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2022-03-04

登録販売者が知っておきたい「生活習慣病」の基礎知識。予防や治療方法、薬を選ぶ際の注意点も解説

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登録販売者が知っておきたい「生活習慣病」の基礎知識。予防や治療方法、薬を選ぶ際の注意点も解説

厚生労働省の資料によると、三大死因といわれるがんや脳血管疾患、心疾患を含め、日本人の死因のうち約60%は生活習慣病に起因していると言われています。また、医療費の約3割を生活習慣病に起因する疾患が占めていることから、生活習慣病の予防・改善は国の重要課題とも言えるのです。 では、登録販売者はどのように生活習慣病の予防や治療に介入していくべきでしょうか。今回は、生活習慣病の基礎知識から予防方法、治療薬の選び方までを詳しく解説します。

目次

  1. 生活習慣病とは?
  2. 主な生活習慣病と治療方法
  3. 登録販売者にできること
  4. 生活習慣病に関する基礎知識の習得が重要に

あなたの条件にぴったりの職場をお探しします

 

生活習慣病とは?

生活習慣病とは?

生活習慣病とは、食事や運動、喫煙、飲酒などの生活習慣によって発症すると考えられている疾患のことです

代表的なものとしては、高血圧や糖尿病、脂質異常症などが知られています。

かつて生活習慣病は、成人病や贅沢病とも呼ばれていました。

しかし、成人であれば誰でもなるわけではなく、生活習慣に気をつければ予防できることや、未成年でもなる可能性があり、遺伝も影響していることなどから、このような呼び方が廃止されたのです。

前述の通り、遺伝の影響もあるため、一概に「生活習慣病は日頃の生活によるもの」とは言えません

たとえば高血圧で見ると、両親がともに高血圧の場合、子どもが同様に高血圧になる可能性は50%程度だと言われています。

 

 

主な生活習慣病と治療方法

主な生活習慣病と治療方法

生活習慣病には、様々な種類があります。 ここでは、8つの疾患について主な症状や原因、治療方法を見ていきましょう。

 

高血圧

高血圧とは、血圧が高い状態が続くことです。

診察室で測定した最大血圧が140mmHg以上、最小血圧が90mmHgの場合は高血圧と診断されます。

生活習慣に関係する高血圧の原因としてよく知られているのが、食塩の過剰摂取です。

血圧を下げるためには食塩の制限が大切だと言われています。

高血圧そのものを完治させる方法はないため、主な治療は血圧のコントロールです。

 

肥満症・メタボリックシンドローム

肥満症とは、BMI(※)値が25以上で脂質異常症や高血圧、糖尿病などの肥満に起因する疾患をもっている状態を指します。

メタボリックシンドロームとは、ウエスト周囲長(腹囲)が男性で85cm以上、女性で90cm以上あり、なおかつ肥満症と同様に脂質異常症や高血圧、糖尿病のうち2つ以上の疾患が見られる状態のことです。

(※)BMIの計算式…BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

肥満を改善する治療薬もありますが、基本は食生活や運動習慣の見直しによって体重や血圧などの数値を改善していきます。

 

糖尿病

糖尿病とは、血糖値が高い状態が続く疾患です。

血糖値を下げるインスリンの分泌が少なくなったり、インスリンの作用が悪くなったりして発症します。

食べ過ぎや間食を控え、バランスの良い食事を取り、適度の運動を行って、血糖値コントロールすることが必要です。

それでもうまくコントロールできない場合は、血糖値を下げる飲み薬やインスリン注射を使って適切な血糖値を維持します。

 

脂質異常症(高脂血症)

脂質異常症とは、血液中の脂質の値が基準値の範囲外にある状態です。

少し前までは高脂血症と呼ばれていましたが、脂質のうちのHDLコレステロールは低値のほうが健康に良くないため現在の名称に変更されました。

脂質には、HDLコレステロールのほかにLDLコレステロールなどいくつか種類がありますが、これらの値が基準外になったからといって治療がすぐに必要になるわけではありません。

治療が必要だと医師に判断された場合には、食事療法や運動療法などから始めます

それでも値が改善しない場合に薬を使った治療が行われることがほとんどです。

 

脳血管障害(脳卒中)

脳血管障害とは、脳の血管が詰まる脳梗塞、血管が破ける脳出血やくも膜下出血などの総称で、脳卒中とも呼ばれます

脳血管障害を起こすいくつかの原因のうち、最も大きく影響しているのが高血圧です

脳血管障害になると命に関わることも少なくなく、言語障害や半身不随が起こる可能性もあります。

高血圧を予防・改善するためには、塩分の摂取を控え、適度な運動を心がけることが重要です。

脳血管障害が起きた場合には、速やかに医療機関で治療を受ける必要があります。

 

狭心症・心筋梗塞などの心臓病(虚血性心疾患)

狭心症は心臓の血管が狭くなり、血流が滞った状態です。

一方、心筋梗塞は血栓が心臓の血管に詰まっている状態を指します。

どちらも高血圧や脂質異常症、メタボリックシンドロームなどが引き金となって発症します

これらの危険因子が見つかった場合は、まず食事や運動など生活習慣の改善を目指しましょう。

その後は状況に応じて、降圧薬や抗血栓薬などを使用した薬物治療が行われます

 

痛風・高尿酸血症

高尿酸血症とは、尿酸の値が基準より高くなっている状態です。

高尿酸血症の状態が続くと、結晶化した尿酸が関節や足先にたまって痛風を発症するケースがあります。

アルコールを控え、水分を多く取り、肥満であれば減量することで高尿酸血症を予防しましょう

痛風や合併症がある場合には、尿酸値を下げる治療薬が使われます。

 

骨粗しょう症

骨粗しょう症とは、骨密度の低下によって骨折のリスクが高くなる疾患です。

女性ホルモンの減少や運動不足、食事バランスの乱れ、とくにカルシウムの摂取不足などが原因になります。

高齢者が足を骨折した場合、そのまま寝たきりになってしまうこともあるため、若いうちからカルシウムなどを取って骨を丈夫にしておくのが大切です。

骨密度がどれだけ低下しているかといった状況に応じて、骨吸収(古い骨が壊される働き)を防いだり、骨形成(新しい骨を作る働き)を促したりする治療薬が使われます。

 

 

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登録販売者にできること

登録販売者にできること

生活習慣病の治療に使われている治療薬は、ドラッグストアではほとんど取り扱いがありません。

医療機関で処方されるものが多いため、介入が難しい場合もあるかもしれません。

しかし、登録販売者でも生活習慣病に悩む方のサポートは可能です。

 

肥満の場合は漢方薬の提案を検討する

肥満は糖尿病や脂質異常症、高血圧や脳血管障害などの原因となります

肥満に悩んでいる方には、防風通聖散や防已黄耆湯、大柴胡湯などの漢方薬を勧めるのも一つの手です。

防風通聖散は体力があり便秘しやすい方に、防已黄耆湯は筋肉がなくぽっちゃりしていてむくみやすい方に、大柴胡湯は体力があり筋肉質でストレスが多い方に向いています。

漢方薬を選ぶ際は、体質によって適切なものを選ぶのが大切です

ダイエット用の漢方薬についてはお客さまから相談を受けやすいため、それぞれの違いを理解しておきましょう。

 

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飲み合わせに注意が必要な成分を知る

生活習慣病の治療薬のなかには、健康食品やサプリ、食品との相性が悪い場合があります

たとえば血をサラサラにするワルファリンには、ビタミンKの影響で効果が弱くなる特徴があります。

納豆やクロレラ、スピルリナなどにはビタミンKが多く含まれているので、治療薬との服用は避けるようにしましょう。

また、カルシウム拮抗薬という血圧を下げる働きのある薬は、グレープフルーツやグレープフルーツジュースなどと同時に摂取すると効果が出過ぎてしまい、血圧が下がり過ぎてめまいやふらつき、頭痛などが起こる可能性があります。

治療薬について相談された場合は、注意を促せるようにしておきましょう

 

生活習慣病の予防について理解しておく

生活習慣病の予防には、食生活や運動習慣の改善が大切です

医療機関でもほとんどの場合、まずは食事や運動の見直しを行うように指導されます。

塩分やコレステロールの多い食品は控え、食物繊維や野菜を積極的に取ることを促しましょう

1日30分程度の運動も効果的です。肥満であれば減量を心がけましょう。

一度に30分の運動をするのではなく、10分の運動を3回に分けて行っても問題ありません。

また、翌日の昼に眠気が襲ってこない程度の睡眠を取り、体をしっかり休めることも重要です。

 

 

生活習慣病に関する基礎知識の習得が重要に

生活習慣病は、日本人の死因の過半数に起因しています。

食事や運動、喫煙や飲酒などが深く関係しているので生活習慣を改めることが大切です

代表的な生活習慣病としては、高血圧や肥満症・メタボリックシンドローム、糖尿病や脂質異常症などが知られています。

どの疾患の改善についても、まずは生活習慣の見直しが基本です。

それでも効果が見られない場合は、薬を使った治療を始めていきます。

お悩みのお客さまに適切なアドバイスをするために、登録販売者も漢方薬や飲み合わせ、予防方法といった基本的な知識についてはしっかりと理解しておきましょう

 

【監修者プロフィール】

監修者:宮崎滋(みやざき・しげる)さん

一般社団法人日本生活習慣病予防協会 理事長。東京医科歯科大学医学部を1971年に卒業。東京逓信病院副院長、新山手病院・生活習慣病センター長などを経て、2015年に公益財団法人結核予防会理事・総合健診推進センター長に就任。専門は糖尿病、肥満症、メタボリックシンドローム。

 

 

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