登録販売者の働き方
2024-01-19
ドラッグストアのSVとは?仕事や年収、目指す方法などを聞いてみた【登録販売者向け】
・Before
・After
ドラッグストアにおける役職に、「SV(スーパーバイザー)」があります。しかし、名前だけ聞いても、具体的な仕事内容や役割は想像しづらいですよね。そこで、実際にドラッグストアでSVとして働いていた経験者のインタビューをもとに、SVの仕事内容や年収について解説します。SVの目指し方も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
氏名:二木(フタギ)さま
年齢:34歳
経歴:入社5年目で店長を経験。その後7年目でSVへ。1年6ヶ月のSVを経験したのち、9年目で採用一課係長、12年目で採用課長に。
SVとはどんな役職?
SV(スーパーバイザー)は、一般的には管理者や監督者という役職です。
ドラッグストアの店長は、自分が担当する店舗の統率を主に行います。
SVは、1つの店舗だけでなく、自分が担当するエリア内の複数の店舗を管理、統率する役職です。
ドラッグストアにおいて、店長とSVの大きな違いは、「会社側に提案できる機会が身近にあるかどうか」という点です。 現場の声を本社に伝えようとしなければ、会社が現場を正確に把握できず、いつまでも変わることができません。 「本社は現場を日々正確に把握できない」からこそ、非常に大事な役職です。
ドラッグストアでのSVの役割
ドラッグストアの本社と店舗は同じ会社の組織ですが、実際の現場ではお互いの指示・意見がうまく伝わらないことも多いです。
そこで、SVが間に入ってお互いの意見を双方に伝達し、会社に属するすべての従業員が働きやすいような環境に整えるための働きかけを行います。
いわば、本社と店舗とつなぐ「架け橋」のような存在です。
ドラッグストアのSVは、主に次の役割を担っています。
- 現場のリアルな声を汲み取り、「得られるであろう効果」とともに本社に提案する。
- 本社からの指示を、「店舗の状況をふまえてかみ砕いて」上手く店舗に落とし込む。
ドラッグストアでのSVの仕事内容
SVと店長の役割の違いについてご紹介しましたが、当然仕事内容も異なります。
ドラッグストアにおけるSVの具体的な仕事内容と、1日のスケジュールについて聞いてみました。
SVは具体的にどのような業務をするのですか?
SVの仕事内容は、店舗運営に関するものから従業員の教育、競合調査など多岐にわたります。
本社の指示を店舗に伝える・現場の声を本社に届けるといった双方の架け橋のような立場であり、会社を運営してくうえで非常に重要な仕事を任されています。
一般的にSVは、複数人で各エリアを分担することが多いです。
自分の担当エリアの目標に対してどれほど達成しているのか管理する「数値管理」や、従業員や店長の教育、メンタルケアを主に行います。
本社内での活動も行いますが、店舗で従業員と直接コミュニケーションを取ってコンディションを確認したり、近隣の競合店へ調査に向かったりすることも大切な仕事です。
- 担当エリアの数値管理
- 店長、社員の教育
- 競合調査
- お客さま対応
- 店舗コンディションの確認
- エリア内の人時バランスの調整
SVのある日のスケジュール(一例)
9:00 | 始業 |
---|---|
9:30 | 店舗ラウンド(1店舗目)陳列業務補助 |
11:00 | 店舗ラウンド(2店舗目)新規SPヒアリング |
12:30 | 昼食 |
13:30 | 事務処理(メール確認) |
14:30 | 店舗ラウンド(3店舗目)新任店長面談 |
16:00 | 事務処理(数値確認、展開指示) |
17:00 | 終業 |
上記の業務以外に、必要があればお客さま対応や競合調査を行うこともあります。
一般的には、担当エリア内に複数の店舗があるため、1日に数店舗回ることが多いです。
また、ドラッグストアに置いて人手が足りないなどイレギュラーの事態が起きたときは、SV自ら店舗にフォローしに行くことも。
1日を通して柔軟な対応が求められます。

ドラッグストアのSVになる方法とは
ドラッグストアのSVを目指す場合、具体的にどのような行動を起こせばよいか気になるところ。
SVになるために必要な条件や資格、スキルについて伺いました。
ドラッグストアのSVになるための条件はありますか?
【クスリのアオキSV経験者に聞いた!】
当社の場合は、店長として「Cランク⇒Bランク⇒Aランク⇒Sランク⇒SV」というステップを踏むことをSVになる条件にしています。なぜならSVは、「さまざまな店舗を管理し、それぞれの環境に合わせたアドバイスをしなければならない」ためです。
SVになるための条件は企業によってさまざまです。
一般的には、能力や適性が認められるとSVへ昇進するケースが多くみられます。
SVの主な役割は、担当エリアの店舗の管理や店長・職員の教育です。
さまざまな店舗の状況を適切に把握・管理し、環境に合わせたアドバイスや対応を行う能力が求められます。
なおSVは、基本的に正社員が就ける役職です。
現在、アルバイトやパート、契約社員の人がSVを目指す場合は、正規雇用してもらう必要があります。
保有しているといい資格やスキルはありますか?
必要な資格はとくにありません。私自身も資格を取ったことはないです。
SVになるために必須の資格はありませんが、店舗への指示を出すに当たってドラッグストアでの実務経験は必要です。
場合によっては、SV自身が店舗で作業を手伝うケースも。
お客さまから医薬品についての相談を受ける場面もあるため、資格を持っていない場合でも、ある程度医薬品の知識は身につけておくようにしましょう。
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登録販売者とは?仕事内容や資格取得のメリット、給料、将来性などを解説
ドラッグストアのSVの気になる年収は?
ドラッグストアのSVの平均年収は410〜520万円程度と、500万円スタートも可能です。
平均年収は勤め先の企業やSV自身の経験、スキルなどさまざまな要素によって異なりますが、場合によっては年収600万円も狙えます。
一般社員(登録販売者)の平均年収は320〜400万円程度(※1)、店長クラスでは350〜450万円程度(※2)です。
比較した場合、SVの年収は高いと言えます。
ドラッグストアのSVを目指すことで、キャリアアップとともに年収アップも期待できるでしょう。
当社の年収は410~520万程度です。
初級係長と同等の年収になるので、社内で不満を聞くことは少ないです。
※1:チアジョブ登販に掲載されている求人情報をもとに算出。
※2:2019年4月~2021年1月のチアジョブ登販の取得データをもとに平均値を算出。実際の待遇は、求職者のスキル・経験、各企業の状況等により左右されるため、上記のデータ・傾向に該当しない場合もあります。
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ドラッグストア店長の平均年収は?転職コンサルタントが指南するさらなる年収アップの方法
【経験者に聞いた!】ドラッグストアのSVに関するよくある質問
ドラッグストアのSVについて、気になる疑問点をQ&A形式で紹介します。
ドラッグストアSV経験者のリアルな声をもとにしていますので、ぜひ参考にしてください。
Q.ドラッグストアのSVは激務ですか?
【クスリのアオキSV経験者に聞いた!】
管理監督者ですので、店舗のスタッフや店長とは働き方が変わります。
スケジュールを自身で管理して働く形になるため、合う・合わないは人によって出てくると思います。私は自由に動き、やることを終わらせて早く休むこともありました。SVの先輩の中には、月~木までで仕事を終わらせて、金~日を休みにしていた人もいました。
SVは、スケジュールを自分で管理しながら働ける特徴があります。
やるべきことをやる時間と、仕事を早く終わらせて休む時間のメリハリをつけられるため、激務にはなりにくいでしょう。
ただし、スケジュール管理やタスク整理が苦手な人、人から指示をもらいながら仕事に取り組みたい人は、メリハリをつけて働くのが難しく、激務になる可能性もあります。
Q.ドラッグストアのSVのやりがいや魅力は何ですか?
【クスリのアオキSV経験者に聞いた!】
自身の思いや行動が、信頼に繋がっていると実感した際の喜びはとても大きかったです。
私は人を大切にしたい思いが強かったため、どんなに些細なことであっても時間を取って相談に乗るなど、なるべく一人ひとりと向き合いながら働いていました。そうやって真摯に向き合った結果かは分かりませんが、「二木さんがSVだからこそ頑張れた」などの言葉をいただく機会も多くあり、私を結婚式に招待してくれた方もいらっしゃいました。
誰かの力になりたい、頼りにされたい、そんな自分が好きな方には、ぜひ挑戦してみていただきたいです。
SVは複数の店舗の管理を担当するため、関わる従業員の数も多くなります。
多くの従業員の指導や管理を行うことは大変ですが、一人ひとりに真摯に向き合う姿勢を示すことで、従業員との信頼関係を構築できるでしょう。
とくに、「誰かの力になりたい」「頼りにされたい」という方は、多くのやりがいを感じやすいと言えます。
Q.ドラッグストアのSVは何歳ぐらいの人が多いですか?
当社の場合、若手が非常に活躍しています。(※)
新卒:入社6年目以降
中途:入社7年目以降
平均:入社6.5年目以降
※2023年5月時点実績
SVの年齢層は企業により差があります。
株式会社クスリのアオキの場合、SVとして活躍している社員は入社6〜7年目の若手世代が多い傾向です。
企業により、若手の人材が主体となって会社を引っ張っていける環境が整っています。
入社して間もない方やこれから入社する方も、積極的にSVを目指してみるとよいでしょう。
SVになるために年齢は関係ないので、向上心を持ってチャレンジすることが大切です。
Q.ドラッグストアのSVはどのような人に向いていると思いますか?
【クスリのアオキSV経験者に聞いた!】
年代問わず円滑に会話ができる「コミュニケーションスキル」や、数値改善のための「分析スキル」、チームを引っ張る「ポジティブ力」も大事です。
また、店舗コンディションの維持など、いつまでもお客さまに選ばれる店舗であり続けるため、従業員への「教育力」もこれからはより重視されると思います。
ドラッグストアのSVは、さまざまな立場・年代の人と話して方針や改善策を決めていくため、コミュニケーション力や分析力が欠かせません。
また、自ら先頭に立ってチームを引っ張っていく役割ですので、ポジティブさを兼ね備えているとよりよいでしょう。
SVは、たくさんの人と関わる機会が多い仕事です。
円滑に会話ができて、リーダーシップを発揮できる人はSVに向いています。
Q.ドラッグストアでSV後のキャリアとして何がありますか?
【クスリのアオキSV経験者に聞いた!】
当社の場合、SVを経験した後は、係長として以下のさまざまなキャリアに挑戦していただきます。
【部署】
教育、物流改革、IT、業務改革、調剤推進、MD、PB推進、販促、
レイアウト、バイヤー、営業管理、立地企画、建築、設計企画、
総務、労務、経営企画、経理、法務、採用
ドラッグストアでSVとしての経験を積んだあとは、商品の仕入れを担当するバイヤーや採用・異動を担当する人事など、たくさんのキャリアの選択肢があります。
SVとしての経験は、幅広い部署で活かせるものです。
自身の中でキャリアを明確に描き、希望する道に挑戦しましょう。
【今回取材にご協力いただいたドラッグストア】
全国で900店舗以上(※)を展開し、創業150年以上の歴史がある「クスリのアオキ」。生鮮食品をはじめ、生活に密接な商品も幅広く取り扱い、お客さまの生活と健康を同時にサポートしています。また社員からも好評な「働き方を選択する制度」など、働きやすい制度を取り入れ、社員の働きを会社がバックアップしてくれる温かみのある会社です。
※2023年11月現在
ドラッグストアのSVはやりがい豊富で魅力的な役職
ドラッグストアのSVは、エリア内にある複数店舗を担当したり、競合調査やお客さま対応をしたりと幅広い業務をこなす役職です。
多くの人と関わる分、得られるやりがいはたくさんあります。
SVとしての経験は自分自身の成長にも繋がり、将来のキャリアアップの選択肢も豊富です。
企業によっては若手世代も多く活躍しているため、年齢に関わらず目指せる役職と言えるでしょう。
現在ドラッグストアに勤務していて、キャリアアップを目指したい方は、実務経験を積んでSVへの昇進を目標にしてみてください。
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