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2024-11-01

カフェインの過剰摂取量はどのくらい?主な症状は?医薬品販売やご案内時に注意すべきお客さまの例を登録販売者向けに解説

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カフェインの過剰摂取量はどのくらい?主な症状は?医薬品販売やご案内時に注意すべきお客さまの例を登録販売者向けに解説

カフェインはコーヒーやエナジードリンク、一般用医薬品など身近な商品に含まれていますが、過剰摂取すると身体に悪影響をおよぼす可能性があります。今回の記事ではカフェインの過剰摂取量の目安や起こりうる症状について徹底解説。カフェインに注意が必要な方やお客さまへのご案内方法など、登録販売者向けのお役立ち情報は要チェックです。

目次

  1. カフェインの過剰摂取量はどのくらい?
  2. カフェインを含む主な飲み物・食品・一般用医薬品
  3. カフェインの過剰摂取で起こる主な症状
  4. カフェインの摂取にとくに注意が必要な方
  5. カフェインの過剰摂取を防ぐために登録販売者にできること
  6. カフェインの過剰摂取量を理解し適切なアドバイスを心がけよう

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カフェインの過剰摂取量はどのくらい?

日本では、カフェインの1日摂取許容量が明確に定められていません。

現状日本において、「カフェインを1日に◯mg以上とると過剰摂取にあたる」という明確な基準は設けられていません。

はっきりとした基準がない理由は、カフェインの感受性は個人差が大きいためです。

しかし、世界的に見た場合、カフェインの過剰摂取による健康被害の可能性はあると提唱されています。

WHO(世界保健機関)やカナダ保健省など各国の機関では、1日あたりのカフェイン摂取量を次のように定めており、これらを基準に日本でも注意喚起を実施。

現状では、「1日あたり300〜400mg」にとどめることを目安としています。

【各国の機関が定めるカフェイン最大摂取量】

機関名 1日あたりのカフェイン最大摂取量
WHO(世界保健機関) 300mg(妊娠中の方)
カナダ保健省(HC) 400mg(健康な成人)
300mg(妊娠中の方)
欧州食品安全機関(EFSA) 400mg(健康な成人・3 mg/kg 体重/1回)
200mg(妊娠、授乳中の方)

参考:農林水産省「カフェインの過剰摂取について

 

カフェインの過剰摂取によって起こる主な症状はこちら
カフェインの過剰摂取を防ぐために登録販売者にできることはこちら

 

【基礎知識】カフェインとは?主な作用について

【カフェインの主な作用】
  • 覚醒作用
  • 眠気防止(医薬品の場合)
  • 倦怠感の除去(医薬品の場合)

カフェインはコーヒーや紅茶、エナジードリンクなどに含まれる天然の化合物です。

主に中枢神経に働きかけ、適量であれば覚醒作用が期待できます。

眠気防止や倦怠感の除去などを目的としたカフェイン含有の一般用医薬品もあり、ドラッグストアでも人気の商品です。

ただし、過剰摂取には十分な注意が必要であるため、登録販売者として正しい知識を身につけておきましょう。

 

カフェインの摂取にとくに注意が必要な方はこちら

 

 

カフェインを含む主な飲み物・食品・一般用医薬品

カフェインを含む主な飲み物・食品・一般用医薬品

 

カフェインを含む主な飲み物・食品

飲み物・食品名 カフェイン濃度 備考
コーヒー(浸出液) 0.06g/100ml
(=60mg/100ml)
浸出法:コーヒー粉末10g、熱湯150ml
インスタントコーヒー(粉末) 4.0g/100ml
(2g使用した場合、1杯あたり80mg)
-
エナジードリンク、
眠気覚まし用飲料
32〜300mg/100ml
(製品1本あたり36〜150mg)
製品によって、カフェイン濃度
および内容量が異なる。
玉露(浸出液) 0.16g/100ml
(=160mg/100ml)
浸出法:茶葉10g、60℃湯60ml、2.5分
せん茶(浸出液) 0.02g/100ml
(=20mg/100ml)
浸出法:茶葉10g、90℃湯430ml、1分
ほうじ茶(浸出液) 0.02g/100ml
(=20mg/100ml)
浸出法:茶葉15g、90℃湯650ml、0.5分
玄米茶(浸出液) 0.01g/100ml
(=10mg/100ml)
浸出法:茶葉15g、90℃湯650ml、0.5分
ウーロン茶(浸出液) 0.02g/100ml
(=20mg/100ml)
浸出法:茶葉15g、90℃湯650ml、0.5分
紅茶(浸出液) 0.03g/100ml
(=30mg/100ml)
浸出法:茶葉5g、熱湯360ml、
1.5〜4分
抹茶(粉末) 3.2g/100g
(お湯70mlに粉末1.5gを溶解した場合、カフェイン含有量48mg)
-

引用:農林水産省「カフェインの過剰摂取について

カフェインは身近な飲み物や食品に含まれています。

コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどが代表例です。

市販の飲料や食品の場合、「100mlあたりのカフェイン含有量」が記されています。

たとえば300ml入りのコーヒーを飲む場合、「100mlあたり60mg」と記載されていれば、実際には180mgのカフェインを摂取することになります。

カフェインの摂取量を考える際は、実際の容量に換算して1日の最大摂取量を超えないように注意が必要です。

 

カフェインを含む主な一般用医薬品

  • 眠気を防ぐことを目的とした一般用医薬品
  • 倦怠感を除去することを目的とした一般用医薬品

カフェインは基本的に、「眠気を防ぐこと」や「倦怠感を除去すること」を目的とした一般用医薬品に含まれています。

カフェインの覚醒作用は、眠気や倦怠感といった症状を一時的に緩和できるためです。

そのほか、総合感冒薬(かぜ薬)や解熱鎮痛薬にも主成分をサポートする役割で配合されている場合があります。

登録販売者として一般用医薬品を販売する際は、カフェインの配合量にも注意しましょう。

 

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カフェインの過剰摂取で起こる主な症状

カフェインの過剰摂取による主な症状・リスク
・めまい・心拍数の増加・興奮・不安・震え・不眠 など
・消化器症状(下痢・吐き気・嘔吐など)
・高血圧リスクの増加(長期的な過剰摂取の場合)

カフェインを過剰摂取すると中枢神経が刺激されて、めまいや心拍数増加、震えといった症状が起こります。

中枢神経だけでなく消化器官も刺激を受け、吐き気や下痢など消化管症状が見られるケースもあるため注意が必要です。

そのほか、長期的にカフェインの摂取をし続けると、高血圧のリスクが高まる可能性もあります。

万が一、カフェインを含む医薬品を服用中のお客さまから相談をされたら、丁寧なヒアリングを行って適切な対処をしてください。

場合によっては、受診勧奨を行うことも重要です。

 

カフェインの過剰摂取で起こりうる中毒症状

精神的症状 不穏、興奮、けいれん、昏睡 など
身体的症状 消化器症状(嘔吐、悪心など)
循環器症状(不整脈、血圧上昇など)
呼吸器症状(呼吸促進、呼吸麻痺など)

カフェインの過剰摂取が原因で、中毒症状に発展するケースもあります。

中毒症状には精神的症状・身体的症状があり、主な症状は上記のとおりです。

カフェイン中毒の疑いがあるお客さまから相談を受けた場合は、医療機関への受診を勧めてください

重度の場合は専門的な治療が必要であるため、自己判断せずに医師の指示に従うよう促しましょう。

 

 

カフェインの摂取にとくに注意が必要な方

 カフェインの摂取にとくに注意が必要な方

カフェインの摂取量について、とくに注意が必要な方がいます。

登録販売者として、しっかり把握しておきましょう。

 

胃潰瘍・心疾患・緑内障の疾患を持つ方

カフェインを含む医薬品の場合、これらの疾患を持つ方は服用に細心の注意を払う必要があります。

医薬品に含まれるカフェインの摂取によって、疾患の症状が悪化したり影響をおよぼしたりする可能性があるためです。

カフェインを含む一般用医薬品を販売する際は、必ず既往歴を確認してください。

 

他の医薬品を服用中の方

別の一般用医薬品や医療機関の処方薬を服用中の方は、コーヒーやエナジードリンクなどの飲みすぎや、カフェインを含む医薬品との相互作用に注意が必要です。

眠気防止を目的にカフェインを含む一般用医薬品を使っている場合も、コーヒーなどを飲む習慣があると知らず知らずのうちに過剰摂取につながる可能性があります。

また、生薬のひとつであるマオウ(麻黄)には、カフェインと同様に中枢神経興奮作用があるため、漢方薬の服用にも注意が必要です。

登録販売者として、取り扱っている一般用医薬品に配合されている成分はしっかり把握しておきましょう。

そのほか、水の代わりにカフェインを含む飲み物で医薬品を服用しないように注意を促すことも大切です。

【併用に注意が必要な医薬品】

  • キサンチン系の薬剤(アミノフィリン水和物、ジプロフィリン、テオフィリンなど)
  • 中枢神経興奮薬(エフェドリン塩酸塩、マオウなど)
  • MAO阻害剤
  • シメチジン
  • その他、カフェインを含む一般用医薬品 など

 

妊娠中や授乳中・妊娠の予定がある方

妊娠中や授乳中の女性、今後妊娠の予定がある方もカフェインの摂取に注意が必要です。

確定はしていませんが、妊娠中にカフェインを摂取すると、胎盤を通じて移行し胎児の成長を阻害するおそれがあると考えられています。

授乳中の場合も、乳児の寝つきが悪くなるなどの悪影響の可能性があるため控えてください。

欧州食品安全機関の場合、妊娠・授乳中の方は1日あたり200mg以下にカフェイン摂取を控えるよう推奨しています。

なお、妊娠や授乳は大変デリケートな話題のため、接客をする際はお客さまに十分配慮しましょう。

 

小さなお子さま

小さなお子さまは、大人よりもカフェインの影響を受けやすいと考えられています。

大人と比べて肝臓機能が未発達であり、カフェインの代謝が遅いため少量でも過剰摂取になりやすいです。

そのため、不眠や興奮、胃腸の不調などの症状を引き起こす可能性があります。

とくに、エナジードリンクやソフトドリンクの飲みすぎ、チョコレートなどのお菓子の食べすぎに注意しましょう。

 

カフェインに敏感な方

カフェインによる覚醒作用や眠気防止作用などは個人差が大きいです。

人によってはカフェインに敏感で、少量でも症状が出てしまう方もいます。

カフェインに敏感な方は、カフェインを含む飲料や食品の摂取を控えましょう。

また、個人の体質によってはカフェインが身体に合わず、咳やくしゃみ、肌荒れといった症状を引き起こすケースもあります。

カフェインを摂取したあとに異変を感じたお客さまがいた場合は、医療機関に相談することを促してください。

 

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カフェインの過剰摂取を防ぐために登録販売者にできること

カフェインの過剰摂取を防ぐために登録販売者にできること

カフェインの過剰摂取を防ぐために、登録販売者として適切な対応を心がけましょう。

以下で接客のコツを解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。

 

カフェインを含む飲食物や適正量を正しくご案内する

カフェインは多くの飲食物に含まれており、その含有量は商品によってさまざまです。

コーヒーやお茶などに加え、お菓子やソフトドリンクなどにも含まれているため、気づかないうちに過剰摂取してしまうケースもあります。

お客さまの健康相談を受ける際は、日常的に摂取している飲食物にどのくらいのカフェインが含まれているか、把握することが大切であると伝えましょう。

カフェインが含まれていることを知らない場合もあるため、登録販売者から積極的に質問をしてヒアリングしてください。

 

カフェインの摂取量を減らす工夫をご案内する

たとえば普段からコーヒーをたくさん飲む方の場合、急激にカフェインを含む飲食物を減らすことは難しいです。

最初は1杯ずつでもいいので1日に飲む量を減らすよう、工夫の仕方を伝えてみましょう。

カフェインレスコーヒーを選んだり飲むタイミングを変えたりする方法は、簡単に実践できるためおすすめです。

ただし、カフェインの摂取量を急激に減らすと、頭痛や疲労感などの離脱症状があらわれることがあります。

離脱症状の可能性も注意喚起を行い、焦らずに少しずつ減らしていくように伝えましょう。

【登録販売者として提案できる対応方法の例】

  • コーヒーを3杯→2杯→1杯と徐々に減らしてみる
  • カフェインレスコーヒーに変えてみる など

 

カフェインとアルコールを一緒に摂取しないよう呼びかける

カフェインの覚醒作用はアルコールの鎮静作用と相反するため、体内での影響が複雑になります。

覚醒作用で酔っていることに気づかず、アルコールを飲みすぎて脱水症状を引き起こすと大変危険です。

接客の際は、カフェインとアルコールを同時に摂取することは避けるようご案内しましょう。

 

カフェインを含む一般用医薬品の販売に注意する

カフェインを含む一般用医薬品の例 併用に注意が必要な医薬品の例
・眠気を防ぐことを目的とした一般用医薬品
・倦怠感を除去することを目的とした一般用医薬品
・キサンチン系の薬剤(アミノフィリン水和物、ジプロフィリン、テオフィリンなど)
・中枢神経興奮薬(エフェドリン塩酸塩、マオウなど)
・MAO阻害剤
・シメチジン
・その他、カフェインを含む一般用医薬品 など

現時点でカフェインを含む一般用医薬品を服用中の方や、普段からコーヒーや緑茶などをよく飲むお客さまに対しては、カフェインを含む一般用医薬品の販売に注意が必要です。

市販薬だけでなく病院から処方されている医療用医薬品にも、カフェインとの併用に注意が必要な医薬品があります。

上記のような医薬品を同時に服用した場合、総カフェイン摂取量が増加し、薬の相互作用やめまいなどの症状を引き起こす原因となってしまいます。

登録販売者としてお客さまには下記のような声かけをし、薬と飲食物からのカフェイン摂取量を管理するようアドバイスしましょう。

【カフェインを含む一般用医薬品を販売する際の声かけの例】

  • 日常的にコーヒーやお茶などを飲む習慣はありますか?
  • 他に服用している市販の医薬品や病院からの処方薬はありますか?
  • 医薬品を使用する際は、水かぬるま湯で服用してくださいね。

 

カフェイン過剰摂取による症状があるお客さまには受診推奨をする

カフェインの過剰摂取によってめまいや嘔吐などの症状がみられるお客さまには、受診勧奨を検討してください。

カフェインの過剰摂取による症状は一般用医薬品では対処できないため、安易にめまい止めなどを勧めないよう注意しましょう。

ただし、原因が「カフェインの過剰摂取」と断定することは難しいです。

お客さまに症状や普段の生活などをよく聞き、可能な範囲で適切なアドバイスを心がけましょう。

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カフェインの過剰摂取量を理解し適切なアドバイスを心がけよう

カフェインは、コーヒーやソフトドリンクなど日常生活で口にするさまざまな飲食物に含まれています。

知らず知らずのうちに過剰摂取とならないよう、カフェインの摂取量目安や飲食物への含有量を把握しておくことが重要です。

一般用医薬品にも含まれている場合があるため、登録販売者は接客時の声かけを徹底し、カフェインの過剰摂取を未然に防ぐことに努めましょう。

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