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2026-05-29
【専門家監修】葛根湯の効果は?正しい服用方法や接客のポイントも解説
・Before
・After

風邪のひき始めによく使われる葛根湯ですが、それ以外の効果が気になる方も多いのではないでしょうか。この記事では、葛根湯の効果やよくある副作用や対処法、正しい服用方法について専門家が解説します。登録販売者が店頭でお客さまにご案内する際のポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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葛根湯の効果や基礎知識をおさらい
- 風邪のひき始め(汗が出ていない時)の症状
- 首まわりや肩の凝り、こわばり、頭痛
- 鼻かぜ、鼻炎など
葛根湯とは、風邪のひき始めに用いられる代表的な漢方薬です。
体を内側から温めて発汗を促し、悪寒や肩こり、頭痛など感冒の初期症状を和らげる働きがあります。
とくに、体力が比較的ある方の寒気を伴う風邪に適している漢方薬です。
一方で、葛根湯には発汗作用があるため、体質や持病によっては服用を避けた方がよい場合もあります。
まずは、葛根湯の基本的な作用の理解が、お客さまの安全で適切な服用につながります。
葛根湯に含まれる生薬
葛根湯の効能効果に似た漢方薬
| 漢方薬 | 特徴 | おすすめな人 |
|---|---|---|
| 麻黄湯 | ・しっかりと汗をかかせることで邪気(発病の原因)を追い出し、感冒の初期症状を改善 | ・風邪のひき始めで、寒気を強く感じ、節々に痛みを感じる方 ・汗をかいていない方 ・咳の出る方 |
| 桂枝湯 | ・葛根湯のベースにもなる処方 ・発汗を促し、かぜの初期症状を改善 | ・風邪のひき始め ・高齢者や虚弱体質で体力が弱っている方 |
| 小青竜湯 | ・体を温めて発汗を促し、感冒や鼻炎の諸症状を改善 ・水分代謝を整えることで鼻水を抑える | ・風邪で体内に余分な水分が停滞して、水のような鼻水が出る方 ・アレルギー性鼻炎(花粉症を含む)の症状がつらい方 |
| 香蘇散 | ・胃腸が弱い人の風邪の初期症状を和らげる | ・風邪のひき始め ・胃腸が弱い方 |
葛根湯の効能効果に似た漢方薬には、麻黄湯や桂枝湯などがあります。
いずれも風邪のひき始めに用いられますが、それぞれ適応する症状が異なります。
たとえば、風邪のひき始めで寒気を強く感じ、場合によって咳も出る方には麻黄湯、水っぽい鼻水が出る場合は小青竜湯、胃腸が弱い方には香蘇散など、症状の違いや体質に合わせて使い分けられます。
また、お客さまが持病をお持ちの場合は漢方薬の服用前に医師や薬剤師に相談するようご案内しましょう。
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葛根湯の風邪以外の効果や効能

| 症状 | 効果や効能 |
|---|---|
| 肩こり | 血行を促すことで肩の筋肉の緊張を緩めて、こわばりや痛みを和らげる |
| 頭痛 | 血流を改善することで首まわりの筋肉のこわばりをほぐし、頭痛の原因となる肩の張りや圧迫感を軽減する |
| 手・肩の痛み | 体を温めて血行を促すことで筋肉のこわばりをほぐし、手・肩の痛みを緩和する |
葛根湯といえば風邪をイメージしがちですが、風邪以外にも肩こりや頭痛などに対しても有効です。
ここでは、症状ごとの効果・効能についてそれぞれ解説します。
肩こり
葛根湯は風邪のひき始めだけでなく、肩こりにも用いられる代表的な漢方薬です。
体を温めて血行を促すことで、筋肉の緊張を緩め肩のこわばりや痛みを和らげる働きがあります。
とくに、「冷えると肩が張る、凝りがひどくなる」といった、冷えに伴う症状に適しています。
冷房の効いた環境や、長時間のデスクワークによる肩こりのケアにも役立つ薬です。
頭痛
葛根湯は、頭痛を和らげる効果も期待できる漢方薬です。
たとえば、体を温めて血流を改善することで首まわりの筋肉のこわばりを緩め、頭痛の原因となる肩の張りや圧迫感を軽減して頭痛を和らげます。
寒さで肩や首まわりが固まりやすい方に向いており、冷えによる頭痛の軽減に用いられやすいです。
悪寒や肩こりなど、風邪の初期症状に伴う頭痛がある場合にも、症状に応じて選択されることがあります。
手・肩の痛み
葛根湯は、血行促進と発汗作用によって体を温め、筋肉のこわばりをやわらげる効果もある漢方薬です。
風邪の初期症状だけでなく、寒さや冷えなどによる手や肩の痛みにも用いられます。

葛根湯の副作用と注意が必要な方の特徴
幅広い方が使用される葛根湯ですが、副作用が現れる場合もあります。
ここでは、葛根湯を服用する際に注意すべき副作用について解説します。
服用後あらわれた場合に副作用の可能性がある症状
| 症状が現れる箇所 | 具体的な症状の例 |
|---|---|
| 消化器 | 吐き気、食欲不振、胃部不快感 |
| 皮膚 | 発疹・発赤、かゆみ |
葛根湯の服用によって報告されている副作用には、消化器に現れる吐き気や食欲不振、皮膚に現れる発疹、発赤などがあります。
葛根湯の服用後に違和感が現れた場合は無理に飲み続けずに、すぐに服用を中止することが大切です。
また、高血圧や心臓病の診断を受けた人など、添付文書の「相談すること」に該当するお客さまには、事前に医師や薬剤師に相談するようご案内しましょう。
まれに発症する重篤な副作用
- 偽アルドステロン症、ミオパチー
- 肝機能障害
葛根湯ではまれに、上記のような重篤な副作用が報告されています。
手足のだるさやしびれ、脱力感、黄疸などの症状が現れた場合は、服用を中止し、速やかに医療機関を受診する必要があります。
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葛根湯の服用に注意が必要な人の特徴
- 体の虚弱な方(体力が衰えている、体が弱い)
- 胃腸の弱い方
- 発汗傾向の著しい方
普段から体力が低下している状態の方や胃腸の弱い方、発汗傾向の著しい方は、葛根湯がお体に合わなかったり、副作用が現れやすい傾向にあります。
また、高齢者や、高血圧・心臓病・腎臓病・甲状腺機能障害の診断を受けた方の場合も、体質や体調によって副作用が現れることがあり、注意が必要です。
そのほか、併用している薬が多い方は、事前に医師や薬剤師へ相談するよう、購入時にご案内しましょう。

葛根湯の正しい服用方法
店頭でお客さまへご案内をする際や、質問を受けた際は下記のポイントをお伝えしましょう。
| 服用方法について | ポイント |
|---|---|
| 適切な服用のタイミング | 用法用量に従った服用を厳守する |
| 長期服用の際の注意点 | 漫然と服用を続けるのではなく、症状が落ち着いたら中止する |
| 併用の際の注意点 | 他にも薬を服用している場合は、自己判断せずに医師や薬剤師に相談する |
葛根湯を安全に使用するには、記載された用法用量を守ることが大切です。
自己判断で量を増やしたり、長期間続けて服用したりするのは避けるようにお伝えしましょう。
体調や体質によっては合わない場合もあるため、服用中に異変を感じたら無理をせず中止することが重要です。
とくに、持病のある方やほかの薬を服用している場合は、事前に医師や薬剤師への相談が大切です。
店頭での販売時は、お客さまに合わせて正しい服用方法や注意点をご案内しましょう。

【登録販売者向け】葛根湯の販売時の注意点

登録販売者が葛根湯を販売する際、注意すべき点があります。
ここでは、6つの注意点を紹介するので、しっかり確認しましょう。
現在の症状が葛根湯に適しているかどうかを確認する
葛根湯は初期の発熱や寒気、肩こりを伴う「風邪のひき始め」に適した漢方薬です。
一方、症状が進行している場合や、以下のようなケースでは葛根湯が合わない可能性があるため、より適した漢方薬・生薬製剤の提案や医療機関の受診を案内しましょう。
| ケース | 向いている漢方薬・生薬製剤 |
|---|---|
| のどの痛みが強い場合 | 銀翹散(ぎんぎょうさん)など |
| 咳が長引いている場合 | 麦門冬湯(ばくもんどうとう)、竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう)など |
接客時には、発症からどのくらいの時間が経っているか、寒気の有無、肩や首のこわばりといったポイントの確認が必要です。
お客さまの体質を細かく確認する
葛根湯は、体力が中等度以上で、汗が出ていない状態の方に適した処方です。
虚弱体質の方や胃腸が弱い方は、服用後に胃の不快感などを覚える場合があります。
登録販売者は、お客さまに対して普段の体調や悪寒の有無、胃腸の強さなどを細かくヒアリングし、体質に適しているかを判断することが大切です。
- 体力の程度や疲れやすさ(普段元気に過ごせているか、虚弱傾向はないか)
- 発汗の有無や悪寒の有無(汗をかいていないか、悪寒がするかどうか)
- 胃腸の状態(胃もたれしやすい、下痢・吐き気が起こりやすいか)
他の薬を服用していないか確認する
葛根湯には麻黄(エフェドリン類)や甘草などの生薬が含まれており、他の医薬品との飲み合わせに注意が必要です。
成分が重複すると、副作用を引き起こす可能性があります。
たとえば、他の漢方薬や総合感冒薬、血圧に影響する薬を服用している方に対しては、医師や薬剤師へ相談するように促してください。
登録販売者は、お客さまに安全に使用してもらうためにも、現在服用している医薬品やサプリメントを事前に確認しましょう。
- 麻黄を含む漢方薬(麻黄湯・小青竜湯・防風通聖散など)
- 総合感冒薬(エフェドリン類を含むもの)
- 血圧や心臓、甲状腺機能に影響する薬
高齢者への販売は慎重に行う
葛根湯は発汗作用があるため、体力が弱い方には負担となる場合があります。
たとえば、加齢に伴って身体機能が衰えている高齢者で、普段から体力が低下している方の服用は注意が必要です。
葛根湯を販売する際は、服用予定の方の年齢・体格・既往歴を丁寧にヒアリングしましょう。
妊娠中のお客さまにはご案内を控える
葛根湯に限らず、漢方薬について妊娠中の方から相談を受けた際は、医師や薬剤師に相談を促すようにしてください。
また、妊娠の可能性があるかも慎重に確認し、自己判断での服用をしないように、注意を促しましょう。
無理に市販薬で対応せず、必要に応じて医療機関への受診を勧めるのも登録販売者としての大切な役割です。
場合によっては別の漢方薬・医薬品のご案内も検討する
症状の進行度や体質によっては、葛根湯よりも別の漢方薬や一般用医薬品が適している場合があります。
たとえば、喉の痛みが強い場合や咳が主症状の場合には、別の処方が適するケースもあります。
登録販売者は、お客さまの症状や体調を総合的にチェックし、それぞれに合った選択肢をご提案しましょう。
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【登録販売者向け】葛根湯をご案内するときのコツ
登録販売者として、お客さまに葛根湯をご案内する際のコツを知りたいという方も多いでしょう。
ここでは、具体的にヒアリングすべき内容や接客フレーズを紹介します。
ヒアリングで聞くべき内容
- 現在の症状の内容と出始めた時期
- 体質・体調の特徴
- 服用中の薬や既往歴
登録販売者がお客さまに適切なご案内をするには、丁寧なヒアリングが欠かせません。
葛根湯は、症状の出始めた時期や体力の状態によって適応が大きく変わります。
まずは、現在の症状の内容や発症時期などから、風邪の初期段階に当てはまるかを確認しましょう。
そのうえで、体力の程度や悪寒の有無、胃腸の強さなど体質・体調の特徴を把握することが大切です。
また、成分の重複や副作用を避けるために、服用中の薬や既往歴の確認も行いましょう。
接客時におすすめのフレーズ
- 「いつ頃から、どのような症状が出ていますか?」
- 「寒気や肩こりはありますか?汗はかいていませんか?」
- 「現在、服用中のお薬や治療中のご病気はありますか?」
お客さまが答えやすい「いつ頃から、どのような症状が出ていますか?」「寒気や肩こりはありますか?汗はかいていませんか?」といった質問は、葛根湯の適応を判断する手がかりになります。
また、「普段の体調はいかがですか?」「現在、服用中のお薬や治療中のご病気はありますか?」と尋ねることで、体質や併用薬の有無を把握できます。
接客の際は、お客さまから体質や悩みを聞き出せるような質問を心がけましょう。

葛根湯の効果に関するよくある質問
ここでは、葛根湯の効果に関する疑問をQ&A形式で解説します。
登録販売者としてスムーズな接客ができるように、ぜひ参考にしてください。
Q.葛根湯は長期間飲み続けても問題ない?
感冒の初期、鼻かぜ、頭痛で服用される場合は5~6回程度の服用を目安に、そのほかの症状で服用される場合は1か月の服用を目安に、服用をご案内ください。
この期間内で症状に変化が見られない場合はお薬が合っていない可能性もありますので、治療方法や治療薬の見直しをする必要があります。
症状が長く続く場合や服用を続けても改善がみられないとお客さまからご相談を受けた場合は、医師や薬剤師に相談するようにご案内することもご検討ください。
Q.葛根湯は服用してからどのくらいで効果があらわれるの?
葛根湯は「風邪のひき始め」に服用することで効果を発揮しやすい漢方薬です。
早いと服用後、数時間から半日ほどで体が温まり、悪寒や肩こりが和らぐなどの変化を感じるケースがあります。
一方、症状が進んでから服用した場合は、十分な効果が得られにくいです。
症状の改善がみられないとお客さまからご相談を受けた場合は、自己判断で続けず、医療機関を受診するようご案内しましょう。
Q.高血圧の薬を飲んでいるときに一緒に服用しても大丈夫?
高血圧の薬を飲んでいる場合、葛根湯の服用によって血圧管理に影響が現れることがあります。
治療中の方は自己判断での服用は避けるようお伝えするとともに、必ず主治医や薬剤師に相談するようにご案内しましょう。

葛根湯の効果や副作用を理解して正しく服用のご案内をしよう
葛根湯は、風邪のひき始めに適した漢方薬として、広く知られています。
認知度の高さから、服用へのハードルが低い漢方薬ですが、すべての人に適しているわけではありません。
体質や発症時期、併用している薬などに注意が必要です。
登録販売者は、お客さまが安心して服用できるように、副作用や正しい服用方法について把握しておく必要があります。
必要に応じて医師や薬剤師への相談を促せるように、お客さまへのヒアリングや接客対応が求められます。
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【監修者プロフィール】
監修者:矢嶋 浩平(やじま・こうへい)さん

クラシエ薬品株式会社 ヘルスケア事業部 学術部
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