登録販売者の働き方
2024-05-17
登録販売者の業務はレジばかり?理想の職場選び・資格を活かして働くために
・Before
・After
登録販売者の中には、「レジばかり担当していて資格を活かせていない」と感じる方も一定数いるでしょう。今回は、登録販売者にアンケートを実施し、レジ業務の実際を調査。登録販売者がレジばかりでつらいと感じる理由や、レジ業務だからこそのやりがい、つらいときの解決策・おすすめの転職先も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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登録販売者はレジ業務ばかり?つらい理由とは
ドラッグストアで働くうえで欠かせない業務の一つであるレジ打ち。
いざ店頭に立ってみると想像以上にレジ打ちをする時間が長く、つらいと感じてしまう方も多いでしょう。
まずはなぜそのように思うのか理由を整理していきます。
専門知識が活かされていない
登録販売者は、医薬品に関する専門知識をもっています。
しかしレジ打ちの時間が長いと、登録販売者として「専門性を活かした仕事ができている」と感じにくく、仕事のモチベーション低下にもつながりやすくなります。
とくにお客さまの来店が多い店舗では、レジに入る機会も増えるためその傾向が強くなるでしょう。
簡単そうに見えて責任重大
レジ打ちは、一見すると商品のバーコードを読み取り、お金のやりとりを行うだけの単純作業だと感じるかもしれません。
しかし、金銭のやりとりが発生する以上、その責任は重大です。
お客さまへお渡しするおつりの金額は正しいか、売り上げとレジ内の金額は一致しているかなど、確認すべき点は多岐にわたります。
お客さまの来店が多い店舗では、休む暇がないほどレジ業務が続くことも少なくありません。
ミスが発生しやすい状況で常に緊張感を途切れさせられない点に、ストレスやプレッシャーを感じることもあるでしょう。
クレーム対応の機会が増える
レジ業務はお客さまと1対1で関わるため、クレームをレジ担当者にいう方も少なくありません。
また、レジは店舗の入り口に設置されている場合も多く、お客さまにお声がけいただく機会も必然的に増えるもの。
「レジは店の顔」ともいわれます。
クレーム対応だけでなく、商品の場所を聞かれるなど受付のような役割も担う必要があるため、つらい、大変だと感じる場面も多くなるかもしれません。
このようにレジ業務は多忙で責任重大なことに加え、登録販売者資格を活かせていないと感じる場面もあり、やりがいを得られないことも。
とくに登録販売者としてお客さまとしっかり話したい、向き合いたいと考えている方は、レジ業務をつらく感じてしまう場合もあるかもしれません。
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チアジョブ登販で実施したアンケートをもとに、登録販売者の声をご紹介します。
実際に登録販売者として働いている方が、レジ打ちについてどう感じているのか参考にしてください。
Q.レジ業務と医薬品販売、1日のうちどちらの方が長く対応していますか?
レジ業務にあたる時間の方が長い | 65%(280人) |
---|---|
医薬品販売にあたる時間の方が長い | 14%(58人) |
どちらも同じくらい | 21%(90人) |
アンケートの結果を見ると、レジ業務にあたっている時間が多い登録販売者が多いことがわかります。
ドラッグストアなど、医薬品以外の日用品を購入するお客さまが多数を占める店舗だと、自然とレジ業務の割合が多くなる傾向に。
一方で、医薬品販売にあたる時間の方が長い・どちらも同じくらいと回答している方も全体の35%いるため、職場の業態や環境によって異なることがわかるでしょう。
Q.役職や雇用形態によってレジ対応をする頻度は違いますか?
パート・アルバイトの方がレジ対応が多い | 57%(244人) |
---|---|
正社員の方がレジ対応が多い | 4%(20人) |
役職・雇用形態関係なくレジ対応がある | 39%(167人) |
正社員とパート・アルバイトを比較すると、基本的にレジ対応が多いのはパート・アルバイトの方という結果になりました。
ただし、たとえ店長クラスや正社員であっても、時間帯によってはレジ対応を任される場合もあるため、一概に頻度が決まっているとはいえないでしょう。
Q.レジ業務ばかり続くとき、どう感じますか?
レジ業務は楽しい・苦ではない | 21%(80人) |
---|---|
レジ業務よりも医薬品販売に携わりたい | 51%(189人) |
就業前のイメージとギャップを感じた | 28%(106人) |
登録販売者といえば医薬品販売というイメージがあるため、ギャップを感じる方やもっと医薬品販売に携わりたいという方が多いです。
一方で、レジ業務を楽しいと感じる方もいます。
レジ業務が多いことに悩んでいる方は、後述するレジ業務のやりがいや、つらいときの解決策を参考にしてみてください。
Q.レジ業務ばかり続くとき、登録販売者資格を活かせていると感じますか?
登録販売者の専門性を活かせている | 25%(97人) |
---|---|
あまり専門性を活かせていると感じない | 75%(288人) |
ほとんどの方が、あまり専門性を活かせていると感じないと回答しています。
たしかに、資格を取得して専門的な仕事がしたいと思って登録販売者になった方にとって、レジ業務ばかりでは物足りなさを感じてしまうでしょう。
ドラッグストア以外にも、ホームセンターや調剤薬局など、レジ打ちが少なく資格を活かせる職場もあります。
環境を変えることで医薬品販売に携われる機会が増える場合があるため、転職するのもおすすめです。
レジ業務は登録販売者にとってやりがいもたくさん
- レジ=お客さまと1対1で話せる場所
- レジ対応中にも医薬品説明や健康相談ができる
レジ打ちに対して「忙しい・大変」というネガティブなイメージを持ったり、「レジは商品を購入してもらうだけの単純作業」と考えていたりする方も多いでしょう。
しかし見方を変えると、レジはお客さまと1対1で話せる貴重な場所です。
たとえば、お客さまが医薬品に関する相談をしたいときにスタッフを見つけられない場合、レジにいるスタッフがよい窓口になります。
また、レジはお客さまへ医薬品の説明や飲み合わせの最終確認ができる場でもあるのです。
登録販売者がレジにいることで、お客さまも安心して医薬品を購入できます。
レジ業務は忙しく責任も大きいですが、単に流れ作業のように行うだけではネガティブな気持ちは消えません。
レジに入るからには医薬品を販売する責任感を持ち、お客さまとコミュニケーションをとる意識が大切です。
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【登録販売者必見】レジ業務ばかりでつらいときの解決策
- 有資格者が少ない時間帯に勤務する
- レジ業務が少ない・発生しない職場に転職する
レジ業務ばかり任されてつらいとお悩みの登録販売者は一定数いるでしょう。
レジばかりでつらいと感じるときは、以下の解決策を試してみるのがおすすめです。
有資格者が少ない時間帯に勤務する
一般的に、実務経験や勤務年数が長いベテランの方が、医薬品の接客にあたる機会が多い傾向にあります。
そのため、先輩登録販売者や薬剤師がいる職場の場合、その方たちがあまり勤務しない時間帯にシフトを入れてもらうようにお願いしましょう。
有資格者が少ない時間に勤務することで、自身も接客に携わる機会が増える可能性があります。
ただし夜勤の場合は勤務人数が少なく、レジ対応が発生するケースがあることには注意が必要です。
まずは勤務先の上司に相談してみましょう。
レジ業務が少ない・発生しない職場に転職する
接客業である以上、レジ業務をゼロにするのは難しいため自分に合う職場に転職するのもおすすめです。
一般的に、ドラッグストアは来客数や取り扱う商品数が多く、レジ打ちに入る機会が多い職場と言えます。
一方で、調剤薬局や漢方薬局、介護施設や製薬会社などは比較的レジ対応が少ない、もしくは発生しない場合が多いです。
登録販売者が活躍できる職場はドラッグストアだけではないため、さまざまな求人に目を通してみましょう。
【レジ打ちが少ない】登録販売者におすすめの職場
- 医薬品担当者が少ない職場
- お客さまにじっくり向き合う接客を重視する職場
比較的レジ打ちが少ない、登録販売者におすすめの職場をご紹介します。
レジ打ちばかりでお悩みの方は、転職する際の参考にしてください。
医薬品担当者が少ない職場
スーパーやホームセンターといった医薬品を専門に取り扱う職場でない場合は、薬剤師や登録販売者などの医薬品担当者が少ない状況にあります。
これらの職場では、必然的に自分が医薬品に関する業務を請け負うため、レジ以外にもお客さまと向き合える機会が増えるでしょう。
一方で、医薬品担当者が自分ひとりになることも多いです。
医薬品の相談を受けたいお客さまが複数来店された場合、慌ただしくなることもあるでしょう。
また、たとえ休憩時間であっても呼び戻される場合があるため注意が必要です。
お客さまにじっくり向き合う接客を重視する職場
■漢方薬局
漢方薬局をはじめ、取り扱う商品が限られている職場では、お客さまとじっくり向き合えるのが特徴です。
ドラッグストアのように医薬品以外の商品を求めて来店されるお客さまは少ないため、レジよりもカウンセリングなどの接客業務に多くの時間を割けます。
さらに、従業員とお客さまの距離も近いため、自分が提案した商品によって症状が改善したなどの報告をしてもらうことも。
登録販売者としてのやりがいも感じやすいでしょう。
一方で、お客さまとじっくり向き合う分、医薬品や病気についての知識が求められます。
勉強不足ではお客さまの相談に対応できないため、知識をより深められるように励みましょう。
■調剤事務
登録販売者は基本的に、患者さまの受付対応やレセプト作成を行います。
処方箋の説明は薬剤師が行う場合が多いですが、一般用医薬品の取り扱いがある調剤薬局では、登録販売者が医薬品の説明を請け負う場合も多いです。
一方で、処方箋のみ取り扱う調剤薬局では、せっかく入社してもお客さまとお話しする機会を得られないこともあるため、事前に確認しておきましょう。
【レジ打ちがない】登録販売者が活躍できる職場
- 介護施設・訪問介護
- 製薬会社の営業
- テレフォンオペレーター
レジ業務が発生せず、お客さまとじっくり対話できる職場をご紹介します。
介護施設・訪問介護
介護利用者や家族に向けて、使用する医薬品の説明や飲み合わせのアドバイスなどを行います。
一過性の関係でなく、症状の経過を追っていくため、大きなやりがいを感じられることでしょう。
製薬会社の営業
MR(医薬情報担当者)として病院へ訪問し、医師や薬剤師などの医療従事者に自社で取り扱う医薬品の情報提供を行う仕事です。
取り扱う医薬品はほとんどが医療用医薬品であり、対面する相手も医療従事者ですが、「顧客に医薬品を説明する」点ではドラッグストアなどで働く場合と共通する部分も多くあります。
ビジネススキルなど一から覚えることもありますが、登録販売者はそもそも医薬品の知識があるため、即戦力として重宝されやすいでしょう。
テレフォンオペレーター
医薬品の通信販売を行う企業では、テレフォンオペレーターを採用している場合も多くあります。
お客さまに対して医薬品の説明を行うことに集中できるため、登録販売者資格を大きく役立てられるでしょう。
お客さまの不安を取り除くことができれば感謝につながる場合も多く、やりがいも感じられます。
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登録販売者が活躍できるドラッグストア以外の職場とは?
管理者要件を満たす登録販売者ならレジ以外も幅広く携われる
レジ業務ばかり続くことにお悩みの登録販売者は一定数いるでしょう。
その中で、管理者要件を満たしていない方は、まずは管理者要件を満たすのがおすすめです。
管理者要件を満たす登録販売者になると、下記のようなメリットがあります。
【登録販売者が管理者要件を満たすメリット】
- ひとりで医薬品販売ができるようになる
- 店舗運営業務に携わる機会が増える
- 将来的に店舗管理者やSV、本社職などへの昇進を目指せる
管理者要件を満たしていない段階では、「研修中の登録販売者」として勤務します。
正式な登録販売者でないとひとりで医薬品販売ができないため、レジや品出し業務に回される可能性も高くなるでしょう。
管理者要件を満たせば、店舗管理者を目指せる立場になります。
店舗管理業務がメインになれば、レジ業務の割合も減らせる可能性が。
さらに、管理者要件を満たした登録販売者は、SVや本社職へのキャリアアップも可能です。
管理者要件を満たすのはこんな人におすすめ!
- ドラッグストアで勤務したい
- 将来的なキャリアアップを目指したい
ドラッグストアで活躍したい方やキャリアアップを叶えたい方は、管理者要件を満たすことを目指しましょう。
登録販売者の管理者要件は、以前まで実務経験が2年以上必要でした。
しかし、2023年の改正で「1年以上」に短縮されたため、より多くの方が管理者要件を満たしやすくなっています。
今後登録販売者として活躍していきたい方は、ハードルが下がったこの機会に管理者要件を満たして店舗管理者を目指しましょう。
【参考】2023年改正の管理者要件(追加要件を分かりやすく抜粋)
- (ア)(イ)(ウ)をすべて満たす場合
(ア)過去5年以内に通算して「1年以上」かつ「累計1,920 時間以上」の実務経験があること
(イ)継続研修の受講をしていること
(ウ)店舗又は区域の管理及び法令遵守に関する「追加的な研修」を修了していること
- (ア)(イ)をすべて満たす場合
(ア)通算して「1年以上」かつ「累計1,920 時間以上」の実務経験があること
(イ)過去に、店舗管理者等として就業した経験があること (*期間に規定なし)
※参考:厚生労働省「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案について(概要)」
※実際の文章をかみ砕いて記載しています。
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レジばかりでつらい登録販売者は管理者要件を満たそう
せっかく登録販売者の資格を取得したのに、レジばかりだとつらく感じることもあるでしょう。
しかし、レジ業務をお客さまとのコミュニケーションがとれる大切な場と考えたり、シフト調整の依頼や職場を変えたり工夫をすると、つらい気持ちを払拭できる場合があります。
まだ管理者要件を満たしていない登録販売者は、まずは管理者要件を満たすために実務経験を積むのもおすすめです。
レジ以外の業務に携われる機会も増え、将来的なキャリアアップも目指せます。
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