現場で役立つ知識
2026-04-24
【登録販売者向け】OTC類似薬とは?保険適用除外の最新動向や接客例文を紹介
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OTC類似薬の制度開始によって、「保険適用除外されるのか」「いつから対応が必要か」と疑問を持つ登録販売者の方も多いのではないでしょうか。この記事では、OTC類似薬の制度に関する最新動向や、登録販売者として求められる対応を解説します。代表的なOTC類似薬の一覧も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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OTC類似薬とは?登録販売者が押さえておくべき基礎知識

登録販売者は、OTC類似薬について「市販薬と処方薬は何が違うのか」とお客さまから質問を受けることがあります。
まずは、OTC類似薬の保険適用除外が議論されている背景や、市販のOTC医薬品との違いを把握しておくことが大切です。
保険適用除外が議論される背景

出典:厚生労働省「令和5(2023)年度 国民医療費の概況」
OTC類似薬の保険適用除外が議論されている背景には、高齢化の進行や高額な新薬の登場により、日本の医療費負担が年々増加している現状があります。
こうした状況を踏まえて、政府は医療費の抑制と適正化を検討している段階です。
今後は、軽微な症状に対しては市販薬を活用するなど、セルフメディケーションがより推奨されると考えられます。
こうした取り組みは、医療保険制度を将来にわたって維持するための施策の一つです。
市販のOTC医薬品との違い
| 項目 | OTC医薬品 | OTC類似薬 |
|---|---|---|
| 購入方法 | ドラッグストアなどでお客さま自身が選択し、薬代を支払う | 調剤薬局にて処方箋をもとに調剤され、調剤報酬を支払う |
| 費用負担 | 薬代を全額負担 | 保険適用の一部負担金 ※薬材料の4分の1の特別料金が追加される見込み |
| 特徴 | ・お客さま自身で選択 ・薬剤師または登録販売者による情報提供 | ・医師による処方箋が必要 ・薬剤師による服薬指導 |
市販のOTC医薬品と有効成分や効能などが似ているOTC類似薬ですが、それぞれ購入方法や費用負担の仕組みに違いがあります。
OTC医薬品は、薬局やドラッグストアなどで購入でき、費用は全額自己負担です。
一方、OTC類似薬は医師の診察と処方箋が必要な医療用医薬品で、保険が適用されます。
現在では、OTC類似薬を保険適用の対象外とする動きもあり、制度の変化に注意が必要です。
登録販売者には、制度の仕組みや医薬品の特徴を正しく理解し、消費者に適切な製品を提案する役割が求められます。
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【最新】OTC類似薬を保険適用除外する制度の動向

出典:厚生労働省「OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しの在り方について」
OTC類似薬の保険適用除外をめぐる制度改正は、医療現場だけでなくドラッグストアにも影響を及ぼします。
登録販売者にとっても、今後の動向の正しい理解が重要です。
「全額保険適用除外」は見送られる?
患者の自己負担が大きくなりすぎることへの配慮から、OTC類似薬を保険適用から全面的に除外する方針は見送られました。
代わりに、対象となる77成分・約1,100品目の医薬品について、薬剤費の4分の1を「特別の料金」として患者が追加で負担する新たな仕組みが設けられています。
ただし、子どもやがん患者、難病患者などの慢性疾患を抱える方、低所得者、入院患者は対象外となる予定です。
また、医師が長期使用などを医学的に必要と判断した場合も、「特別の料金」を求めない方向での配慮が検討されています。
OTC類似薬を保険適用外とする制度は、医療費削減を目標としていますが、今回の仕組みによる削減効果は、当初想定されていた削減額の約4割程度にとどまる見込みです。
▼対象の医薬品一覧はコチラの見出しで解説
制度改正の対象になる成分一覧
いつから開始される?
OTC類似医薬品で代替可能な医療用医薬品に関する新たな仕組みは、2027年3月までに実施される予定です。
施行されると、通常の保険適用の一部負担金に、薬剤費の4分の1を特別料金として上乗せされます。
今回は、77成分・約1,100品目が対象です。
2028年以降には、「対象医薬品の拡大」や「特別負担の引き上げ」などが検討されています。
この制度は、増大する医療費の適正化という喫緊の課題に対し、避けては通れない改革と言えます。
しかし、2026年の議論を見ても分かる通り、負担の割合や対象範囲は政策の優先順位に大きく左右されてきました。
2027年の衆議院選挙の結果など政治的節目により、今後も実施スケジュール等の細部が変動する可能性は否定できません。
現場の登録販売者の皆さまにとっては、不透明な状況下でお客さまへの説明を求められる難しさがありますね。
だからこそ、常に最新の動向を注視し、制度の「背景」を含めた正確な情報提供を行うことが、登録販売者の信頼に繋がると思います。

OTC類似薬の制度改正による登録販売者への影響

OTC類似薬の保険適用に関する制度改正により、登録販売者に求められる役割も変わってきます。
ここでは、制度改正による現場への影響について確認しましょう。
セルフメディケーションのサポート役としての重要性が高まる
OTC類似薬の保険適用に関する改正により、医薬品を購入する際の自己負担が増えるため、症状を自分で判断し対処するセルフメディケーションの重要性が高まります。
登録販売者には、お客さまが適切な一般用医薬品を選択できるよう、的確に助言する役割が求められます。
お客さまの日々の健康維持のためには、体調管理や症状の未然防止を意識した適切な薬選びのサポートが重要です。
とくに、高齢者や基礎疾患のある方は複数の医薬品を使用している場合が多く、薬物相互作用や副作用のリスクに対してより一層の注意が必要です。
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スイッチOTC医薬品の知識と提案力が必要になる
医療用医薬品のうち、市販のOTC医薬品へ転用されたばかりのものが「スイッチOTC」と呼ばれます。
スイッチOTCは要指導医薬品に分類され、販売時には薬剤師による対応が必要です。
一方で、OTC類似薬の保険適用見直しに伴い、ドラッグストアなどで扱われるスイッチOTCに関する知識は、登録販売者にとっても欠かせません。
登録販売者は、お客さまの相談に適切に応じられるように、従来の保険適用薬とスイッチOTCの違いや特徴の理解が大切です。
薬の適正かつ安全な使用方法を把握しておくことで、お客さまの健康維持をサポートでき、信頼関係の構築にもつながります。
医療機関受診を勧めるべきかの判断が求められる
OTC類似薬の保険適用の改正により、市販のOTC医薬品を自己判断で使用する場面が増え、場合によっては健康上のリスクが生じる可能性があります。
登録販売者には、症状の重さや経過、使用期間などを丁寧に確認し、必要に応じて医療機関への受診を勧めるべきかを判断する力が求められます。
適切な受診の勧奨は、早期治療や重症化防止につながり、お客さまの健康サポートにおいて重要です。
受診が必要な場合には重要性を分かりやすく伝えて、お客さまが安心して適切な行動を取れるようにしましょう。
- OTC薬の服用で改善が見込めない
- お客さまに重大な疾患が疑われるサインが見られる
- 長期にわたってOTC薬を使用している
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【一覧】登録販売者が知っておきたいOTC類似薬

登録販売者は、OTC類似薬について正しく把握する必要があります。
実際のOTC類似薬の具体例や、対応するOTC医薬品にはどのようなものがあるのか、成分一覧とあわせて紹介します。
代表的なOTC類似薬の例
OTC類似薬とは、市販薬と成分や効能が類似している医療用医薬品(処方薬)を指し、解熱鎮痛薬や抗アレルギー薬、胃薬などが含まれます。
たとえば、処方薬のロキソニンと、市販薬のロキソニンSのような関係です。
以下の表に、登録販売者が知っておきたい代表的なOTC類似薬の例をまとめました。
| OTC類似薬 | OTC医薬品 |
|---|---|
| ロキソプロフェン | ロキソニンS |
| アセトアミノフェン | カロナール/タイレノール |
| ヘパリン類似物質 | ヒルマイルド |
| フェキソフェナジン | アレグラFX |
| ベタメタゾン吉草酸エステル・フラジオマイシン硫酸塩 | ベトネベートN |
制度改正の対象になる成分一覧
厚生労働省では、OTC類似薬に関する保険給付の見直しが行われています。
これにより、通常の一部負担金に加えて「特別料金」がかかる医療用医薬品が新たに定められました。
現在、特別料金が発生する対象は77成分で、該当する医薬品は約1,100品目です。
具体的には、抗アレルギー薬であるフェキソフェナジン塩酸塩や、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)のジクロフェナクナトリウムなどが代表例としてあげられます。
下記に、対象となる成分のうち代表的なものを表にまとめました。
| 有効成分 | 用途 |
|---|---|
| インドメタシン | 非ステロイド性抗炎症剤 |
| カルボシステイン | 去痰剤 |
| 酸化マグネシウム | 制酸・緩下剤 |
| ヘパリン類似物質 | 血行促進・皮膚保湿剤 |
| ロキソプロフェン | 解熱鎮痛剤 |
参照:社会保障審議会医療保険部会 第9回高額療養費制度の在り方に関する専門委員会「参考資料3」

【よくある対応例】OTC類似薬について登録販売者がすべき顧客対応
OTC類似薬について実際にお客さまから質問を受けた際に、登録販売者が行うべき接客対応について解説します。
監修者のワンポイントアドバイスもあるので、ぜひ参考にしてください。
OTC類似薬って何ですか?
OTC医薬品と成分・効能が似ている、処方箋が必要な医療用医薬品のことです。
医療機関で処方されると、通常の保険適用による一部負担金に加えて、特別料金が上乗せされる予定です。
現在は77成分・約1,100品目が対象で、今後さらに拡大していく可能性があります。
セルフメディケーション推進の観点から、OTC医薬品で代替できる薬が対象です。
登録販売者は、対象成分や制度の趣旨を理解し、適切な受診勧奨やOTC提案につなげることを意識して対応しましょう。
OTC類似薬は医療用医薬品の一部であるため、登録販売者が直接販売する機会はありません。
しかし、お客さまから質問を受ける可能性は十分に考えられます。
聞かれた際に適切に説明できるよう、正しい知識を身につけておきましょう。
病院の薬と市販薬、どちらを選べばよいですか?
軽いかぜ症状や一時的な不調など、症状が軽く原因がはっきりしている場合は、市販薬でのセルフメディケーションが有効です。
日々の健康管理として、適切な薬を選ぶと早めに対処ができます。
一方で、症状が強い場合や長引く場合は、速やかに医療機関を受診してください。
持病のある方や妊娠中・授乳中の方、小児や高齢者は、とくに注意が必要です。
OTC医薬品で改善されない場合や副作用が疑われる場合は、受診の目安を具体的に伝えましょう。
症状が軽いケースで病院を受診すると、他の患者さんが持つ病原体に感染してしまう可能性があります。
そのため、症状や状況に応じて市販薬を活用し、必要なタイミングで医療機関を受診することが大切です。
保険が使えなくなるって本当ですか?
現在、OTC類似薬に指定されている一部の医薬品については、保険適用の料金に特別料金(薬材料の4分の1)が上乗せされる仕組みが検討されています。
ただし、調剤薬局ですべての保険が使えなくなるわけではございません。
また、慢性疾患を抱える方や入院中の方など配慮が必要なケースについては、追加負担の対象外とする方針が進められています。
OTC類似薬の見直しは、医療費の適正化とセルフメディケーション推進を目的とした制度検討の一つです。
対象範囲や運用方法は今後変更される可能性があるため、最新の制度情報の確認が大切です。
今後、スイッチOTCのさらなる増加や、OTC類似薬の拡大も検討されています。
自分の健康を自分で守る「セルフメディケーション」の知識を身につけ、OTC医薬品を上手に活用していきましょう。
市販薬の方が高いのはなぜですか?
市販薬は健康保険が適用されないため、購入者が薬代を全額負担します。
一方、医療用医薬品は保険が適用されるため、患者さんは自己負担割合に応じた金額のみを支払います。
そのため窓口での支払額に差が生じ、市販薬の方が高いと感じられるのです。
なお、OTC類似薬については、医療機関で処方する際に特別料金を設けるなど、公平性に配慮した取り扱いが検討されています。
市販薬は流通・販売管理費や広告費なども価格に含まれます。
一方、医療用医薬品は薬価が定められており、保険制度により患者負担が抑えられている点も価格差の理由です。
一見すると、市販薬は高いと感じられることがあります。
しかし、ドラッグストアは土日祝日も営業しており、営業時間も長いため、お客さまの「今すぐ欲しい」というニーズに応えることができます。
また、仕事で忙しい現役世代にとって、病院や薬局での待ち時間がない点もメリットと言えるでしょう。
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OTC医薬品と登録販売者に関するよくある質問
ここでは、OTC医薬品と登録販売者に関するよくある質問について解説します。
登録販売者は、制度の疑問を解消しておきましょう。
Q.登録販売者が販売できる一般用医薬品は?
一般用医薬品は、医薬品のリスク区分ごとに販売体制が定められています。
第一類医薬品は購入者への情報提供がとくに重要なため薬剤師が対応しますが、登録販売者は補助的な業務を担当できます。
第二類・第三類医薬品は、登録販売者による販売が可能です。
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Q.第一類・第二類医薬品、要指導医薬品の違いは?
要指導医薬品は、安全性確保の観点から対面での情報提供が義務づけられており、通信販売はできません。
一方、第一類医薬品も薬剤師の関与が必要ですが、オンラインでの情報提供・確認を条件に販売が認められています。
| 第一類・第二類医薬品 | 要指導医薬品 |
|---|---|
| ・薬機法にて定められた範囲でインターネット販売が可能 ・第一類医薬品は、購入時に提供された情報を理解したか薬剤師が確認する | ・使用者本人に対して薬剤師による対面での情報提供と書面説明が必要 ・医療用から一般用になって間もない「スイッチOTC」も含まれる |
Q.OTC医薬品の陳列ルールは?
第二類・第三類医薬品も、リスク区分ごとに分けて表示を明確にします。
とくに、第一類は薬剤師による情報提供が必要なため、お客さまが自由に手に取れないカウンター内などへの配置が必要です。
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登録販売者としてOTC類似薬について理解しておこう
OTC類似薬は病院や調剤薬局で提供されるため、登録販売者が直接販売する機会はありません。
しかし、保険適用に関する制度改正によって関心が高まっているため、お客さまから質問を受ける可能性は十分にあります。
登録販売者としてお客さまの健康をサポートできるように、適切に説明できる知識とスキルを身につけておくことが重要です。
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【監修者プロフィール】
監修者:小山 香奈衣(こやま・かなえ)さん

慶応義塾大学薬学部卒。病院、調剤薬局、OTC専門ドラッグストアにて薬剤師として勤務を経験。のべ5,000人以上の服薬指導、健康相談を受け、一般の方にも正しい医療知識を正しく理解してもらうため、難しい専門用語は使わずにわかりやすく説明することを得意としている。QOL(生活の質)を大切にし、正しい医療・健康・美容の知識を広めていくために執筆活動を行っている。
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