登録販売者の働き方
2026-02-06
食品強化型ドラッグストアが急増!実態や登録販売者の働き方を詳しく解説
・Before
・After

近年、食品販売を強化するドラッグストアが全国で増え、そこで働く登録販売者の役割も広がってきています。生活密着型の接客や売り場づくりが求められる今、その実態や働き方の変化をわかりやすく解説していきます。食品強化型のドラッグストアに興味のある登録販売者の方は、ぜひ参考にしてください。
食品を扱うドラッグストアが増えている理由

近年、食品の構成比が大きいドラッグストアが増えています。
以下の表は、2021〜2023年のドラッグストアにおける商品分類別の販売額と売り上げの増減率です。
【ドラッグストアにおける商品の種類別の販売額等(カッコ内は増減率)】
| OTC医薬品 | 食品 | 健康食品 | |
|---|---|---|---|
| 2021年 | 8,681億9,200万円(-2.5%) | 2兆2,338億4,400万円(2.3%) | 2,310億400万円(2%) |
| 2022年 | 9,104億300万円(4.9%) | 2兆3,921億2,200万円(7.1%) | 2,560億4,100万円(10.8%) |
| 2023年 | 9,905億7,000万円(8.8%) | 2兆6,870億8,600万円(12.3%) | 2,724億6,600万円(6.4%) |
参考:e-Stat 政府統計の総合窓口「商業動態統計調査 確報 2023年年間補正 第6部 ドラッグストア販売」
上記データによれば、医薬品だけでなく幅広い商品で販売額が伸びており、中でも食品の伸びが顕著です。
2021年に約2兆2,338億円だった食品販売額は、2023年には約2兆6,870億円へと増加し、わずか2年で約4,500億円も拡大しています。
売り上げ規模・伸び率ともに高く、消費者のニーズの多様化やまとめ買いの利便性を求める動きが背景にあると考えられるでしょう。
また、ドラッグストア同士の競争が激しさを増してきています。
医薬品と食品を一度に購入できる魅力を押し出すために、食品を強化している店舗が増えていることも成長を後押ししているでしょう。

【アンケート調査】食品強化型ドラッグストアの実態
食品の取り扱いを強化するドラッグストアの実情について、クスリのアオキご担当者さまにアンケートを実施しました。
食品を充実させる狙いやお客さまの層について、お話を伺いましたので、ぜひ参考にしてください。
Q.食品の取り扱いを充実させる狙いは?
それぞれについて詳しく解説していきます。
1.「近くて便利」を追求した顧客利便性の向上
従来のドラッグ商材や日用雑貨に加え、毎日の食卓に必要な生鮮食品や日配品、加工食品を購入できるようにすることで、お客さまの買い物の手間を削減し、圧倒的な利便性を提供しております。
また、食品は医薬品に比べて購入サイクルが短いため、生鮮含めた食品をドライバーとしてお客さまの来店頻度向上に寄与しています。
これにより、ドラッグ商材や日用雑貨の販売機会を創出し、店舗全体の収益力向上が可能となりました。
2.地域社会のニーズに応える事業領域の拡大
食品を強化することで、とくに地方や郊外において、スーパーマーケットの撤退などで生じる「買い物難民」の課題解決に貢献が可能です。
これにより、地域に不可欠な生活インフラとしての地位を確立しております。
また、食品(特に生鮮品)を導入することで、従来のドラッグストアの利用者層に加え、日常の食品購入を主とする主婦層や高齢者層など、幅広い顧客層の取り込みが可能になりました。
3.次世代の経営人材を育成するキャリア機会の創出
生鮮食品の取り扱いは、在庫管理、品質管理、鮮度管理といった難易度の高いスキルを求められます。
若手社員が食品部門を含む店舗運営全体を経験することで、より高度な店舗マネジメント能力を早期に身につけることが可能です。
また、食品の強化に伴い、食品バイヤー、商品開発、フロア設計など、従来のドラッグストアにはなかった専門性の高いポストが次々と生まれました。
多様なキャリアパスが創出されたことで、社員のキャリアアップと成長の選択肢を大きく広げられています。
ドラッグストアが食品を強化する背景には、買い物を一度で済ませたいという顧客ニーズに対応し、来店頻度向上につなげている流れがあります。
さらに、買い物難民の解消など地域のインフラとしての役割を担える点も大きな狙いです。
生鮮を含む食品の売り場運営には高度な管理スキルが必要なため、店舗運営力を磨けるキャリア機会としても注目されています。
Q.扱っている食品の種類は?
当社では300坪、400坪、450坪の3つのフォーマットで店舗を展開しており、個店別によって取扱い数量や種類が異なっています。
全社的に注力しているのは生鮮食品(青果、精肉、鮮魚、惣菜、ベーカリー)となります。
店舗の規模により食品の取り扱い数は異なりますが、同社がとくに力を入れているのは生鮮食品です。
青果・精肉・鮮魚・惣菜・ベーカリーといった日常の食卓に直結する商品を充実させることで、地域の暮らしを支える「食品強化型ドラッグストア」としての価値を高めています。
Q.食品を安く提供できる理由は?
食品より利益率の高い日用雑貨や医薬品、化粧品も取り揃えております。
そのため、食品では地場のスーパーマーケットより価格を抑えることが可能です。
また、比較的低価格で食品を提供することで集客し、1店舗内での買い回り効果を見込んでいるという面もあります。
ドラッグストアでは、利益率の高い医薬品・化粧品・日用雑貨を扱っているため、その収益を活かして食品の価格を下げやすい仕組みがあります。
食品を手頃な価格で提供することで来店を促し、店内で他の商品も購入してもらう買い回り効果が期待できる点が、安さを実現できる大きな理由です。
Q.食品と医薬品の売り上げ構成比や、競合他社と比較した際の特徴は?
2025年5期の売り上げ構成比は、フード(食品)が51.3%に対し、ヘルス(医薬品)が8.9%となりました。
競合対比での当社の強みとしては、フード&ドラッグ+調剤という特異的な体質である点だと考えております。
フード強化型や、ドラッグ・調剤強化型のドラッグストアに比べ、生鮮含めたフードと調剤の2軸に注力している点が差別化要因となっております。昨今の物価高の環境下で、地場のスーパーマーケットより価格優位性があり、なおかつ1店舗で生活に必要なものが揃う利便性がお客さまに支持されております。
2025年5期の売り上げ構成比は、フード(食品)が51.3%に対して、ヘルス(医薬品)が8.9%と食品が半数以上を占める結果になっていました。
クスリのアオキの特筆すべき強みは「フード&ドラッグ+調剤」を一体化した独自モデルにあります。
生鮮品まで扱う食品強化に加え、調剤も併設することで、競合にはない2軸を確立しているのが特徴です。
物価高の中でもスーパーマーケットより価格優位性があり、生活必需品を一度に揃えられる利便性が高く評価されています。
Q.どんなお客さまが多い?
生鮮含めたフードを注力することで、当社の客層は大きく拡大しています。とくに、毎日の食事の準備を担う主婦層やファミリー層、そして近場で買い物を済ませたい高齢者層が、「近所のスーパー」の代替として当社を日常的に利用するコア客層となっております。その他にも単身世帯の方や、学生の方の利用も多く幅広い客層を取り込めている状況です。
生鮮食品を強化したことで、同社の客層は大きく広がっています。
主婦層やファミリー層、高齢者など、日常の食品を近場でまとめて買いたい人が中心で、「近所のスーパー」の代わりとして日常的に利用される存在になりました。
また、単身世帯や学生など幅広い層の来店も増え、地域に密着した店舗として支持を集めています。
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食品構成比が大きいドラッグストアはどこ?

食品構成比がとくに高いドラッグストアとしては、たとえばコスモス薬品があげられます。
同社では一般食品の売上構成比が約61%と報告されており、医薬品・化粧品・雑貨よりも食品が圧倒的に主軸です。
また、アンケートに回答していただいたクスリのアオキホールディングスも食品の売上構成比が50 %を超えており、同様の傾向を示しています。
その他、クリエイトSDやウエルシア薬局なども挙げられます。

食品強化型ドラッグストアと一般的なドラッグストアの働き方の違い
食品強化型ドラッグストアと一般的なドラッグストアでは、働き方も異なります。
就職・転職を検討している登録販売者の方は、ぜひ参考にしてください。
食品強化型ドラッグストアでの働き方
食品強化型ドラッグストアでは、医薬品より食品の取り扱いが多くなる場合があります。
そのため、業務の中心は品出し・在庫管理・レジ対応など食品関連となるでしょう。
来店のきっかけとなる食品売り場を魅力的にするため、陳列や売り場づくりの工夫が求められることも特徴です。
日々の生活に直結する商品を扱うため、テンポのよい作業や丁寧な接客が重視される働き方と言えるでしょう。
一般的なドラッグストアでの働き方
一般的なドラッグストアの場合、登録販売者はOTC医薬品の販売に携わる時間が長いため、症状に合った薬の提案や服用方法の説明など、専門性の高い接客が求められます。
さらに医薬品以外の商品も扱うため、日用品の品出しや在庫管理、売り場整理など幅広い業務を兼務するでしょう。
医薬品の安全な取り扱いと店舗全体の運営をバランスよく行う働き方が特徴です。
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登録販売者が食品強化型ドラッグストアで働くメリット・デメリット

登録販売者が食品強化型ドラッグストアで働く際の、メリットとデメリットは具体的にどのようなことがあげられるのでしょうか。
ここでは、気になるメリットとデメリットについて解説していきます。
事前にしっかり把握しておきましょう。
食品強化型ドラッグストアで働くメリット
- セルフメディケーションに携わる機会が多い
- 医薬品以外にも豊富な商品知識が身につく
- コミュニケーション力を一層磨ける
- 管理栄養士資格をもっていると活かせる
食品強化型ドラッグストアでは、健康食品やサプリメントの取り扱いも多く、医薬品以外からもお客さまのセルフメディケーションを支える機会が豊富なのが最大のメリットです。
扱うカテゴリーが広いため商品知識が自然と増え、接客場面も多いことからコミュニケーション力や提案力が磨かれます。
とくに人と話すことが好きな方に向いており、管理栄養士資格を持つ登録販売者であれば、栄養相談や商品選びのサポートなど専門性を発揮できる場面も広がるでしょう。
食品強化型ドラッグストアで働くデメリット
- 医薬品販売に携わる時間が少ない
- 食品の消費期限の管理や品出し業務などが多く発生する
- 生鮮だけの担当になると、登録販売者としての実務経験が積めない職場もある
食品を多く扱う店舗では、食品購入を目的とした来店が増えるため、医薬品販売よりも食品対応の比重が大きくなり、登録販売者として知識を活かしにくいと感じる場面もあります。
また、食品は消費期限・温度管理・在庫管理などの業務が細かく、作業量が増えやすい点も負担になりがちです。
扱う商品数が増える分、売り場の位置や商品特性を覚える必要があり、習熟までに時間がかかることもデメリットと言えるでしょう。
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登録販売者が食品強化型ドラッグストアで働く際のポイント
登録販売者が食品強化型ドラッグストアで働く際は、いくつかのポイントを押さえておくと安心です。
以下で詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
商品知識の幅を広げる
食品強化型ドラッグストアでは、食品売り場の案内や商品に関する質問を受ける機会も増えます。
そのため、医薬品に加えて食料品・健康食品・サプリメントなど幅広い商品知識が求められるでしょう。
多様なカテゴリーを扱うことで、お客さま対応の幅が広がり、より総合的な提案力を身につけられる点が特徴です。
医薬品と健康食品の違いを踏まえてお客さまに提案する
食品強化型ドラッグストアでは健康食品やサプリメントの種類が豊富なので、医薬品との違いを理解したうえで提案する力が重要です。
お客さまの悩みや目的に応じて、即効性や効果が明確な医薬品が適する場合もあれば、日常的な栄養補給として健康食品が合う場合もあります。
それぞれの特徴やメリット・注意点を把握し、最適な選択を案内できるよう心がけましょう。
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商品陳列や売り場づくりの知識を深める
食品強化型ドラッグストアでは、食品を来店のきっかけにするため、通常のドラッグストアとは異なる売り場戦略が求められます。
食品の配置や陳列方法、動線づくりなどが重要であり、客層に合わせた売り場づくりの工夫が必要です。
登録販売者も店舗運営の知識を身につけ、魅力的な売り場をつくるスキルを高めていきましょう。
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複数業務を効率的にこなす
食品強化型ドラッグストアでは、医薬品販売に加え、青果・精肉・日配品など食品の品出しや補充を並行して行う必要があります。
食品は医薬品以上に鮮度・温度管理が厳しく求められるため、品質確認の手間が増えるのが一般的です。
さらにレジ対応や接客、在庫管理など複数の業務を効率よく進める力が重要で、タスク管理能力が大きく問われる働き方と言えるでしょう。
医薬品に限らずお客さまのためになれることが多い
食品強化型ドラッグストアでは、登録販売者として医薬品だけでなく、健康食品やサプリメントも含めた総合的なアドバイスができます。
日常の食生活や栄養バランスといった生活習慣の視点からも提案できるため、お客さまの健康全体を支える関わり方が可能です。
医薬品専門家として地域に根差し、より幅広い形で役に立てる点は、通常のドラッグストア以上に大きなやりがいにつながるでしょう。

食品強化型ドラッグストアで働いて、地域の健康を総合的に支えよう
食品強化型ドラッグストアは、食品の取り扱い拡大によって利便性や地域貢献のニーズに応えているのが特徴です。
多様な客層が利用するため、働く登録販売者にも多様な役割が求められるようになっています。
一般的なドラックストアとは違い、医薬品だけでなく食品・健康食品の知識や売り場づくりのスキルが身につくため、地域の健康を総合的に支える存在として活躍の幅が広がるでしょう。
チアジョブ登販は食品強化型のドラックストアだけでなく、全国の登録販売者求人を多数掲載しています。
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【執筆者】
チアジョブ登販編集部
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