登録販売者の働き方
2025-09-26
登録販売者がドラッグストアで正社員として働くには?仕事内容・年収・転職のコツを解説
・Before
・After
「ドラッグストアで正社員の登録販売者として働きたいけれど、どうすればいいの?」「転職のため、正社員の給料や働き方の実態が知りたい」そんな疑問を持つ方に向けて、登録販売者の正社員としての働き方や年収、転職のポイントを解説します。成長を続けるドラッグストア業界の最新動向や、転職成功のコツまで網羅しているので、転職を検討している方はぜひ参考にしてください。
ドラッグストアで働く登録販売者(正社員)の仕事内容とは?
登録販売者としての業務は以下のような内容が中心です。
・一般用医薬品(第2類・第3類)の販売と説明
・在庫管理・発注業務
・接客・レジ対応
・店舗の衛生管理
・スタッフの教育やシフト管理(店長・副店長クラス)
パート・アルバイトと比較した場合、正社員は長時間勤務を前提に、店舗全体のマネジメントや後輩育成など、より責任のある業務を任されます。
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ドラッグストアで働く登録販売者(正社員)の給料・年収はいくら?
厚生労働省の職業情報提供サイトによると、登録販売者全体の平均年収は369.4万円で、手取り額は280万~300万円程度と考えられます。
ドラッグストアで働く登録販売者(正社員)の給料を、「チアジョブ登販」掲載の求人情報を基に算出すると、年収320~478万円、月収19~35万円が相場です。
手取りでは、239~371万円程度となります。
正社員と非正規社員の待遇の違いを、以下にわかりやすく一例で紹介します。
正社員 | 非正規社員 (アルバイト・パート) | |
支給形態 | 月給制 | 時給制 |
ボーナス・昇給 | 賞与年2回、昇給1~2回 | 基本なし、あっても少額 |
手当の違い |
| 登録販売者資格手当のみ (正社員より低額なこともあり) |
福利厚生 | 社会保険完備、有給休暇、育児・介護休暇などが充実 | 勤務時間によっては社会保険に加入できず、有給休暇取得にも制限あり |
収入の安定性 | 契約も安定的で収入の見通しが立てやすい | シフト制+時給制のため、収入変動が大きい |
正社員の登録販売者は、時給制ではなく月給制で安定した収入と賞与が得られ、豊富な手当と福利厚生による働きやすさが魅力です。
キャリアアップで店長やSV(スーパーバイザー)などの役職に就けば、年収500万円以上も狙えます。
非正規社員は給料が時給制で変動しやすく、手当やボーナスが限られるため、安定性と長期的なキャリアを重視する場合には正社員での働き方が望ましいでしょう。
▼参考サイトはコチラ
職業情報提供サイトjobtag『医薬品販売/登録販売者』
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ドラッグストアで正社員として働くメリット・デメリット
次に、ドラッグストアで正社員として働くメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット
ドラッグストアで正社員の登録販売者として働く場合、経済的およびキャリア面で多くのメリットがあります。
●資格手当が支給される
正社員は月5,000円~1.5万円の手当が支給されることが多く、年収アップにつながります。
●収入が安定しやすい
賞与や昇給制度が整っているため、収入が安定しやすいのもメリットです。
社会保険完備や育児・介護休暇などの福利厚生の充実も魅力と言えます。
●キャリアアップの選択肢が多い
正社員には、店長やエリアマネージャー、SV、本社職などへの道が用意されています。
登録販売者の資格は永続的に有効なため、出産・育児後に復職しやすい点もポイントです。
デメリット
一方で、いくつかのデメリットも存在します。
●勤務時間が不規則
まず挙げられるのは、勤務時間が不規則になりやすい点です。
多くのドラッグストアは朝早くから夜遅くまで営業しており、4~12時間勤務の変形労働制での就業が基本です。
出勤時間が日によって変動するのは珍しくありません。
24時間営業の店舗では深夜勤務が発生する可能性もあり、生活リズムが乱れやすく、体調管理が難しくなることもあるでしょう。
こうした状況を改善するため、1日の勤務終了後、翌日の始業時間までに一定時間以上の休息時間を設ける「勤務間インターバル制度」を導入している企業もあります。
●業務内容が多い
業務内容の多さが負担になるケースもあります。
登録販売者は医薬品の販売や説明だけでなく、品出し、在庫管理、レジ対応などのさまざまな業務をこなさなければなりません。
店舗によっては、長時間労働に陥るリスクもあります。
●精神的なストレスを感じやすい
責任を感じる場面が多いと、心身の負担が大きくなることもあるでしょう。
接客やクレーム対応などで、精神的なストレスを感じやすい点も正社員として働くデメリットの一つと言えます。
ドラッグストアで正社員になる方法
ドラッグストア業界は2024年度に売上高10兆円を突破し店舗数が増加傾向にあるうえ、登録販売者もセルフメディケーションの推進などを背景にニーズが高い職種のため、正社員になるのは難しいことではありません。
ドラッグストアで正社員になるには、大きく分けて2つの方法があります。
・転職で正社員の中途採用に応募する
現在の職場で正社員登用を目指す
アルバイトやパートとしてドラッグストアに勤務している方が正社員を目指す場合、職場の正社員登用制度を活用すると良いでしょう。
企業によっては、一定の勤続期間や業務評価、上司の推薦を条件に、年に1回程度の頻度で登用試験を実施しています。
まずは勤続年数を満たし、登録販売者としての実務スキルや接客力などを磨きましょう。
マネジメント能力や店舗運営に関する知識を身につけ、売上や人材育成などの面でも貢献できる人材であることをアピールすると、評価が上がりやすくなります。
転職で正社員の中途採用に応募する
登録販売者の資格をすでに持っており、実務経験がある場合は、中途採用で正社員を目指す方法もあります。
大手ドラッグストアのチェーン店を中心に、登録販売者の募集は通年で行われているため、転職先がなく困ることはないでしょう。
求人情報を確認する際には、雇用形態が正社員であること、勤務地や勤務条件が希望に合っていること、登録販売者手当や賞与などの待遇が明示されていることなどをチェックすると後悔のない転職を実現できます。
チアジョブ登販では、正社員登用ありの求人も多くご紹介しています。
気になる方は、ぜひ一度コンサルタントへご相談ください。
▼参考サイトはコチラ
薬事日報『ドラッグストア「25年10兆円産業化」』
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登録販売者として正社員を目指す際の転職のコツ
登録販売者が正社員を目指すときに意識したいポイントを3つ紹介します。
1.資格の有無や実務経験を明確に伝える
ドラッグストアの正社員になるには、登録販売者資格と実務経験が重要です。
実務経験が1年以上あると「管理者要件を満たしている可能性が高い」と判断され、採用率も上がります。
さらに店舗管理者として、シフト作成やスタッフ指導などのマネジメント経験をアピールするとより採用されやすくなります。
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【2025年】登録販売者に求められる実務経験は?管理者要件を満たす方法を解説
2.転職活動の事前準備を念入りに行う
アルバイトやパートと比較し、正社員での採用面接はハードルが高くなります。
転職成功のためには、以下のような事前準備が欠かせません。
・転職期間・スケジュールを立てる
・自己分析をする
・企業分析をする など
とくに転勤や夜間勤務の可否など、ライフスタイルに合わせた勤務条件を整理しておくことが重要です。
事前準備や職場選びについては、下記記事で詳しく解説しています。
登録販売者のかしこい転職方法とは?主な就職先・職場選びのコツについて
3.研修制度やキャリアアップ制度を比較
転職後に正社員としてキャリアアップを目指すなら、中長期的な成長を見据えて就業先を比較検討しましょう。
企業によっては、OJTやeラーニング、店長候補研修など、キャリア支援が充実している場合もあります。
正社員での転職では、転職コンサルタントに相談するのがおすすめです。
登録販売者の業界に詳しい転職コンサルタントであれば、自分に合う条件の非公開求人を紹介してくれたり、面接対策や履歴書添削のサポートを受けられたりするため、効率良く転職活動を進められます。

ドラッグストアで働く正社員のキャリアパス
登録販売者として正社員で働く場合、将来的にはマネジメント職や本社業務なども含めたキャリアアップを目指すことが可能です。
ここでは、3つのキャリアパスを紹介します。
店舗管理者になる
登録販売者としてキャリアを積むと、次のステップとして店舗管理者(店長)になる道が開かれます。
スタッフのシフト管理、売上・在庫管理、スタッフ教育など店舗運営全般を行う役職です。
店舗管理者になると、店長手当が加算され、年収は実務経験により50~150万円程度増加する可能性があります。
アルバイトやパート勤務では、多くの場合、管理職の候補にはなりづらく、店舗の運営権限は限られる傾向にあります。
SV・エリアマネージャーを目指す
店舗管理者として一定の実績を積むと、SVやエリアマネージャーといった役職を目指せます。
これらは複数の店舗を統括する立場であり、店長のマネジメントやスタッフの育成、エリアの売上管理、業績向上のための施策など、より広い視点で組織運営を行います。
現場経験とともに、コミュニケーション能力や数値分析力、リーダーシップが強く求められる役職です。
本社職を目指す
本社職へのキャリアパスも選択肢となります。
教育担当として新人研修や店舗支援を行う職種、商品開発や仕入れ管理、店舗開発、人事・労務など多様な分野が存在します。
本社職では、店舗勤務とは異なり、戦略立案に関わる場面が多く、組織全体への影響力を持つ仕事を行うことが可能です。
部署によっては土日休みだったり、自分でシフトを作れたりするため、働き方の選択肢が広がるのも特徴でしょう。
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登録販売者の働き方に関連するQ&A
最後に、登録販売者の働き方に関するよくある質問にお答えします。
Q.ドラッグストアの正社員の仕事はきついですか?
前述の通り、販売や接客、在庫管理、スタッフ教育など幅広い業務を担当する必要があるためです。
シフト制で早番、中番、遅番があるため、生活リズムが不規則になりやすい点を負担に感じる方もいます。
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Q.未経験でも正社員になれますか?
ただし、実務経験者が優遇される傾向にあります。
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Q.ドラッグストアの正社員は何歳まで働けますか?
定年後に継続して働ける「再雇用制度」を取り入れている企業もあります。
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登録販売者としてドラッグストアの正社員を目指すために押さえておきたいこと
登録販売者としてドラッグストアで正社員になるには、登録販売者の資格取得と実務経験の積み重ねが必要です。
店舗管理者要件を満たすことで応募の幅が広がり、キャリアアップも目指しやすくなります。
仕事内容や年収、働き方を理解したうえで、自分に合った職場を見極めて転職を成功させましょう。
「チアジョブ登販」では、ドラッグストア業界に特化した正社員求人を多数紹介しており、転職支援の実績豊富なキャリアアドバイザーが、あなたの希望に合った企業をご提案します。
転職やキャリアアップを考えている方は、ぜひご相談ください。
【監修者プロフィール】
監修者:チアジョブ登販 転職コンサルタント
登録販売者に特化した『チアジョブ登販』で転職コンサルタントとして、日々求職者のサポートを実施。面談では求職者のニーズや経験、実績を基に転職先の提案や、応募書類の書き方、面接のコツなど役立つ情報を提供しています。
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