登録販売者の働き方
2020-07-27
登録販売者の資格は失効する?ブランクはいつまでなら大丈夫?復帰を目指す人へ徹底解説!
・Before
・After
休職していて復帰を目指す方にとって、復職後、スムーズに仕事に戻れるか?家庭と仕事を両立できるか?など悩みはつきものです。なかでも登録販売者にとっては、長期間の休職で資格は失効しないのか、ブランク期間はいつまでに抑えた方がいいのかなども気になるポイントではないでしょうか。 そこで今回は、登録販売者の資格失効有無や正規の登録販売者になるための要件などを解説していきます。ぜひ復職の参考にしてみてください。
登録販売者の資格が失効することはない
登録販売者の資格は、一度取得すれば資格自体が失効または、はく奪されることはありません。しかし「正規の登録販売者(※)」ではなくなってしまう可能性があります。正規の登録販売者は、1人で店舗に立ち第2類・第3類の医薬品を販売することができ、店舗管理者にもなることも可能です。
2014年以前は、資格を取得し販売従事登録を行うと、すぐに正規の登録販売者として働くことができました。しかし2015年度の法改正により、正規の登録販売者になるためには様々な要件が必要になりました。
そのひとつに「直近5年以内に2年(24ヵ月)以上の実務経験」があります。この要件に満たない場合は「研修中の登録販売者」へ戻り、医薬品は薬剤師や正規の販売者の管理・指導下でのみ販売できるなどの制限が発生します。「正規の登録販売者」と「研修中の登録販売者」では扱える業務の幅だけでなく、給与面や待遇面でも差が出てくるのです。
※この記事内では「店舗管理者要件を満たす登録販売者のことを“正規の登録販売者”」と記載しています。



正規の登録販売者になるには「2年以上の実務経験」が必要
正規の登録販売者になるには、以下の管理者要件をすべて満たす必要があります。
・直近5年以内に2年以上の実務経験が必要
・直近5年以内に累計1920時間以上の実務経験が必要
これらの条件を満たしていないと、正規の登録販売者になることはできないので注意が必要です。それではそれぞれの要件について詳しく見ていきましょう。
<要件1>直近5年以内に2年(24ヵ月)以上の実務経験が必要
正規の登録販売者になるには、直近5年以内に2年(24ヵ月)以上、一般医薬品を扱う職場で実務にあたる必要があります。働く期間は連続している必要はなく、合わせて2年(24ヵ月)以上であれば実務経験として認められます。
具体例を元に確認していきましょう。
■すでに直近5年間に2年(24ヵ月)以上の実務経験がある場合
現状、直近5年の間に2年(24ヵ月)以上の実務経験があれば、要件のひとつはすでに満たしているといえます。
これは資格の取得前に行っても認められるため、資格取得後、新たに2年(24ヵ月)の実務経験を積む必要はありません。
■直近5年間の実務経験が2年(24ヵ月)に満たない場合
たとえば資格取得以前に1年3ヵ月の実務経験がある場合、残りの7ヵ月は研修中の登録販売者として薬剤師や正規の登録販売者の管理の下で実務を行わなければなりません。
つまり資格の有無にかかわらず、直近5年以内の実務経験が合わせて2年(24ヵ月)を超える必要があるわけです。
■未経験の場合
実務経験がまったくない未経験の場合は、入職先の店舗を管轄している都道府県庁で販売従事登録をし、薬剤師や正規の登録販売者の下で研修中の登録販売者として従事していきます。
未経験の場合も、入職後、直近5年間に2年(24ヵ月)以上の実務経験が必要です。
■実務期間が連続していない場合
育休や病休などで一時的に休職している場合も、直近5年以内に2年以上の勤務があれば要件を満たすことができます。
たとえば育休で職を離れる以前、1年6ヵ月間勤務していたとします。1年の育休を経て復職した場合、その後6ヵ月間の実務経験が必要です。
期間が連続していなくても、5年以内であれば育休前と育休後の実務を合算して2年(24ヵ月)以上の実務経験ありと認められます。
<要件2>直近5年以内に累計1920時間以上の実務経験が必要
正規の登録販売者になるためには、直近5年間のうち累計1920時間以上の実務経験が必要です。
これまでは80時間以上従事した月のみ実務経験として認められていましたが、2020年3月27日付けの法改正により、累計1920時間以上従事した場合が実務経験としてカウントされるようになりました。
ドラッグストアなどシフトが変則的な方や、閑散期と繁忙期で月の労働時間が変わる方にとっては嬉しい改正となったわけです。
「正規の登録販売者」になるためにはブランクは3年未満にする
正規の登録販売者として復職したいのであれば、ブランク期間は3年未満にしたほうがよいでしょう。休職期間が3年未満なら、休職前の過去2年間は従事した記録が有効になります。
しかし休職から3年以上経ってしまうと「直近5年間に2年(24ヶ月)以上の実務経験」という要件を満たせなくなるのです。
実務経験が足りない期間は「研修中の登録販売者」として再び従事する必要があり、資格をもっていないスタッフとあまり差がつかない状態になります。休職・復職の際にはブランク期間に注意して計画を立てましょう。

【例外】2014年以前に資格を取得した場合
これらの管理者要件は、2015年度以後の資格取得者から定められました。そのため、2014年度以前に資格を取得している場合は、経過措置として上記の要件に当てはまらなくとも「正規の登録販売者」として働くことができます。
なぜなら、2014年以前の資格取得者に要件を当てはめると、登録販売者が不在になって営業することができなくなる店舗が出てくる恐れがあるからです。
ただし、この経過措置は期限を迎えようとしています。もともとは2020年3月末が期限でしたが、2020年3月27日付の新制度施行にともない、2021年7月末まで延長になりました。2021年8月1日からは2014年以前の資格取得者も、現行の要件を満たす必要があります。
2014年以前の資格取得者で復職を考えている方は、自分が期限までに要件を満たせるか確認しておきましょう。
正規の登録販売者として働くには計画的な復職プランを
登録販売者の資格は一度取得すると失効することはありません。しかし、ブランクが長くなってしまうと研修中の登録販売者に戻り、仕事面や給与面などで資格を有効に活用できなくなる可能性もあります。
また、2014年以前に資格を取得した方は、取得した時点で正規の登録者として働くことができます。しかし2021年8月以降は、経過措置の終了にともない、現行の要件を満たす必要があります。
正規の登録販売者になれば、1人で医薬品の販売ができたり店舗管理者として従事することができたりと、仕事の幅も大きく広がります。また、給与や手当も優遇されている場合が多いでしょう。正規の登録販売者として復職を考えているのならば、3年未満の休職を検討することをおすすめします。

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