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2021-07-21
【ドラッグストア編】登録販売者が身に着けるべき接客術は?
・Before
・After
医薬品の知識だけでなく、高い接客能力も求められる登録販売者。とくにドラッグストアでの接客は、幅広い商品を扱ううえ、店舗特性により求められる接客が異なる難しさがあるため、苦手意識を持つ登録販売者も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、ドラッグストアで働く登録販売者が身につけるべき接客術をご紹介します。併せて、自分に合った接客ができるドラッグストアの選び方にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。
ドラッグストアならでは?接客の特徴とは
登録販売者が多く活躍するドラッグストアですが、接客にはドラッグストアならではの難しさがあると言われます。
その背景にある要因について見ていきましょう。
扱う商品が幅広い
ドラッグストアは、医薬品のみならず化粧品や日用品、食品など幅広い商品を扱います。そのため、医薬品以外の商品についても対応できる知識が必要です。
さらに、常に新しい情報もキャッチアップしていかなければなりません。
お客さまの層が幅広い
ドラッグストアには若者からファミリー、高齢の方まで幅広い年齢層のお客さまが訪れ、それぞれに合った接客が求められます。
たとえば忙しいビジネスパーソンには簡潔でスピーディーな接客が、健康上の問題を抱えている高齢のお客さまには不安を解消できるよう分かりやすく、ゆっくり丁寧な接客が好まれるでしょう。
ドラッグストアはチェーン店が多く、店舗異動の可能性もあります。
店舗によっても客層は大きく変わる場合があるので、柔軟な対応能力が必要です。
接客に力を入れている企業が比較的多い
近年、ドラッグストアは薬を購入できるだけでなく「身近な健康相談ができる場」としての社会的意義が高まっています。
そのため、接客に力を入れる企業が増えている傾向にあると言えるでしょう。
ただし接客の方針は企業によって異なり、販売方法について細かくマニュアル化されている企業もあれば、マニュアルにはないきめ細やかな接客を求められる企業もあります。
接客に苦手意識のある登録販売者にとっては、接客に自由度があると余計に難しく感じてしまうかもしれません。
販売ノルマがある
ドラッグストアでは、スタッフに特定商品の販売ノルマが設定されることがあります。
販売ノルマがあると、どうしてもノルマ達成への意識を優先してしまいがちです。
その結果、本当にお客さまに適していると思える商品を紹介しづらくなり、自分の思う接客ができないことも少なくありません。
現在では、よりお客様に寄り添った接客が求められるため、ノルマを設定するドラッグストアは減少傾向にあります。
とはいえ推奨販売対象の商品は存在し、特定の商品のに力を入れなければならないケースがあると頭に入れておきましょう。
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ドラッグストアでの接客のコツ
ドラッグストアでの接客の範囲は幅広く、接客に不安を抱えている登録販売者もいるのではないでしょうか。
そこで、どのようなシチュエーションでも役立つ、接客のコツを4つご紹介します。
お客様のニーズを正しく理解する
まず、お客さまの質問からニーズを正しく理解する必要があります。
たとえばお客さまが薬をお求めの場合、「今つらい症状を薬で緩和したい」という方もいれば「万が一のときのために薬を常備しておきたい」という方もいます。
あるいは「現在服用している薬の効き目が感じられないため、別の薬を試したい」というケースもあるかもしれません。
そのため、接客の際にはどのような背景で薬を購入しようとしているのかしっかりとヒアリングを行い、真のニーズを理解しましょう。
場合によっては受診勧奨も大切です。
わかりやすい言葉で説明する
医薬品の詳しい説明にはうっかり専門用語を使いそうになりますが、一般のお客さまには理解しづらく親身になってくれないと感じられてしまいます。
そうなると、お店から離れてしまうかもしれません。
接客の際には、お客さまがきちんと理解できるようにわかりやすい言葉を使って説明しましょう。
アイコンタクトやジェスチャーを交えた、お客さまの理解度に応じた説明が効果的です。
必要に応じて医薬品以外の商品も提案する
お客さまのニーズや目的によっては、医薬品に限らず医薬部外品やサプリメント、化粧品などが役立つこともあります。
たとえば、便秘でお悩みのお客さまなら、便秘薬の提案とともに日頃から取り入れられる特定保健用食品の提案や運動のアドバイスなども可能です。
取り扱っている商品が幅広いドラッグストアのメリットを生かし、あらゆる角度から商品を提案するのもテクニックの一つです。
薬剤師とも連携する
接客中は自分だけで判断できないような専門領域について質問されることもあります。
その場合は無理をして対応しようとせず、必要に応じて薬剤師と連携を取りましょう。
もちろん自身で対応できるだけの知識習得も大切ですが、何より重要なのはお客さまにとって最適な選択を行う意識を持つことです。
それが結果的にお客さまからの信頼獲得につながるでしょう。
自分には向いているドラッグストアは?方針チェックリスト
「ドラッグストア」と一口にいっても、その規模や理念などは企業により様々で、接客に求められる姿勢も異なります。
登録販売者として活躍していくには、自分に合った接客ができる店舗選択も大切です。そこで、ドラッグストアで働きたいと考えた際の着目すべきポイントをご紹介します。
裁量権の大きさ
ドラッグストアによって、スタッフの裁量権の大きさは様々です。
お客さまのニーズに柔軟に対応したい方には、裁量権の大きいドラッグストアがおすすめです。
接客技術を自分自身で磨く必要はありますが、自分がお客さまにとってよりよいと思うものを自信をもって提案できる環境が整っています。
一方、マニュアルに沿って落ち着いた接客を行いたい方は、店舗の方針が明確なドラッグストアがおすすめです。
このケースではこの対応を行えばよいという基準があるため、接客に苦手意識のある方も気負わず売り場に立てるでしょう。
扱う商品の幅
ドラッグストアには様々な店舗スタイルや規模があります。
薬の専門的な知識を深めたい方は、医薬品をメインに扱うドラッグストアがよいでしょう。
取り扱う医薬品が多いため、薬の使い分けや違いなどを身につけられ、接客に生かすことができます。
一方、医薬品に限らず様々な商品から提案したいと考える方には、幅広い商品を扱うドラッグストアがおすすめです。
お客さまの選択肢を広げられるだけでなく、客単価のアップに貢献できる可能性が高いでしょう。
店舗の立地
店舗の立地によっても、お客さまの層は異なります。
様々なお客さまと幅広く関わっていきたい方は比較的客層が幅広い大規模なドラッグストアがおすすめです。
一方、一人ひとりのお客さまに寄り添い継続してサポートしたい方は、地域に根差したドラッグストアが向いています。
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自分に合った環境で接客力アップを
今回は、登録販売者が身につけるべき接客術について解説してきました。
ドラッグストアの接客は難しさもありますが、お客さまへの親身な対応が基本です。
まずはどのような接客を行えばお客さまの役に立てるかという視点から取り組むとよいでしょう。
また、ドラッグストアでは企業や個々の店舗によって求められる接客は異なります。
自分の得意とする、またやりがいを感じる接客ができる環境の選択も重要です。

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