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2023-12-15

OTC医薬品(市販薬)を分かりやすく説明!【販売時の対応方法も解説】

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OTC医薬品(市販薬)を分かりやすく説明!【販売時の対応方法も解説】

OTC医薬品は、主に登録販売者や薬剤師が扱うことのできる医薬品。登録販売者は、ドラッグストアなどで日々OTC医薬品の販売やお客さまの薬選びのサポートを行います。本記事では、OTC医薬品の概要や分類、登録販売者による販売時の対応をご紹介します。ぜひ日々の業務やスタッフの教育に役立ててみてください。

目次

  1. OTC医薬品(市販薬)とは
  2. ドラッグストアにおけるOTC医薬品(市販薬)販売時の対応
  3. OTC医薬品(市販薬)に関するQ&A
  4. OTC医薬品(市販薬)についての正しい知識を、日々の業務に役立てましょう

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OTC医薬品(市販薬)とは

OTC医薬品(市販薬)とは

OTC医薬品とは、薬局やドラッグストアなどで購入できる医薬品です。

処方箋は不要で、薬剤師や登録販売者によって販売されます。

OTCとは「over the counter」の略で、「カウンター越しに医薬品を販売する」という意味があります。

これまでは市販薬とも呼ばれていました。

また、医薬品はOTC医薬品と医療用医薬品の2つに分けられます。

 

「OTC医薬品(市販薬)」と「医療用医薬品」の違い

OTC医薬品と医療用医薬品の大きな違いは、医師の診断や処方箋が必要か否かです。

OTC医薬品は処方箋が不要で、近所の薬局やドラッグストアで気軽に購入することができます。

医療用医薬品は医師の診断による処方箋をもとに薬剤師が調剤をして渡すものであるため、病院や調剤薬局に行く必要があります。

  医療用医薬品 OTC医薬品(市販薬)
医師の診断・処方箋 必要 不要
効き目 強い 弱い
副作用 リスクが大きい リスクが小さい

また、その他にも効き目や副作用のリスクといった違いがあります。

OTC医薬品は自分で選ぶことができるもので、基本的に作用が弱くリスクも小さいです。

一方、医療用医薬品はOTC医薬品より効き目や副作用のリスクが大きくなっているため、医師が診断し処方することとなっています。

 

OTC医薬品(市販薬)の分類

OTC医薬品はさらに細かく分類されます。

分類によって対応方法などが変わるため、しっかり確認しておきましょう。

分類 対応する専門家 販売時の対応 インターネット販売
要指導医薬品 薬剤師 情報提供及び指導の義務
第1類医薬品
第2類医薬品 薬剤師または
登録販売者
情報提供の努力義務
第3類医薬品

 

要指導医薬品

要指導医薬品とは、医療用医薬品からOTC医薬品に転用されたばかりの薬を指します。

このように転用される医薬品のことをスイッチOTCともいい、長い間医療用医薬品として使用された実績があるものが対象です。

要指導医薬品は薬剤師が対面で情報提供及び指導をすることが義務付けられているため、登録販売者が販売することやインターネットで販売することはできません。

【ドラッグストアにおける取り扱い】
・ドラッグストアでは、必ず薬剤師が対面で情報提供及び指導をすることが義務付けられており、他の医薬品のように自由に購入することはできません。
・陳列場所もすぐに手の届かない場所に配置されます。

 

第1類医薬品

第1類医薬品とは、要指導医薬品を除いた一般用医薬品の中で安全性のリスクが高いものです。

要指導医薬品の製造販売後調査で問題がなかった場合に、第1類医薬品へと移行されるケースもあります。

第1類医薬品も要指導医薬品と同様に薬剤師の対応が必須かつ、登録販売者が販売することはできません。

しかし、インターネット販売は可能です。

【ドラッグストアにおける取り扱い】
・ドラッグストアでは、要指導医薬品と同様に薬剤師の対応が必須であるため、登録販売者は販売することができません。
・陳列場所もすぐに手の届かない場所に配置されます。
・主な医薬品の例としては、一部の育毛剤や、整腸剤(H2ブロッカー)などがあります。

 

第2類医薬品<登録販売者の対応可能>

第2類医薬品とは、第1類医薬品の次に安全性のリスクが中程度のもの。

第2類医薬品の中でもとくに注意が必要なものは指定第2類医薬品として分類されます。

情報提供は義務ではなく努力義務です。

薬剤師だけでなく登録販売者も販売できます。

また、インターネット販売も可能です。

【ドラッグストアにおける取り扱い】
・ドラッグストアでは、薬剤師または登録販売者による情報提供の努力義務があります。
・主な医薬品の例としては、風邪薬や、解熱鎮痛剤などがあります。

 

第3類医薬品<登録販売者の対応可能>

第3類医薬品とは、安全性のリスクが比較的少ないものを指します。

第2類医薬品と同様に、薬剤師だけでなく登録販売者も販売でき、インターネット販売も可能です。

情報提供の努力義務は設けられていませんが、全く副作用が起こらないというわけではないため注意が必要です。

【ドラッグストアにおける取り扱い】
・ドラッグストアでは、情報提供の義務等がないため、お客さまが自由に購入することができます。
・手の届く場所に陳列できますが、第○類医薬品という分類ごとに混在しないように陳列する必要があります。
・主な医薬品の例としては、ビタミン含有保健薬、整腸剤、湿布などがあります。

 

 

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ドラッグストアにおけるOTC医薬品(市販薬)販売時の対応

ドラッグストアにおけるOTC医薬品(市販薬)販売時の対応

登録販売者が販売できるのは第2類・第3類医薬品のみです。

第2類医薬品の販売には、登録販売者による情報提供の努力義務があることも押さえておきましょう。

以下、販売する際に確認しておきたい2つのポイントを解説します。

 

お客さまの基本情報を確認する

適切な商品を選ぶためには、お客さまの基本情報を確認することが重要です。

ここでは主な確認事項や質問例を紹介していきます。

1. 年齢
「年齢はおいくつですか?」
2. 他の薬の薬剤・医薬品の使用状況
「普段、他に使用しているお薬はありますか?」
3. 性別(妊娠の有無、妊娠週数・授乳の有無)
「妊娠していたり、授乳していたりしますか?」
4. 症状、医療機関の受診の有無
「他に症状があったり、医療機関を受診したりしていますか?」
5. 現在かかっている疾病名
「現在かかっている疾病はありますか?」
6. 当該薬剤・医薬品の購入や使用の経験
「過去にこちらの医薬品を使用したことはありますか?」
7. 薬剤・医薬品による副作用の経験やその内容
「過去に医薬品による副作用を起こしたことはありますか?」
8. そのほか情報の提供及び指導を行うために確認が必要な事項
「他に不安な点や気になる点はありますか?」

参考:厚生労働省「医薬品の販売区分及び販売方法について」令和5年6月

上記はあくまでも一例です。

医薬品によっては、病院で処方されている薬と併用できなかったり、妊娠中の方は使用できなかったりする場合があります。

そのため、医薬品を販売する上でお客さまの情報確認はとても重要です。

登録販売者は、お客さまの情報を適切に引き出せるよう、コミュニケーション力を磨いておきましょう。

▼参考記事
「ドラッグストアで働く登録販売者の接客に必要な心構えとは?【OTC薬剤師・鈴木伸悟先生に学ぶ!登録販売者向け接客マニュアル】」

 

販売する医薬品の情報提供をする

  1. 医薬品の名称
  2. 有効成分の名称・分量
  3. 用法・用量
  4. 効能・効果
  5. 使用上の注意のうち、保健衛生上の危害の発生を防止するために必要な事項
  6. 販売する薬剤師・登録販売者が、適正な使用のために必要と判断する事項
※書面・タブレット端末等での表示も可

参考:厚生労働省「医薬品の販売区分及び販売方法について」令和5年6月

お客さまの情報を確認し適切な医薬品を選んだら、その医薬品についての情報提供を行いましょう。

どのような成分が含まれていてどのような効果があるのか、医薬品を使用するにあたって注意しなければならないことは何なのかを、分かりやすく説明することが大切です。

とくに健康被害を防ぐためにも、用法・用量や正しい使用方法については必ず説明しましょう。

▼参考記事
登録販売者必見の「接客ノート」とは?お客さま対応が苦手な人へ

妊婦の方への対応が難しく悩んでいます。薬の注意点などについてわかりやすく説明する方法を教えてください。【鈴木伸悟先生のお悩み相談室!第5回】

 

 

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OTC医薬品(市販薬)に関するQ&A

OTC医薬品(市販薬)に関する疑問をQ&A形式で解説していきます。

日々の業務やスタッフの教育に、ぜひ役立ててみてください。

 

Q. 処方薬と市販薬の違いは何?

A. 処方箋が必要か否か、成分の効き目などの違いがあります。

処方薬は医師の診断や処方箋が必要になりますが、市販薬には必要ありません。

市販薬はドラッグストアなどで薬剤師や登録販売者から購入することができます。

また、基本的に市販薬よりも処方薬の方が効き目は強いですが、副作用のリスクも大きいです。

 

Q. 市販薬の第2類と第3類の違いは何?

A. 副作用のリスクが違います。

第2類医薬品は稀に、入院が必要になるくらいの健康被害が起こる可能性があります。

第3類医薬品でも身体の不調が起こる可能性がありますが、日常生活に支障をきたす程ではないでしょう。

また、第2類医薬品は情報提供の努力義務がありますが、第3類医薬品にはありません。

しかし、第3類医薬品だからといって軽く考えるのではなく、情報提供はなるべく行うべきといえます。

 

Q. スイッチOTCとは?

A. 医療用医薬品からOTC医薬品に転用された医薬品のことを指します。

スイッチOTCとは、もともと医療用医薬品として使われていたものをOTC医薬品に転用した医薬品のことです。

もとは医療用医薬品として病院でしか入手できなかった医薬品が、スイッチOTCとして販売されるようになると、市販で気軽に購入できるようになります。

 

Q. ドラッグストアで買えるOTC医薬品とは?

A. 要指導医薬品・第1類医薬品・第2類医薬品(指定第2類医薬品)・第3類医薬品が購入できます。

ドラッグストアでは要指導医薬品と一般用医薬品(第1類〜第3類)を購入できます。

このうち要指導医薬品と第1類医薬品は薬剤師しか対応できず、登録販売者は販売することができないため注意しましょう。

店舗によっては薬剤師が不在の時間帯があります。

その場合は要指導医薬品や第1類医薬品を取り扱っていたとしても販売することができません。

 

Q. ドラッグストアと薬局の違いは何?

A. 調剤が行えるかどうかといった違いがあります。

ドラッグストアと薬局を同じものとして捉えている方もいますが、そこには明確な違いがあります。

ドラッグストアでは医薬品の販売の他に日用品や食品の販売も行っている小売店という位置付けです。

一方、薬局では「調剤」という業務が行われており、医療用医薬品は調剤薬局でしか購入することができません。

しかし最近では調剤薬局が併設されたドラッグストアも増えてきており、処方箋を持っていればドラッグストアで買い物をするついでに医療用医薬品を購入することもできます。

 

 

OTC医薬品(市販薬)についての正しい知識を、日々の業務に役立てましょう

今回の記事では、登録販売者に向けて市販薬の概要や分類、注意しなければならない点について解説しました。

市販薬は副作用のリスクによって細かく分類されており、中には登録販売者ではなく薬剤師のみが対応できる医薬品があります。

またOTC医薬品の販売には、お客さまの情報を引き出すコミュニケーション力や、医薬品の情報提供を行うための知識が必要です。

日頃からスキルを磨くことを意識しましょう。

登録販売者は皆さまの健康をサポートするやりがいのある職業です。

今後も需要は拡大し続けると考えられており、将来性が見込まれています。

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