登録販売者・医療事務・調剤事務の求人・転職・募集【チアジョブ登販】

お問い合わせ平日9:30〜18:30

0120-73-1811

×

完全無料 転職サポート登録
閉じる ×

現場で役立つ知識

2022-12-12

インフルエンザのときに使える市販の解熱鎮痛薬をお求めのお客さまへの対応【薬剤師に学ぶ医薬品知識】

メディカルリソース

・Before

・After

インフルエンザのときに使える市販の解熱鎮痛薬をお求めのお客さまへの対応【薬剤師に学ぶ医薬品知識】

冬になると例年のように流行するインフルエンザ。登録販売者の方のなかには、インフルエンザが疑われるお客さまに対して、どの解熱鎮痛薬を販売したらいいのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。通常の風邪とは異なり、インフルエンザが疑われる方に販売できる解熱鎮痛薬は非常に限られています。誤ったものを販売してしまうと、思わぬ健康被害を招くことにもなりかねません。お客さまの健康を守るためにも、本記事を読んでインフルエンザのときに使用できる解熱鎮痛薬についてしっかり把握しておきましょう。

目次

  1. 風邪とインフルエンザの違いは?
  2. インフルエンザで使える市販薬とは?
  3. <対応例>解熱鎮痛薬を求めて来店されたお客さまへの対応
  4. お客さまに伝えるべき注意点
  5. インフルエンザ疑いにはアセトアミノフェン一択

あなたの条件にぴったりの職場をお探しします

 

風邪とインフルエンザの違いは?

風邪とインフルエンザの違い

風邪やインフルエンザはウイルスが原因で引き起こされますが、ウイルスにはさまざまな種類があります

インフルエンザウイルスが原因となるインフルエンザに対し、風邪を引き起こすウイルスは200種類以上あると言われ、代表的な風邪のウイルスには次のようなものがあげられるでしょう。

  • ライノウイルス
  • コロナウイルス ※新型コロナウイルスを除く
  • アデノウイルス
  • RSウイルス
  • エンテロウイルス

 

どちらも鼻水やのどの痛み、咳などの似たような症状を伴いますが、比較的インフルエンザの方が症状が重い傾向にあります。

また、インフルエンザは症状が急激にあらわれることが多く、38度以上の高熱や関節痛が出る方も少なくありません。

一方で風邪は、徐々に症状が進行し、インフルエンザほど高い熱が出ることは少ない傾向があります。

冬に流行するインフルエンザとは異なり、年間を通してかかるのも特徴の一つと言えるでしょう。

インフルエンザが疑われるからといって必ずしも受診が必要なわけではありませんが、65歳以上の高齢者や妊娠中の方、肥満、糖尿病、喘息があるなどの重症化リスクが高い方はできるだけ医療機関を受診してもらうようにしてください

  風邪 インフルエンザ
原因ウイルス ライノウイルス、アデノウイルスなど インフルエンザウイルス
症状 鼻水やのどの痛み、38度以下の熱などが一般的 鼻水、比較的重いのどの痛みや腫れ、関節痛、38度以上の熱などが一般的

 

▼参考資料はコチラ
くすりと健康の情報局『風邪とインフルエンザの違いとは?症状の見分け方や市販の風邪薬を選ぶポイント』
くすりと健康の情報局『風邪の原因』

 

 

インフルエンザで使える市販薬とは?

インフルエンザで使える市販薬とは

インフルエンザで使用できる市販の解熱鎮痛薬は、多くありません

インフルエンザ脳症やライ症候群のリスクがあり、使用に適していないものが多いのです。

しかし、インフルエンザかどうかを自分で見極めることはできません。

そのため、38度以上の熱が出た場合は、できるだけ医療機関を受診するよう伝えましょう

どうしても受診できないときは、インフルエンザの可能性があることを念頭に解熱鎮痛薬を選ぶ必要があります。

 

インフルエンザが疑われるときは「アセトアミノフェン」を選択

インフルエンザの可能性が考えられる場合、第一候補となるのがアセトアミノフェンです。

アセトアミノフェンは、子どもから大人まで使用できるだけでなく、意識障害や異常行動などを起こすインフルエンザ脳症や嘔吐・錯乱を生じるライ症候群のリスクを上げることもありません。

解熱鎮痛効果はほかの成分と比べると劣りますが、安全面を考慮してアセトアミノフェンを推奨すると良いでしょう

 

アセトアミノフェン配合の市販解熱剤は?

アセトアミノフェンが配合された市販薬には、「タイレノールA」「アセトアミノフェン錠クニヒロ」「小児用バファリンCⅡ」などがあります。

いずれもアセトアミノフェンのみが配合された市販薬です。

インフルエンザの疑いがあるお客さまから相談された場合は、これらの市販薬を参考にお勧めしましょう。

 

飲んではいけない市販薬

インフルエンザが疑われる方には、ロキソプロフェンやイブプロフェンが配合された解熱鎮痛薬を販売してはいけません

これらの成分を服用することで、インフルエンザ脳症のリスクが高まってしまうためです。

子どもはとくにリスクが高まるため、販売しないように注意してください。

また、大人もリスクがゼロというわけではありません。

あえて販売するメリットはないので、インフルエンザが疑われる場合はアセトアミノフェンのみ配合された薬を販売するようにしましょう

このほか、アセチルサリチル酸もインフルエンザ脳症やライ症候群のリスクを高めるため注意が必要です。

▼参考資料はコチラ
タイレノールA『薬剤師さんに聞いたアセトアミノフェンの特徴』

 

 

高年収求人特集

 

 

<対応例>解熱鎮痛薬を求めて来店されたお客さまへの対応

<対応例>解熱鎮痛薬を求めて来店されたお客さまへの対応

では、解熱鎮痛薬を求めてお客さまが来店した場合、登録販売者がどのように対応したら良いのか、例を見てみましょう。

◆人物データ

20代女性
職業:学生 
既往症:なし
服用中の薬:なし
症状:今朝から38度の熱が出たので解熱鎮痛薬を購入しに来た。

◆対応例

お客さま:
すみません、解熱鎮痛薬はありますか?できるだけよく効くものが欲しいんですけど…。

登録販売者:
よく効くものだと、ロキソプロフェンやイブプロフェンがあります。風邪を引かれたのですか?

お客さま:
はい、今朝から38度も熱が出てしまって。昨晩はなんともなかったんですけど。

登録販売者:
38度ですか、少し高めですね。念のためもう少しお話を聞かせてください。熱以外に症状はありますか?

お客さま:
関節が少し痛む感じがします。あとは咳もときどき出ます。

登録販売者:
関節痛と咳ですね。話を聞いた限りでは、インフルエンザの可能性もゼロではないと思います。インフルエンザのときは使える解熱鎮痛薬が限られているので、こちらのアセトアミノフェンのみ配合された薬なら安全に使用できます。

お客さま:
そうなんですね。では、そちらをお願いします。

登録販売者:
かしこまりました。インフルエンザの薬は医療機関でしか処方できないので、もしお時間があれば早めに受診してみてください。インフルエンザの薬は、発症から48時間以内に服用しないと効果が出づらくなっています。発症から6時間以上経っていればインフルエンザの判定も正確に出ると思いますよ。

 

接客のポイント

よく効く解熱鎮痛薬が欲しいとのことだったので、最初はロキソプロフェンとイブプロフェンを勧めました。

しかし、話を聞いていくと38度以上の熱と関節痛があり、インフルエンザの可能性があると考えました。

そこで、インフルエンザ脳症のリスクを考えてアセトアミノフェンを勧め、お客さまにはインフルエンザが疑われる場合は使用できる解熱鎮痛薬が限られることを伝えました。

また、インフルエンザが疑われる場合には、受診することでインフルエンザの薬を処方してもらえること48時間以内に服用しないとあまり効果がないこと発症から6時間以上経っていれば正確な判断ができることも伝え、受診を勧めました。

 

 

お客さまに伝えるべき注意点

解熱鎮痛薬を販売するときの注意点

解熱鎮痛薬を販売する際は、インフルエンザかどうかにかかわらず伝えるべきことがいくつかあります。

 

用法、用量を守る

用法用量を守るのは基本中の基本です。

しかし、「解熱鎮痛薬を飲んでも熱や痛みが引かないから」と、倍量を飲んだり間隔を空けずに2回目の分を服用したりしている方が意外と多くいます。

倍飲んだからといって効果も倍になるわけではないこと、正しく服用しないと胃腸障害が起こりやすくなることなどを伝え、用法用量を守ってもらいましょう。

 

服用前後の飲酒を避ける

解熱鎮痛薬のなかには、鎮静成分であるアリルイソプロピルアセチル尿素やブロモワレリル尿素が含まれているものもあります。

これらの成分は飲酒によって鎮静効果が過剰に出ることがあるため、解熱鎮痛薬の服用前後の飲酒は避けるよう伝えましょう。

 

副作用

解熱鎮痛薬で起こりやすい副作用として、胃腸障害が知られています

服用後に胃がムカムカしたりキリキリしたりした場合は、副作用の影響かもしれません。

アセトアミノフェンは胃腸に負担をかけにくいことで知られている成分です。

そのため胃腸障害は出にくいものの、念のため食後に服用するか多めの水で飲むように伝えましょう。

 

 

インフルエンザ疑いにはアセトアミノフェン一択

インフルエンザ疑いのお客さまが解熱鎮痛薬をお探しの際は、まず「アセトアミノフェンを勧める」ということを覚えておきましょう

そして的確な治療を受けていただくためにも、お客さまにはできるだけ受診を促すことが大切です。

近年は新型コロナウイルス感染症の影響もあって、受診を控えたり、予約が取れなかったり、受診しにくい状況が続いています

登録販売者として適切にセルフメディケーションや受診勧奨を行えるよう、対応方法を身につけておきましょう。

 

【執筆者プロフィール】

執筆者:岡本妃香里

執筆者

薬学部を卒業後、都内の大手ドラッグストアで4年間勤務。毎日2,000人近くが来局する店舗でOTC販売を経験。現在は薬の正しい使い方や選び方を広めるために、執筆業をメインに活動。

 

 

 

 

entry
 
転職サポートとは?

 

2022-12-12

登録販売者の求人・転職【チアジョブ登販】

現場で役立つ知識

2024-01-26

麦門冬湯の効果・飲み合わせ禁忌・副作用は?ご案内の注意点を解説<登録販売者向け>

麦門冬湯は即効性がある漢方薬で、空咳を改善する効果があります。飲み合わせに禁忌はありませんが、まれに重篤な副作用が起こることがあるので、販売時には注意が必要です。この記事では、麦門冬湯の効き目や副作用、市販品と医療用との違い、妊娠中や授乳中の服用可否などについて具体的に解説します。お客さまへの対応例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

登録販売者の求人・転職【チアジョブ登販】

著名人コラム

2022-09-30

高血圧の薬を飲んでいる方への市販薬のすすめ方がわかりません。<鈴木伸悟先生のお悩み相談室!第9回>

薬の成分や飲み合わせ、接客、同僚との人間関係など、たくさんの悩みや不安を抱えながらも、お客さまに最適な提案ができるよう奮闘する登録販売者。 そんな登録販売者のお悩みに、SNSや講演会、業界紙などを中心にOTC医薬品の情報発信を行う薬剤師の鈴木伸悟先生が答えます! 第9回は、高血圧の薬を服用されているお客さまへの対応についてです。日本高血圧学会の調査では、2014年の高血圧治療者数は2,400万人と判明。注意が必要なOTC医薬品もあわせて教えていただきました。

登録販売者の求人・転職【チアジョブ登販】

現場で役立つ知識

2023-05-19

芍薬甘草湯と他の薬の飲み合わせにNGはあるの?販売時の(対応例)ポイントなども解説<登録販売者向け>

芍薬甘草湯の飲み合わせや副作用について、正しい知識を持っていますか?今回は、芍薬甘草湯と飲み合わせてはいけない医薬品と禁忌、副作用などの注意点をご紹介。効能効果やお客さまから質問されたときの対応例も解説しますので、登録販売者として正しくご案内できるよう覚えておきましょう。

登録販売者の求人・転職【チアジョブ登販】

現場で役立つ知識

2022-04-14

市販の抗不安薬をお求めのお客様への対応【薬剤師に学ぶ医薬品知識】

コロナ禍が続くなかで、精神的に不安定になったり十分に眠れなくなったりしている患者さまが増えてきました。こうした症状は「コロナうつ」とも呼ばれ、精神科を受診する患者さまも増加傾向にあると言われています。 同じように、ドラッグストアや薬局にも抗不安薬を求めて来る方が見られるようになりました。しかし、抗不安薬に分類される薬は、市販薬にはありません。 今回は、抗不安薬を希望されるお客さまへの登録販売者の適切な対応や、市販薬の選び方について解説します。

登録販売者の求人・転職【チアジョブ登販】

現場で役立つ知識

2023-04-28

五苓散の飲み合わせの禁忌・NGは?効果、服用・販売時の注意点について<登録販売者向け>

五苓散の飲み合わせや効能効果について、正しいご案内方法を理解していますか?五苓散は、水分が原因の不調におすすめの漢方薬ですが、いくつか服用前に確認すべき点があります。今回は、五苓散の飲み合わせや効能効果、服用の注意点をご紹介。お客さまへのヒアリングのポイントや対応例も解説しますので、登録販売者の方はぜひ参考にしてください。

登録販売者のための役立つ情報がいっぱい!

最新のドラッグストア業界動向のポイント、転職成功のためのノウハウなど、登録販売者のキャリアに役立つ多様な情報をお届けしています。チアジョブ登販は求人のご紹介や転職サポートのほかにも、登録販売者の方に嬉しい最新情報も提供。毎月更新しているコンテンツも多数です。ぜひ定期的にチェックしてみてください!

友だち追加

市区町村を選ぶ※複数選択可能です。

エリアを選ぶ※複数選択可能です。

沿線を選ぶ※複数選択可能です。

駅を選ぶ※複数選択可能です。

業種を選ぶ※複数選択可能です。

雇用形態を選ぶ※複数選択可能です。