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著名人コラム

2026-05-01

【登録販売者向け】お子さまの発熱で来店された保護者への対応と接客のポイント<薬剤師・村松早織先生が解説>

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【登録販売者向け】お子さまの発熱で来店された保護者への対応と接客のポイント<薬剤師・村松早織先生が解説>

お子さまの発熱で来店された保護者への対応は、登録販売者にとって重要な業務の一つです。本記事では、薬剤師の村松先生が登録販売者に向けて、緊急度を把握するための質問や受診勧奨の判断ポイント、保護者への接客のコツを解説します。現場で活用できる具体的な対応例も紹介しているので、実務にも役立ててみてください。

目次

  1. 保護者へのヒアリングで大切にすべきポイント
  2. 【ケース別】保護者へのヒアリング・接客トーク例
  3. 保護者への接客におけるワンポイント
  4. ドラッグストアにおける売場づくりのヒント
  5. まとめ

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保護者へのヒアリングで大切にすべきポイント

子どもは体の機能が未発達のため、軽い発熱でも急激に重症化するケースもあります。

そのため、登録販売者としては医療機関の受診推奨が基本的な対応です。

一方で、「辛そうにしている子どもを少しでも楽にしてあげたい」とドラッグストアに足を運ぶ保護者も少なくありません。

ただし、相談内容によっては、商品を販売すべきでない場合もあります。

まずは、保護者の不安に寄り添いながら状況を確認し、適切な対応を考えたうえで医療機関の受診に繋げることを意識しましょう。

 

 

【ケース別】保護者へのヒアリング・接客トーク例

【ケース別】保護者へのヒアリング・接客トーク例

子どもの発熱においては、保護者へのあたたかい声かけや、今すぐ受診すべきかどうかの判断が非常に重要です。

ここでは、具体的な会話例とともに、そのポイントを解説していきます。

 

お子さまが高熱でぐったりのケース

【会話例】(お子さまが家で待っているケース)

お客さま:すみません、子どもが朝から高熱でぐったりしているのですが、何か薬をください。

登録販売者:それは心配ですね……。お子さまはおいくつですか?

お客さま:3歳です。

登録販売者:症状は熱だけですか?

お客さま:咳と鼻水もあります。

登録販売者:呼びかけた時の反応はありますか?

お客さま:目を開けようとするそぶりはありますが、とろんとしています。

登録販売者:呼吸が苦しかったり、乱れていたりはしませんか?

お客さま:鼻が詰まっているのもあって、息がしづらそうです。

登録販売者:お水は飲めていますか?

お客さま:うーん、あまり飲めていないかも……。

登録販売者:詳しく教えていただきありがとうございます。せっかく来ていただいたところ大変心苦しいのですが、速やかに小児科に行くべき症状です。今から受診することはできますか?

お客さま:そんなに緊急事態だとは思わず……

登録販売者:突然のことでびっくりしましたよね。でも「目がとろんとしている」「息苦しい」「水分が摂れない」はいずれも緊急度の高い症状です。

お客さま:わかりました。すぐに行きます。

黄色のアンダーラインは、緊急度を把握するための質問です。

意識レベルの低下や脱水症が疑われる場合、市販薬は販売せず一刻も早く病院に行くよう促してください。

【一言アドバイス】
急を要するような状況であっても、年齢の確認はしっかりと行いましょう。0歳でも20歳でもお客さまにとっては「子ども」です。同じ症状でも、乳幼児の場合はさらに緊急度が高まります。

 

1〜2歳のお子さま連れのケース

【会話例】

お客さま:この子1歳なのですが、朝から37℃の熱があって。解熱剤をください。

登録販売者:それはご不安ですよね……。ただ、1歳ですと自分の言葉で症状をうまく伝えられないのと、症状が急変する可能性もあるので、市販薬は使わずに病院に行った方がよろしいかと思います

お客さま:そっか……。せっかく来たのにな。

登録販売者:お力になれず申し訳ございません。もしよろしければ、脱水を防ぐためのベビー用イオン飲料などをご案内しましょうか?

お客さま:そうですね。病院に行くまでの間、飲ませてみます。

1〜2歳のお子さまは、たとえ微熱であっても、症状が急速に悪化することがあります。

脱水症のリスクも高いので、受診勧奨してください。

また、夜間に急激に発熱した場合、受診可能な救急外来を見つけるのが難しいケースもあります。

そのため、昼間のうちに対応方法を確認しておくと安心です。

【一言アドバイス】
受診を迷っているお客さまには、あわせて「子ども医療電話相談(#8000)」(※)についてもお伝えしてください。このダイヤルは、夜間・休日の子どもの症状に応じた受診の必要性などについて、小児科医や看護師からアドバイスを受けられる電話相談窓口です。

※参照:厚生労働省「子ども医療電話相談事業(#8000)について」

 

解熱剤をすでに服用しているケース

【会話例】

お客さま:10歳の息子に解熱剤(アセトアミノフェン)を飲ませているのですが、37℃後半からなかなか熱が下がらなくて……もっと強い薬はありますか?

登録販売者:大変恐れ入りますが、お子さま用の解熱剤は基本的にどれも同じ成分なので「強いお薬」というものがないんです。熱が出てどのくらい経ちますか?

お客さま:今日で4日目です。

登録販売者:4日目ですね。4日以上熱が続く場合はただの風邪ではない可能性が出てくるので、受診を強くおすすめしています。

通常の風邪であれば、3日ほどで回復の兆しが見られることが一般的です。

しかし、熱が4日以上続く場合や、上がったり下がったりする場合は、風邪以外の疾患の可能性も考えられます。

そのため、医療機関の受診推奨が望ましいです。

そのほか、以下も熱が続くときの受診の目安となります。

□食事・水分の摂取ができていない
□夜眠れていない
□重篤化しやすい基礎疾患がある(糖尿病や心臓病、呼吸器疾患などの持病がある)

※参照:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安」

【一言アドバイス】
市販の子ども用の解熱鎮痛薬は、どれもアセトアミノフェン製剤です。まれにサリチル酸系解熱鎮痛成分の「エテンザミド」が配合されたものもありますが、ライ症候群との関連が否定できないため、発熱時には避けた方が安全です。

▼関連記事はこちら
風邪薬や解熱鎮痛剤はほかの医薬品と併用できる?販売時の注意点もチェック<薬剤師・村松早織先生が解説>

 

夜間で病院・クリニックを受診できないケース

【会話例】

お客さま:12歳の子どもに38℃の熱が出て……夜間救急に電話したら、来てもらっても解熱剤しか出せないと言われて。

登録販売者:それは大変でしたね……。病院の先生からは、今夜は自宅で様子を見ても問題ないだろうというお話でしたか?

お客さま:はい、家に解熱剤があればそれで様子を見てもよいと。

登録販売者:そうでしたか。それでは12歳のお子さまが服用できるお薬をご案内しますね。

夜間救急の病院が遠い、小児科医がいないなどの理由で、夜間に病院・クリニックを受診できないケースもあります。

この場合も黄色のアンダーラインのように、まずは緊急性があるかどうかを確認しましょう。

セルフケアで様子を見てもよいという場合は、子どもが服用可能な解熱剤を選択し、水分補給をしっかり行うようにアドバイスしてください。

【一言アドバイス】
自宅で様子を見る場合、大人が風邪をひいた時と同様、保温・安静・水分補給が重要です。また、夜中に症状が急変した場合には躊躇せず救急にかかるようお伝えしましょう。

 

 

保護者への接客におけるワンポイント

子どもの体調が悪いとき、保護者は大きな不安を抱えて来店します。

そのため、まずは「心配ですね」「大変でしたね」といった共感の言葉をかけて、あたたかく迎えてください

また、医薬品を販売せずに医療機関の受診を勧奨する場面が多いため、経口補水液やイオン飲料、氷まくらといった「薬以外のアイテム」についても頭に入れておきましょう。

 

 

ドラッグストアにおける売場づくりのヒント

ドラッグストアにおける売場づくりのヒント

子どもの体調不良の場合、「さっと選んで早く帰りたい」というお客さまが多くいらっしゃいます。

そのため、売り場作りは「わかりやすさ」が最大のポイントです。

具体例として、次のようなものが挙げられます。

□子ども用の薬を一つの棚にまとめる
□POPで各商品の対象年齢を大きな文字で書く
□子どもの症状への対応について、「乳幼児は医療機関の受診が推奨されること」や「#8000の案内」などを記載したポスターを掲示する
□経口補水液や氷まくらなども薬の近くに陳列する

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【ドラッグストアの売り場作り】販売ノルマを達成させる陳列テクニック

風邪薬・予防薬売り場のつくり方【ドラッグストアの売り場づくり】

 

 

まとめ

本コラムでは、子どもの発熱で来店された保護者への対応について解説しました。

せっかくのご来店にも関わらず受診勧奨するのは心苦しいですが、その判断が子どもの命を守ることに繋がります。

登録販売者には、医療機関へのかけ橋としての大きな役割があります。

できることが少ないと落胆することなく、適切にトリアージ(緊急度の判断)を行ってください。

 

【執筆者プロフィール】

執筆者:村松早織(むらまつ・さおり)先生

村松早織(むらまつ・さおり)先生

名城大学薬学部を卒業後、大小のドラッグストアでの勤務を経て、2016年に株式会社東京マキアを立ち上げる。現在は登録販売者や受験者向けの講義を中心に事業を展開中。
YouTubeの『やっけんちゃんねる』では、現在16,300人を超えるチャンネル登録者に向けて、市販薬関連の情報発信を行う。また、2024年に「OTC医薬品を正しく選ぶ教室」を開講し、200名超の会員に市販薬の選び方や接客方法を教えている。

メディア出演実績として『NHKあさイチ「今こそ気をつけたい!身近な薬とのつきあい方」』、著書に『やさしくわかる! 登録販売者1 年目の教科書』(ナツメ社)、『医薬品暗記帳 医薬品登録販売者試験絶対合格! 「試験問題作成に関する手引き 第3章」徹底攻略』(金芳堂)、『薬機法暗記帳 医薬品登録販売者試験絶対合格! 「試験問題作成に関する手引き 第4章」』(金芳堂)、『村松早織の登録販売者 合格のオキテ100』(KADOKAWA)、『これで完成! 登録販売者 全国過去問題集 2025年度版』(共著)(KADOKAWA)がある。

 

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