現場で役立つ知識
2020-03-16
登録販売者に必要な知識とは?医薬品の知識以外には何が必要?
・Before
・After
登録販売者は一般用医薬品の販売を主な業務とする専門職ですが、お客様に商品を販売する接客業でもあるため、医薬品以外の分野についてもさまざまな知識やスキルが要求されます。 そこで今回は、登録販売者に欠かすことのできない医薬品の知識をアップデートする方法や、医薬品以外の分野で必要とされる知識やスキルについて解説します。 登録販売者という職業についてよく知りたい人、医薬品販売以外の業務をすることに疑問を感じている人は、ぜひ参考にしてみてください。
登録販売者の主な仕事内容
登録販売者に必要な知識を得るためには、まず仕事内容について理解する必要があります。
主な仕事は医薬品の販売
登録販売者の主な仕事は、医薬品に関する専門知識を活かして第2類医薬品・第3類医薬品を販売することです。しかし、実際の業務は医薬品の販売だけではありません。
セルフメディケーション(一般用医薬品などを活用して健康の自己管理をおこなうこと)の浸透にともない、サプリメントの利用や食生活・運動に関するアドバイスなど、さまざまな角度からお客様のサポートをおこなうことが求められています。
就業場所によって異なる仕事内容
就職先によっても、仕事内容は異なります。ドラッグストアやコンビニエンスストアなどでは、医薬品の販売だけではなく店舗スタッフとしての業務も担当することが多いので、商品の品出しやレジ打ちなどもこなさなければならない場合がほとんどです。また、正社員の登録販売者の場合、パートやアルバイト従業員のマネジメントにも携わることがあります。
調剤薬局の場合は、一般用医薬品の販売・管理だけではなく、処方せんの受付や調剤補助、レセプト*入力といった調剤薬局事務の仕事も担当します。
*レセプト:健康保険の保険者に診療報酬を請求する診療報酬明細書のことです。処方せんの内容や調剤に関する技術料などをコンピューターに入力して、請求に必要なデータを作成することを「レセプト業務」と呼びます。
知識不足はすぐに解消!登録販売者に必要な医薬品の知識をアップデートする手段
医薬品の知識が不足していると、登録販売者としての職能を発揮することができません。そこで、現役の登録販売者が実践している知識のアップデート方法をいくつかご紹介します。
外部研修の受講
一般用医薬品の販売に従事する登録販売者は、年に12時間以上の外部研修の受講が義務とされています。外部研修は厚生労働省のガイドラインに沿って実施されますが、医薬品メーカーや薬剤師による講義では、販売現場ですぐに役立つ実践的な知識を得られることが多いです。
販売業に従事していない登録販売者や離職中の登録販売者は外部研修の受講義務がありませんが、知識不足や知識の劣化を防ぐためには積極的な参加が望ましいでしょう。
各所から発表される最新情報を能動的に入手する
医薬品などに関する最新情報を能動的に入手する方法としては、下記の方法があります。
- 製薬会社や医薬品メーカーからの商品リリース情報を活用
- メディアを利用(医薬専門サイト・大手ニュースサイト・厚生労働省ウェブサイト・医薬品メーカーの公式サイトなど)
- 医療系専門のものに限らず新聞・雑誌などの活用
メディアによっては、会員登録をするとメールが定期的に送られてくるものもあるので、上手に利用して常に最新情報を入手できるようにしておくと便利です。
登録販売者に求められる医薬品以外の知識・スキル
登録販売者として働く際には、医薬品の知識だけではなく、接客スキルや売場づくりのノウハウ、さらにはマネジメントスキルなども求められることがあります。
接客スキル
登録販売者は、医薬品に関する正しい知識を活かして、お客様の相談や悩みに応えなければいけません。そのためには、難しい専門用語ではなく、理解しやすい言葉で間違いのない情報を提供する必要があります。また、ときにはお客様の言葉や表情・態度などから隠れたニーズを探り当て、生活背景などにも配慮した提案が必要とされることもあります。
このような登録販売者としての接客スキルは、適切な医薬品の販売に欠かすことはできません。また、丁寧で親切、安心感を得られる接客は、クレームを防ぐことにも役立つでしょう。
ポップの作成など売場づくりのためのノウハウ
医薬品は商品数が非常に多く、また新商品も次々発売されます。一方で、使い方を誤れば生命に思わぬ影響を与えるおそれもあるため、正しい情報を伝えるために知識のアップデートが欠かせません。
このようなことから、新しいことに興味が持てる人、積極的に知識を向上させようとするモチベーションの高い人、知識習得のために能動的な行動ができる人は、登録販売者に「向いている」といえます。
【向いていない人】登録販売者資格を取るだけで満足してしまう人
登録販売者は、一般用医薬品の販売に従事する専門職です。そのため、商品の売上アップに貢献することも、登録販売者に期待されることの一つといえます。
例えば、お客様が手に取りやすい場所に季節商品や販売強化商品を配置したり、商品の特徴や選び方のコツなどをポップで示したりすることも、登録販売者の重要な業務です。商品の売上変化にいち早く気づき、ニーズを先取りした売場づくりをすれば、売上増加にも貢献することができます。
「売場づくりは医薬品販売を専門とする登録販売者の仕事ではない」と考える方もいますが、登録販売者だからこそできる売場づくりもあります。これらの業務は商品のマネジメントにも役立つものなので、人任せにしないで積極的にかかわり、スキルアップを目指しましょう。
マネジメントのスキル
正社員や店長、あるいは店舗管理者となれば、商品の在庫管理や売上管理、従業員のシフト管理や指導など、店舗運営にかかわる業務も担当することになります。そのため、マネジメントスキルも登録販売者にとっては重要なスキルの一つといえます。
就職したばかりの登録販売者や研修中の登録販売者が、いきなり店舗のマネジメント業務を任されることはほとんどありません。しかしキャリアアップを目指すのならば、マネジメントスキルの習得は欠かせません。近い将来、自分自身が店舗管理者としてマネジメント業務をおこなうことを意識し、日々の業務に携わるようにしましょう。
まとめ
登録販売者は、一般用医薬品の販売にかかわる専門職です。登録販売者に必須である医薬品の知識は、外部研修やさまざまなメディアを活用することでアップデートすることができます。しかし、登録販売者に要求されるのは医薬品の知識だけではありません。
お客様のニーズを把握して正しい情報を提供する接客スキル、売上アップにつながるポップ作成など売場づくりのノウハウ、そして、店舗管理者として店舗の運営を任された際に役に立つマネジメントスキルなど、さまざまなスキルが必要とされます。これらのスキルは、キャリアアップにも欠かせないものなので、「医薬品販売に関係ない」とおざなりにするのではなく、積極的に習得するようにしましょう。
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