登録販売者の働き方
2020-09-18
ドラッグストアの店長ってどんな仕事?仕事内容、求められるスキル
・Before
・After
ドラッグストアでの仕事は、お客さまへの接客やレジ、売り場づくりなどを行うイメージがあるはず。ゆくゆくは店長を目指して働きたいけど、店長になるとどのような業務を行うのかがイマイチわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。 今回は、ドラッグストアのキャリアアップの流れや仕事内容、必要なスキルについて解説します。今後のキャリアアップの参考として、本記事を役立てていただければ幸いです。
ドラッグストアに勤める場合のキャリアアップの流れ
ドラッグストアにスタッフとして配属されると、まずは販売スタッフとして売り場づくりや品出し、レジなどの業務を行います。店長として店舗を任されるようになるためには、日々の多忙な業務のなかで店舗運営に必要なスキルを身につけていかなければなりません。
まずは、お客さまと直に接しながら悩みやニーズを汲み取り、売り場や日々の接客などに反映させていくことで、お客さまとの信頼を構築する必要があります。
その成果は店舗の売上にあらわれ、やがて店長候補となり、店長へとキャリアアップできるでしょう。店長として実績を残すことで、エリアマネージャーやSV(スーパーバイザー)などさらなるキャリアアップを目指せます。
数あるドラッグストアのなかには、店長昇格試験や店長候補研修などを行っている場合も。そうした教育制度が整っている企業では、店舗運営に必要なマネジメント力を身につけるため、積極的に研修へ参加して自己研鑽をしていきましょう。
店長への昇進は、登録販売者資格があると優遇される?
ドラッグストアに勤務するうえで、登録販売者資格は必須ではありません。しかし、資格を取得していると、条件によってはキャリアアップに有利となるでしょう。
なぜなら、店舗管理者要件を満たす登録販売者は、店舗管理者になれるからです。店舗管理者とはその名の通り、店舗に勤務している薬剤師や登録販売者、そのほかのスタッフの監督や医薬品・医療機器などの管理業務を行う役割のことです。
店舗管理者は店長が務める場合が多いため、登録販売者資格をもっている方が有利に働くというわけです。
ドラッグストア店長は激務?仕事内容について解説
ドラッグストアは営業時間も長く、激務だというイメージもあるのではないでしょうか。店長の主な仕事は、店舗管理全般。もちろん、接客やレジ、品出し、売り場づくりなど一般のスタッフと同じ業務も行います。
そうした業務のほか、店長には店舗全体のことを考えた店舗運営、スタッフのマネジメントなどが求められます。ここでは、この2つの業務について詳しく解説します。
店舗運営
店長は、決められた予算や目標に応じた利益を出すことが求められます。より高い利益をあげるために、季節や地域に合った販促方法・販売戦略を考えます。
ここには売上だけでなく、人件費や消耗費などの経費も組み込まなければなりません。少しでも売上げをアップさせるために、常にアイデアや方法を模索し続けます。
また、在庫管理も店長の仕事です。発注量が多く在庫過多になると、商品の回転率が下がり売上げが低迷してしまいます。逆に発注量が少なすぎると、欠品を起こしてしまい、売り損じが生じることも……。
そうなればお客さまのニーズに答えられないため、客足も遠退きます。店舗経営は、予算や目標に応じた利益を追求し、販売戦略や商品管理を行っていく重要な業務なのです。
スタッフのマネジメント
店長になると、多くの従業員をまとめなければならない立場となるため、必然的に人員のマネジメントを行わなければなりません。店舗には、自分以外に約1~4人の社員とパートやアルバイトのスタッフがいます。事業者にもよりますが、社員は医薬品や化粧品など部門ごとの担当となります。
そして部門ごとの予算を達成するために目標を設定し、目標達成に向けて売り場づくりや販促のテクニックの指導を行います。社員の目標達成率やそれに至るまでの行動などを評価していくことも、店長の仕事です。
また、パートやアルバイトスタッフのシフトも店長が組みます。採用時にシフトを入れる曜日や時間は決まっている場合がほとんどですが、体調不良などで勤務できない日もあるでしょう。人件費にも予算があるため、人員の調節も大事な仕事のひとつなのです。
人員が十分な店舗なら店舗運営に力を注げますが、人員の少ない店だとそうはいきません。通常業務をこなしつつ、これらの店舗管理業務を行う必要があり、プレイングマネージャー的な役割を担います。
加えて、クレームなどのイレギュラー対応も必須。これだけ見ると、ドラッグストアの店長は激務に思えますが、近年では働き方改革も行われ、残業時間の軽減やサービス残業を行うと社内で罰則を受けるケースもあります。
大変な面もありますが、スタッフの成長や目標達成の喜びを実感できるため、やりがいも大きい仕事と言えるでしょう。
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ドラッグストアの店長に必要な資質やスキル
マネジメント力(指導力/コーチングスキル)
まず、店舗のサービスの質を向上し売上げを伸ばすには、スタッフ個々の能力を高めていく必要があります。そのためには、スタッフの長所や短所を理解し、得意なことを伸ばして成長させる「指導力」や「コーチングスキル」を身につけなければなりません。
「スタッフの指導が上手くいかない……」と悩む店長は少なくないでしょう。やみくもにスタッフを教育しても成長につながらないだけでなく、スタッフを定着させることも難しくなってしまいます。
スタッフは性格や思考などが個々に違います。円滑にコミュニケーションをはかり、スタッフの個性に合った指導を行わなければいけません。スタッフや社員との関係が良好だと、離職率も低下し、店舗にスタッフが定着するよい循環が起こります。
すると人員を育てるための人件費の軽減やサービスの質が向上し、利益の上昇が見込めるでしょう。
マーケティング力
店舗を運営していくために、日々の利益を追求することも大切な店長の仕事。売上げを伸ばすために、地域のお客さまの購入傾向を調査・分析する「マーケティング力」が必要です。
販促の方法や商品のラインナップ、価格設定などを分析し、新たな策を実行していく能力も求められます。
財務管理能力、その他
売上げだけ考えても、利益向上を目指すことはできません。「財務管理能力」も店長に求められる資質のひとつです。利益を追求するなかで、予算内の経費を上手く削減し、店舗を運営していく能力も必要となるでしょう。
そのほかにも、店舗の繁閑に合わせたスケジュール管理や適切な在庫管理など、店長としてスムーズに店舗運営を行うために必要なスキルは多岐にわたります。

店長の1日タイムスケジュール
<ドラッグストアAに勤める店長の1日>
本部やエリアマネージャーからの指示を確認。ならびに、レジの立ち上げやのぼりの設置、店頭に出す商品の陳列を行います。
業務の流れや本部からの指示、当日の売上げ目標などの必要事項をスタッフに伝達します。
商品入荷、品出し。この間にはお客さまへの接客も行います。
午後から勤務するスタッフへ必要事項を共有します。場合によっては、スタッフとミーティングを行ったり、メーカー様と商談や勉強会を行う場合も。
社員やパートスタッフの人材育成や指導を行います。また、同時に売り場で商品の補充や発注業務、売り場づくりなどを行います。
日報を作成し、営業報告をエリアマネージャーや本部に報告。本部からの情報をチェックし、遅番のスタッフに引き続きを行います。
接客やレジ、品出しなどの通常業務と店舗運営に関わる業務を並行して行い、退勤。
大変だけど、やりがいも大きい仕事
ドラッグストアの店長のもっとも大きな仕事は、日々の営業利益を追求していくこと。そのためには、店舗運営に関するマネジメント能力が求められます。もちろん、接客や売り場づくりなどの基本的なスキルは必要です。
しかし、それだけではなく売上や利益を伸ばしていくためのマーケティング力やメンバーへのコーチングスキルも重要視されることになるでしょう。
店長は、ほかのスタッフと同じように通常業務をこなし、店舗マネジメントも行わなければなりません。店舗のトップとしての責任も重くなるため、精神的な負荷はそれなりにかかる仕事でしょう。
しかし、目標を達成したときや部下の成長が見られたときの喜びはひとしお。やりがいはとても大きい仕事ですので、日々自己研鑽に励み、キャリアアップを目指してみてはいかがでしょうか。

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