店長やエリアマネージャーなどに面談を求め、個人目標についてのアドバイスを聞くことはもちろん、店舗としての課題感なども合わせてヒアリングして今後の動きに活かすとよいでしょう。
賞与が出ない
個人で経営している小規模店舗の場合では、賞与が出ないことも多くあります。また、正社員は賞与があるものの、パートなど非正規雇用の従業員には賞与がないという職場もあります。
賞与の支払いは法的な義務があるわけではないため、企業側が「出さない」といえばそれまでというのが実情です。
ただし、「他の従業員が賞与をもらっているのに、自分だけもらっていない」といった疑問点や不満がある場合、その理由をはっきり尋ねてみてもよいでしょう。
各種福利厚生や手当が未整備
規模の小さい店舗では、福利厚生や各種手当が十分に整っていないこともあります。
福利厚生や手当については、雇用契約書に記載されているので不信感を抱いた場合は、改めて契約内容を確認してみましょう。
また、福利厚生や手当内容は求人情報に記載されているため、これから職場を探すのであれば必ずチェックしておくようにしましょう。
なお、傾向として福利厚生や各種手当が充実しているのは大手企業に多いです。気になる方はぜひ求人を確認したり、転職エージェントに問い合わせてみてはいかがでしょうか。
▼参考記事
【ドラッグストア転職】大手と中小の年収や働き方の違いを解説!
登録販売者の勤務条件って?休日・労働時間・社会保険などの用語を解説
キャリアアップが見込めない
全国展開している大手ドラッグストアなどの場合、「登録販売者→店舗管理者→店長→エリアマネージャー」といったキャリアプランが考えられます。
しかし、規模の小さい企業では、店舗数が少ないため、そもそも店長以上の枠がすでに埋まっているというケースがあります。また、個人経営の店舗では、そもそも階級がなくいつまでも役職がつかないこともあります。
キャリアの頭打ちに悩んだら、それまでの経験を活かして転職を検討するのも一つの手です。大手企業では、公式サイトなどでキャリアプランを明示している場合もあるので、そちらもよく確認しましょう。
専門知識を活かすことができない
実は、ドラッグストアで取り扱う医薬品の品目数は、企業によって大きく異なります。
一般用医薬品より日用品の販売に力を入れている企業では、商品の半数以上が日用品という場合もあります。
そのような企業に就職してしまうと、登録販売者としての専門知識を活かす機会が少なくなってしまいます。
逆に、医薬品販売をメインとする企業に就職すれば、職能を活かすことができます。
今の勤務先で「登録販売者の知識を十分に活かし切れていない」と感じる場合は、転職をおすすめします。
転職先を選ぶ際には、一般用医薬品の取り扱い比率を確認するのを忘れないようにしましょう。
正社員登用をしてもらえない
正社員登用制度は多くの企業で採用されていますが、実質的に機能していないケースがほとんどです。
なぜなら、企業の人事部は、採用目標人数は設定しているものの、正社員登用の目標人数を立てていないことが多いからです。
そして、企業側に「登録販売者を正社員にする」という明確な方針がなければ、どんなにキャリアを積んでも正社員になれないという場合もあります。
そのため、登録販売者として正社員を希望するのであれば、初めから正社員として採用をしてくれる企業を探すべきです。
転職は年齢が高くなるほど難しくなるので、正社員の見込みがないと感じたら、すぐに次の転職先を検討してみたほうが賢明かもしれません。
【まとめ】優先順位をつけて、転職の「軸」を見つけましょう
転職活動をする際には、仕事をするうえで譲れない要素に優先順位をつけ、何を「軸」に転職するのかを明確化させることが重要です。
転職の際に重視する要素は、「勤務地」「収入」「勤務時間」「働きやすさ」など人によって様々ですが、現在の職場で感じている不満や、将来的に目指したい人物像をイメージして新しい職場に何を求めるのか軸を決めて仕事を探すようにしましょう。
現在の職場で感じている不満は、働き方次第では改善が見込まれる場合もあるため、安易に転職することはあまりおすすめできません。
また、登録販売者のキャリアが積めていない方は、ブランク期間が長くなると登録販売者としての転職が難しくなる恐れがあります。
現在のままでは改善の見込みが立たない場合に、転職を検討するようにしましょう。
ドラッグストアは、企業ごとに特色が異なります。職場環境や給与・福利厚生面だけではなく、キャリアプランも考慮し、登録販売者としての職能を活かせる職場を見つけましょう。
ただし、どの企業もネガティブな情報は公表しないので、求人情報などから企業の特徴を100%知ることは困難です。
そこで便利なのが、転職エージェントの利用です。転職エージェントであれば、担当者を通じて疑問点や不安点を解決することも可能なので、失敗のない転職を目指すことができるでしょう。

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