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2024-03-15

花粉症におすすめの漢方は?症状別の使い分け・使用の注意点を解説<登録販売者向け>

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花粉症におすすめの漢方は?症状別の使い分け・使用の注意点を解説<登録販売者向け>

鼻水や鼻づまり、目のかゆみなどが悩ましい花粉症。漢方薬を使うことで症状の改善に効果が期待できます。花粉症に使える漢方薬は複数あるため、お客さまの体質や症状をよくヒアリングして使い分けを提案することが大切です。今回は、花粉症に使える漢方薬の特徴と使い分け方、ご案内時の注意点やご案内の例を登録販売者向けに解説します。

目次

  1. 【基礎知識】花粉症の主な原因・症状
  2. 漢方の世界から見る花粉症の原因・使う利点
  3. 【症状別】花粉症におすすめの漢方5選!特徴と使い分け方
  4. 花粉症に漢方をおすすめするときの注意点
  5. <対応例>花粉症の漢方についてお客さまから聞かれたときは
  6. 花粉症に使う漢方に関するよくある質問
  7. 花粉症に使う漢方薬の理解を深め、お客さまに正しくご案内を

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【基礎知識】花粉症の主な原因・症状

【基礎知識】花粉症の主な原因・症状

花粉症は、スギやヒノキといった植物の花粉が目や鼻から入ることで、体が起こす抗原抗体反応です。

体内に侵入した花粉を「異物である」と体が判断し、無害化・排除しようとするときに、ヒスタミンやロイコトリエン、トロンボキサンなどの物質を放出。

放出された物質が目や鼻を刺激することで、鼻水や鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなどの諸症状を招きます。

花粉症は季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれており、日本では約60種類の花粉が引き金になると報告されています。

 

花粉症の主な症状

  • 鼻水、鼻づまり
  • くしゃみ
  • 目のかゆみ
  • 喉のかゆみ・違和感
  • 集中力低下 など

花粉症の代表的な症状は、主に鼻水や鼻づまりといった鼻症状や、目のかゆみ、喉の違和感などです。

集中力が低下したり、鼻づまりが長期化して慢性鼻炎や副鼻腔炎につながったりするケースも。

植物により花粉の飛散時期は異なり、スギ花粉は2~4月頃、ヒノキ花粉は3~4月頃、ブタクサは8~9月頃に多く飛散します。

花粉の飛散量の増加や食生活の変化などを理由に、花粉症の患者は増加傾向にあると考えられています。

 

花粉症の一般的な治療法

花粉症を治療する場合、耳鼻咽喉科や眼科へ受診し、抗アレルギー薬の経口薬や点眼薬、鼻噴霧薬などが処方されることが一般的です。

鼻水やくしゃみ症状が強い場合は抗ヒスタミン薬、鼻づまりがひどい場合には抗ロイコトリエン薬も処方されます。

鼻噴霧薬はステロイドを含むものが多いですが、一時的に症状を止めたい場合は、血管収縮薬を使うことも。

花粉症の重症例では、経口のステロイドを使用することもあります。

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漢方の世界から見る花粉症の原因・使う利点

漢方の世界において、花粉症を招く原因は主に下記3つが挙げられます。

侵入する「邪(花粉やウイルスなど体調不良を招く原因)」の種類により、あらわれる花粉症の症状が異なるため注意が必要です。

【漢方の世界における花粉症の原因】
  • 体の冷えによる「寒邪(かんじゃ)」
  • 体に熱がこもることによる「熱邪(ねつじゃ)」
  • 免疫力の低下

漢方では、外部環境の変化により疾病を引き起こすものの1つとして、「寒熱」の考え方があります。

そして、外から「邪」が侵入するのは免疫が下がっているからと考えられています。

寒邪は体の冷えを原因に、熱邪は体に余計な熱がこもっていることを原因とし、花粉症の鼻症状を出現させます。

寒邪は花粉症の中でもとくに多いタイプであり、サラサラした水っぽい状態の鼻水が出やすいことが特徴です。

一方、熱邪のときはドロっと粘り気がある鼻水が出やすく、副鼻腔炎を招く可能性もあります。

寒邪の場合は体を温める漢方を、熱邪の場合は体を冷ます漢方を使うことが大切です。

花粉症に漢方薬を使う場合、症状に合わせて下記の観点から漢方の種類を選び、お客さまに提案しましょう。

【漢方でできる花粉症への対策】

  • (1)すでに出てしまった花粉症の症状を抑制する
  • (2)免疫を高めて、花粉症の症状が出る前に予防する

 

漢方薬を花粉症に使う利点

  • 眠くなる成分が入っていない
  • 花粉症を予防する目的で使える
  • 体質改善を目指せる

処方薬も市販薬も含めて花粉症に使用される抗アレルギー薬は、眠くなりやすい成分を含んでいることがあります。

対して、漢方薬には眠くなる成分が配合されていないため、車の運転や機械の作業が必要なときにも服用可能です。

また、花粉症発症後の治療だけでなく、症状が出現する前に予防的に使用できる漢方薬や、長期的に内服して体質改善を目指せる種類の漢方薬もあります。

お客さまの生活習慣の改善も含めてアドバイスをすることで、相乗効果が得られるでしょう。

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【症状別】花粉症におすすめの漢方5選!特徴と使い分け方

  • 【鼻水・くしゃみ】小青竜湯(ショウセイリュウトウ)
  • 【鼻水・くしゃみ】麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)
  • 【鼻づまり】辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)
  • 【鼻づまり】葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)
  • 【免疫力を高める】補中益気湯(ホチュウエッキトウ)

花粉症の症状別に、おすすめの漢方とその使い分けについて紹介します。

登録販売者として、お客さまがとくにどのような症状で悩んでいるか、よくヒアリングしたうえでご案内しましょう。

 

【鼻水・くしゃみ】小青竜湯(ショウセイリュウトウ)

小青竜湯は、鼻水や鼻づまりなどの鼻炎症状に使われることが多い漢方薬です。

とくに、サラサラで水っぽい性状の鼻水の治療に向いています。

アレルギー性結膜炎にも使用できる点が特徴です。

構成生薬は、マオウやカンゾウ、ケイヒなどで、花粉症による鼻炎以外にも気管支炎や感冒、むくみなどにも効果が期待できます。

漢方薬のなかでも即効性が期待できることがメリットです。

【構成生薬】

マオウ、シャクヤク、カンキョウ、カンゾウ、ケイヒ、サイシン、ゴミシ、ハンゲ

他の漢方との使い分け

小青竜湯は、体力が中等度かやや虚弱な方で、胃のあたりがポチャポチャと音がする人に向いている漢方薬です。

花粉症の症状のなかでも、とくに水っぽくて透明の鼻水が止まらない人や、くしゃみが止まらない人に効果が期待できます。

また、アレルギー性結膜炎にも効果が期待。

花粉症を原因とした目のかゆみや熱感、流涙の症状で生活に支障が出ているお客さまに、ご案内を検討してみましょう。

【こんな人・症状におすすめ!】

花粉症によるサラサラした鼻水や、目のかゆみなどに悩んでいる方

注意すべき副作用・禁忌・併用について

小青竜湯の主な副作用は、発疹や発赤、かゆみなどの皮膚症状、吐き気や食欲不振等の消化器症状です。

とくに、息切れや手足のだるさ、しびれ症状、肌や白目が黄色くなるなどの症状が出現した場合は、重篤な副作用の可能性があります。

お客さまから相談を受けた場合は、服用を中止して医療機関を受診するよう促してください。

小青竜湯に併用禁忌の薬剤はありませんが、過剰摂取が副作用につながりやすいカンゾウやマオウを含んでいるため、他の漢方と併用していないかどうか、販売時に確認しましょう。

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【鼻水・くしゃみ】麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)

麻黄附子細辛湯は、その名の通り「マオウ」「ブシ」「サイシン」の3つの生薬から構成される漢方薬です。

主に、かぜやアレルギー性鼻炎、気管支炎などの治療に用いられます。

得意とする症状は、小青竜湯と同様に水っぽい鼻水

小青竜湯の効果で改善が認められなかった場合、切り替えることが多い薬剤です。

【構成生薬】

マオウ、ブシ、サイシン

他の漢方との使い分け

麻黄附子細辛湯は、体力が虚弱で手足の冷えや悪寒が見られる方、小青竜湯でいまいち効果を実感できなかったお客さまへのご案内におすすめです。

マオウ、ブシ、サイシンは利尿効果を持ち、アレルギー性の炎症で生じる物質を乾かして鎮静化する作用があります。

鼻腔が乾燥している症例にはあまり向いておらず、サラサラとした鼻水に対して有効です。

また、体を温めて邪気を追い出す働きもあるため、かぜの初期にも向いている漢方薬でしょう。

【こんな人・症状におすすめ!】

サラサラとした鼻水、くしゃみの症状がある方
虚弱体質で冷えにお悩みの方

注意すべき副作用・禁忌・併用について

麻黄附子細辛湯の代表的な副作用は、皮膚症状や消化器症状で他の漢方と大方似ています。

しかし、構成生薬であるマオウの主成分「エフェドリン」には、副作用として血圧上昇や脳卒中、心筋梗塞、尿閉などのリスクが挙げられます。

マオウは他の漢方薬にも含まれている場合が多いため、重複投与による過剰摂取は避けなければなりません。

お客さまにご案内する際は、他に使っている漢方薬がないか確認しましょう。

 

【鼻づまり】辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)

辛夷清肺湯は、花粉症のなかでも鼻づまりに悩んでいる方に適した漢方薬です。

シンイ、オウゴン、バクモンドウなど、熱を冷まして肺を潤す働きがある9つの生薬で構成されており、匂いや味がわからない症状や、濃い鼻水が出る場合に効果を発揮します。

鼻を触ったときに熱を持っている感覚がある場合や、鼻の乾燥、鼻閉感が強い花粉症の方へのご案内におすすめです。

【構成生薬】

シンイ、オウゴン、サンシシ、チモ、セッコウ、ショウマ、ビャクゴウ、バクモンドウ、ビワヨウ

他の漢方との使い分け

辛夷清肺湯は、体力が中等度以上の人で、鼻水の性状が粘調性タイプの花粉症に向いています。

小青竜湯や麻黄附子細辛湯に適しているサラサラの鼻水とは性状が真逆であるため、ご案内に注意しましょう。

鼻炎症状は鼻水・くしゃみ・鼻づまりの3つに分類されますが、辛夷清肺湯はとくに鼻づまりに効果が期待できます。

ご案内する際は、お客さまの主訴の確認を確実に行いましょう。

花粉症以外でも慢性化した症状や、蓄膿症にも使用できるため、日常的に何かしらのアレルギー症状で鼻づまりに悩んでいる人にもおすすめできます。

【こんな人・症状におすすめ!】

においや味がわからないような鼻閉感、鼻づまり、粘調性の鼻水

注意すべき副作用・禁忌・併用について

辛夷清肺湯の注意すべき副作用は、食欲不振や胃部不快感などの消化器症状です。

まれに、間質性肺炎肝機能障害腸管膜静脈硬化症など重篤な副作用が起こる可能性もあります。

息苦しさや息切れ、皮膚や白目が黄色くなる、かゆみ、繰り返す下痢などの症状が出たお客さまには、服用を中止して医療機関の受診を勧めてください。

禁忌となる薬剤はありませんが、同成分で異なる商品名の市販薬が存在するため、重複投与にならないように、販売時に併用薬を確認しましょう。

 

【鼻づまり】葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)

葛根湯加川芎辛夷は、葛根湯をベースにした漢方薬です。

体を温めながら水の巡りを改善し、鼻炎症状の治療を目指します。

鼻づまりを起こすと睡眠の質も低下しやすいため、疲れが取れなかったり頭痛や肩こりの原因になったりすることも。

花粉症による鼻づまりが重症化して、かぜのような症状になったと感じた場合におすすめの漢方薬です。

【構成生薬】

カッコン、タイソウ、マオウ、カンゾウ、ケイヒ、シャクヤク、シンイ、センキュウ、ショウキョウ

他の漢方との使い分け

葛根湯加川芎辛夷は、比較的体力がある方の鼻づまりや慢性的な鼻炎といった花粉症の症状に向いています。

処方のベースである葛根湯には、体を温めて発汗や発熱を促し、初期のかぜ症状を改善する効果が期待できます。

追加されているシンイとセンキュウは、鼻水や鼻づまりの症状に特異的に効果を発揮する生薬です。

鼻水の性状としては、とくに粘り気のあるタイプに適しているため、小青竜湯や辛夷清肺湯との使い分けに注意しましょう。

お風呂に入ると症状が和らぐ人に、とくにおすすめしやすい漢方薬と言えます。

【こんな人・症状におすすめ!】

粘り気のある鼻水症状、鼻づまり、鼻閉感

注意すべき副作用・禁忌・併用について

葛根湯加川芎辛夷の主な副作用は、発疹や発赤、かゆみなどの皮膚症状や、消化器症状です。

構成生薬のなかにカンゾウを含んでおり、過剰投与は偽アルドステロン症ミオパチーなどの重篤な副作用につながる可能性があります。

手足のだるさ、しびれ、筋肉痛、体の動かしづらさなどの症状を感じた場合には、服用を中止して医療機関を受診するようにお伝えしましょう。

また、過剰摂取により血圧上昇や心筋梗塞のリスクとなるマオウも含んでいるため、販売時には併用している漢方薬がないか確認してください。

 

【免疫力を高める】補中益気湯(ホチュウエッキトウ)

補中益気湯は、「気」を補う漢方薬として生命活動のエネルギーを高める効果が期待でき、体の不調を整えます。

構成生薬はニンジン、ビャクジュツ、カンゾウ、ショウキョウなど10種類です。

継続して内服することにより免疫力が高まり、「衛気」といういわゆるバリア能力を高められます。

体質改善を目指したい人におすすめの漢方薬です。

【構成生薬】

ニンジン、ビャクジュツ、オウギ、トウキ、タイソウ、サイコ、チンピ、カンゾウ、ショウキョウ、ショウマ

他の漢方との使い分け

補中益気湯は、直接的に花粉症の鼻炎症状を改善する効果が期待できる生薬を含んでいません。

従って、「今すぐに治したい花粉症状」に対して服用するのではなく、長期的に内服することによって、免疫能力を上げて体質改善を目指す漢方薬として捉えましょう。

効能効果は、疲労倦怠食欲不振感冒などですが、婦人科領域で処方されることも多い漢方薬です。

とくに、体力が虚弱な方、元気がなくて胃腸の働きが低下している方へのご案内に向いています。

【こんな人・症状におすすめ!】

免疫力を上げて体質改善を目指したい人

注意すべき副作用・禁忌・併用について

補中益気湯の代表的な副作用は、発疹やかゆみなどの皮膚症状ですが、重篤な副作用としては間質性肺炎肝機能障害などが挙げられます。

息苦しさ、発熱、倦怠感、食欲不振などの症状があらわれた場合は、服用を中止して医療機関の受診を促してください。

また、補中益気湯に禁忌の薬剤はありませんが、構成生薬にカンゾウを含んでいるため、過剰摂取により偽アルドステロン症を発症するリスクがあります。

他の漢方薬と併用希望があるお客さまへの販売には、十分に注意してください。

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花粉症に漢方をおすすめするときの注意点

  • お客さまの体質に合う漢方を見極める
  • 服用の注意事項や副作用などを適切にご案内する
  • 効果が得られない場合は医療機関の受診を勧める

漢方薬は体質に合わないものを使うと、薬剤本来の効能効果を十分に得られない可能性があります。

登録販売者は、お客さまの体質や普段の生活など、さまざまな点を丁寧にヒアリングして、体質に合う漢方を見極めることが大切です。

また、漢方薬は比較的副作用が少ないといわれていますが、使用の注意点は存在します。

漢方薬それぞれの注意点や起こりうる副作用、生薬の重複で気をつける点などを十分に理解したうえで、お客さまにご案内しましょう。

とくに、妊婦授乳婦小児ご高齢のお客さまにご案内する際は注意が必要です。

加えて、漢方薬を使っても花粉症の症状が改善しない場合は、医療機関への受診を勧めましょう。

 

 

<対応例>花粉症の漢方についてお客さまから聞かれたときは

<対応例>花粉症の漢方についてお客さまから聞かれたときは

花粉症に悩むお客さまへの対応例を紹介します。

ぜひ参考にしてください。

◆人物データ

・年齢:40歳
・職業:無職
・既往症:なし
・服用中の薬:小青竜湯
・アレルギー:なし
・悩み:花粉症による鼻水に対して小青竜湯を4日内服したが症状が改善しない。 病院に行く時間がないため他の市販薬を探している。

お客さま:
花粉症で鼻水がすごく多く出るため、4日前から小青竜湯を飲んでいます。 いまいち症状がよくなった気がしなくて、目のかゆみも残っています。

登録販売者:
もしかしたら、小青竜湯が体質に合わなかったのかもしれませんね。 鼻水の性状はまだサラサラでしょうか?

お客さま:
はい、透明でサラサラした鼻水が水のように垂れてきます。

登録販売者:
慢性化はしていないようですね。 では、少し漢方の種類を変えてみましょう。 「麻黄附子細辛湯」はいかがでしょうか?体を温める効果があり、小青竜湯があまり効かない症例の際に切り替えることが多い漢方薬です。 ちなみに、他に併用している薬剤はありますか?

お客さま:
では、そちらをお願いしたいと思います。 他に使っている薬はありません。

登録販売者:
ありがとうございます。 麻黄附子細辛湯には「マオウ」という生薬が配合されており、過剰摂取により血圧上昇や心筋梗塞、脳卒中などの重篤な副作用が起こる可能性があります。 他に漢方薬を併用したい場合は、麻黄附子細辛湯を内服していることを、医師や薬剤師、登録販売者に伝えてくださいね。 用法用量を守って内服することが大切です。

 

【覚えておきたい】接客時に使えるフレーズ

  • 〇〇(漢方薬名)は体質に合わなかったのかもしれませんね。
  • 麻黄附子細辛湯は、小青竜湯の効果が感じられなかった場合に切り替えることが多い薬剤です。
  • 他に併用している薬剤はありますか?

漢方薬には「証」という考えがあり、体質に合わなければ効果が実感できないことがあります。

せっかく漢方薬を試したのに効果を感じられなかったお客さまに対しては、体質によって合う・合わないがあることをお伝えしましょう。

麻黄附子細辛湯と小青竜湯で効果が期待できる症状は似ており、鼻水がサラサラした性状であることがポイントです。

薬剤切り替えの提案に使えるので覚えておきましょう。

また、漢方薬は生薬の重複が問題となることがあります。

他にも使っている薬剤があるか、必ず確認して医薬品の適正使用を推進しましょう。

 

 

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花粉症に使う漢方に関するよくある質問

花粉症に使う漢方薬に関する質問をまとめました。

お客さまにご案内する際の参考にしてください。

 

Q.花粉症の目のかゆみに使える漢方はある?

A. 小青竜湯は目の症状にも効果が期待できます。

漢方薬のうち、小青竜湯はアレルギー性結膜炎にも適応を持っています。

目のかゆみや充血などの症状に効果が期待できます。

ただし、症状の改善が認められなければ、抗アレルギー成分の点眼薬をおすすめすることを検討してもよいでしょう。

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Q.漢方薬で花粉症の体質を改善できる?

A. 漢方薬で体質を改善できることがあります。

補中益気湯は体の免疫力を高めるはたらきがあり、体質改善を目指せる可能性があります。

花粉症に関しても体質改善効果は期待できますが、漢方薬を服用するだけで必ず体質が変わるわけではありません。

お客さまには、生活習慣の改善に向けたアドバイスを行うことが大切です。

 

Q.花粉症に複数の漢方を併用してもいい?

A. 併用を希望するお客さまには、事前に医師・薬剤師・登録販売者に相談することをおすすめしましょう。

漢方薬の併用は禁忌とされていないため、生薬の過度な重複を避ければ併用も可能です。

しかし、生薬の過剰投与は重篤な副作用につながる可能性があります。

カンゾウとマオウが代表的な生薬です。

他に何か漢方薬や医薬品を服用していないか、販売時にお客さまへ確認を怠らないようにしましょう。

 

Q.漢方薬が効かないといわれたら?

A. 漢方の種類を変更したり、点眼薬や点鼻薬の併用をおすすめしましょう。

漢方薬は、体質によっては合わないこともあるため、まったく効果を実感できなければ種類を変更するのが1つの手段です。

効果は感じるけれど、部分的にさらなる改善を求める場合は、点眼薬や点鼻薬の併用も提案してみましょう。

 

 

花粉症に使う漢方薬の理解を深め、お客さまに正しくご案内を

花粉症の治療に使える漢方薬は複数あります。

漢方薬の種類によって得意とする花粉症の症状があるため、お客さまがどのような症状に悩んでいるのか丁寧にヒアリングを行い、おすすめしましょう。

漢方薬は、生薬の重複により副作用リスクが上がることがあります。

販売時には併用薬の確認を必ず行うことが大切です。

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