登録販売者の働き方
2024-08-09
【登録販売者と調剤薬局事務】転職するならどっち?業務や資格の違いを徹底比較!
・Before
・After
登録販売者資格を持っている方にとって、主な就職先としてイメージする「登録販売者」と「調剤薬局事務」。転職活動を進める方の中には、どっちを目指せばよいか悩む場合もあるでしょう。そこで今回は、登録販売者と調剤薬局事務それぞれの役割や業務内容、必要な資格などを比較解説。どっちに転職するのがおすすめなのか、自分に合う職場選びのポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
【比較】登録販売者と調剤薬局事務の違い
登録販売者 | 調剤薬局事務 | |
---|---|---|
主に扱う医薬品の種類 | 一般用医薬品 | 病院から処方された医薬品 |
主な仕事内容 | 一般用医薬品の接客販売、レジ、品出し など | 処方箋の受付、会計、レセプト業務 など |
主な活躍の場 | ドラッグストア、調剤薬局、スーパー など | 調剤薬局 |
登録販売者と調剤薬局事務は、どちらも医薬品に関わる仕事ですが、扱う医薬品の種類や業務内容などに違いがあります。
登録販売者は、市販されている一般用医薬品(第2類・第3類)の販売やお客さまの健康支援などが主な業務です。
対して調剤薬局事務は、病院から処方された医療用医薬品を主に扱い、事務作業や薬剤師のサポートを行います。
働く際に必要な資格や将来的なキャリアパスにも違いがあるため、転職をお考えの方は2つの特徴と違いをしっかりと把握しておきましょう。
登録販売者とは【役割・仕事内容・資格について】
登録販売者とは、ドラッグストアなど一般用医薬品を扱う店舗で、第2類・第3類の一般用医薬品を接客・販売する仕事です。
薬剤師と混同しがちですが、扱える一般用医薬品の種類が異なります。
登録販売者が担う役割や主な仕事内容、代表的な活躍場所などについて、一つひとつ詳しく見ていきましょう。
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登録販売者の役割と主な業務内容
登録販売者は、お客さまの症状に合わせて適切な一般用医薬品を提案する薬のプロフェッショナルです。
ただ一般用医薬品を販売するだけでなく、使い方や使ううえでの注意点もあわせて指導します。
一般用医薬品には副作用や相互作用のリスクがあるため、状況によっては医療機関への受診をすすめることも必要です。
そのほか、レジ対応や品出し、売場づくりなどを担当する場合もあります。
【登録販売者の主な仕事内容】
- 一般用医薬品の販売
- 健康相談
- レジ対応
- 品出し
登録販売者の代表的な職場
- ドラッグストア
- 調剤薬局
- コンビニエンスストア・スーパーマーケット
- ホームセンター・家電量販店
- 漢方薬局 など
登録販売者の主な職場は、ドラッグストアや調剤薬局などです。
どの職場でも、基本的には一般用医薬品の販売と管理を担当します。
お客さまへ適切なアドバイスをするために、医薬品や疾病に関する知識が不可欠です。
最近ではコンビニエンスストアやスーパーマーケットでも、一般用医薬品の取り扱いが広がっています。
一般用医薬品を置いている店舗であれば、登録販売者の専門性を活かして活躍を目指せるでしょう。
登録販売者に求められる資格・スキル
登録販売者として働くには、試験に合格し「登録販売者資格」を取得する必要があります。
試験内容は、医薬品の基本的な知識や人体の働き、医薬品の作用、法規など非常に広範囲です。
実際の現場では、これらの知識に加えてコミュニケーション能力や顧客サービススキルも重要視されます。
登録販売者の平均給与
厚生労働省(厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET))によると、令和4年度の登録販売者の平均月収は約22.4万円です。
ただし、平均月収はあくまでも目安です。
大手ドラッグストアの場合は、上記よりも月収・年収が高い傾向にあります。
また、パートやアルバイトなどの非正規雇用よりも正社員の方が給与が高いです。
実務経験や専門的なスキルが評価されると、月収・年収が上がる場合もあります。
さらに給与をアップさせたい方は、店長やSVなどの役職を目指すのがおすすめです。
一般社員からキャリアアップすることで、50万~150万円程度の給与アップも見込めます。
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登録販売者のキャリアパス
- 店舗スタッフ
- 副店長(店長代理)
- 店長
- SV・エリアマネージャー
- 本社スタッフ(バイヤー、人事、教育、経理などの間接部門等)
登録販売者のキャリアパスは多岐にわたります。
一般的なキャリアパスは、ドラッグストアや調剤薬局で販売職からスタートし、店長(店舗管理者)を目指す流れです。
その後は複数の店舗を取りまとめるSVやエリアマネージャーを経験し、本部での商品管理や人事などへのステップアップを目指す流れが多いでしょう。
登録販売者としての専門知識を活かした職場変更や独立も可能です。
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登録販売者はこんな人におすすめ!
- 知識を深めるために日々勉強できる方
- 地域の人の健康維持や病気予防に貢献したい方
- コミュニケーション能力が高く、人と接することが好きな方
登録販売者は、一般用医薬品に関する深い知識を持つ方や、知識を高めながら働きたい方におすすめです。
資格を取得した後も、日々自分の知識を深めるために学んで努力できる方に向いています。
とくに、人々の健康維持や病気予防に貢献したい方は、登録販売者になると大きなやりがいを得られるでしょう。
また、登録販売者はお客さまと接する機会が多いため、コミュニケーション能力が高い方や人と接することが好きな方にも向いています。
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調剤薬局事務とは【役割・仕事内容・資格について】
調剤薬局事務は、調剤薬局で患者さまから処方箋を受け取ったり、会計を行ったりする仕事です。
事務・会計業務が主な仕事であり、場合によっては薬剤師のサポートを行うこともあります。
調剤薬局事務の役割や業務内容、求められる資格などをチェックしましょう。
調剤薬局事務の役割と主な業務内容
調剤薬局事務は、調剤薬局における受付・会計業務や医薬品の管理を行います。
患者さまから処方箋を受け取り、薬剤師が用意した薬の会計をするのが主な仕事です。
レセプトの作成や薬剤師の調剤作業をサポートすることもあります。
そのほか、保険証の確認や保険請求業務も担当。
調剤薬局の経営にも関わっているため、事務でありながら役割は大きいです。
【調剤薬局事務の主な仕事内容】
- 処方箋の受付
- 薬剤師のサポート
- レセプト作成
- 医薬品の管理
- 会計業務
調剤薬局事務の代表的な職場
- 調剤薬局
調剤薬局事務の代表的な職場は、地域に根ざした調剤薬局や病院内の薬局です。
登録販売者に比べると、代表的な職場の数は少ない傾向にあります。
しかし、地域住民と密接な関係を築けるケースもあり、大きなやりがいを得られるでしょう。
調剤薬局事務に求められる資格・スキル
調剤薬局事務は、無資格・未経験でも就業可能です。
「調剤事務管理士®」や「調剤情報実務能力認定試験」などの資格を持っていると、転職の際にアピールできます。
仕事では医薬品の基礎知識や調剤事務の専門的なスキルが求められるため、事前に勉強しておくとよいでしょう。
なお、登録販売者資格を持っている人が調剤薬局事務として働くことも可能です。
しかしこの場合、勤める会社・職場によっては「登録販売者の実務経験」は積めない可能性があるため要注意。
登録販売者の実務経験の対象になるかどうか、企業に直接確認することをおすすめします。
調剤薬局事務の平均給与
厚生労働省(厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET))によると、令和4年度の調剤薬局事務の平均月収は約18.8万円です。
ただし、月収はあくまでも目安であり、大都市圏では高く地方では低い傾向にあります。
また、経験や雇用形態、働く薬局の規模によっても給与水準は変化。
勤続年数が長くなるにつれて給与が上昇するケースが多いです。
なお、登録販売者が調剤薬局事務を務める場合、調剤事務と店舗業務を並行して行うことがあります。
給与は調剤薬局事務と同等になる可能性が高いため、正社員の場合はドラッグストアと比較してやや下がることが多いです。
調剤薬局事務のキャリアパス
- 各店舗の事務職
- 新人教育担当
- 本部スタッフ・総合職(主任・店長・エリアマネージャー等)
調剤薬局事務のキャリアパスは多岐にわたります。
初めは調剤薬局の事務職からスタートし、受付や会計など基本業務への理解を深めるのが一般的です。
その後、経験を積んだり専門的な資格を取得したりすることでキャリアアップの幅が広がります。
企業によっては、事務員→新人教育担当→マネージャー→本部スタッフといったキャリアアップも可能です。
いずれも常に最新の医療情報や薬学知識の習得が重要なため、向上心を持って業務に取り組みましょう。
調剤薬局事務はこんな人におすすめ!
- 仕事とプライベートを両立させたい方
- 医療事務の知識やスキルも習得したい方
- 細かい気配りや明るく丁寧な対応ができる方
調剤薬局は、ドラッグストアに比べて営業時間が短く、日曜・祝日が休みの店舗が多く見られます。
そのため、仕事とプライベートを両立させたい方にとって働きやすいと言えるでしょう。
また、医薬品の知識や資格があれば転職時にアピールできますが、仕事を通して専門知識を深めることも可能です。
未経験・無資格から専門的な仕事にチャレンジしたい方、医療事務の知識やスキルを習得したい方にも向いています。
さらに、調剤薬局事務は事務業務の割合が高いため、細かい作業が得意な方や明るく丁寧な対応ができる方におすすめです。
登録販売者と調剤薬局事務、転職するならどっちがいい?
仕事とプライベートを両立させたいなら「調剤薬局事務」がおすすめ
登録販売者と調剤薬局事務を比べた場合、将来的な需要やキャリアアップの幅を考えると「登録販売者」がおすすめです。
一方で、仕事とプライベートの両立を重視する方には、「調剤薬局事務」が向いています。
ここでは、登録販売者と調剤薬局事務それぞれに転職するメリットやおすすめの理由について詳しく解説します。
登録販売者への転職がおすすめの理由
- 専門知識を活かしてお客さまの健康をサポートできるから
- 転職先の選択肢が豊富だから
- 将来的な需要が増加しているから
- 理想に合わせてキャリアアップを実現できるから
登録販売者は、一般用医薬品に関する専門知識を活かして社会貢献ができます。
調剤薬局事務は就業先が調剤薬局に限られることが多いですが、登録販売者はドラッグストア以外にもホームセンターや家電量販店など就業先がさまざま。
転職先の選択肢が幅広いことも、登録販売者への転職がおすすめの理由のひとつです。
さらに、最近は高齢化社会の問題やセルフメディケーションの推進も影響し、登録販売者の需要が増加しています。
キャリアパスの選択肢の多さ、理想のキャリアアップを目指しやすいという観点から「登録販売者」への転職がおすすめです。
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調剤薬局事務への転職がおすすめの理由
- 仕事とプライベートを両立しやすいから
- 医療にかかわる現場で働けるから
調剤薬局は、一般的に日曜・祝日休みの店舗が多いです。
登録販売者の主な職場であるドラッグストアに比べて営業時間も短いため、仕事とプライベートのバランスをとりながら働きたい方には、調剤薬局事務への転職がおすすめです。
また、調剤薬局事務は、医療にかかわる現場で働ける仕事。
働きながら資格を取得したり知識を深めたりしたい方にも、調剤薬局事務への転職がおすすめと言えます。

登録販売者必見!自分に合う転職先を見つけるには
- 転職の軸や目的を決める
- 転職先についての情報収集をする
- 退職手続きも行う
- 信頼できる紹介会社に相談する
登録販売者は就業先が豊富な分、どうやって選べばいいか迷ってしまう場合もあるでしょう。
数ある職場の中から、自分に合う転職先を見つけるコツを解説します。
転職の軸や目的を決める
登録販売者として転職活動を始める際は、自身が転職するうえで譲れない「軸」や転職の目的を明確にすることが重要です。
転職によって叶えたいこと、自分が何を求めるかを考えてみましょう。
転職の軸や目的が明確になれば、自分に合う環境や勤務地、待遇などの条件を絞り込みやすくなります。
自分の価値観やキャリアプランに合致した職場を見つけることが大切です。
転職先についての情報収集をする
転職するにあたって、転職先の企業に関する情報を念入りに収集することが重要です。
自分に合う職場を見極めるためには、各企業の文化・福利厚生・働き方を理解する必要があります。
転職サイトや求人情報をチェックするだけでなく、面接の際に企業の方に質問するのもおすすめです。
よりリアルな声を確認したい場合は、口コミサイトで実際に働いていた方の意見もチェックするとよいでしょう。
【情報収集の際にチェックする主なポイント】
- 職場の企業規模
- 企業理念・方針・風土
- 福利厚生の内容
退職手続きも行う
内定をもらえたら、退職の意向を伝え、必要な書類の提出や後任の引き継ぎを行うなど、職場の規定に沿った退職手続きを進める必要があります。
退職手続きを滞りなく進められれば、新しい職場でのスタートが遅れることなく転職成功を目指せます。
職場によっては「退職日の◯カ月前に退職届を提出する」といった規則が定められている場合があるため、早めの確認・行動を心がけましょう。
信頼できる紹介会社に相談する
転職活動を進める際には、信頼できる紹介会社に相談するのがおすすめです。
専門的な知識を持つコンサルタントにサポートを依頼することで、一人ひとりに合った求人を紹介してもらえます。
履歴書や職務経歴書の添削、面接対策などのサポートも受けられるため、効率的に転職活動を進められるでしょう。
「チアジョブ登販」では、全国の登録販売者求人を多数掲載しています。
登録販売者専任コンサルタントが転職をサポートしますので、ぜひご相談ください。

登録販売者として活躍するために
- 接客スキルを磨く
- 常に最新の知識へアップデートする
- 実務経験を積んで店舗管理者を目指す
- 業務に役立つ関連資格を取得する
より現場で活躍できる登録販売者を目指すには、接客スキルを磨いたり知識をアップデートしたり、日々の努力が欠かせません。
また、一定の実務経験を積むことで、「研修中」から「管理者要件を満たす登録販売者」へステップアップできます。
管理者要件を満たせば携われる業務の幅やキャリアアップの選択肢が広がるため、早めに実務経験を積むのがおすすめです。
ほかにも、コミュニケーション能力を身につけたり、仕事に役立つプラスの資格を取得したりするなど、常に向上心を持って取り組みましょう。
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登録販売者と調剤薬局事務に関するQ&A
ここでは、登録販売者と調剤薬局事務に関する疑問をQ&A形式で解説します。
どっちに転職をするかお悩みの方はぜひ参考にしてください。
Q.登録販売者・調剤薬局事務と薬剤師の違いは?
登録販売者は、一般用医薬品のうち第2類・第3類のみ販売可能ですが、薬剤師はすべての医薬品を販売できます。
また、調剤を行えるのも薬剤師のみであり、就業には国家資格が必要です。
一方、調剤薬局事務は事務作業が中心で、資格取得は必須ではありません。
このように、登録販売者、調剤薬局事務、薬剤師はそれぞれ異なる役割と資格要件を持っています。
Q.登録販売者・調剤薬局事務と医療事務の違いは?
調剤薬局事務は主に調剤薬局で業務を行いますが、医療事務は病院やクリニックなどの医療機関が主な就業先です。
医療事務は事務業務に加えて、レセプト(診療報酬明細書)作成やクラーク業務なども行います。
医療事務も無資格・未経験で就業できる場合がありますが、「メディカルクラーク®️」や「診療報酬請求事務能力認定試験」などの資格があると、転職時にアピールできるでしょう。
なお、医療事務は登録販売者とは異なり、医薬品販売には携わりません。
登録販売者、調剤薬局事務、医療事務についても、担当する業務の範囲などが異なります。
Q.登録販売者と調剤薬局事務の資格はどう勉強するとよい?
登録販売者と調剤薬局事務どちらの資格も、通信講座や市販の書籍による独学で取得を目指せます。
勉強に割ける時間や費用、生活スタイルに合わせて、自分に合った方法で学ぶのがおすすめです。
業務内容や役割の違いを知り、登録販売者として転職を目指そう
登録販売者と調剤薬局事務は、業務内容や必要な資格、代表的な就業先などが異なります。
どちらも医薬品を扱う仕事ですが、職場における役割は異なるため、自分に合う転職先を選びましょう。
例えばさまざまなキャリアパスを考えてみたい方は、登録販売者への転職がおすすめです。
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登録販売者として活躍したい方、自分に合う職場に転職したい方は、お気軽にご相談ください。

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