転職活動の基本
2020-03-16
登録販売者が履歴書を書く上でのポイントは?そもそも求人って多いの?
・Before
・After
登録販売者の求人は他職種に比べて豊富にある、という印象がありますが、「研修中や実務経験のない登録販売者でも就職できるのだろうか?」と不安を感じている方も多いと思います。 そこで今回は、実務経験のない方や研修中の方でも就職しやすい職場についての情報や、履歴書の資格欄の書き方、採用確率アップを狙える志望動機の書き方などを紹介します。店舗管理要件を満たす方の転職に役立つ情報も網羅していますので、ぜひ参考にしてください。
「実務経験なし」や「研修中」の登録販売者でも求人はあるのか
大手求人サイトなどで「登録販売者」の求人を検索すると、閲覧しきれないほどの求人がヒットします。また、「未経験可」「正社員」で条件を絞って検索しても、相当数の求人が出ているのがわかります。たくさんの求人がありますが、採用のハードルは決して低くありません。
企業が求める人材でない場合、当然ですが選考に落ち、転職に失敗するリスクもあります。ここでは、就職時に有利な条件や、評価されやすい経験・要件などについて解説します。
実務経験がなくても研修中の登録販売者として働くことができる
ドラッグストアなどの企業は、従業員に対し、登録販売者の資格取得を推奨しています。ただ、受験した全員が受かるわけではないため、登録販売者の有資格者は不足しています。
実務経験が2年に満たない登録販売者はいずれ店舗運営を担う人材として、将来的な活躍を期待して採用されます。とはいえ、「研修中」の登録販売者は一人で医薬品を販売することはできません。就職が可能なのは、大型のドラッグストア店舗など複数の登録販売者や薬剤師のいる職場に限られます。
店舗管理者の要件を満たす登録販売者は非常に有利
医薬品を販売する店舗では、必ず店舗管理者を配置しなければなりません。そのため、店舗管理者の要件を満たす登録販売者のニーズは、研修中の登録販売者より高くなっています。
また、企業の中には即戦力を求め、店舗管理者要件を満たす登録販売者のみを募集対象としているところもあります。
店舗管理要件を満たす登録販売者は、登録販売者として一人で医薬品販売をすることができます。そのため、スーパーや家電量販店の医薬品コーナーなど登録販売者の配置が少ない店舗の就職において非常に有利になります。
実務経験がなくても評価されやすい経験・条件など
実務経験がなくても、ジャンルを問わず販売経験や接客経験、店長としてのマネジメント経験がある方などは、高く評価されます。
また、全国展開しているドラッグストアなどでは、店舗の異動や引っ越しを伴う転勤に対応できる方を積極的に採用する傾向があります。



登録販売者の資格!履歴書の資格欄の書き方
登録販売者として一人で医薬品を販売するには、実務・業務経験を積まなければいけません。そのため、実務経験がない場合、履歴書にどのような内容を書くべきなのか悩んでしまう方も少なくないでしょう。そこで次は、パターン別に履歴書の書き方を説明します。
店舗管理者要件を満たした登録販売者として従事可能な場合
すでに実務・業務経験が十分にあり、就職後すぐに登録販売者として働くことができる場合には、履歴書の免許・資格欄に「登録販売者」と記載できます。
職務経歴書には、具体的な医薬品販売の実績(お客様からの相談を受けたエピソードや、売上コンクール受賞など)の他、化粧品などの専任担当経験や店長経験がある場合は、その旨も記載してアピールしましょう。
販売従事登録は済ませたものの実務・業務経験が不足している場合
登録販売者試験合格後、販売従事登録は行ったものの、実務・業務経験がない場合は、履歴書の免許・資格欄に「登録販売者(研修中)」あるいは「登録販売者 実務経験年数 1年〇ヶ月」などと記載し、一定の実務経験がないことがはっきりわかるようにしましょう。
この部分の記載が曖昧になっていると、場合によっては「虚偽記載」と判断され、採用取消しになる可能性もあります。職務経歴書を見れば研修中かどうかはわかるものですが、トラブル防止のためにも「研修中」であることが一目でわかるように記入しましょう。
登録販売者試験合格後、販売従事登録をしていない場合(実務経験なしの場合)
実務経験がない場合でも資格欄に記入してOKです。
ただし、実務経験が全くない場合には、「登録販売者(実務経験0ヶ月)」や「登録販売者(研修中)」と記載し、誤解が生じないようにしましょう。
登録販売者試験合格後、販売従事登録をしていない場合(実務経験ありの場合)
登試験合格前からドラッグストアで働いており、実務経験はあるものの、試験合格後に販売従事登録をしていない方(例:ドラッグストア退職後に試験を受け合格、など)の場合は、2通りに分かれます。
■以前の勤務先に実務従事証明書を発行してもらえた場合
以前の職場で積んだ実務経験を引継げるため、免許・資格欄には「登録販売者(実務経験年数 ○年○ヶ月)」と記載できます。ただし、実務経験としてカウントできるのは、直近5年間のうち、一ヶ月80時間以上勤務した月のみです。働いていた全期間をカウントできるわけではないので要注意です。
■以前の勤務先から実務従事証明書をもらえなかった場合
実務経験は0から積むことになるため、免許・資格欄には「登録販売者(研修中)」「登録販売者(実務経験 0ヶ月)」などと記載します。ただ、販売のスキルや技術は評価され、面接で有利に働きます。

登録販売者としての採用確率を上げる履歴書の内容(志望動機等)とは
登録販売者の就職活動においても、志望動機のポイントは一般企業とほぼ同じです。しかし、登録販売者の場合、「店舗管理者要件を満たす登録販売者」、「研修中の登録販売者」、「ブランクがある登録販売者」など、それぞれのキャリアに応じた対応が必要です。
ここでは、履歴書作成に関する一般的な注意の他、キャリアに応じた注意・ポイントなどについて解説します。
写真は清潔感に注意して
登録販売者の仕事は、医薬品を扱う接客業です。履歴書に貼付する写真は、清潔で明るく、健康的なものにしましょう。
男女とも、髪の毛の色はナチュラルで暗い方が好印象です。髪の毛が長い人は、前髪が顔にかからないように気をつけましょう。また、ピアスやネックレスなどアクセサリーの着用は控えます。
男性は、髭を剃ることを忘れないようにしましょう。女性は、派手なメイクをしないように気をつけます。だからといってノーメイクでは「身だしなみを整えることができない人」と評価されることもあります。ナチュラルメイクを心がけましょう。
管理者要件を満たす登録販売者が注意すべきポイント
管理者要件を満たしている登録販売者の場合、現職にとどまっていればさらなるキャリアアップが目指せるはずですが、あえて転職に至った経緯を「前向きかつ説得力のある理由」で説明する必要があります。
例えば
- 今の職場では「店舗管理者は薬剤師」というルールがあり、これ以上のキャリアアップができないため。
- 研修の充実している企業に転職し、より高度なスキルやマネジメントを習得したいため。
など、「キャリアアップやスキルアップを求めていること」や、「社会により一層貢献したい」という気持ちが伝わるようにすると良いでしょう。
ブランクのある登録販売者が注意すべきポイント
ブランクがある登録販売者の場合、ブランクの理由を明らかにする必要があります。
ブランクの理由が育児や介護などである場合、経歴がネガティブに受け止められることはほとんどありません。再就職の理由としても、下記のようにポジティブなものをアピールしましょう。
- 育児や介護が落ち着いたこと
- 登録販売者として再度キャリアを積みたいこと
- 働いて人や社会の役に立ちたいと考えるようになったこと
一方、本人の病気・ケガなどが理由でブランクが生じている場合には、症状が完治していることを証明しなければ採用が見送られる可能性があります。必要であれば、医師の診断書も添えて提出するようにしましょう。
また、実務経験・業務経験を積むことができない他の職種に就いていたために、ブランクが生じている場合には、「他の職種に就いた理由」と「登録販売者として働きたい理由」を明確に示す必要があります。
事務職や営業職など医薬品とは関係ない職業に就いていた場合、「転職を繰り返す傾向がある人」と評価される可能性があります。面接時には「この企業でどうしても働きたい」なども熱意を込めて伝えるようにしましょう。
実務経験のない登録販売者が注意すべきポイント
実務経験が全くない登録販売者の場合、医薬品販売のキャリアやスキルをアピールすることはできません。未経験の登録販売者を採用する企業側も、最初から一人前に業務をこなせるとは思っていません。
しかし、採用側としては、研修期間で着実に業務経験を積み、登録販売者として活躍することを期待しています。
したがって、実務経験のない登録販売者が就職活動をする際には「キャリアアップ・スキルアップに対する熱意や学習意欲」をアピールするようにしましょう。
まとめ
登録販売者の求人は豊富にありますが、誰でも採用されるわけではありません。将来的な活躍や、即戦力としての働きなど、自分のキャリアに合わせて企業にアピールする必要があります。
採用確率を上げるためには、志望動機やアピールポイントなどを職歴に応じた内容にすることも不可欠です。登録販売者として働きたいという熱意を企業にしっかり伝え、さらなるキャリアアップを目指しましょう。

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